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2015年8月10日 (月)

本日発表の景気ウォッチャーと消費者態度指数と経常収支について考える!

本日、内閣府から供給サイドと需要サイドの代表的なマインド指標である景気ウォッチャー消費者態度指数が公表されています。いずれも7月の統計です。また、財務省から6月の経常収支も発表されています。景気ウォッチャーの現状判断DIは前月比+0.6ポイント上昇の51.6、先行き判断DIは、前月比▲1.6ポイント低下の51.9を示し、消費者態度指数も前月から▲1.4ポイント低下し40.3を記録しています。6月の経常収支は+5586億円の黒字となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月街角景気、現状判断は3カ月ぶり改善 先行き2カ月連続悪化
内閣府が10日発表した7月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比0.6ポイント上昇の51.6と、3カ月ぶりに改善した。家計部門で、小売りやサービス関連の指数が上昇。製造業と非製造業がともに上昇した企業部門のほか、雇用改善の動きも指数の押し上げに寄与した。現状判断指数は好況の目安となる50を6カ月連続で上回った。
家計部門では「(各地の自治体が進める)プレミアム付き商品券の利用スタートから現在まで、売り上げ、来客数共に増加傾向にある」(東北のスーパー)との声があった。企業部門では、生産活動の国内回帰の動きが一部に出ていることから「それに伴う設備投資や改修工事が発生している」(近畿の輸送用機械器具製造業)との声が出た。雇用面で「有能な人材に対しては、正社員として採用する意欲が引き続き高い」(東海の人材派遣会社)との見方もあった。内閣府は街角景気について、3月以降と同じ「緩やかな回復基調が続いている」との判断を示した。
一方、2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は1.6ポイント低下の51.9と、2カ月連続で悪化。家計と企業、雇用の全部門の指数が低下した。株式相場の乱高下を受けて「中国もバブル崩壊の様子であり、インバウンド(訪日客)の入り込みが冷え込む可能性がある」(近畿・衣料品専門店の経営者)と不安視する声があがった。食料品の値上げが続いていることを懸念する向きも根強い。内閣府は先行きについて「物価上昇への懸念などがみられるものの、観光需要、プレミアム付き商品券への期待などがみられる」とまとめた。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は90.9%。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
7月の消費者態度指数、1.4ポイント低下 基調判断「足踏み」に
内閣府が10日発表した7月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比1.4ポイント低下の40.3だった。「暮らし向き」や「雇用環境」など4つの意識指標が全て低下し、内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」に下方修正した。
基調判断の下方修正は2カ月ぶり。低下幅は2014年2月以来の大きさとなった。食料品やティッシュ紙などで値上げが続いているほか、中国経済の減速懸念が強まったことも影響したようだ。
意識指標では「雇用環境」が前月から2.6ポイント低下した。「暮らし向き」や「耐久消費財の買い時判断」も1ポイント超低下した。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月から0.4ポイント増加し、87.7だった。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は7月15日で、有効回答数は5519世帯(回答率は65.7%)だった。
経常黒字、震災前水準を回復 1-6月8兆1835億円
財務省が10日発表した2015年上半期(1-6月)の国際収支状況(速報)によると、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支は8兆1835億円の黒字だった。黒字幅は11年3月に起きた東日本大震災前の10年下半期(7-12月)以来の水準を回復した。原油など資源価格の下落によって輸入額が11期ぶりに下落したことが寄与した。輸出も5期連続で伸びた。上半期の経常収支が黒字転換するのは2年ぶり。前年同期は燃料や電子関連製品の輸入が増え、4977億円の赤字と、比較可能な1985年以降で初めての赤字になっていた。
上半期の貿易収支は4220億円の赤字だった。前年同期の6兆2014億円の赤字から大幅に赤字額は縮小した。自動車や電子部品の輸出が伸びた。企業が海外子会社から受け取る配当金収入などにあたる第1次所得収支の黒字額は10兆5114億円と、円安を背景に前年同期の8兆3348億円から大幅に拡大し、85年以降で過去最大の黒字額になった。
旅行や輸送などのサービス収支は8723億円の赤字(前年同期は1兆4924億円の赤字)だった。昨年下期に黒字転換した「旅行収支」のほか「知的財産権などの使用料」の黒字額は比較可能な96年以降で最大だった。
6月単月の経常収支は5586億円の黒字(前年同月は3639億円の赤字)だった。黒字は12カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値(7118億円の黒字)は下回った。
6月の貿易収支は1026億円の黒字(前年同月は5463億円の赤字)だった。輸出額が6兆4563億円と、3435億円(5.6%)増えた。一方、輸入額は6兆3537億円と、3054億円(4.6%)減った。
サービス収支は1714億円の赤字(同2140億円の赤字)。第1次所得収支は6569億円の黒字(同4460億円の黒字)だった。

3つの指標の記事を引用したのでやや長くなったものの、いずれも、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、消費者態度指数と景気ウォッチャーのグラフは以下の通りです。上のパネルは消費者態度指数を、下のパネルは景気ウォッチャーの現状判断DIと先行き判断DIを、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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まず、景気ウォッチャーを見ると、現状判断DIでは「家計動向関連」、「企業動向関連」、「雇用関連」の3項目すべてのコンポーネントが上昇した一方で、先行き判断DIではこのすべてが低下しています。ただ、水準としては依然として高く、現状判断DIも先行き判断DIもともに横ばいを示す50を6か月連続で上回っています。何とも、私は判断しがたいんですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」に据え置いています。また、目を消費者態度指数に転じると、前月の41.7から▲1.4ポイント低下して40.3を記録しています。消費者態度指数を構成するコンポーネント4項目すべての意識指標が低下しており、「雇用環境」が▲2.6ポイント低下し44.7、「暮らし向き」が▲1.3ポイント低下し38.1、「耐久消費財の買い時判断」が▲1.1ポイント低下し38.8、「収入の増え方」が▲0.7ポイント低下し39.6を記録しています。特に、「雇用環境」の悪化が大きくなっています。上のグラフを見ても明らかな通りですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「足踏みがみられる」に下方修正しています。
この2つのマインド指標の動向を解き明かすカギは物価にあるんではないかと私は考えています。すなわち、生鮮食品を含むヘッドラインであれ、生鮮食品を除くコアであれ、消費者物価で計測された一般物価水準の上昇率については、最近時点では昨年4月の消費税率引上げの影響が一巡した上に、昨年10-12月期ころからの国際商品市況における石油価格の下落などの影響から、ほぼゼロ近傍で推移している一方で、必ずしも石油価格の影響が大きくない食品などの国民生活に身近な商品、さらに、人手不足を受けたサービスなどでは価格水準の上昇が実感されているのも事実です。ですから、供給サイドのマインド指標である景気ウォッチャーについては、このデフレ脱却の動きがプラスに受け止められつつも、先行きの懸念となっている一方で、需要サイドのマインド指標である消費者態度指数へは明らかなマイナス材料となっている可能性があります。ただ、足元の現在進行形の動きであり、フォーマルな定量分析を実施したわけではありませんから、あくまで直感的な仮説にとどまるんですが、少なくとも、本日発表の景気ウォッチャーと消費者態度指数を整合的に解釈できるんではないかと考えています。ほかに、訪日観光客のインバウンド消費については、供給サイドでしかメリットを感じないんでしょうから、ひとつの要因として上げられなくもないんものの、それほど大きなインパクトとも考えられないんではないかと私は受け止めています。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。ただし、グラフは季節調整済みの系列でプロットしています。引用した記事にもある通り、市場の事前コンセンサスは7000億円超の経常黒字でしたが、それを下回ったのは6月の特殊要因があり、企業業績好調で配当金が膨らんだためであると考えられていますから、悪いことではないのかもしれません。上の季節調整済みの系列のグラフを見ても理解できますが、国際収支ベースでは貿易収支はほぼゼロとなり、経常収支はほぼ2011年の震災前の水準に戻り、毎月1兆円超の黒字を記録しています。今年に入って例外は2月の春節ショックだけでした。貿易赤字の解消に大きく寄与したのが国際商品市況における石油価格の下落です。我が国産業の国際競争力が高まったからではないので、それなりの注釈つきで理解すべきかもしれません。

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