博報堂「インバウンド・マーケティング・ラボ」、春節期における訪日中国人観光客の消費行動やいかに?
とても旧聞に属する話題ですが、7月10日に博報堂から「インバウンド・マーケティング・ラボ」、春節期における訪日中国人観光客の消費行動に関する調査結果が公表されています。pdfの全文リポートもアップされています。博報堂が今年の春節期における東アジア4地域(中国・韓国・台湾・香港)の訪日観光客のインバウンド消費行動調査「IMBA (Inbound Marketing Breakdown Analyzer)」を実施し、調査結果のうち、訪日中国人観光客の消費行動分析の一部を公表しています。まず、博報堂のサイトから調査結果の特徴を5点引用すると以下の通りです。
中国人観光客のインバウンド消費の特徴
- 訪日中の消費額は、20万円-40万円が多い。
- 訪日前に購入商品を決定している人が7割程度。買い物リストは訪日前に作られている。
- 7割が自分用に購入。普段から使っているものを購入し、継続的に使用している。
- 購入に寄与した情報でも「日本ならではの商品」であることよりも「日本で買うと安い」が多くのカテゴリーで重視される。
- 商品購買決定に強いサイトはECサイトや旅行情報サイトなど。いずれも日本限定のメディアではなく、一般生活者が訪日観光、訪日中に買物をした経験を踏まえたコメント等が情報源。
ということで、ネット調査ですから、それなりのバイアスはあるんでしょうし、私が知らないだけで、アチコチでインバウンド消費については分析されているんでしょうが、pdfの全文リポートから図表を引用しつつ、簡単に紹介しておきたいと思います。

まず、上のグラフは訪日中の消費額なんですが、見ての通りツイン・ピークスになっていて、円換算で20-25万円と30-40万円がヒストグラムのピークを形成しています。大雑把に見て、20-40万円というところでしょうか。グラフ下の参考に台湾・韓国・香港が付記してありますが、中国からのインバウンド観光客の消費額はかなり多い印象を受けます。

次に、上のグラフは購入商品の決定タイミングなんですが、訪日前に70%超がすでに買おうと決めていたものを買っている印象です。性別に見ても、女性の方が訪日検討前に決定していることが多いものの、男女ではその傾向に大きな差異は見られません。ただ、さすがに、ファッション製品などは訪日前に決めている割合が低くなっています。分かる気がします。また、グラフは引用しませんが、全体で約7割が自分用、約4割がお土産用のようです。合計が10割を超えるのは、自分用かつお土産用という買い物があるんだろうと思います。

ということで、訪日前の買い物の決定が少なくないことから、上のグラフは訪日前商品購買決定者の活用メディアと訪日中商品購買決定者の活用メディアをプロットしています。検索エンジンはもとより、上位に入っている「天猫」というのは中国のECサイトらしいんですが、自国の親族・知人というのも口コミだけでなくSNSやブログなども入っているようで、それなりにネット情報の重要性が表れているような気がします。もちろん、訪日後では店頭スタッフやPOPなどもそれなりに活用されているようです。
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