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2015年8月31日 (月)

今日公表の鉱工業生産指数から見て日本経済は踊り場を脱したか?

本日、経済産業省から7月の鉱工業生産指数 (IIP)が公表されています。ヘッドラインの鉱工業生産は季節調整済みの前月比で▲0.6%減の減産となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の鉱工業生産、0.6%低下 スマホ部品落ち込む
基調判断「一進一退」に据え置き

経済産業省が31日発表した7月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比0.6%低下の97.7だった。低下は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.0%で、市場予想を下回った。スマートフォン向けの電子部品や企業向けのパソコンなどの落ち込みが響いた。経産省は生産の基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。
7月の生産指数は15業種のうち10業種が前月から低下し、5業種が上昇した。アジアでスマートフォンの生産が一服していることを受け、電子部品・デバイス工業が3.7%低下した。前月まで好調だったパソコンなどの情報通信機械工業も8.4%低下した。化粧水などの化学工業や橋梁等の金属製品工業は前月から上昇した。
出荷指数は前月比0.3%低下の96.3だった。在庫指数は0.8%低下の113.7、在庫率指数は1.1%低下の112.2だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、8月は前月比2.8%上昇、9月は1.7%の低下を見込む。経産省は最終需要材に持ち直しの兆しが出てきたものの、依然として在庫調整圧力が強いとみている。

短いながら網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。もっとも上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、まん中は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷、一番下は製造工業全体とそのうちの電子部品・デバイスの在庫率です。下のパネルでは左右でスケールが異なっており注意が必要です。なお、いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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私がいつも参照している日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、7月の生産は6月からほぼ横ばいというものでしたので、これだけのマイナスは少しサプライズではないかと受け止めています。先月6月の速報段階で+0.8%(その後、確報で+1.1%に上方改定)の増産が公表された際、このブログでは7月30日付けのエントリーで「生産の停滞はまだ続いており、6月統計をもって抜け出したとは考えられない」と指摘しましたが、引用した記事にもある通り、製造工業生産予測調査で8月が+2.8%の増産が見込まれているとしても、9月は再び▲1.7%の減産ですから、引き続き、日本経済の踊り場的な状況が確認されており、まだ本格回復には時間がかかる可能性が示唆されている、と私を含めた多くのエコノミストが感じているんではないかと受け止めています。
上のグラフについて見ると、一番上のパネルの生産は統計作成官庁の経済産業省の基調判断の通り、まさに一進一退であり、今年1月の指数を別にすればほぼ横ばい基調に見えます。まん中の資本財と耐久消費財の出荷についても従来のトレンドの継続、すなわち、資本財は緩やかな増加、耐久消費財は消費増税ショックの時期あたりから下落に転換、といったところでしょうか。今月だけ従来になく付け加えた在庫のグラフについては、世間一般では生産と出荷が一進一退の中で在庫調整は着実に進展しており、特に今月は在庫率が▲1.1%減と2か月連続で在庫圧縮が進んだ、との受け止めが少なくないようですが、私はこの在庫については少し注意が必要だと考えています。というのも、上のグラフの中の一番下のパネルに見るように、青いラインの製造工業の在庫率は確かに低下して在庫調整が進んでいるように見えるんですが、それなりに若い産業で在庫変動が明確な電子部品・デバイスの赤いラインを見ると、まだまだ在庫が積み上がっているのも事実です。電子部品・デバイスも含めた製造工業全体で見るのが正しい統計の見方かもしれませんし、世界的なシリコン・サイクルの影響も十分に考えられますが、今月の鉱工業生産指数を見る上での第1のポイントはこの在庫率の見方だろうと私は考えています。すなわち、私は世間一般よりも在庫調整の進展には懐疑的です。そして、第2のポイントは製造工業生産予測調査です。この調査は経験的に上振れする、というか、実績がこの調査結果を下回る傾向があり、8月に大きなプラスが示されていて、おそらく、プラスの増産であることは間違いなさそうな気もしますが、ここまでの大きさかどうかは疑問です。ややバイアスをもって見ておく必要がありそうな気もします。

年央くらいで我が国経済の踊り場は終了するとの、やや楽観的な見方が否定されつつあり、本格回復・拡大に向かうにはもう少し時間がかかる、との見方がされるようになっています。国内要因としては生活実感に基づく物価の上昇に追いつかない所得、海外要因としては新興国経済の低迷と中国を震源地とする金融市場の動揺が上げられます。来月9月から米国の利上げは始まるんでしょうか?

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2015年8月30日 (日)

先発岩崎投手が4回に大崩れしてヤクルトにボロ負け!!

  HE
ヤクルト000710030 11140
阪  神100000034 8131

終盤に追い上げたものの、先発岩崎投手が大崩れしてヤクルトにボロ負けでした。夏休み8月最後の土日はヤクルトにコテンパンに打ち込まれました。
相変わらず打線は決定力なく、ヤクルト14安打に対して阪神は13安打なんですが、今夜は特に併殺打が目立ちました。クリンナップの両外国人選手は、試合がほぼ決定的な点差に開いてから急に打ち出した気がしますが、次の広島戦につながるんでしょうか?

9月になってツキがかわれば、
がんばれタイガース!

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週末ジャズは桑原あい「ラブ・テーマ」を聞く!

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週末ジャズは桑原あいの4枚目のアルバム「ラブ・テーマ」です。ジャケットが私には少しキモいんですが、ライナー・ノーツの写真と見比べるように出来ていて、私がそれを理解していないだけかもしれません。それはさておき、まず、曲目構成は以下の通りです、

  1. Amapola - Deborah's Theme (from "Once Upon A Time In America")
  2. Here There and Everywhere
  3. Finale (Tango Apasionado)
  4. In Your Own Sweet Way
  5. Nomad
  6. Barry Lyndon (Love Theme) (from "Barry Lyndon")
  7. 21st Century Schizoid Man
  8. Peace
  9. Grandfather's Waltz
  10. A Journey to Reedham

大きな聴きどころのひとつがジャズファンには聞き慣れたスタンダード曲を桑原あいがフーガ調にアレンジしている点で、ジャズのスタンダード以外にも、キング・クリムゾンの往年のヒット曲である9曲目の「Grandfather's Waltz」とか、オリジナルの曲構成だった今までの桑原あいのアルバムから一転して、ジャズのスタンダードを含めたカバー・アルバムとなっています。しかも、全曲ファースト・テイクで収録を終えたと伝えられています。
キース・ジャレットのソロ・コンサートなどの一部の例外を別にすれば、ライブはもちろんのこと、数曲を収録するアルバムであるならスタンダード曲も何曲か含めるべきではないか、と私は考えているんですが、最近の日本人のジャズ・ピアニストではその筆頭と目すべき小曽根真や女性ピアニストでは山中千尋と上原ひろみ、すなわち、かなりのトップクラスのピアニストでなければスタンダードをアルバムに収録せず、全曲オリジナルでアルバムを固めているピアニストも少なくありません。スタンダード曲を収録すると、ついつい先達の演奏と比べられる可能性はあるわけで、例えば、このアルバムの4局目の「In Your Own Sweet Way」について、私はウォークマンにも入れているケニー・ドリューの演奏とついつい比べてしまい、大リーグと高校野球、それも県予選の準々決勝前ぐらいの差があると感じましたが、事実、桑原あいとケニー・ドリューではそれくらいの差がありそうな気もします。でも、ジャズなんですから、そのピアニストなりの解釈を楽しめればいいんではないでしょうか。
なお、下の動画はYuoTubeにアップされているトレイラです。

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2015年8月29日 (土)

終盤に投手陣が大崩れしてヤクルトにボロ負け!!

  HE
ヤクルト100000052 8100
阪  神100001002 4100

中盤までは競った好試合だったんですが、終盤に阪神投手陣が大崩れしてヤクルトにボロ負けでした。相変わらず、打線はヤクルトと同じ10安打なんですが、何せ決定力に欠ける打線ですから、相手チームの何倍もヒットを打たないと勝てないんですかね。逆から見れば、投手陣が相手チームを抑え込まないとダメなのかもしれません。

8月最後の日曜日に、
がんばれタイガース!

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今日は下の倅の誕生日!

今日は下の倅の誕生日です。高校2年生、17歳です。
下の写真はお誕生日のごちそうの焼き鳥をパクつく子供達です。左が誕生日の下の倅です。

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今週の読書は日本経済研究センターの『激流アジアマネー』ほか、高嶋哲夫『富士山噴火』など

今週の読書は、『激流アジアマネー』ほか、経済書と専門書・教養書と小説を取り合わせて以下の6冊です。

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まず、小川英治/日本経済研究センター[編]『激流アジアマネー』(日本経済新聞出版社) です。世界の成長センターとなっているアジア新興国の高成長のバックグラウンドで貯蓄がかなり過剰になってきており、米国連邦準備制度理事会(FED)の前の議長であるバーナンキ教授が "global saving glut" と呼んだ現象などを解明すべく、アジアの金融の分析を提供しています。ただし、章別に精粗区々の内容です。フォーマルな定量分析もあれば、雰囲気で押し切っている分析もあります。資本や金利の規制から自由化に向かうアジア金融の方向性だけでなく、高齢化による貯蓄率の低下や機関投資家の育成、さらに、証券化によるオフバランス化の進展の影響など、最後にはマレーシアの例を解説したイスラム金融まで、包括的にアジアの金融を視野に収めています。私にとって興味深かったのは、第8章で中国の金融改革と自由化を分析した年表のような日中比較の表が pp.218-19 にあり、ちょうど日本から中国が20-30年遅れで進んでいるのがとてもクリアに理解出来ました。

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次に、ジェームズ J. ヘックマン『幼児教育の経済学』(東洋経済) です。著者はいうまでもなくノーベル賞経済学者であり、シカゴ大学の教授です。専門分野は労働経済学などのマイクロな経済学です。本書はボリューム的に決して分厚い本ではなく、しかも、ヘックマン教授はパート1と3のみで、パート2は各分野の専門家からの寄稿、最後に大竹教授の解説が付け加えられています。基本は、就学前の幼児期の教育投資が米国経済の不平等の解決などに有効であり、遺伝子ですべて決まるわけではない、ということであり、さらに、いわゆる学力やIQに代表される認知的スキルだけでなく、健康や協調性、意欲や自信などの社会的・情動的性質も社会で成功するためには大いに有効、という結論です。極めてまっとうな結論だと受け止める読者も少なくないと私は想像しますが、このまっとうな結論が実行されていないところに不平等な米国の経済社会の実態が浮かび上がるともいえます。この幼児教育の重要性に真っ向から対立する主張を読み取られかねないのが、私が先日読んだ柚木麻子『本屋さんのダイアナ』ではないかと危惧しています。

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次に、山室恭子『大江戸商い白書』(講談社選書メチエ) です。著者はエコノミストというよりも日本史の研究者であり、東京工業大学の教授です。現在の国勢調査に相当するような江戸町奉行所の悉皆調査の結果や膨大なデータベースである全7巻の『江戸商家・商人名データ総覧』を基に、さまざまな数量分析が試みられています。その結果として、商家の存続年数は15年余りに過ぎないとか、商家の存続は親子間の相続といわゆるのれん分けによる非血縁譲渡であるとか、業態別では米屋と薪炭屋が店の半分を占める、などが明らかにされています。特に、お江戸の『江戸買物獨案内』のようなショッピングガイドに示された華やかな江戸文化ばかりではなく、庶民の消費に焦点を当てていくつかの注目すべき結論を引き出しています。すなわち、店のロケーションと数について、店数の多い米屋と薪炭屋は、消費量が多く、重量も重く、付加価値が小さく、多様性が少ない、という商品を扱っており、かなりスミス的な完全競争市場に近い概念であるのに対して、薬種や化粧品や呉服などの商品を扱う店では、消費量が多くなく、重量も重くなく、付加価値が大きく、商品の多様性が幅広いため、当時の都心であった日本橋周辺に決して多くない店数の大店が扱っていた、という結果が示されており、商品特性と商店の位置や規模に関して、それなりの説得力ある結論ではないかと思います。

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次に、デイビッド・シャンボー『中国グローバル化の深層』(朝日新聞出版) です。著者はジョージ・ワシントン大学の教授であり、ブルッキングス研究所の研究員、もちろん、専門は中国との国際関係論です。ホームグラウンドはワシントンDCであることもあって、私の不確かな知識によれば、民主党系の研究者であり、従って、オバマ政権下で在中国大使の候補に上げられたこともあります。英語の原題は China Goes Global です。鄧小平の言い出した「韜光養晦」の下、目立たないように力を蓄える、を基本方針としてきた中国がいよいよ国際舞台で台頭の時を迎えたのか、などのいわゆる「中国脅威論」に対して、経済的にはその兆しがあるものの、少なくとも政治・外交面では中国はまだまだ「未完の大国」partial power であり、ゼーリックのいうような「責任あるステークホルダー」ではない、と断じています。私も基本的には同じ見方をしており、少なくとも現時点で中国は世界的な大国にはなっておらず、せいぜいがアジア中心の regional で partial な power ではないかと考えています。本書では中国に関して、外交的なプレゼンス、経済的なプレゼンス、文化的なプレゼンス、安全保障面でのプレゼンスなどを包括的に幅広く検証していますが、原著が2013年出版であるにもかかわらず、中国の外交的プレゼンスでは、近隣のアジアや米国や欧州やロシアはもちろん、アフリカやラテンアメリカまで中国外交の対象として取り上げられている一方で、なぜか我が日本は中国外交の対象として取り上げられていません。そんなもんなんでしょうか?

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次に、高嶋哲夫『富士山噴火』(集英社) です。この著者の作品の中の位置づけとしては、『M8』、『TSUNAMI 津波』、『東京大洪水』の災害サスペンス3部作に続く4作目です。登場人物であった自衛隊の松浦一尉は亡くなり、その妻だった河本議員が瀬戸口博士と再婚しています。でも、本作品の主役は御殿場の高齢者施設の施設長をしている元自衛隊一佐のヘリコプター・パイロットです。瀬戸口博士の研究所にいる女性の火山学者の出す富士山噴火予想に絶大なる信頼をおいて、この主人公と御殿場市の市長に加えて、警察・消防・自衛隊の関係者が富士山噴火に対応して市民を避難させ、最終的には駿河湾の米国空母に収容されるまでをリアリスティックに描き出しています。このシリーズに前も登場した米国海軍空母クリントンは架空の存在ではないかと専門外の私は認識しているんですが、この先にもしもヒラリー大統領の時代になれば、ひょっとしたら、就航する可能性もなしとしません。なお、ここに上げたこの著者の災害サスペンス3部作は、是が非でも読んでおくべきだと私は思います。

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最後に、伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』(新潮文庫) です。この作者の初のオリジナル短編集で、「浜田青年ホントスカ」、「ギア」、「二月下旬から三月上旬」、「if」、「一人では無理がある」、「彗星さんたち」、「後ろの声がうるさい」の7編を収録しています。最後の短編は描き下ろしであり、さらに、最後に10ページ余りのインタビューもあります。最初の「浜田青年ホントスカ」は結末が明示されていなくて、読者に考えさせられる形になっており、それはそれで趣向ある終わり方だという気がします。「if」はO.ヘンリの「運命の道」に似ているんですが、パラレル・ワールド風に仕立ててありながら、実は相当年数後の物語だったりします。私が一番評価しているのは「一人では無理がある」であり、サンタクロースの贈り物に関するストーリーです。最後の書下ろしの「後ろの声がうるさい」はそれまでの短編の登場人物を少しずつからませており、この作者らしい趣向です。

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2015年8月28日 (金)

甲子園に戻った首位攻防戦はヤクルトに爆勝!!

  HE
ヤクルト000000000 031
阪  神01003014x 9120

長期ロードを広島での連敗で終え、甲子園に戻っての首位攻防戦はヤクルトに爆勝でした。先発藤浪投手は3安打完封で、打線は早い回に先取点を取った後も手を緩めることなく、12安打9得点を上げて、阪神ファンが思い描く理想的な勝利のパターンのひとつでした。

明日も連勝目指して、
がんばれタイガース!

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猛暑効果などで堅調な動きを示す商業販売統計と雇用統計と消費者物価!

今日は、今月最後の閣議日であるため、いくつか政府から経済指標が公表されています。すなわち、経済産業省から商業販売統計が、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価指数(CPI)が、それぞれ公表されています。いずれも7月の統計です。商業販売統計の小売業販売は季節調整していない前年同月比で+1.6%増と前月の+1.0%増よりも増加幅を拡大しました。いずれも季節調整済みの系列で、失業率は3.3%と前月から▲0.1%ポイント低下し、有効求人倍率も1.21倍と前月から0.02ポイント上昇を示し、雇用の改善が進んでいます。消費者物価は前年同月比で持合いになりました。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の小売販売額1.6%増 4カ月連続プラス 基調判断据え置き
経済産業省が28日に発表した7月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比1.6%増の12兆90億円だった。プラスは4カ月連続。野菜の相場高や畜産品の好調で飲食料品が4.0%増になった。自動車は新車や輸入車の販売が堅調に推移し3.5%増加した。
7月は中旬以降の気温上昇で夏物商材が動き、織物・衣服・身の回り品は5.8%増えた。季節調整済みの指数は前月比で1.2%上昇した。経産省は小売業の基調判断を「一部に弱さがみられるものの横ばい圏」に据え置いた。
百貨店・スーパー販売額は3.2%増の1兆7056億円だった。既存店ベースの販売額は2.1%増だった。既存店のうち百貨店は3.6%増、スーパーは1.2%増だった。
コンビニエンスストアの販売額は5.3%増の1兆32億円だった。
求人倍率上昇7月1.21倍、23年ぶり高水準 失業率3.3%に改善
厚生労働省が28日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.21倍で前月から0.02ポイント上昇した。1992年2月以来、23年5カ月ぶりの高水準だった。企業収益の改善などで求人が増えた。総務省が同日発表した完全失業率(同)は0.1ポイント低下の3.3%だった。厚労省は「雇用情勢は着実に改善が進んでいる」と基調判断を上方修正した。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業からの求人が何件あるかを示す。月間の有効求人数は233万4354人で前月から1.5%増えた。一方、有効求職者数は200万2174人で0.2%減った。求職者にとっては、仕事を見つけやすい状況が続く。現行の賃金水準で働きたい人がすべて職を得る「完全雇用」の状態に近いとされる。
企業の人手不足感は今後も強まりそうだ。雇用の先行指標とされる新規求人数は90万1248人と1.4%増えた。業種別にみると、宿泊・飲食サービス業が前年同月比10.3%増えた。外国人旅行客の増加が寄与した。医療・福祉が8.7%増で続く。
7月の完全失業者数(季節調整値)は220万人で、前月より2万人減った。このうち倒産や雇い止めなど会社の都合による離職は3万人減の61万人。比較可能な02年以降で最低だった。
全国消費者物価、7月は前年比横ばい 市場予想を上回る
総務省が28日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除いたコアCPIが103.4と、前年同月比で横ばいだった。上昇が止まるのは13年5月(横ばい)以来、2年2カ月ぶり。消費増税の影響を除く実質ベースでは今年4月以来、3カ月ぶりに横ばいとなった。0.1%上昇した5月と6月から弱含んだ。一方、QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(0.2%下落)は上回った。
原油価格の下落に伴う電気代や都市ガス代の値下げを受け、エネルギー価格が下がった。ガソリンや灯油など石油製品も下落した。円安などを背景に値上げが続く食料(生鮮食品除く)、テレビなどの耐久消費財、宿泊料は値上がりし、物価を下支えした。品目別では上昇が344、下落が133、横ばいは47だった。6月より上昇品目数が拡大した。7月の食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは0.6%上昇。伸び率は6月と同じだった。総務省は「原油価格の下落の影響を除くと、物価の上昇基調は続いている」との見方を示した。
先行指標となる8月の東京都区部のCPI(中旬速報値、10年=100)は、生鮮食品を除く総合が102.0と0.1%下落した。原油安を背景とした電気代や都市ガス代などのエネルギー価格の下落が続いた。下げ幅は7月(0.1%下落)と同じだった。一方、コアコアCPIは0.4%のプラス。宿泊料や食料の値上がりで強含み、横ばいだった4月以降0.1ポイントずつ上昇している。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、3つの統計の記事を並べるとそれなりのボリュームになります。これだけでお腹いっぱいかもしれません。次に、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた部分は、次の雇用統計とも共通して、景気後退期を示しています。

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商業販売統計のヘッドラインである小売業については、繰返しになりますが、季節調整していない原系列の前年同月比は+1.6%増と前月の+1.0%増から増加幅を拡大し、季節調整済みの系列の前月比も同様に前月の▲0.6%減から+1.2%増にリバウンドしました。基本的には、梅雨明け後の猛暑効果の寄与が大きいと私は受け止めています。ただ、小売販売額ですからインバウンド消費を含んでいる可能性があります。というのは、グラフはありませんが、総務省統計局の家計調査の結果も本日公表されており、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べ▲0.2%の減少を示しています。総務省統計局の家計調査と異なり、経済産業省の商業販売統計には国内の2人以上家計以外の支出主体、すなわち、単身世帯家計や企業などの法人や訪日観光客などへの販売が含まれており、両者の統計の差の一部なりともインバウンド消費が寄与していると考えるべきです。逆から見れば、国内家計の消費はまだ回復とはほど遠い状態にあるといえるかもしれません。消費の本格回復のためには、実質賃金、特に恒常所得といえる部分の実質所得の改善が不可欠です。そのためには、雇用の改善、特に、非正規雇用よりも正規雇用の増加が必要だと私は考えています。

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続いて、雇用については、上のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。消費の猛暑効果やインバウンド消費の増加に歩調を合わせるように、雇用統計も改善を示しました。これも繰返しになりますが、失業率は前月から▲0.1%ポイント低下して3.3%を示し、有効求人倍率も0.02ポイント上昇して1.21に達しました。私は現在の失業率水準はほぼ完全雇用水準に近いと考えていますが、フィリップス曲線的に考えると、物価上昇率が2%に達するためには、失業率も3%を割り込んで2%台半ばまで低下する必要があります。雇用の先行指標である新規求人が堅調ですので、先行きはさらに雇用の改善が見込めるかもしれませんが、この水準に達するのは決して容易ではないことはいうまでもありません。

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最後に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが7月中旬値です。いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミューに異なっている可能性があります。ということで、コアCPIの前年同月比上昇率は、昨年の消費増税の影響が一巡してから、4月+0.3%、5月と6月は+0.1%、そして、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは7月はマイナスに入り▲0.1%の下落と予想されていました。それだけに、私がいくつかちょうだいしているシンクタンクなどのニューズレターでは、前年比ゼロに「踏みとどまる」と表現した結果が示されていたりして、少し微笑ましくなってしまいました。しかし、いずれにせよ、国際商品市況における原油価格の低落に起因する物価上昇率の落ち込みですから、先行きは日本のコアCPI上昇率もマイナスに突っ込むことを私も予想しています。その際のイシューは、日銀が追加緩和を実施するかどうかです。世界同時株安は今日の時点で一段落したようにも見えますが、まだまだ先行き不透明であり、金融市場の動向とも併せて、年内の遅くない時期に日銀が追加緩和に踏み切る可能性はまだ残されている、と私は考えています。

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2015年8月27日 (木)

マエケンに軽くひねられて完封負けで広島に連敗!!

  HE
阪  神000000000 060
広  島01000001x 260

マエケンに軽くひねられて広島に完敗でした。先発岩田投手は決して悪くなかったんですが、エルドレッド選手の一発に沈み、リリーフの安藤投手もダメ押し点を取られてしまいました。マエケンをまったく打てそうにも見えず、打つ方はなんともしようがありません。

明日は甲子園に戻って、
がんばれタイガース!

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帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、ちょうど1週間前の8月20日に帝国データバンクから「人手不足に対する企業の動向調査」の結果が公表されています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の概要を2点引用すると以下の通りです。

調査結果
  1. 企業の36.2%で正社員が不足していると回答。「放送」が7割を超えたほか、「情報サービス」など専門知識・スキルを必要とする業種や、小売業で人手不足が深刻となっている。とりわけ、「医薬品・日用雑貨品小売」「飲食料品小売」などの小売業で人手不足感が拡大しており、マイナンバー導入によるIT需要や、円安によるインバウンド消費の好影響が大きい業種で不足感が広がっている
  2. 非正社員では企業の24.5%が不足していると感じており、特に「飲食店」「飲食料品小売」などで高い。訪日外国人の増加にともなう、インバウンド消費額の拡大により、特に消費者と接する機会の多い業種で不足感が高まっている

明日は総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が公表される予定ですが、これに先立って、pdfの全文リポートから図表を引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、従業員の過不足感について、調査のインターバルは不規則ながら、正社員・非正社員別に最近3時点を並べたのが上のグラフです。全体として不足感が過剰感を上回っているんですが、2015年に入ってからの1月から7月にかけての変化だけを取り出して見ると、正社員では不足感が減少して過剰感が増加し、逆に、非正社員では不足感が増して過剰感が減じています。ただ、繰返しになりますが、全体として過剰感よりも不足感の方が強いことは事実です。

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業種別に見て、従業員が不足している上位10業種のテーブルは上の通りです。放送業の正社員不足の要因は私には不明なんですが、リポートの分析に従えば、前回調査と比べて非正社員の人手不足感が急拡大している業種は、景気回復による賃金の上昇を受け、国内旅行需要が増加しているほか、円安の好影響によりインバウドによる消費の増加が影響したこともあり、「飲食料品小売」と「飲食店」が上げられています。逆に、人手不足感の減少として上げられる業種は「建設」です。すなわち、前々回調査で人手不足の割合がもっとも高く、前回でも2番目に高かったが、今回の調査では7番目と順位を大きく下げています。東北の堅調な復興需要をはじめ、新幹線などの交通インフラ整備による建設需要があった前回調査までに比べて、特に、土木工事の公共工事需要が落ち着いたことが人手不足感を緩和した、とリポートでは分析しています。

さて、気になる明日の雇用統計と来週の毎月勤労統計やいかに?

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2015年8月26日 (水)

能見投手に援護なく12安打を放ちながら広島に完敗!!

  HE
阪  神000000002 2120
広  島00111001x 471

打線に決定打なく広島に完敗でした。能見投手は決していい調子ではありませんでしたし、10勝目はおあずけです。打線は広島を大きく上回る12安打を放ちながら決定打なく、特に終盤8回と9回の満塁のチャンスに右打者が凡退しました。満塁のチャンスに打席に立った新井選手もゴメス選手も、初球のストライクを見逃して2球目のボールを振りに行く最悪の選球眼でした。

明日はマエケンを打ち崩して、
がんばれタイガース!

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企業向けサービス価格指数(SPPI)上昇率は特殊要因が剥落してプラスを維持!

本日、日銀から7月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドライン指数の前年同月比上昇率は+0.6%と、前月の+0.4%からやや加速するとともに、昨年4月の消費増税の影響が一巡してもプラスを維持しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の企業向けサービス価格、前年比0.6%上昇 広告や運輸が上昇
日銀が26日発表した7月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.1で、前年同月比0.6%上昇した。前年比でプラスになるのは25カ月連続。テレビ広告や運輸関係の上昇が寄与し、前年比の伸び率は6月から0.2ポイント拡大した。前月比では0.2%上昇だった。
上昇品目は62、下落品目は45だった。上昇品目と下落品目の差は17で6月の21からやや縮小した。品目数で上昇が下落を上回るのは22カ月連続だった。
品目別では6月に比べてテレビや新聞の広告が大きく伸びた。旅行広告の出稿などが増えた。日銀は「企業の広告需要は引き続きしっかりしている」(調査統計局)と指摘。運輸関係では人手不足を背景にトラック輸送や貸し切りバスの伸び率が拡大した。昨年7月の企業向け割引の影響が一巡し、高速道路などの上げ幅も目立った。
日銀は「円高が進むと国際貨物などの品目でマイナスの影響が出やすいため、今後の為替や海外経済動向を注視していきたい」としている。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルはサービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしています。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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今月12日に同じ日銀から発表された企業物価(PPI)ではヘッドラインの国内物価上昇率は6月の前年同月比▲2.4%から7月は▲3.0%と下落幅を大きくしていますし、さらに、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、明後日に公表予定の消費者物価(CPI)のコアCPIの前年同月比上昇率がいよいよマイナスに突っ込んで▲0.1%になるんではないかと予想されていますが、企業向けサービス物価上昇率は前月の+0.4%から加速して+0.6%を記録しました。この違いの要因としては、7月の企業向けサービス物価が上昇率を拡大したというよりは、4月の+0.7%や5月の+0.6%の上昇率水準に戻っただけで、むしろ、6月の+0.4%の上昇率が特殊要因によるものではないかと私は受け止めています。すなわち、先月6月の企業向けサービス物価のうちの広告が昨年のサッカーのワールドカップ開催時からの反動で下落した旨を先月7月27日のブログに書いた通りで、その特殊要因が剥落した、ということなんではないかと考えています。ですから、基本ラインは従来と同じ見方をしており、今週に入ってからの株価の変動をもたらしている中国経済の減速に伴って、国際商品市況の下落から石油や非鉄金属価格に落ち込みのため、モノの価格であるPPI上昇率は下落を続け、逆に、国内の人手不足から労働コストの上昇の影響が大きいSPPI上昇率はプラスを続けている、という構図であると考えるべきです。その意味では、中国経済の低迷は世界的な株価の低迷をもたらすとともに、我が国のデフレ脱却についてもさらに難しくしている面があるともいえます。

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2015年8月25日 (火)

映画はどのように見られているか?

私は先週に1週間ほど夏休みを取り、映画を見に行ったりしていたんですが、先週の木曜日8月20日にドゥ・ハウスからWEBアンケートに基づいた映画鑑賞に関する調査結果が発表されています。まず、ドゥ・ハウスのサイトから調査サマリを3点引用すると以下の通りです。

調査サマリ
  • 約半数の人が「月に1回以上」映画を観るが、ここ1年間に映画館で観た回数は「1-3回」
  • 自宅で観たい映画は「レンタルビデオ店で借りる」が半数以上
  • 映画館での上映では「3D」より「通常版(2D)」の方が好まれている

まず、グラフは省略しますが、リポートでは映画を見る頻度について問うており、「月1回未満」が39.6%、「月2-3回」が15.7%、「月1回」が13.4%となっています。すなわち、月1回以上映画を観ている人の合計は49.7%と半数近くに上っています。以下、グラフを引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。

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次に、ここ1年間で映画館に映画を観に行った回数を問うた結果が上のグラフで示されています。1年以内に「映画館に映画を観に行った」と回答した人は65.5%にしかなりません。映画館に行った回数については、「1-3回」が41.6%ともっとも多く、4回以上を集計しても25%に達しません。

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ということで、上のグラフは、自宅で映画を観る場合のコンテンツの入手方法の回答結果です。「レンタルビデオ店で借りる」が56.4%ともっとも高くなっています。当然です。かなりパーセンテージは下がりますが、続いて、「DVD・ブルーレイのソフトを購入する」となっており、「ビデオオンデマンド」はまだまだ少数派のように見えます。

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最後に、3Dの映画と通常版(2D)では、どちらを観るかについての回答結果が上のグラフの通りです。「必ず」と「どちらかといえば」を足し合わせると、3Dが30%強なのに対して、2Dは50%超となります。私は先週「ジュラシック・ワールド」を見に行って、3Dは刺激が強すぎるおそれがあるので2Dを見たんですが、同じ意向の人が少なくない気がします。ただし、現在の3Dの追加料金がもっと低下すれば、この比率は逆転する可能性があるのかもしれません。

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2015年8月24日 (月)

ファストフード店の利用やいかに?

私が時折り参照している@niftyの何でも調査団から先週8月21日に「ファーストフードについてのアンケート・ランキング」の調査結果が公表されています。先週の夏休みにはファストフード店を利用することも少なくなく、夏休みでなくても週末にはよく利用していますので、参考まで取り上げておきたいと思います。

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まず、よく行くファストフード店のジャンルについて質問に対する回答が上のグラフの通りです。私もその昔はよくハンバーガー店に行きましたが、最近はめっきり減ってしまって、このごろはドーナツ一本槍です。ミスター・ドーナツでホットコーヒーをおかわりしながら読書していたりします。

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次に、上のグラフはファストフード店を利用する頻度の回答結果です。私は週末を中心に週に1-2回、といったところではないかと思います。このグラフの後、@niftyの何でも調査団のリポートでは、よく行くハンガーバー店の筆頭がマクドナルドであるとか、500円を中心に分布するハンバーガー店の予算のヒストグラムが示してあったりするんですが、ハンバーガーについては、後に言及する通り、あまりにも高カロリーなので私は最近では行かなくなりましたので割愛します。

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ということで、ハンバーガーチェーン店以外のファストフード店の利用状況をプロットしたのが上のグラフです。最初のグラフもそうだったんですが、ミスター・ドーナツなどのドーナツ店は女性に人気のように見受けられます。私もファストフード店に入るとすれば、ほとんどがミスター・ドーナツなんですが、客層でそれほど女性が多いと感じたことはありません。この質問の後、ファーストフード店を選ぶ際のポイントについて、おいしさや短時間やアクセスなどが重視されている結果が示されたりしています。ただし、ファストフードで評価しないポイントのひとつに高カロリーとか野菜不足が上げられています。まあ、そうなのかもしれません。

最後に、ファストフードというよりもカフェなのかもしれませんが、本来の食事や飲み物が終わってからも、私は可能であれば店内で割合と粘って読書なんかをする方です。もちろん、混んで来たらサッサと席を立つなど、それなりに常識をわきまえているつもりなんですが、特に、夏場はスターバックスで勉強している高校生なども目につきます。私はこれには許容度を高く接していますが、先日は、席が空いているにもかかわらず、高校生相手に強気に注意しているお年寄りがいたりしました。私はスターバックスでゆっくりと読書するのも好きですし、日本人はサービスは無料と考えている人が少なくないんですが、料金には席に座って読書したり、勉強したり、おしゃべりしたりするくらいのサービス代金が含まれていると私は考えています。「しばらく」の定義にもよりますが、混んでいなければ2-3時間くらいはOKと考えていたりします。少なくとも空席ある限り、夏休みの高校生の勉強姿はむしろ好ましいと受け止めています。

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2015年8月23日 (日)

映画「天空の蜂」試写会に行く!

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いよいよ夏休みも今日が最終日で明日からは出勤です。
今日はご縁があってお招きにあずかり、松竹の「天空の蜂」の試写会に行きました。封切りは来月9月12日、原作は東野圭吾の同名の小説で、映画は堤幸彦監督作品です。堤監督は私にとっては「20世紀少年」の監督、という位置づけです。また、私は当然のように原作を読んだことがあります。しかも、映画化が決まってからもう一度読みました。
自動操縦のヘリコプターに爆薬を積んで原発の真上でホバリングさせて、日本全国の原発の停止を求める要求をつきつける、ということですから、単純化すればストーリーはこれだけなんですが、もちろん、この事件の解決に当っていろいろとあるわけですし、その中で最大の議論は原発のあり方、ひいては日本のエネルギー政策に関して、一定の言及があります。ストーリーは別にして、小説では考えられない迫力ある映像が楽しめます。当然です。映画で盛り上がるのは2か所あり、小学生が助けだされるシーンと結末のヘリコプターの落下シーンです。いずれも素晴らしい映像で堪能できると思います。
原作と大きく違ったのはラストです。最後は2011年3月の震災直後のシーンで終わります。原作が1995年を舞台にしていますから、16年後ということになります。私はこの映画の終わり方は評価できません。

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2015年8月22日 (土)

岩崎投手のナイスピッチングに鳥谷選手が打棒で応えて横浜に連勝!!

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横  浜010000100 252
阪  神10030012x 7121

岩崎投手のナイスピッチングで横浜に連勝でした。打ってはチームリーダー野手キャプテンの鳥谷遊撃手の勝越しツーベースをはじめ、横浜のまずい守備にも助けられながら、終盤にも着々と加点して完勝でした。最後は点差が開いて、久し振りに安藤投手の顔を見た気がします。

東京ドームの3敗を取り返すべく明日も、
がんばれタイガース!

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夏休みの今週の読書はそれなりにたくさん!

今週の読書は『セックスと恋愛の経済学』、英語の原題は Dollars & Sex ほか、以下の7冊です。ただ、上下巻を2冊とすれば8冊だったりします。今週は夏休みで仕事に行きませんでしたので、かなり読書がはかどった気がします。大量に読みましたので、ハズレも少なくなく、軽く済ませる本は軽く済ませたいと思います。

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まず、マリナ・アドシェイド『セックスと恋愛の経済学』(東洋経済) です。著者はカナダの太平洋岸にあるブリティッシュ・コロンビア大学の研究者です。まず、大きな疑問はセックスと恋愛を市場におけるマイクロ経済学的な方法論で論ずることが可能かどうか、本書はそれに対する議論はなく、自明で「可能」という結論のようです。まあ、労働市場分析なんぞはやや怪しげなマイクロ経済学分析で定量的な結果を示していますのでいいとして、その上で、セックス市場、すなわち、売春市場や風俗産業の分析がありません。これも不可解です。たふぁ、結婚についてはそれなりの分析を示して、分かりやすく結んでいます。まあ、分析者の研究対象については主観的な重要性と趣味で決まるのですから、私としてはこれはこれでいいような気もしますが、エコノミストによってはとても物足りないと受け止める場合も少なくないような気がします。私はハッキリと不満ですが、出会いサイトや婚活サイトで現実のパートナーは検索条件にヒットしない可能性が高い(p.79)という指摘だけは強く合意します。

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次に、吉本佳生『マーケティングに使える「家計調査」』(講談社) です。著者は証券会社かどこかの金融機関だかの調査部門でエコノミストをしている人物でないかと思います。実は、私は総務省の統計局に勤務したけんけんがあり、本書が取り上げている「家計調査」にも深く関わったんですが、誠に残念ながら、本書の目的としては5年おきの周期調査である「全国消費実態調査」の方が適していることは明らかです。「家計調査」は月次ですから毎月の調査で時系列的な方向や傾向を追うことが目的で、「全国消費実態調査」のように構造を明らかにするには適していません。それに加えて、本書もエンゲル係数に関して間違っているように、相関と因果関係については基礎的な認識の欠落があります。2013年3月13日付けのエントリーでカーネマン教授の『ファスト&スロー』を取り上げて、オフィスの井戸端会議に参加するためのホントカーネマン教授自身が位置づけていると紹介しましたが、本書も同様であり、オフィスの同僚諸氏であればともかく、外部の人に本書に書いてある豆知識をご披露する際には十分な注意が必要です。

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次に、アンドルー・ファインスタイン『武器ビジネス』(原書房) です。本書も著者がハッキリしないんですが、南アフリカの国会議員経験者だそうで、極めてリベラルな見方を持ち、ジャーナリストであればナオミ・クラインに近いんではないかと思います。いかに、武器ビジネスが倫理性にかけて賄賂で政策当局者を籠絡して不正なビジネスを展開しているか、という事実を延々と取り上げています。我が国の田中内閣時代のロッキード事件も下巻p.42から取り上げられています。私も基本的に本書の著者と同じリベラルな見方をしているんですが、最後の解決方法についても私と同じでかなりお粗末な気がします。すなわち、本書の著者も下巻p.414では過去10年で収集したドキュメントを捜査当局や検察に持ち込んだと明らかにした上で、「期待はあまり持っていない」と表明しており、私もどうすれば解決できるかはまったく不明です。経済学的には市場における情報の非対称性の問題であり、すなわち、教育や薬を含む医療などとまったく同じ問題が生じているわけなんですが、武器ビジネスについては、武器は軍しか買わないことから需要独占が生じているので、問題解決は容易だろうと思っていたものの、本書を読む限りではかなり難しそうです。本書も武器ビジネスについて問題となる事実はいっぱい収録されている割に、それらを解決する方向性がまったく示されておらず、読後感がかなり暗い気がします。

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次に、鳥越規央『スポーツを10倍楽しむ統計学』(化学同人) です。著者は東海大学の統計学の研究者で、本書にあるようなスポーツ関係の統計に詳しいようです。本書は野球を扱っていませんが、この著者は本書の以前にいわゆるセイバーメトリクス、本と映画の「マネーボール」で有名になった野球の統計学に関する著作が何冊かあり、私も読んだことがあります。そのうちの1冊が本当は強い阪神タイガース』というタイトルで2013年のシーズン前に出版されており、私は恥ずかしながら1年半くらい遅れて読んだんですが、セイバーメトリクス的には阪神は能力の高い選手がそろっていると論証しています。ですから、私の解釈では選手の能力ではなく、当時の監督だった真弓監督や今の和田監督のベンチワークが悪くて阪神が優勝できないのである、と考えていました。また、歴代阪神選手をセイバーメトリクスで分析したベストナインがあって、現役選手では、永久欠番の吉田義男や熱血監督だった藤田平を抑えて、唯一鳥谷遊撃手が選出されており、とても納得した記憶があります。前置きが長くなりましたが、本書は野球以外のテニス、卓球、サッカー、ゴルフ、陸上にウィンター・スポーツのスキージャンプ、フィギュアスケート、最後に大相撲を各章で取り上げています。最初の第1章にテニスで、二項分布を展開してラリーで60%を支配できれば99%超の勝率を上げられるとして、ややシロートさんに小難しい理論を展開しています。また、野球、テニス、ゴルフ、などの離散型のスポーツと違って、サッカーやラグビーなどの連続型のスポーツは統計的な分析は難しそうな気がするんですが、p.73以降でサッカーのカストロール・インデックスなる指数を紹介したり、1試合当たりのサッカーのゴール数や野球のホームラン数の分布が極めてポアソン分布に近い(p.65)、など、数式を展開しつつ理論的かつ実証的な議論を展開しています。

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次に、日本再建イニシアティブ『人口蒸発』(新潮社) です。先日の8月9日付けのエントリーで、船橋洋一[編著]『検証 日本の「失われた20年」』を取り上げましたが、基本的に同じ傾向です。すなわち、日本再建イニシアティブの理事長は朝日新聞の主筆を務めた船橋洋一だからです。前著の『検証 日本の「失われた20年」』についても私はやや酷評に近かったんですが、本書も同じ傾向です。かなり大きな問題に対して、著者ご本人たちは包括的なアプローチを取っているつもりなんでしょうが、ハッキリと私は散漫な印象しか受けません。バックグラウンドにエコノミストが考えるようなモデルを置かず、漠たる事実の寄集めを対象に、「群盲象をなでる」といわれても仕方がないような散漫な議論を展開しています。背景にモデルがありませんから、評価関数もハッキリしません。本書では人口一本槍で評価関数を構成できそうに私は想像したんですが、国土政策や地方新興などを寄せ集めて、わけの分からない怪物を対象に徒手空拳で立ち向かって、ほとんど何の結論も出せていません。1冊の本に取りまとめる意味もなく、読者の興味ある章を取り出して読めばいい、というスタンスなのかもしれません。私にはよく分かりません。唯一、シルバー民主主義を正面から取り上げようと試みた姿勢だけを評価します。そのほかは、前著の『検証 日本の「失われた20年」』と同じで、大きく期待倒れです。

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次に、三浦しをん『あの家に暮らす四人の女』(中央公論新社) です。私の好きな直木賞作家の最新作ですから、久し振りに買って読んだ小説です。今年の4月くらいまで『婦人公論』に連載されていたそうです。ということで、古い古い終戦直後に建てられた築70年の家に暮らす母娘と娘の友人女性、さらにその友人女性の職場の後輩女性と4人を中心に物語が進みます。いかにも、というカンジで、p.48で著者自身も登場人物を通して、『細雪』との類推を示唆したりしています。でも、決して類似点はありません。その家が杉並区の善福寺川周辺のようで、我が家が結婚直後に暮らしていた地域だったりします。また、新しい試みがいくつか試されていて、主人公は母娘の40歳近い娘の方ではないかと思うんですが、同年代の同居の友人の視点やその友人の会社後輩の心情などの描写も盛り込まれていて、必ずしも主人公の視点で統一されているわけでもなく、そうかといって3人称で書かれているわけでもなく、新機軸の試みかもしれませんが、やや中途半端な印象です。さらに、私は決して評価しないんですが、p.135からカラスに昔語りをさせたり、p.253から主人公の亡くなった父親が幽霊として登場して、いろんな追加的なトピックを語ったりと、新たな試みが随所に見られます。繰返しになりますが、私は決して評価しません。この作者には小説の王道を行くようにお願いしたいです。

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最後に、江戸川乱歩『幽霊塔』(岩波書店) です。上の表紙に見られる通り、表紙と最初の数ページに宮﨑駿のマンガがあります。今年5月から1年にわたって三鷹の森ジブリ美術館で企画展示されているものだそうです。中身も漢字や仮名遣いなどを現在の少年少女向けに改定しているんではないかと思います。舞台は長崎の幽霊塔で、実に戦前の推理小説らしく、悪いヤツは悪く、美女は決して犯人ではなく、最後は大団円で終わる、という倫理的に好ましい、と当時考えられていた手法で構成されています。

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2015年8月21日 (金)

岩田投手の力投と梅野捕手の先制ツーベースで横浜を下して連敗脱出!!

  HE
横  浜000100001 281
阪  神03000000x 382

東京ドームの悪夢を振り払うべく先発した岩田投手の力投で横浜を下して連敗脱出でした。打っては久し振りの先発マスクの梅野捕手が先制ツーベース、投げては先発岩田投手が8回途中まで1失点と力投しました。昨夜、このブログで東京ドームでは狩野選手の出番がなかった、と書きましたところ、阪神首脳陣にお読みいただいているとは思いませんが、今日は先発出場でした。

明日も、
がんばれタイガース!

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映画「日本のいちばん長い日」を見に行く!

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この夏休みは映画を見ることとし、昨日は「ジュラシック・ワールド」、今日は「日本のいちばん長い日」を見に行きました。本来の原作は大宅壮一[編]であり、その昔の1967年に岡本喜八監督作品として映画化されています。私が今日見たのは大宅壮一[編]の中でもっとも中心をなす半藤一利の『日本のいちばん長い日 決定版』を原作に映画化されており、原田眞人監督作品です。原作は基本的に同じと考えてよさそうですが、ポツダム宣言の受諾に関する内閣での議論や玉音放送として放送すべく録音された終戦の詔勅の録音盤をめぐる陸軍内部のクーデタもどきの動向について克明に跡付けています。それにしても、今から思えば、ということなんでしょうが、陸軍においては中国大陸にまだかなりの勢力が残っていたとはいえ、戦争についての情勢判断がアノ程度であったとは、極めて驚くべき低水準の情報収集及び分析能力といわざるを得ません。
日曜日にもう一本邦画を見る予定です。

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2015年8月20日 (木)

最終回に藤浪投手と呉投手が力尽きてジャイアンツに3タテされる!!

  HE
阪  神000100000 161
読  売010000001x 280

最終回に藤浪投手と呉投手が力尽きて、ジャイアンツに3タテをくらいました。4番ゴメス選手がまったく打てなかったことに代表されるように、相変わらず右打者が低くて遠いボール球に手を出していましたし、采配も9回は疑問だらけでした。9回オモテの攻撃では代打は新井選手ではなく狩野選手でしたでしょうし、9回ウラの藤浪投手は最後まで続投させるべきではなかったんでしょうか。なんと、段取り悪く、あれだけ調子のよかった狩野選手はとうとう東京ドームで出番なく終わりました。

横浜戦は、
がんばれタイガース!

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映画「ジュラシック・ワールド」を見に行く!

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今週は夏休みで仕事はお休みを取っているんですが、今日は雨がちなお天気でしたので室内競技を目指して、映画を見に行ってきました。話題の「ジュラシック・ワールド」です。2Dにするか、3Dにするかで迷ったんですが、映画も食事も刺激が強いのは決して好きではないので2Dにしました。実は、今週に入って下の倅も見に行ったそうで、私はいろいろ質問したりしていたんですが、倅も2Dにしたそうです。今日の私の左隣りの席はかなり年配の方で、心肺機能は大丈夫ですかと質問しそうになりました。
私は第1弾の「ジュラシック・パーク」も見たんですが、やっぱり、CGのレベルが段違いでリアルです。最後はTレックスが締めるのも同じ趣向だったりします。それにしても、ウー博士って、あんなキャラでしたっけ。よく覚えていません。明日は邦画を見に行く予定です。

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2015年8月19日 (水)

5回にタイガース投手陣が崩壊して今夜もジャイアンツにボロ負け!!

  HE
阪  神030000000 3131
読  売000012000x 12120

5回に投手陣が崩壊し、昨夜に続いてジャイアンツにボロ負けでした。このところ調子が上がってきていた先発能見投手が大きく崩れました。長期ロードの夏場の調整の失敗でしょう。そういう意味では、明日先発の藤浪投手もイレギュラーなローテーションですから、やや心配は残ります。打つ方では12安打のジャイアンツを上回る13安打を打ちながら、決定力なく得点できませんでした。選球眼につきます。あれだけボール球を振っていては得点できません。

明日3タテは回避すべく、
がんばれタイガース!

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かなり収支均衡に近づいた貿易統計をどう見るか?

本日、財務省から7月の貿易統計が公表されています。ヘドラインとなる輸出額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+7.6%増の6兆6638億円、輸入額は▲3.2%減の6兆9318億円、差引き貿易収支は▲2681億円の赤字でした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易赤字、4カ月連続 7月2681億円 対米・対中輸出、数量は減
財務省が19日発表した7月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2681億円の赤字(前年同月は9665億円の赤字)だった。貿易赤字は4カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想(530億円の赤字)より赤字幅は大きかった。原油安で輸入額の減少が続いたものの、輸出の回復ペースが鈍く、約700億円の赤字だった6月からも収支は悪化した。
輸出額は7.6%増の6兆6638億円と、11カ月連続でプラスとなった。米国向けの自動車や、アジア向けに半導体などの電子部品、通信機などの輸出額が伸びた。金額は7月として2008年、07年に次ぐ過去3番目の高水準だった。
もっとも、対ドルで前年同月から2割超進んだ円安の影響が大きく、輸出全体の数量指数は0.7%減と、2カ月ぶりに低下した。数量ベースでは中国向けが1.3%減、アジア(中国含む)は0.4%減、米国向けが0.2%減だった。欧州連合(EU)向けは5.5%増えた。
輸入額は3.2%減の6兆9318億円だった。主に原油安で中東地域から原粗油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が減り、7カ月連続でマイナスとなった。原粗油の輸入減(金額ベース)は12カ月連続。輸入全体の数量指数は2.9%低下した。一方、医薬品や有機化合物が増えたEU、通信機などが伸びた中国からの輸入額は、それぞれ7月として過去最高だった。

まずまず適切に取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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引用した記事にもある通り、貿易収支は季節調整しない原系列のベースで今年4月から4か月連続の赤字、ただし、季節調整済みの系列では震災のあった2011年3月から4年余りずっと赤字なんですが、かつての月次で1兆円を超える貿易赤字から大きく縮小しています。基本的には、国際商品市況の石油価格の下落による輸入の減少に起因しています。昨年2014年9月ころからのトレンドです。さらに、輸出もそろそろ底入れして横ばい傾向になりつつあるような気もします。ただし、輸出動向についてはまだ油断はできないところです。

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上のグラフはいつもの輸出の推移をプロットしています。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量汁宇都価格指数で寄与度分解しており、下のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同期比を並べてプロットしています。ただし、OECD先行指数は1か月のリードを取っています。円安による為替の価格効果はあるんでしょうが、上のグラフのうちの下のパネルの通り、先進国の景気もやや低迷気味の上に中国経済がここまで悪化すれば、価格効果を上回る所得効果により我が国の輸出が低迷していました。でも、ようやく底打ちして横ばい圏内に向かう動きが見られると私は受け止めています。ただし、まだ楽観は禁物であり、特に、中国向けの輸出は所得効果とともに為替の元安誘導により価格効果まで我が国輸出には逆風となっています。

7-9月期をならしてみても外需主導の成長は見込めません。消費に期待したいと思います。

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2015年8月18日 (火)

上の倅と東京ドームで野球観戦も巨人にボロ負け!!

  HE
阪  神000001000 110
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今夜は大学生の上の倅と東京ドームで野球観戦でしたが、巨人にボロ負けのゲームでガッカリです。メッセンジャー投手は初回から体が重そうで制球もなく、リリーフ投手も金田投手がボロく打ち込まれました。打つ方では1安打の1得点では、作戦の立てようもなかった気がします。スッパリと忘れて、明日のゲームはテレビ観戦することとします。
下の写真は試合開始直後の東京ドームです。

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明日は、
がんばれタイガース!

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2015年8月17日 (月)

4-6月期1次QEのマイナス成長は景気後退につながるか?

本日、内閣府から4-6月期のGDP速報、いわゆる1次QEが公表されています。消費と輸出の停滞から節調整済みの前期比で▲0.4%、前期比年率で▲1.6%のマイナス成長となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4-6月期の実質GDP、年率1.6%減 消費と輸出が低迷
内閣府が17日発表した2015年4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.4%減、年率換算では1.6%減だった。マイナス成長は3四半期ぶり。1-3月期(年率換算で4.5%増)から一転マイナス成長となった。個人消費が低迷したうえ、輸出の鈍化が成長率の下振れにつながった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比横ばいのプラス0.0%、年率では0.1%増だった。名目では小幅ながら3四半期連続のプラス成長を保った。
実質GDPの内訳は、内需が0.1%分のマイナス寄与、外需は0.3%分のマイナス寄与だった。項目別にみると、個人消費が0.8%減と、4四半期ぶりにマイナスだった。前期(0.3%増)から一転マイナスとなった。円安を背景に食料品などの値上げが続く一方、物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、消費者心理が冷え込んだ。6月の天候不順も消費の逆風となった。
輸出は4.4%減、輸入は2.6%減だった。中国はじめ海外経済の減速の影響で、アジア地域などへの輸出のペースが鈍った。原油安で輸入は減少したものの、成長率に対する外需寄与度がマイナスとなった。
設備投資は0.1%減と、3四半期ぶりにマイナスだった。生産活動の回復が鈍く、設備投資意欲は広がりを欠いた。住宅投資は1.9%増と、2四半期連続のプラスだった。公共投資は2.6%増。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてプラス1.6%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.1%上昇した。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2014/4-62014/7-92014/10-122015/1-32015/4-6
国内総生産GDP▲1.9▲0.3+0.3+1.1▲0.4
民間消費▲5.0+0.3+0.3+0.3▲0.8
民間住宅▲10.9▲6.3▲0.6+1.7+1.9
民間設備▲4.6▲0.0+0.2+2.8▲0.1
民間在庫 *(+1.2)(▲0.6)(▲0.2)(+0.5)(+0.1)
公的需要+0.1+0.6+0.3+0.0+0.8
内需寄与度 *(▲2.8)(▲0.4)(+0.0)(+1.1)(▲0.1)
外需寄与度 *(+0.9)(+0.1)(+0.3)(▲0.1)(▲0.3)
輸出+0.6+1.8+2.8+1.6▲4.4
輸入▲3.9+0.9+0.9+1.8▲2.6
国内総所得 (GDI)▲1.5▲0.7+0.6+2.2▲0.0
国民総所得 (GNI)▲1.3▲0.3+1.6+1.3+0.5
名目GDP+0.2▲0.7+0.8+2.2+0.0
雇用者報酬 (実質)▲1.4+0.4▲0.0+0.6▲0.2
GDPデフレータ+2.2+2.1+2.4+3.5+1.6
内需デフレータ+2.5+2.3+2.1+1.5+0.1

上のテーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対して積上げ棒グラフが需要項目別の寄与を示しており、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された2015年4-6月期の最新データでは、前期比成長率がマイナスに転じ、特に、赤の民間消費と黒の外需のマイナス寄与が他のコンポーネントと比較して大きいのが見て取れます。

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3四半期振りのマイナス成長ですが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、季節調整済みの前期比年率で▲1.9%のマイナスでしたし、私なんぞは▲3%に達しても不思議ではない、くらいに予想していましたので、想定の範囲内、もしくは、むしろ想定より上振れ、くらいに受け止めているエコノミストもいそうな気もします。マイナス成長の要因である消費と外需に関してもう少し詳しく見ると、まず、内需のうちで特に不振だった消費について、財別の季節調整済みの前期比ではすべての財が前期比マイナスを示したんですが、耐久財▲2.2%、半耐久財▲3.9%、非耐久財▲0.6%、サービス▲0.1%となっており、必ずしも自動車や家電などの耐久財需要のみが不振だったというわけでもなく、衣類などの半耐久財がもっとも不振を極めたわけですから、6月ころの天候不順がエアコンや衣類などへの支出を通じて、消費に一定のマイナスのインパクトを持ったという説はかなり説得力を持ちますし、逆に、足元の統計はまだ利用可能ではないながら、7-8月の猛暑を考慮すると消費は7-9月期にはリバウンドした可能性があります。また、設備投資が前期比マイナスに落ち込んだのは輸出の影響と考えるべきですから、天候要因を別にすれば、4-6月期のマイナス成長の大きな要因は輸出不振といえます。1-3月期の米国経済の不振の影響がタイムラグを伴って出たともいえますが、特に、中国経済の大きな減速が我が国にマイナスとなったといえそうです。その昔は、「米国がくしゃみをすると、日本が風邪をひく」といわれたものですが、今では中国の経済的な影響もかなり大きいと見られます。しかし、中国の政策当局は内需拡大ではなく、為替操作と見なされかねない政策により景気回復を図っているわけですから、中国経済が回復しても我が国の輸出は伸び悩む可能性が残ります。そうなると、設備投資にもいい影響が出ない可能性があります。

いろいろな要因を考え合わせて先行きを見通すと、基本シナリオとしては、年央過ぎの7-9月期から緩やかに景気は持ち直し、景気後退には陥らないと予想されるものの、中国次第ながら、スンナリと景気回復・拡大につながるかどうかはビミョーなところです。インフレ目標や物価との見合いで、もう一段の金融の追加緩和はあり得るものと私は考えています。

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2015年8月16日 (日)

昨夜の鬱憤を晴らす猛攻でヤクルトを圧倒し岩崎投手が今季2勝目!!

  HE
阪  神100003110 6140
ヤクルト001000000 162

昨夜の鬱憤を晴らす猛攻でヤクルトを圧倒でした。ホームランでドカンと、終盤は9回を除いてソツなく加点し、14安打の6得点の援護をもって、6回1失点の岩崎投手は今季2勝目です。それにしても、9回に出て来る投手が冴えません。何とかなりませんかね。

この勢いで東京ドームでも、
がんばれタイガース!

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週末ジャズは fox capture plan の UNDERGROUND を聞く!

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今週の週末ジャズはfox capture plan の UNDERGROUND です。まず、CD の収録曲は以下の通り5曲です。5曲合わせても30分足らずと極めて短いアルバムです。もっとも、この UNDERGROUND は fox capture plan の4番目のリリースですが、今までのアルバムでも40-45分くらいでしたので、最近のボーナス・トラックを入れて60分クラスのアルバムに比べれば、短い方なのかもしれません。年内3枚目のアルバムですから、こんなもんかもしれません。

  1. beyond the beyond
  2. 地下の世界に流れる時間
  3. Adam's Apple
  4. Time to think
  5. Tonight Tonight

1曲目は、アシックスのランナー向けアパレルA77で水嶋ヒロが水辺を走っているCM曲としてテレビでも流れていますので、聞いた覚えがあるかもしれません。3曲目はウェイン・ショーターの作曲ですし、最後の曲はスマッシング・パンプキンズの大ヒット・アルバムのタイトル曲です。さらにさらにで、このアルバムの最大の特徴は2枚目がDVDで、2014年10月16日代官山ユニットの映像を収録していることです。DVDの曲目構成は、大雑把に、3枚目のアルバムの WALL から取られているんですが、もちろん、trinity や BRIDGE の曲も入っています。私自身は2枚目のアルバム BRIDGE をもっとも高く評価しているんですが、ある意味で、現時点でもっとも日本で勢いのあるグループのひとつの最新アルバムですから、聞いておいてソンはありません。
なお、誠に残念ながら、私はまだDVDのライブの方は見ていません。悪しからず。

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2015年8月15日 (土)

ヤクルトにボロ負けして連勝ストップ!!

  HE
阪  神000010000 190
ヤクルト00022005x 9131

ヤクルトにボロ負けして連勝ストップでした。特に、このブログでコメントすべき内容のある試合ではなかったんですが、岩本投手が昨日今日とサッパリだった気がします。

明日は首位攻防戦のカード勝ち越し目指して、
がんばれタイガース!

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今週の読書はスティグリッツ教授の『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』ほか

今週の読書は、ノーベル賞経済学者であるスティグリッツ教授の『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』や『学び直し ケインズ経済学』など、以下の7冊です。諸般の事情により、今週は手短な読書感想文です。

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まず、ジョゼフ E. スティグリッツ『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』(徳間書店) です。米国経済についての分析であり、雑誌や新聞に寄稿したコラムなどを取りまとめた本です。格差是正については教育と医療において政府の果たすべき役割の重要性を強調しています。なお、本書に収録されているアベノミクスについてべたホメしたニューヨーク・タイムスのコラムへのリンクは以下の通りです。ご参考まで。

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次に、ピーター・テミン/デイヴィッド・ヴァインズ『学び直し ケインズ経済学』(一灯舎) です。ケインズ以前のヒュームやマーシャルの経済学から解き起こして、ケインズ経済学を平易に解説した入門書です。『雇用、利子および貨幣の一般理論』だけでなく、『平和の経済的帰結』などのパンフレットも併せて取り上げて、いわゆるマクロ経済を理解する上で、ケインズ経済学がいかに有効かを理解できます。ケインズがもう10年生きていたら、国内均衡に関する『雇用、利子および貨幣の一般理論』に加えて、国際経済学に関する著作をものにしていたであろう、という指摘には感動を覚えました。

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次に、ウィリアム・ダガン『ナポレオンの直観』(慶應義塾大学出版会) です。表紙とタイトルだけを見ると、延々とナポレオンについて書いた本かと思わないでもないんですが、著者はコロンビア大学ビジネススクールの研究者であり、その観点から「戦略」について議論を展開しています。原書は2002年の出版です。ナポレオンは取り上げられている10人のうちの1人に過ぎないんですが、ナポレオンの戦略を研究したジョミニ流の計画や構想を重視する見方とフォン・クラウゼヴィッツ流のひらめきや直観を重視する見方を対比させ、後者に軍配を上げています。頂点を当てているのは、画家のピカソとか、あるいは、ライオン・キングとマリ帝国、エラ・ベイカーと公民権運動、アリス・ポールの女性参政権獲得、また、日本人からは明治維新期の福沢諭吉であり、こういった歴史上の人物がナポレオン的な直観に従ったサクセス・ストーリーが解き明かされています。

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次に、ベン・マッキンタイアー『キム・フィルビー かくも親密な裏切り』(中央公論新社) です。今さら、フィルビーについて論じる意味は不明ですが、何となく借りてしまいました。フリビーが英国諜報部MI6に入ったころからソ連に亡命するまで、周囲のMI6やMI5の同僚、あるいは、米国CIAのカウンターパートなどとフィルビーの友情などとともに、フィルビーの活動が跡付けられています。特にアルバニアの反革命への関与が印象的です。

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次に、真梨幸子『5人のジュンコ』(徳間書店) です。今週の読書の唯一の小説です。イヤミスの女王によるいやらしいミステリです。なお、7月4日付けの読書感想文で同じ作者の『お引っ越し』を取り上げましたが、順序が逆になりました。今年3月に出版された『お引っ越し』に先立って、昨年12月に本作品『5人のジュンコ』は刊行されています。タイトル通りに5人の「ジュンコ」という名を持つ女性にからんだミステリで、とても意外な結末が用意されています。

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次に、満薗勇『商店街はいま必要なのか』(講談社現代新書) です。著者は北海道大学経済学部の研究者で流通史の専攻なんですが、ご出身は文学部の歴史学科だったりします。ということで、消費者に直接商品を販売する小売業について、百貨店、通信販売、商店街、スーパー、コンビニの5業態に分けて、決してタイトルのように商店街に焦点を当てることなく、淡々と議論を展開しています。私は著者が論ずるように、現金販売とか、対面販売かセルフか、などの販売方法ではなく、特にコンビニがそうなんですが、小売業を裏から支えるロジスティックス、物流の技術革新がその川下たる小売業の展開のカギとなっているような気がしてなりません。いかがでしょうか。

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最後に、鵜飼哲夫『芥川賞の謎を解く』(文春新書) です。著者は読売新聞の文芸気shで芥川賞ウォッチャーであり、膨大な芥川賞の選評を読みこなして、いわゆる純文学の登竜門たる芥川賞の選考や作家・作品のその後について、1935年の第1回の太宰事件から解き明かそうと試みています。第3章では、戦後の価値観が大きく変化した中で登場した安部公房の衝撃的なデビューが冒頭に取り上げられ、今さらながらに、現在の村上春樹よりも当時の安部公房の方がノーベル文学賞に近かった可能性に思いを馳せてしまいました。2011年を最後にして私は芥川賞をフォローしていませんが、又吉直樹『火花』は読みました。そのうちに芥川賞ウォッチャーに復帰したいとも思っています。

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2015年8月14日 (金)

藤浪投手の投打の活躍でヤクルトに完勝して6連勝!!

  HE
阪  神001310011 7130
ヤクルト011000010 370

序盤は不安定なピッチングながらも、逆転タイムリーの後で立ち直った藤浪投手の投打の活躍でヤクルトを下して6連勝でした。打線も調子は上々で中盤から終盤に小刻みに加点し、特に、ヤクルトの勝ちパターンのリリーフ投手陣から得点出来たのも大きかった気がします。最後は岩本投手が打たれましたが、呉投手が三者三振で締めくくりました。

明日も、
がんばれタイガース!

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4-6月期GDP速報1次QE予想やいかに?

来週月曜日の8月17日に今年2015年4-6月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。必要な経済指標がほぼ明らかにされ、シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの今年7-9月期以降を重視して拾っています。明示的に取り上げている機関がある一方で、下のテーブルの最後の三菱系3機関のようにアッサリした発表のリポートも少なくありません。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.5%
(▲1.8%)
7-9月期を展望すると、①企業収益が引き続き堅調に推移するとみられるなか、設備投資に対する前向きなスタンスも維持されていること、②ベースアップ反映や夏の賞与増加に加えて、人手不足を背景に、所得環境が緩やかに改善すること、などにより、景気の一段の悪化は回避され、再び回復軌道へ復帰する見込み。もっとも、幅広い業種で残存している在庫調整圧力が生産の重石となることなどから、そのペースは緩やかなものにとどまる公算。
大和総研▲0.8%
(▲3.3%)
先行きの日本経済は基調として緩やかな拡大傾向へ復する公算である。
個人消費は緩やかながら拡大基調へ復すると見込んでいる。エネルギー価格の下落を通じた実質所得の押し上げ効果が続くことに加え、ベースアップ等による名目賃金の上昇が支えになるとみている。さらに、年金改定率が上昇に転じたことで、年金受給世帯の個人消費の活性化も見込まれる。より短期的な動きとしては、このところの高気温に伴う季節商材の動きの活性化という要因もプラスに作用するとみられる。
みずほ総研▲0.4%
(▲1.6%)
今後の景気については、緩やかな回復基調に復するとみている。賃上げや夏季ボーナスの増加による所得改善などから、個人消費は緩やかに持ち直すと予想される。欧米経済を中心に海外経済の回復が続くことで、輸出も上向いていくだろう。設備投資は、製造業を中心に積極的な投資が計画されており、徐々に増加していくと見込まれる。ただし、消費増税後の消費回復の鈍さなどを背景に、鉄鋼や輸送機械などで在庫調整圧力が根強いことから、景気の回復ペースは当面緩やかなものにとどまる見通しである。
ニッセイ基礎研▲0.7%
(▲2.9%)
2015年4-6月期のマイナス成長は1-3月期の高成長の後ということもあるが、そもそも1-3月期の高成長はそれ以前の経済活動の水準が低かったことによるもので、4-6月期の弱さは反動だけでは片づけられない。景気は輸出、消費を中心に実勢として弱い動きになっていると判断される。
(略)
現時点では、7-9月期は民間消費、設備投資が増加に転じることなどからプラス成長に復帰すると予想しているが、輸出の低迷はしばらく続く公算が大きく、引き続き下振れリスクが高い。
第一生命経済研▲0.9%
(▲3.5%)
今のところ、7-9月期については、①米国経済の着実な回復が予想されることや、中国での政策効果の発現が先行き期待されることから、輸出の持ち直しが期待できること、②個人消費についても、所得の増加を背景に先行きは徐々に持ち直す公算が大きいこと、③設備投資の増加が見込まれること、から持ち直すと予想しているが、不透明感は非常に強く、リスクは明らかに下振れである。景気は正念場を迎えている。
伊藤忠経済研+0.1%
(+0.4%)
7-9月期は輸出が持ち直し、設備投資は拡大基調を維持、個人消費は増勢を強め、成長ペースは再び加速するとみられるが、わずか1四半期の景気停滞であったとしても、デフレからの脱却がそれだけ遅れることになる。さらに、中国やギリシャなど海外情勢は不透明感を残している。この予測通りとなれば、次回の消費増税前のデフレ脱却宣言に黄信号が灯ることになろう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券▲0.3%
(▲1.0%)
4-6月期の実質GDP成長率を前期比年率マイナス1.0%と予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.3%
(▲1.4%)
2015年4-6月期の実質GDP成長率は、前期比-0.3%(年率換算-1.4%)と3四半期ぶりにマイナス成長となったと見込まれる。
三菱総研▲0.7%
(▲2.9%)
2015年4-6月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲0.7%(年率▲2.9%)と予想する。14年半ば以降、景気は緩やかに持ち直してきたが、消費の不振や外需の落ち込みなどを背景に、3四半期ぶりにマイナス成長に転じる見込み。

見ての通りで、伊藤忠経済研を除いて、軒並みマイナス成長の予想が並んでいます。なお、日経センターによるESPフォーキャストでは季節調整済み前期比年率で▲1.55%との結果が明らかにされています。私は実はもう少しマイナス幅が大きいんではないかと予想しており、前期比年率で▲3%くらいと見込んでいます。上のテーブルの各シンクタンク等の予想結果についてレンジで示すと、ニッセイ基礎研と三菱総研の▲2.9%あたりから、大和総研の▲3.3%や第一生命経済研の▲3.5%くらいまで、というカンジではないかと考えています。マイナス成長の大きな要因は海外経済であり、外需の寄与が大きなマイナスに落ち込むとの予想が大勢です。さらに、消費の回復も遅れており、やはりマイナス寄与を拡大しそうです。ただし、私を含めて多くのエコノミストは足元の7-9月期に連続してマイナス成長を記録して、2四半期連続のマイナス成長により、いわゆるテクニカルな景気後退に陥ることはないと見込んでいます。
最後に、下のグラフは私の実感にフィットするということでニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

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2015年8月13日 (木)

3番狩野選手の勝越し弾で中日を3タテして5連勝!!

  HE
中  日000000100 160
阪  神01000003x 490

7回までを1点に抑えた秋山投手のナイスピッチングが3番に入った狩野選手の勝越し弾を引き寄せて中日を3タテして5連勝でした。8回はさらに今成選手も追い打ちをかけて、終わってみれば3点差の完勝でした。この3連戦はすべて中日打線を投手陣が抑え切り、昨日と今日は打線が終盤に決着をつける、という勝ち方でした。もう少し勝ち味が早い方が望ましいと思わなくもないんですし、今夜のように好投していた先発秋山投手に勝ち星をつけるためには打線の奮起を期待しますが、勢いが出そうな勝ち方であることも確かです。8月くらいで、一気にセリーグの団子レースに決着を付けられるとは思いませんが、ロードで勝ち星を積み重ねておきたいところです。

明日からのヤクルトとの首位攻防戦も、
がんばれタイガース!

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大きな減少を記録した機械受注は設備投資の足踏みを示唆するのか?

本日、内閣府から6月の機械受注が公表されています。船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの系列で前月から▲7.9%減の8359億円を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月機械受注、前月比7.9%減 7-9月期は0.3%増の見通し
内閣府が13日発表した6月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比7.9%減の8359億円だった。QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(6.5%減)を下回った。前月に大型案件があった反動で製造業からの受注額が落ち込んだ。市場予想に反しプラスとなった5月(0.6%増)から下振れし、4カ月ぶりのマイナスとなった。一方、4-6月期では前期比2.9%増を確保した。内閣府は機械受注の判断を「持ち直している」とし、前月から据え置いた。
主な機械メーカー280社が製造業から受注した6月の金額は前月比14.0%減の3797億円と、4カ月ぶりのマイナス。業種別では鉄鋼業で火水力原動機や工作機械などの発注が減少。その他業種でも鉄道車両や運搬機械、航空機の引き合いが減った。一方、非製造業(船舶・電力除く)からの受注額は0.6%増の4779億円と、3カ月ぶりにプラスとなった。
併せて発表した4-6月期の受注額(船舶・電力除く民需)は前期比2.9%増の2兆6460億円と、4四半期連続でプラスとなった。金額ベースではリーマン・ショック前の2008年4-6月期以来、7年ぶりの水準。内閣府は3カ月ごとに調査対象企業に受注額見通しを聞いている。5月に4-6月期は7.4%減るとの見通しを示していた。当初見通しをどの程度、実現したかを示す達成率は111.3%と、1-3月期(101.0%)から拡大。05年の算出開始以来、四半期別の達成率は最高だった。特に製造業が123.5%となり、達成率は3四半期ぶりに100%を超えた。
7-9月期は0.3%増の見通しとした。製造業が3.6%減る一方、非製造業は1.7%増える見込みという。鉄道車両や船舶、道路車両などの受注増を想定している。

やや長いながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

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引用した記事にもある通り、先月に発表された5月の機械受注が市場予想に反してプラスに出たものですから、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスはコア機械受注の前月比で▲6.5%でしたので、少しこれを下回ったものの、レンジでは▲10%減から▲1.7%減でしたので、大きく外れたという感じはしませんでした。四半期でならして見ると、4-6月期は+2.9%増と4四半期連続で前期比プラスを示し、7-9月期の見通しも現時点では+0.3%増となっています。7-9月期見通しの解釈はエコノミストの間で分かれる可能性がありますが、引き続き、機械受注は堅調であると私は見なしており、統計作成官庁である内閣府が基調判断を「持ち直し」に据え置いたのは当然と受け止めています。もっといえば、我が国の設備投資需要はまだまだ旺盛であり、決してこの6月の機械受注統計から下方修正する必要はないと私は考えています。上のグラフのうちの上のパネルを見ても、まだ機械受注が上昇トレンドにあることは明らかです。ただし、コア機械受注の外数ではありますが、外需についてはコア機械受注の先行指標となっており、中国経済の低迷などの影響についてはそれなりに注視する必要がありそうです。

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四半期データが利用可能になりましたので、上のグラフの通り、コア機械受注の達成率をプロットしてみました。引用した記事にもある通り、3か月前の見通しでは4-6月期は減少するとの見込みでしたので、達成率が大きく100%を超えています。景気転換点に近い時期にありがちなイレギュラーな動きかもしれませんが、当然ながら、エコノミストの間の経験則となっている景気転換点では90%ラインを超える、というところにはまだまだ余裕がありそうです。

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2015年8月12日 (水)

企業物価上昇率は国際商品市況の下落に伴いマイナスを続ける!

本日、日銀から7月の企業物価指数 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は▲3.0%の下落と、昨年の消費増税の影響が一巡した今年4月から4か月連続でマイナスを続けています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の企業物価指数、前年比3.0%下落 原油安受け下げ幅拡大
日銀が12日発表した7月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は103.4で、前月比0.2%下落、前年同月比で3.0%下落した。原油安や中国景気の懸念を受けた原材料費の下落が影響し、前年比の下げ幅は6月(2.4%下落)から拡大し、2009年12月以来の大きさとなった。消費増税を除いたベースでの前年比は2.9%下落だった。
前月比での下落要因で最も影響が大きかったのは「石油・石炭製品」だった。原油価格の下落を受けて、ガソリンや軽油など石油製品の価格が下がった。中国の景気減速懸念に伴う国際商品市況の悪化で、銅地金などの非鉄金属にも下落圧力がかかった。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは312品目、下落は382品目で、7カ月連続で下落品目が上昇品目を上回った。下落品目と上昇品目の差は6月から拡大し、13年5月以来の大きさだった。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率で、影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは国内物価の前年同月比で▲2.9%の下落でしたし、レンジとしても▲3.5%から▲2.7%でしたので、ほぼジャストミートだった気がします。国内物価でプラスとマイナスの主要な寄与を示した品目を見ると、引用した記事にもある通り、マイナス寄与では石油・石炭製品が▲0.12%、非鉄金属が▲0.09%、スクラップ類が▲0.03%などが上げられているほか、プラス寄与では電力・都市ガス・水道が+0.04%、農林水産物が+0.03%などとなっています。要因としては、これまた引用した記事にある通り、中国経済の減速に伴う商品市況の下落から石油や非鉄金属価格に落ち込みが見られる点が上げられます。中国の政策当局も景気浮揚の必要性は認識しているようですが、報道で見かけた通り、近隣窮乏化政策のような為替の切下げくらいしか対応策がないんでしょうか。でもまあ、商品価格の落ち着きは全体としては日本経済に悪くないと考えるエコノミストは多そうな気がします。
上のグラフのうちの下のパネルで示されている通り、国際商品市況に近い素原材料だけでなく、中間財や最終財もすべて石油価格の下落とともに伸び率を低下させてマイナスに転じており、同時に上のパネルの輸出入価格上昇率でも円安の効果で輸出物価だけは上昇を続けているものの、さすがに、原油というかなり基礎的な物資の価格が大きく低下していますので、相対価格の変化というよりは一般物価水準が低下していると私は考え始めています。ですから、もちろん、物価のターゲットは消費者物価(CPI)であって企業物価(PPI)ではないんでしょうが、いわゆるフォワード・ルッキングな先行きにおいて物価上昇の見込みがあるとの蓋然性が高いのであればともかく、物価の現状が継続する蓋然性の方が高いのであれば、私は何らかの追加的な政策を必要とするんではないかと考えています。米国連邦準備制度理事会(FED)が明確に利上げに舵を切りつつあるところで、追加緩和は難しい課題とは考えますが、いずれにせよ、日銀の金融政策動向に注目しています。

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2015年8月11日 (火)

富士経済による再生可能エネルギーの国内市場規模に関する調査結果やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、富士経済から再生可能エネルギー発電システム、関連機器・サービスの国内市場の調査結果が7月31日に公表されています。2020年度予測については2014年度比で見て、再生可能エネルギー関連サービスが4,199億円(3.1倍)とリースやメンテナンスの伸びがけん引し、また、注目市場としては太陽光発電遠隔監視サービスが266億円(4.8倍)と高圧分野での導入標準化が進み拡大する、などの結果が示されています。

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まず、上のグラフは再生可能エネルギー発電システムの国内市場規模の推移を示しています。2014年度の市場規模は、太陽光、バイオマス、風力、水力、地熱発電システムの5分野で3兆6,487億円だったんですが、グラフに見る通り、今年度2015年度以降は大型案件の一巡と、投資を目的とした10-500kW程度の低圧やミドルソーラー案件の減少により、縮小すると見られ、2020年度の市場は1兆9,665億円と予測されています。

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次に、再生可能エネルギー関連サービスの国内市場規模の推移は上のグラフの通りです。2014年度の市場規模は、太陽光、バイオマス、風力、水力発電関連サービスの4分野で1,339億円だったんですが、2020年度には各関連サービスが伸びることから4,199億円が予測されています。2020年度までの期間において、ハードが減少に向かうのに対して、サービスのソフトは増加を続けるとの予想になっています。

誠に申し訳ないながら、私はこの調査会社は知りませんし、調査結果にどれだけ信頼を置くかは不明で、いささか無責任かもしれませんすが、今日は諸般の事情により、図表をお示しして簡単に紹介するにとどめたいと思います。

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2015年8月10日 (月)

本日発表の景気ウォッチャーと消費者態度指数と経常収支について考える!

本日、内閣府から供給サイドと需要サイドの代表的なマインド指標である景気ウォッチャー消費者態度指数が公表されています。いずれも7月の統計です。また、財務省から6月の経常収支も発表されています。景気ウォッチャーの現状判断DIは前月比+0.6ポイント上昇の51.6、先行き判断DIは、前月比▲1.6ポイント低下の51.9を示し、消費者態度指数も前月から▲1.4ポイント低下し40.3を記録しています。6月の経常収支は+5586億円の黒字となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月街角景気、現状判断は3カ月ぶり改善 先行き2カ月連続悪化
内閣府が10日発表した7月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比0.6ポイント上昇の51.6と、3カ月ぶりに改善した。家計部門で、小売りやサービス関連の指数が上昇。製造業と非製造業がともに上昇した企業部門のほか、雇用改善の動きも指数の押し上げに寄与した。現状判断指数は好況の目安となる50を6カ月連続で上回った。
家計部門では「(各地の自治体が進める)プレミアム付き商品券の利用スタートから現在まで、売り上げ、来客数共に増加傾向にある」(東北のスーパー)との声があった。企業部門では、生産活動の国内回帰の動きが一部に出ていることから「それに伴う設備投資や改修工事が発生している」(近畿の輸送用機械器具製造業)との声が出た。雇用面で「有能な人材に対しては、正社員として採用する意欲が引き続き高い」(東海の人材派遣会社)との見方もあった。内閣府は街角景気について、3月以降と同じ「緩やかな回復基調が続いている」との判断を示した。
一方、2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は1.6ポイント低下の51.9と、2カ月連続で悪化。家計と企業、雇用の全部門の指数が低下した。株式相場の乱高下を受けて「中国もバブル崩壊の様子であり、インバウンド(訪日客)の入り込みが冷え込む可能性がある」(近畿・衣料品専門店の経営者)と不安視する声があがった。食料品の値上げが続いていることを懸念する向きも根強い。内閣府は先行きについて「物価上昇への懸念などがみられるものの、観光需要、プレミアム付き商品券への期待などがみられる」とまとめた。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は90.9%。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
7月の消費者態度指数、1.4ポイント低下 基調判断「足踏み」に
内閣府が10日発表した7月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比1.4ポイント低下の40.3だった。「暮らし向き」や「雇用環境」など4つの意識指標が全て低下し、内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」に下方修正した。
基調判断の下方修正は2カ月ぶり。低下幅は2014年2月以来の大きさとなった。食料品やティッシュ紙などで値上げが続いているほか、中国経済の減速懸念が強まったことも影響したようだ。
意識指標では「雇用環境」が前月から2.6ポイント低下した。「暮らし向き」や「耐久消費財の買い時判断」も1ポイント超低下した。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月から0.4ポイント増加し、87.7だった。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は7月15日で、有効回答数は5519世帯(回答率は65.7%)だった。
経常黒字、震災前水準を回復 1-6月8兆1835億円
財務省が10日発表した2015年上半期(1-6月)の国際収支状況(速報)によると、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支は8兆1835億円の黒字だった。黒字幅は11年3月に起きた東日本大震災前の10年下半期(7-12月)以来の水準を回復した。原油など資源価格の下落によって輸入額が11期ぶりに下落したことが寄与した。輸出も5期連続で伸びた。上半期の経常収支が黒字転換するのは2年ぶり。前年同期は燃料や電子関連製品の輸入が増え、4977億円の赤字と、比較可能な1985年以降で初めての赤字になっていた。
上半期の貿易収支は4220億円の赤字だった。前年同期の6兆2014億円の赤字から大幅に赤字額は縮小した。自動車や電子部品の輸出が伸びた。企業が海外子会社から受け取る配当金収入などにあたる第1次所得収支の黒字額は10兆5114億円と、円安を背景に前年同期の8兆3348億円から大幅に拡大し、85年以降で過去最大の黒字額になった。
旅行や輸送などのサービス収支は8723億円の赤字(前年同期は1兆4924億円の赤字)だった。昨年下期に黒字転換した「旅行収支」のほか「知的財産権などの使用料」の黒字額は比較可能な96年以降で最大だった。
6月単月の経常収支は5586億円の黒字(前年同月は3639億円の赤字)だった。黒字は12カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値(7118億円の黒字)は下回った。
6月の貿易収支は1026億円の黒字(前年同月は5463億円の赤字)だった。輸出額が6兆4563億円と、3435億円(5.6%)増えた。一方、輸入額は6兆3537億円と、3054億円(4.6%)減った。
サービス収支は1714億円の赤字(同2140億円の赤字)。第1次所得収支は6569億円の黒字(同4460億円の黒字)だった。

3つの指標の記事を引用したのでやや長くなったものの、いずれも、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、消費者態度指数と景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。上のパネルは消費者態度指数を、下のパネルは景気ウォッチャーの現状判断DIと先行き判断DIを、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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まず、景気ウォッチャーを見ると、現状判断DIでは「家計動向関連」、「企業動向関連」、「雇用関連」の3項目すべてのコンポーネントが上昇した一方で、先行き判断DIではこのすべてが低下しています。ただ、水準としては依然として高く、現状判断DIも先行き判断DIもともに横ばいを示す50を6か月連続で上回っています。何とも、私は判断しがたいんですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」に据え置いています。また、目を消費者態度指数に転じると、前月の41.7から▲1.4ポイント低下して40.3を記録しています。消費者態度指数を構成するコンポーネント4項目すべての意識指標が低下しており、「雇用環境」が▲2.6ポイント低下し44.7、「暮らし向き」が▲1.3ポイント低下し38.1、「耐久消費財の買い時判断」が▲1.1ポイント低下し38.8、「収入の増え方」が▲0.7ポイント低下し39.6を記録しています。特に、「雇用環境」の悪化が大きくなっています。上のグラフを見ても明らかな通りですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「足踏みがみられる」に下方修正しています。
この2つのマインド指標の動向を解き明かすカギは物価にあるんではないかと私は考えています。すなわち、生鮮食品を含むヘッドラインであれ、生鮮食品を除くコアであれ、消費者物価で計測された一般物価水準の上昇率については、最近時点では昨年4月の消費税率引上げの影響が一巡した上に、昨年10-12月期ころからの国際商品市況における石油価格の下落などの影響から、ほぼゼロ近傍で推移している一方で、必ずしも石油価格の影響が大きくない食品などの国民生活に身近な商品、さらに、人手不足を受けたサービスなどでは価格水準の上昇が実感されているのも事実です。ですから、供給サイドのマインド指標である景気ウォッチャーについては、このデフレ脱却の動きがプラスに受け止められつつも、先行きの懸念となっている一方で、需要サイドのマインド指標である消費者態度指数へは明らかなマイナス材料となっている可能性があります。ただ、足元の現在進行形の動きであり、フォーマルな定量分析を実施したわけではありませんから、あくまで直感的な仮説にとどまるんですが、少なくとも、本日発表の景気ウォッチャーと消費者態度指数を整合的に解釈できるんではないかと考えています。ほかに、訪日観光客のインバウンド消費については、供給サイドでしかメリットを感じないんでしょうから、ひとつの要因として上げられなくもないんものの、それほど大きなインパクトとも考えられないんではないかと私は受け止めています。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。ただし、グラフは季節調整済みの系列でプロットしています。引用した記事にもある通り、市場の事前コンセンサスは7000億円超の経常黒字でしたが、それを下回ったのは6月の特殊要因があり、企業業績好調で配当金が膨らんだためであると考えられていますから、悪いことではないのかもしれません。上の季節調整済みの系列のグラフを見ても理解できますが、国際収支ベースでは貿易収支はほぼゼロとなり、経常収支はほぼ2011年の震災前の水準に戻り、毎月1兆円超の黒字を記録しています。今年に入って例外は2月の春節ショックだけでした。貿易赤字の解消に大きく寄与したのが国際商品市況における石油価格の下落です。我が国産業の国際競争力が高まったからではないので、それなりの注釈つきで理解すべきかもしれません。

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2015年8月 9日 (日)

最終回になんとか横浜を振り切って岩崎投手の今季初勝利で首位をキープ!!

  HE
阪  神010002000 341
横  浜000000002 271

7回途中までを無失点に抑え、岩崎投手のナイスピッチングで横浜に勝って首位をキープでした。終わってみれば、6回のゴメス内野手のツーランが決勝点でした。それにしても、呉投手はやや球威に欠けており、横浜を苦手にしていたりするんでしょうか?

明後日からの京セラドームでの中日戦も、
がんばれタイガース!

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先週の読書感想文はアンガス・マディソン『世界経済史概観』ほか

先週の読書は、アンガス・マディソン『世界経済史概観』ほか、期待外れに終わった『検証 日本の「失われた20年」』も含めて以下の通りです。

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まず、アンガス・マディソン『世界経済史概観』(岩波書店) です。先週の読書は経済書か、一般教養書かの分類に苦しむ本が多かったんですが、これは明らかに経済史を中心に据えた経済書です。第1部は紀元1年から2000年を超える最近までの歴史を記述し、第2部ではマクロ計測の歴史、特に計測を始めたペティ以降の学者の人物像を明らかにするととともに、計測の科学について論じ、最後の第3部で2030年までの方向を議論しています。なお、マディソン教授は2010年に亡くなっていますので、現時点2015年とは少し発射台が異なっている可能性はありますが無視できる範囲と私は考えています。なお、本書では、必要に応じて箇条書きで整理するなど、読みやすく工夫しているところもポイントです。例えば、我が国の高度成長については pp.199-200 に5つのポイントが箇条書されています。それから、いつも経済史について私が論じているのは、現時点で欧米が高所得の先進国であるのは、英国、というか、イングランドから産業革命が始まったからであり、どうしてイングランドで産業革命が始まったかについての説得力ある仮説はまだ提出されていません。でも、包括的かつテキスト的な出来上がりを目指した本書にこれを求めるにはムリがあります。最近、ポメランツ教授の『大分岐』が邦訳されていますので期待したいと思います。

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次に、ケン・ビンモア『正義のゲーム理論的基礎』(NTT出版) です。まさに、タイトルとおりの内容ですが、英語の原題は Natural Justice であり、自然主義的な正義についてゲーム論からアプローチしています。極めて広範な文献を渉猟しているんですが、評価基準は安定性、効率性、公平性の3点で、主としてロールズとハーサニを対置して論じています。ロールズはサンデル教授の議論により、私のような専門外の一般人にも名を知られていますし、ハーサニはまさにゲーム論でノーベル経済学賞を受賞しており、その方面の専門家といえます。そして、結論としては決して一義的ではありません。すなわち、ベンサム的な功利主義に基本を置く正義とロールズ的なマキシミン原理に基づく正義の2種類を導いています。このどちらが導かれるかは、ゲーム論的な合意形成の後に合意を執行する際の執行機関の強制力によります。強力な執行機関があればベンサム的な功利主義が正義の基礎となる一方で、ゲームのプレイヤーが合意に従う可能性が低ければロールズ的な平等主義的社会契約が正義の基礎となる、ということだと私は専門外ながら理解しました。ただ、ゲーム論で私がいつも感じる疑問があり、それは時間の流れに対する感覚です。すなわち、ゲーム論ではシークェンシャルな順番は論じますが、絶対的な時間の流れはやや苦手ではないでしょうか。すなわち、市場での調整速度の問題があって、地球環境問題のように時間的な余裕がないために政府が介入すべき問題があったりするんですから、正義についても調整速度は気にかかります。それから、ベンサム的な功利主義を論ずると、必ず、社会的な推移律が成り立たないので、個人の効用関数は設定できても社会的なマクロの効用関数は設定できないとの反論が生じます。私はビンモア教授の議論に賛成で、何らかの評価関数を設定して社会的なマクロ効用関数は、あくまで暫定的な形にせよ、設定しないことには政策を立案したり、評価したり出来ない、と考えていますが、この手の推移律に基づく社会的効用関数を否定して、結局、個人の効用関数を最大化する不平等な格差理論は必ず出るものと覚悟したほうがよさそうです。

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次に、船橋洋一[編著]『検証 日本の「失われた20年」』(東洋経済) です。本書はタイトルからして経済書と考えて借りたんですが、経済書は全15章プラス終章のうち、初めの方の3章まででした。基本的には、経済書というよりも教養書と考えるべきで、内容を適確に表現しようとすれば、タイトルは「1990年以降の我が国経済社会の現状」くらいになるような気がします。章ごとに著者が異なり、相互に参照しあって、いかにも一体的な編集がなされているかのような印象がありますが、いくつかの章では正反対の主張がなされており、やや散漫な印象です。例えば、1990年代のバブル経済崩壊後の経済停滞は、第2章では需要不足が原因としているのに対して、第3章では供給サイドの構造改革が必要と結論しています。第2章の分析は極めて適確であり、現在のリフレ派の処方箋とも整合的です。その意味で、第3章まで読めば十分で、せっかく手に取ったんだからという意味でもう少し読みたいなら、それでもせいぜい第5章まで、バナナの叩き売りのように、もっと積み上げても第6章までと第15章、という感じではないでしょうか。1990年代のバブル経済崩壊以降を対象にしているようで、実は、原子力政策は福島原発の問題しか取り上げていませんし、安全保障や日米同盟などの章から9.11テロとその後のテロへの対処は何の言及もありません。また、日本の経済社会とユーロの導入は関係ないと編者は考えているようです。私はユーロ圏という欧州の大きな通貨同盟の成立には興味をもつべきではないかと思案したりします。第8章の政治改革の p.194 で、官民強調や日本株式会社の本質を政府主導の経済成長ではなく、非効率産業の保護と喝破するなど、極めて大胆かつ的確な指摘があるなど、部分的にはレベルの高さを示す一方で、第13章の歴史認識の p.329 では、1992年の天皇訪中の際に天皇の即興で心をこめた言葉が欲しかった、といった趣旨で、「内閣の助言と承認」という現憲法を否定し、天皇機関説ではなく天皇実在説のようなウルトラ右翼的な方法論で、中国の歓心を買おうと言わんが如き非常に左翼的な目的を達しようとするとの誤解を招きかねない、とてもレベルの低い論説もあります。ともかく、私の期待が間違っていたのかもしれませんが、大きく期待倒れの本でした。

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次に、ジェフ・ダイヤー『米中 世紀の競争』(日本経済新聞出版社) です。著者は英国、というか、日経に買収される予定のファイナンシャル・タイムズ紙の記者をしているジャーナリストです。ですから、学者のモデル分析なんぞとは違って、かなり現場に密着した現実感覚あふれる見方が提供されています。米中海軍力における空母の位置付けとか、アジアにおいては米中間の選択を各国に対して迫ってはいけないとか、中国のナショナリズムは日清戦争への敗北を持って始まっているとか、私のようなエコノミストの門外漢にもなるほどと思わせる内容です。現在の米中の競争は、もちろん、かつての米ソの冷戦に例えられるかもしれないんですが、本書では決定的に異なる点として、米国は世界において覇権を目指しているが、中国は世界を相手にしているわけではなく対象はアジアに限られる、と指摘しています。そうかもしれません。でも、石油や金属をはじめとする資源を原料として必要とする限り、中国が世界を相手にしてもおかしくなさそうな気もします。最後に、本書でも指摘されていますが、米ソ冷戦の終結は経済力の差がもたらし、非常に単純に図式化すれば、軍拡競争の財源が続かなかったソ連の方が音を上げて国として崩壊した、と私は受け止めているんですが、その点で、現時点の米中についてはストックでは、例えば航空母艦やミサイルなどの現有戦力としては米国に軍配が上がるものの、この先の軍拡を支える経済力ということになれば、ひょっとしたら、中国が米国を上回る可能性もあり得ます。経済的には市場によす資源配分に基づく資本主義であり、政治的には自由と民主主義という米国と同じ価値観を共有する日本としては、この競争の結果がとても気にかかるところです。

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最後に、スティーヴン・ミズン『氷河期以後』上下(青土社) です。氷河期以降の紀元前20000年から同じく紀元前5000年までの、一応、翻訳者あとがきでは15000年間の「世界史」となっています。しかし、これはマディソン教授の『世界経済史概観』にも共通して、歴史書あるいは世界史であるからには、淡々と歴史的な事実を羅列するのではなく、「歴史を貫徹する進歩の法則」のようなもの、あくまで「ようなもの」なんですが、本書でも『世界経済史概観』そういった法則性の追求という科学的な見方が欲しい気もするんですが、それはありません。本書ではラボックというアバターが、西アジアから始まって、ヨーロッパ、アメリカ大陸、オーストラリアと東アジア、南アジア、アフリカ大陸を回り、本書の対象とする紀元前20000-5000年の世界だけでなく、遺跡などの発掘の現場に登場したりします。ただし、このアバターの試みは失敗しているように受け止めています。少なくとも私はかえって混乱してしまいました。高校の世界史の教科書のように、素直に通常の記述に徹してくれた方が分かりやすかったんではないかと想像しています。花粉や動物の骨、もちろん、我が人類の歯や骨から古代史をひも解こうとしています。もっとも、上巻 p.422 以降で展開されている言語学に基づく先史学については疑問が残ります。全体として、歴史的な事実、その発見者、その方法論がごっちゃに展開されて記述されていますので、私のような専門外で頭の回転が鈍い人間にはとても分かりにくいです。さらに、ついでながら、氷河期終了後の海面上昇が120メートルに上ったことと比較して、現在問題となっている地球温暖化を軽視するが如き記述が散見され、特にひどいのは下巻 p.388 なんですが、このあたりもどうかという気がします。最後に、アバターを「ラボクック」としたミスをはじめ、いくつか誤植も散見されます。人物名や地名などで、私には馴染みのない固有名詞がいっぱい出て来ますから、どれだけ誤植があるのかも不安です。

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2015年8月 8日 (土)

先発藤浪投手が横浜を7回2失点に抑えて再び首位に!!

  HE
阪  神140000000 5130
横  浜200000000 270

派手に打ち合って得点したのは2回までで、その後は音無しの構えでしたが、藤浪投手が7回を2失点に抑えて横浜に勝利でした。8回は福原投手、9回は呉投手と、安藤投手を休ませつつ、勝利の方程式が機能してくれました。打つ方は昨夜も今日もそれなりにヒットが出て塁上を賑わすんですが、残塁の多いいつもの阪神の攻撃だという気がします。

明日は先発岩崎投手の今季初勝利目指して、
がんばれタイガース!

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米国雇用統計は堅調に推移し利上げが近づいているのか?

日本時間の昨夜、米国労働省から米国雇用統計が公表されています。ヘッドラインとなる民間非農業部門雇用者数は前月から+215千人増加し、失業率は前月と同じ5.3%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから記事を最初の6パラだけ引用すると以下の通りです。

Job Growth Steady in July, Possibly Easing Path for Fed Action
The American economy added 215,000 jobs in July, a respectable gain that could raise the comfort level of policy makers at the Federal Reserve as they consider the timing of their long-awaited move to raise interest rates.
The American economy delivered pretty much what was expected last month in terms of hiring, giving the Federal Reserve one more piece of evidence that conditions are strong enough to support an increase in the interest rate.
The pace of employment growth was steady, if not spectacular; the economy added 215,000 jobs in July. While not as robust as the gains recorded in May and June, Friday's Labor Department report came in within 10,000 jobs of what forecasters had predicted, a notable feat of consistency in an economy that employs nearly 150 million people.
The unemployment rate was unchanged at 5.3 percent. If the current pace of job growth can be maintained, economists expect the jobless rate to sink below the crucial 5 percent level by late 2015 or early 2016.
With the job market generally moving in the right direction, the Fed is likely to stay the course in its plans to raise short-term interest rates soon. Fed officials haven't given a definitive signal, but they've indicated that a rate increase is possible at the next Fed meeting in September or at their last meeting of the year in December.
While pockets of weakness remain - namely historically low levels of participation in the work force and very sluggish wage gains for most workers - private economists said on Friday that a September move by the central bank is a real possibility now, especially if job creation in August turns out to be as good as or better than it was in July.

やや長く引用してしまったものの、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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非農業部門の雇用者数は一応の目安とされる200千人を上回ったものの、市場の事前コンセンサスが220千人でしたから、わずかながらこれを下回りました。また、昨日の7月最新月の発表に伴う過去の統計の改定で5月の雇用者数の伸びは従来の254千人から260千人に、また、6月も223千人から231千人に、それぞれ上方修正されており、3か月平均では235千人と安定して雇用が増加していることがうかがえます。さらに、中身を見ても消費に直結する小売業(Retail trade)が5月+33.0千人増、6月36.5千人増に続いて、7月も35.9千人増と、着実な増加を見せています。ただし、非農業部門雇用者全体では直近7月の増加幅は前月6月統計を下回り、回復のテンポは6-7月の2か月連続でやや緩やかになっているのも事実です。ですから、失業率は5%を少し上回るレベルでほぼ張り付いているような気がします。いずれにせよ、雇用統計は堅調であり、米国連邦準備制度理事会(FED)は早ければ9月から利上げに踏み切る可能性も市場でウワサされているところ、9月4日に公表予定の8月雇用統計に大きな注目が集まるんではないかと私は予想しています。

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また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないですが、まずまず、コンスタントに+2%のライン周辺で安定していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や現在最近の欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

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2015年8月 7日 (金)

何だか締まらないゲームで横浜に負ける!!

  HE
阪  神100000003 4121
横  浜00003004x 770

いかにも阪神 vs 横浜戦らしく、というか、なんというか、大味で締まらない試合の敗戦でした。投手は8回に投げた2人を別にすれば、それなりのピッチングは見せたと思うんですが、問題はいつも決定力のない打線です。今日の試合で打線がすっかりおかしくなっていなければいいんですが、二塁手の故障者続出もあって少し心配です。

明日は先発藤浪投手で、
がんばれタイガース!

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『電子書籍ビジネス調査報告書2015』に見る電子書籍の普及やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週7月29日にインプレス総合研究所から電子書籍市場を多角的に分析した『電子書籍ビジネス調査報告書2015』の発売が発表されています。すでに店頭に並んでいるのかもしれません。なかなか興味ある内容なんですが、公務員である私は電子書籍ビジネスを展開することは出来ませんので、このリポートを買う予定はないものの、プレスリリースのサイトから電子書籍の利用に関するグラフをいくつか引用しておきたいと思います。

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まず、パソコン利用による電子書籍の利用の推移のグラフが上の通りです。有料と無料に分かれているのがご愛嬌かもしれません。ということで、見れば分かるんですが、有料の電子書籍利用率は13.5%であり、昨年から+3.1ポイント増加しまし、また、無料の電子書籍利用者は15.8%で、合わせて電子書籍の経験者は29.3%となっています。グラフを見ても、大雑把な傾向として、徐々に電子書籍利用が増加しているのが読み取れます。しかも、ここ3年で有料の利用がかなり増加している印象です。

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また、上のグラフの通り、スマートフォン上での調査を今年度初めて実施したようです。有料利用率が15.5%、無料のみの利用率が24.0%となっています。スマートフォンでのユーザーの方が無料の電子書籍のみの利用者の比率が高いことが特徴かもしれません。なお、タブレットや専用端末利用がどうなっているのかは、私には分かりません。詳細はリポートを買い求めるしかないような気がします。悪しからず。
また、グラフは引用しませんが、電子書籍ストアの使い分け方では、「価格が安い方で購入する」、「キャンペーンを実施している方で購入する」、「価格とポイントの両方を見てお得な方で購入する」などが上位に並んでいます。

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2015年8月 6日 (木)

打線がつながり広島を圧倒!!

  HE
阪  神202000301 8101
広  島001100000 271

70年目を迎えた8月6日のヒロシマの日に誠に申し訳ないことながら、打線がしっかりつながって広島に圧勝でした。先発岩貞投手は制球力がイマイチで、4回途中で早々の交代でしたが、その後は岩本投手がつないで、最後の3イニングスは点差があるにもかかわらず、勝ちパターンの投手陣をムダに引っ張り出した気がしないでもありません。

明日からの横浜戦も、
がんばれタイガース!

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景気動向指数は踊り場脱却を示唆しているか?

本日、内閣府から6月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から+0.7ポイント上昇して112.0を、CI先行指数は+1.2ポイント上昇の107.2を、それぞれ記録しています。一致指数は2か月振りの上昇、先行指数は4か月連続の上昇となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数、6月は2カ月ぶり改善 「足踏み」の基調判断維持
内閣府が6日発表した6月の景気動向指数(速報値、2010年=100)は、景気の現状を示す一致指数が112.0と、前月比0.7ポイント上昇した。改善は2カ月ぶり。内閣府は一致指数の基調判断を「足踏みを示している」とし、5月からの表現を維持した。
一致指数を構成する10指標のうち、7指標がプラスに働いた。乗用車や二輪車といった耐久消費財出荷指数や、電子部品などを含む商業販売額(卸売業)が一致指数を押し上げた。投資財出荷指数(除く輸送機械)は資本財と建設財がともに伸びたほか、鉱工業生産指数も上振れした。半面、天候不順を背景に園芸用品やエアコンなど季節商品の売れ行きが鈍く、商業販売額(小売額)はマイナスとなった。
数カ月先の景気を示す先行指数は1.2ポイント上昇の107.2だった。改善は4カ月連続で、14年2月(108.1)以来、1年4カ月ぶりの水準を回復した。最終需要財や鉱工業用生産財の在庫率指数が改善した。新設住宅着工床面積もプラス要因となった。一方、景気に数カ月遅れる遅行指標は0.2ポイント低下の115.1と、2カ月連続で低下した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前より改善した指標の割合を示すDI(最高は100)は一致指数が50.0、先行指数は88.9だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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CI一致指数・先行指数とも前月から上昇を示しています。ただし、それほど大きな上昇ではなく、連続的な変化でもありませんから、統計作成官庁の内閣府は基調判断を「足踏み」で据え置いています。CI一致指数を構成するコンポーネントのうち、耐久消費財出荷指数と商業販売額(卸売業)(前年同月比)が大きなプラス寄与を示した一方で、商業販売額(小売業)(前年同月比)がもっとも大きいマイナス寄与を示しており、耐久消費財出荷は増えたものの小売業販売はマイナスなんですから、単純に考えると、耐久財以外の消費が振るわなかった、ということなのかもしれません。引用した記事はひとつの解釈ながら、消費に関してやや解釈に苦しむ結果ではないかと思います。ただ、CI一致指数がジグザグと一進一退を繰り返しているグラフなのに対して、CI先行指数は4か月連続の上昇を示しており、グラフを見ても明らかな通り、4月から踊り場に入っている我が国景気もそろそろ停滞を脱して上昇、というか、回復・拡大に向かう動きが始まっている可能性がCI先行指数のグラフから見て取れます。今月の結果のように消費の動向がハッキリしない恨みはありますが、設備投資は着実に景気をけん引し始めており、海外経済、特に欧州や中国次第ではありますが、米国経済は好調を維持しており、年内には我が国経済も踊り場を脱して本格回復・拡大の軌道に復するものと私は期待しています。
なお、実は、今日の景気動向指数の発表から第11次指数に改定されています。7月24日に開催された景気動向指数研究会での議論を踏まえたものです。CI一致指数では、、2011年の東日本大震災から節電の影響などで生産動向との相関が弱まっている大口電力使用量が外され、11系列から10系列になっており、CI先行指数では、実質機械受注(船舶・電力を除く民需)を実質機械受注(製造業)に、また、長短金利差をマネーストック(M3)に入れ替えています。さらに、CI遅行指数では、きまって支給する給与(製造業、名目)と消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)(前年同月比)と最終需要財在庫指数を新たに追加して、従来の6系列から9系列になっています。直近の動向には大きな変化ないんですが、比較したグラフは以下の通りです。

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最後に、景気動向指数の系列の入替えに伴って、「CIによる景気の基調判断」の基準もビミョーに変更されています。局面変化を上方と下方に書き分けたんではないかと思いますが、内容に大きな変更はないようです。詳細は以下のリンクから確認できます。

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2015年8月 5日 (水)

サービス産業生産性協議会による日本版顧客満足度指数の第2回結果発表!

このブログの6月22日付けのエントリーで第1回の結果発表を取り上げたところですが、サービス産業生産性協議会から2015年度「JCSI (日本版顧客満足度指数) 第2回調査」の結果が先週7月29日に公表されています。対象業種は、自動車販売店、通信販売、銀行、証券の4業種ですが、特別調査でノンバンクも対象とされています。まず、サービス産業生産性協議会のサイトから各業種の顧客満足度1位企業・ブランドを引用すると以下の通りです。

各業種の顧客満足度1位企業・ブランド
  • カローラ店 (自動車販売店) 初の顧客満足1位。他2指標で1位
  • ヨドバシ.com (通信販売) 5指標で1位、2年連続顧客満足1位
  • 住信SBIネット銀行 (銀行) 7年連続顧客満足1位、他指標でも1位
  • SBI証券 (証券) 全指標で1位を獲得

誠に手抜きで申し訳ありませんが、帰宅が遅くなったため簡単に済ませたく、以下に全文リポートのpdfファイルからJCSI業種・業態別の顧客満足分布 (2015年度) を引用してお終いにします。悪しからず。

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2015年8月 4日 (火)

終盤勝負も広島に競り負けてどっぷり3連敗!!

  HE
阪  神031000100 592
広  島02101020x 6112

ヤクルト戦の反省を活かして打線がそこそこ得点したんですが、ベテラン投手の疲れがピークで広島に競り負けて3連敗でした。打つ方では最終回に象徴されるように、4番ゴメス選手がサッパリでした。

明日は、
がんばれタイガース!

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給与が大きく減少した毎月勤労統計から何を読み取るか?

本日、厚生労働省から6月の毎月勤労統計が発表されています。ヘッドラインとなる現金給与総額は季節調整していない原系列で見て前年同月比▲2.4%の大きな減少を示し、景気と相関の高い所定外労働時間は季節調整済みの系列で前月から+0.4%の増加を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

実質賃金、6月は前年比2.9%減 毎月勤労統計 特別給与減る
厚生労働省が4日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人当たり平均の現金給与総額から物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月比2.9%減だった。5月は横ばいと25カ月ぶりにマイナスを脱していたが、再びマイナスになった。ボーナスにあたる特別給与が6.5%減の16万5089円と、大幅に落ち込んだことが影響した。ただ、賞与の支給時期が去年に比べずれた特殊要因の影響があるとみられ厚労省は「6-8月の状況を総合的に判断する必要がある」としている。
調査対象の事業所に占める賞与の支給割合が37.7と、4.2ポイント下がった。厚労省は夏季賞与の時期が前後にずれた可能性や、直近4年は特別給与が確報値で上方修正されており、上振れしやすいことを指摘している。
現金給与総額(名目賃金)も前年同月比2.4%減の42万5727円と大幅に減少した。前年を下回ったのは2014年11月以来、7カ月ぶり。
一方、基本給や家族手当にあたる所定内給与は0.4%増の24万1618円で4カ月連続で増加した。春季労使交渉で広がったベースアップ(ベア)が反映されているとみられる。残業代など所定外給与は0.4%減の1万9020円だった。所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は実質で横ばい、名目では0.4%増えた。
所定外労働時間は1.7%減の10.6時間。製造業の所定外労働時間は1.3%増の15.6時間だった。

いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下のパネルは製造業に限らず調査産業計の賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

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まずは、賃金ですが、市場の事前コンセンサスは季節調整しない原系列の前年同月比で+1%近い上昇を見込んでいましたので、私もかなりびっくりしました。名目値ですが、1人当たりで見て6月の現金給与総額は425,727円で前年同月比▲2.4%減を記録した一方で、所定内給与は241,618円と逆に前年同月比で+0.4%増となっています。この統計をどう見ればいいのかについては諸説分かれることと思いますが、引用した記事にある厚生労働省の説明のように、所定内賃金は4月以降のベアで増加しているんですがら、6月以外の月にボーナスが分散支給された、すなわち、5月に前倒しで支給されたか、7-8月に遅れたか、ということになります。先のことは現時点では分かりませんから前を振り返ると、「特別に支払われた給与」は、6月速報では▲6.5%減だった一方で、逆に5月の確報では+25.2%増となっていました。特に、業種別では建設業+116.7%増とか、卸売業・小売業+82.5%増とかを示しており、このあたりの反動なのかもしれません。7-8月に後ズレしたというよりは、一部の業種で5月にボーナスが先払いされていた可能性が高いのではないかと推測しています。逆から見て、5月確報の現金給与総額268,520円+0.7%増はやや割り引いて見る必要がありそうです。ただし、このボーナスの特殊要因を除けば、所定内給与は+0.4%増ですから、ほぼ物価上昇見合いのレベルに達しつつあります。ベースアップが浸透してきているのかもしれません。そうだとすれば、消費に影響を及ぼす恒常所得部分は着実に増加している可能性があり、ベースアップの恩恵の広がりとともに、消費の本格回復・拡大につながることを期待してよさそうです。ただし、給与総額が伸びていないので、マインドの上昇にはつながりにくい可能性もあります。いずれにせよ、今後の推移を注視する必要がありそうです。
景気に敏感な所定外労働時間は季節調整済みの系列で前月比+0.4%の増加となりました。先週発表の鉱工業生産が前月比で+0.8%増でしたから、生産の派生需要である労働への反映としてはこんなもんかもしれません。

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2015年8月 3日 (月)

「オワハラ」に関する文部科学省の調査結果やいかに?

オワハラ」「という言葉が流行っていますが、大学生などの就活がアベノミクスの恩恵などで大いに売り手市場となり、加えて、内定時期の変更に伴って、内々定を出すので早く就活を終わらせろと、企業側から学生にハラスメントまがいの圧力がかけられる場合があるようで、文部科学省が調査に乗り出しその結果を7月31日に「平成27年度就職・採用活動時期の変更に関する調査の結果」として公表しています。基本は7月1日現在なんですが、5月現在の状況と対比させています。国公市立大学82校3,934人を対象に、さすがに文部科学省らしく100%の回答率で調査を実施しています。pdfの全文リポートもアップされていますので、今夜の記事ではこのリポートから図表などを引用しつつ簡単に取りまとめておきたいと思います。

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まず、採用選考活動の開始時期(卒業・修了年度の年8月1日以降)の遵守についてのグラフは上の通りです。7月1日付けの時点で、31.7%が「半数程度以上の企業が遵守しそうである」と回答した一方で、48.8%が「大部分の企業が遵守しなさそうである」と回答しています。5月時点から7月時点で悪化しているように見え、学生側の売り手市場で企業サイドの焦りが見られるのかもしれません。

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次に、大学で把握している「オワハラ」の実態について、就職活動の終了を強要するようなハラスメント的な行為について相談を受けたかどうかの回答結果が上のグラフの通りです。68.3%の大学・短期大学が「ある」と回答し、前年よりも23.2%ポイントも増加しています。詳細は学生対象の調査結果で列挙しますが、大学で把握しているだけでも「内々定の段階で、『誓約書』の提出を求められた」とか、「面接を受けているその場で、内々定を出す代わりに、他企業へ断りの電話をかけるよう強要された」とか、「他社への就職活動を取りやめないと内々定を出せないと言われた」などがあるようです。

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ということで、最後のグラフは学生に同じ質問をした結果です。学生側から見てハラスメントと感じられるような行為を5.9%の学生が「経験がある」と回答しており、昨年の1.9%からかなり増加しています。最後に、リポート p.8 から学生の自由記述に基づく体験例を一挙に引用すると以下の通りです。11例あります。

  • 第一志望でないのであれば、別の学生を次の選考に進ませると言われた(別の企業の選考は待てないと言われた)。
  • 内々定と引き替えに他社への就職活動をやめるよう強要された。
  • テストの関係で内定祝賀会への参加が難しいと答えたところ、参加しないと最悪内定取消しもありうると言われた。
  • 何度も呼び出し(泊まりを含む)をされ、他社の選考を受けられなくなった。
  • 座談会が多数開催される。
  • 内定後、7月31日までに入社承諾書を書くかどうか迫られた。
  • 内定承諾するなら就活をやめるように言われた。
  • 研修が 6月から週1回あった。
  • 内定承諾は先着順、及び承諾する場合は必ずリクナビ退会。
  • 内々定を出すから就職活動を止めるように言われた。その後、強要するようなことはなかったが、圧迫されている印象を受けた。
  • 8月上旬にバーベキューや清掃活動などへの参加を呼びかけられている。

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2015年8月 2日 (日)

先発岩崎投手を援護できずヤクルトに連敗してロードスタート!!

  HE
ヤクルト000000230 580
阪  神000000000 060

打線がいいところなく、山中投手を打てずにヤクルトに連敗でした。昨日今日の2試合で1得点なんですから、連敗もしようかという感じです。ただ、今夜に限っては4番の差かもしれません。投手陣については、リードしているヤクルトが勝ちパターンのリリーフ陣を温存して、負けてる阪神がボロボロに疲れの出ている福原投手をつぎ込んで傷口を大きくするなど、ベンチワークの差もあった気がします。また、打撃陣では、代打で出た新井選手も江越外野手もストライクは見逃して、ボール球だけ振りに行くように指示されているんでしょうか?
私は8回表に5点目が入ったところで長風呂に突入してしまいました。

次の広島戦は、
がんばれタイガース!

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今週末のジャズはソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロッサス」を聞く!

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今まで取り上げたことがなかったのが不思議なくらいですが、週末ジャズは上のジャケットでも有名なソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」です。1956年に録音され、マイナー・レーベルのプレステッジからリリースされたアルバムであり、パーソネルはジャケットに見える通り、テナー・サックスのソニーロリンズのほか、ピアノのトミー・フラナガン、ベースのダグ・ワトキンス、ドラムスのマックス・ロートのリズムセクションによるカルテットの演奏です。ジャケットに「ステレオ」の文字が見えませんが、モノラルによる録音です。収録曲は以下の通りです。LPのころは最初の3曲がA面、後の2曲がB面に収録されていました。

  1. St. Thomas
  2. You Don't Know What Love Is
  3. Strode Rode
  4. Moritat
  5. Blue 7

特に、4曲目のモリタートの演奏が有名なんですが、1曲目のセント・トーマスも多くのジャズ・プレイヤにカバーされています。力強い上に陽気で温かみにあふれ、ジャズの入門編として初心者にも、もちろん、長く広くジャズを聞いた多くのファンにも、約60年に渡って愛され続けたジャズの名盤中の名盤です。リーダーたるソニー・ロリンズにとどまらず、モダン・ジャズを代表するもっとも有名なアルバムの1枚であると言えます。おそらく、それなりのジャズ・ファンを集めれば、過半がこのアルバムをモダン・ジャズのナンバーワンに上げることと私は想像しています。モノラル録音でも、ハイレゾでなくても、文句なしの名演奏です。

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2015年8月 1日 (土)

いいところなくヤクルトに負ける!!

  HE
ヤクルト102000010 481
阪  神001000000 161

打線がいいところなく、石山投手を打てずにヤクルトに完敗でした。ま、いつまでも連勝が続くわけもありません。基本的に、打撃陣の得点力の問題で今日は負けたと思うんですが、昨日今日と先発投手が初回にいきなり失点するのは、単なる慢心ではないと思うんですが、試合開始前の練習か何かに問題があるのではないかと疑いを持ちます。江越外野手も今日は低めの落ちるボール球をことごとく空振りしていました。こちらは慢心かもしれないという気がします。

明日は、
がんばれタイガース!

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今週の読書は芥川賞受賞の又吉直樹『火花』ほか全8冊!

今週の読書は経済書と教養書を中心に小説も含めて、以下の通り、芥川賞受賞の又吉直樹『火花』ほか全8冊です。よく読んだものだと思いますが、200ページ足らずのボリューム的に薄い本が多かったためかもしれません。なお、注目の『火花』の読書感想文は最初に置いているわけではなく、いつもの順番で、経済経営書、教養書・ノンフィクション、小説、新書の順で並べてあります。女性雑誌ではないんですが、経済経営書が赤文字、教養書やノンフィクションが青文字、小説が緑文字、新書がピンク文字で区別しているつもりですが、時々間違えています。

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最初に、中室牧子『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) です。著者は慶応大学に在籍する経済学の研究者です。実は、この著者の研究成果、特に、学習院大学の乾友彦教授らとの共同研究については、私も役所のエコノミストですから、内閣府の経済社会総合研究所のサイトにアップしてある学術論文などを読んだりする機会もあって、やや推計結果の導出が強引で部分的にせよ怪しい結果を堂々と引き出している場合がなくはない(特に、ESRI Discussion Paper No.315)と思わないでもなかったんですが、少なくとも、本書に関しては、著者ご自身の研究成果だけでなく、かなり幅広い学術論文をサーベイした結果ですので、さすがに強引な結論の導出はないように読みました。ということで、前置きが長くなりましたが、本書のいくつかの結論のうち、いわゆる世間一般と少し異なる結果が経済学の方法を使って定量的に示されています。典型的には、ご褒美で子供を釣るのはかまわない、ほめ育てはそれほど効果はない、ゲームをしても暴力的な性向が身についてしまうわけではない、少人数学級はそれなりに効果があるが費用対効果は大きくない、などが実証的な既存研究をサーベイした結果として説得力を持って示されています。ただし、タイトルにも「学力」とカギカッコ付きで示されている通り、根本的に「学力」の測定に対する疑問を私は持ちます。一例として、経済学では伝統的に効用は逓減し、のどが渇いている時のビールは1杯目が一番美味しく、2杯目は1杯目より低い効用しかもたらさない、以下同様、と考えられている一方で、貨幣についてだけは効用は線形と考えられています。すなわち、1万円は5千円の2倍の効用をもたらし、2万円の半分しかない、というわけです。しばしば教育経済学の研究者は学力とテスト結果の間に貨幣のような線形の関係を前提しているような気がしてなりません。そして、テストの点数で計測される学力は、教育の成果のあくまでひとつであり、教育の成果はテストの点数だけでは計測されない可能性にも配慮すべきと私は考えていますし、多くの教育経済学の研究者や一般の教育に興味ある市民の賛同も得られることと考えています。最後に、このブログでも3年ほど前の2012年7月13日付けのエントリーでバナジー/デュフロの『貧乏人の経済学』(みすず書房)を紹介しましたが、私の専門分野である開発経済学においても、本書が対象とする教育経済学でも、バナジー/デュフロが活用しているランダム化比較実験による実証的な政策評価はとても重要です。野球にさえ『マネー・ボール』のような定量的な評価の試みが導入されつつあるんですから、国民の貴重な税金を使う教育や経済開発の政策に対する定量的な評価がもっと取り入れられることを望むのは私も著者と同じです。

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次に、知足章宏『中国環境汚染の政治経済学』(昭和堂) です。著者は若手の環境経済学や中国の環境問題の研究者です。本の中身はタイトルそのままなんですが、北京オリンピック対応として河北省に汚染企業が追いやられた政治経済学や、重金属公害に廃棄物問題と中国の環境問題をリストアップして論じていくとともに、地球規模の気候変動問題までを視野に入れています。ただし、私が不満に思うのが2点あり、第1に環境クズネッツ曲線的な観点が欠けています。すなわち、産業構造もしくはマクロの観点から中国の環境問題を捉えているわけではなく、各個撃破的に個別バラバラに論じている気がします。ですから、中国から先進国への輸出だけを捉えて、製品の輸出と逆方向の環境汚染の先進国から中国への輸出、といった発想に陥りがちです。中国企業が先進国企業と同様な環境保護の措置を取って製品コストが上昇すれば先進国への製品輸出が減少することから、ダブルで中国の環境汚染が防止できるという観点は全く欠けています。第2に日本人として中国の環境問題を研究する利点を活かせていません。すなわち、例えば、米国との国境沿いに展開するメキシコのマキナドーラ企業の汚染物質が国境を超えて米国に入ることが問題となっているのとまったく同じように、中国起源のPM2.5が西日本に到達したりするわけですから、視点を中国に固定せずに、国境を超えた環境被害にあっている日本国内の視点もあわせ持てば、さらに研究に広がりを加えることが出来そうな気がします。現状では本書は、単に、日本に十分に普及していない中国環境問題の情報をコンパクトに取りまとめて紹介しているだけ、という気がします。

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次に、W. シヴェルブシュ『三つの新体制』(名古屋大学出版会) です。実は、同じ名古屋大学出版会から出ているポメランツの『大分岐』を探していて、検索でヒットして、図書館で借りられたので借りました。著者が何者かはハッキリしません。ベルリン生まれで1970年代からニュー・ヨーク在住で、多彩な著作活動を展開し、法政大学出版局から数冊の著書が出ています。研究者なのか、著作業の方なのか? 本書の副題は「ファシズム、ナチズム、ニューディール」となっていて、この3つの体制は「私益に対する公益の優先」(p.18)から、非常によく似通っている、ということを論証しようと試みているんだろうと思います。特徴的な建造物やイベントとして、ファシスト・イタリアのアグロ・ポンティーノ、ナチズム・ドイツのアウトバーン、ニューディール米国のテネシー川流域開発を上げたり、ヒトラーの大衆集会とローズヴェルトの炉辺談話の近似性などを論じていますが、その試みは失敗しているとしか言いようがありません。終章で、米国に社会主義もファシズムもないのは、米国に階級がないためである、と結論し、欧州のように階級がある社会のファシズムやナチズムと階級のない新大陸の米国のニューディールを同一視しようとしていますが、とんでもないことです。民主主義下で私益と公益の関係は、全体主義下で公益が圧倒的に優先するほど自明のことではありませんが、民主主義は民主主義の決定方式がありますし、国民大衆にサポートされた民主主義と国民大衆を抑圧したファシズムでは、これらを同一視する方がどうかしているという気もします。

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次に、早川誠『代表制という思想』(風行社) です。昨年年央の出版ですが、最近の2015年7月11日号のダイヤモンド誌で取り上げていたので、私の興味ある分野でもあり、近くの図書館で借りて読みました。本書は、民主制下における代表制と直接制についての考察ですが、もちろん、それにとどまらず、民主制と独裁制、さらに抽選制、あるいは、自由主義や経済的な市場経済、などなどについても議論を広げています。最後の最後の結論は、代表制と直接制はいずれも民主主義が必要とする同等な2つの制度である(p.196)となっていて、コストがかかるから本来望ましい直接制ではなく代表制が取られている、という俗説を否定しています。私は半分賛成で半分反対です。すなわち、第1に反対の点として、やはり直接制が代表制よりも望ましく、生産性が大きく向上して、いわゆる時短が大幅に進んだ将来の世界では、通信コストの低減もあいまって、直接制の方をドミナントにすべきではないか、と私は考えています。代表制はそれまでの暫定的な制度の可能性があります。しかし、現実の人類の歴史において、生産性が向上すると生産物が増加するだけで、生産物の増加と時短の間に適当な分割がなされてきたためしがありません。なお、古代ギリシアのアテネなど直接民主制が取られていたのは、奴隷に生産や流通を委ね、市民の生産性がゼロに近かったことが背景にあると私は考えています。第2に賛成の点として、代表制は何らかの民意を反映する上で、決してダイレクトに反映してはならないカッコ付きの「民意」を代表の間の熟議により、少し「歪める」必要があるケースでは直接制よりも代表制の方が、いわゆる「ごまかしがきく」ような気もします。ただし、国民に共通するような「民意」や「公益」、さらに「国益」のようなものが存在するとは私には到底考えられず、多様な意見をプロセスするというのか、主権者たる国民の間で調和を取るように取り計らうのが民主主義、特に熟議の民主主義なんだろうと受け止めています。また、本書でも指摘していますが、議会の代表を選挙するのと、執行機関たる政府の代表、すなわち、大統領や首相などを直接選挙するのは、かなり意味合いが異なる可能性があるのは認識すべきです。最後に、本書の論点ではありませんが、私は従来から民主主義と市場経済は親和性があるとはいうものの、決して車の両輪とかコインの表裏のような関係、存在ではないと考えています。すなわち、民主主義は自然人当たりの単位で決定がなされる一方で、市場経済は購買力というか、利用可能な貨幣の残高により決定がなされます。大きな違いが背景にあると考えるべきです。

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次に、又吉直樹『火花』(文藝春秋) です。文句なしの今年一番の話題の書であり、第153回芥川賞受賞作品です。お笑いコンビ漫才師のスパークスのメンバーである主人公の徳永が、熱海の花火大会で同じ漫才師で4歳年上の神谷と出会い、師匠と崇めた交際が始まるのが発端で、2人のインタラクティブな関係が吉祥寺というか、上石神井も含めて、また、後には、池尻大橋から三宿あたりも含めて、そのあたりの住宅街を舞台にストーリーが展開されます。漫才師である前に常識的な社会人で下ネタに対する嫌悪感もある徳永に対し、はっちゃけたような、あるいは、その昔の破滅型芸人のような神谷との関係はそれなりの緊張感をはらみ、同時に、漫才という、やや通俗的な芸ながら、売れる芸術と質的に高い芸術が必ずしも一致しない現実に20代の2人が格闘したりします。最後の会話部分の表現力や、ラストのプロットのまとめ方がとてもサイドビジネスでやっている芸人作家とは思えないほどセンスがいいです。これだけを見ると、100万部を大きく突破した実力は知名度込みかもしれないものの、それなりの実力を示しているのかもしれません。最近の芥川賞は私もそれほどフォローしていないんですが、十分にそのレベルをクリアしていると思います。芥川賞受賞時の青山七恵のレベルを少し下回るくらいではないかと思います。繰返しになりますが、大いに話題の書です。読んでおいて損はありません。

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次に、佐伯泰英『意次ノ妄』(二葉文庫) です。居眠り磐音の江戸双紙シリーズも49巻に達し、本書の冒頭で田沼意次が死去します。意次の遺命を受けた柳生新陰流の剣士が、新たな寛政の改革の中心人物となった老中首座の松平定信の暗殺に向かうのを阻止すべく、その矛先を尚武館坂崎道場に向けさせます。その対決の場が坂崎磐音の嫡男である空也の初陣となります。最後に作者あとがきで、50巻で打止めと広言していた作者が修正を加え、来年正月に50巻と51巻を同時に発売し、それにて完結という運びになりそうです。第1巻の『陽炎ノ辻』が出たのが2002年で、そのころ我が家はジャカルタにいたため、2003年に帰国してから、NHKの時代劇ドラマも見つつ、それでも延々と10年超に渡って読み続けてきました。2008-10年に長崎大学に出向していたころは、東京ほど図書館事情がよくなくて、このシリーズばっかり何度も読んでいた記憶があります。後、半年ほどで終わりかと思うと感慨深いものを覚えます。

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次に、鴻上尚史『クール・ジャパン!?』(講談社現代新書) です。著者は劇団第3舞台を主宰する著名な劇作家であり、本書との関係では、NHK/BSで放送されていた番組 cool japan の司会者を10年余り務めています。ということで、本書はこの番組の経験を取りまとめた結果となっています。ですから、最近注目のインバウンド観光客の消費動向とかは、ほとんど関係ありません。番組における出演外国人の反応を取りまとめていて、最初は番組出演の外国人が考える日本のクールのベスト20から始まって、定番のおもてなしや日本食、あるいは、世界に誇れるメイド・イン・ジャパンの製品群やマンガやコスプレなどのポップ・カルチャー、最後は文化的な側面から、日本と外国、ある時はアジアと欧米の違いだったり、ある時は日本とその他すべての外国との違いだったり、といろいろですが、日本の特徴を浮き彫りにしようと試みています。それはそれなりに興味深いテーマですし、本書も勘違いして手に取る人を含めて人気の書なんですが、バイアスのかかった相手から得られた情報、あるいは、かなり表面をなぞっただけの情報に満ちている可能性があることを覚悟して読み進むことを強くオススメします。

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最後に、小林雅一『AIの衝撃』(講談社現代新書) です。「AI」はもちろん人工知能のことです。著者はKDDI総研の研究者であり、本書は遠い将来ながら、AIが人類を凌駕して人間を絶滅させる可能性まで見据えています。今年の5月30日付けのブログで『テクノロジーが雇用の75%を奪う』の読書感想文を紹介しましたが、やや傾向として似通っていなくもなく、本書はややSF的な可能性も含めつつ、AIの来る歴史と将来の可能性を探っています。AIがビッグデータを解析し、ロボットの頭脳となって、はるかに人類の能力を超えるパフォーマンスを持つ可能性は否定できませんし、単なる力仕事や単純労働だけでなく、高度な判断を下し、状況に応じて臨機応変に方針を変え、さらに、作曲や文学作品までものにするAIが出現しようとしている現状を把握しておくには適切な1冊だという気がします。チェスや将棋のような固定したルールのゲームではすでに人類はAIに太刀打ち出来なくなりつつありますし、グーグルなどが自動車の自動運転に関する技術開発を行っているのも周知の事実です。私のような専門外の人間にはピンとこないテーマなんですが、興味深い将来像なのかもしれません。

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