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2015年11月27日 (金)

堅調な雇用統計とマイナス続く消費者物価から何を読み取るか?

本日は月末最後の閣議日で政府経済統計がいろいろと公表されています。すなわち、総務省統計局の失業率厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局の消費者物価指数(CPI)が、それぞれ公表されています。いずれも10月の統計です。失業率は前月の3.4%から3.1%に低下し、有効求人倍率は前月と同じ1.24となり、生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率も前月と同じ▲0.1%を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

完全失業率、10月は前月比0.3ポイント低下の3.1% 20年ぶり低水準
総務省が27日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は3.1%で、前月比0.3ポイント低下した。改善は3カ月ぶりで、1995年7月以来、20年3カ月ぶりの低水準だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は3.4%だった。非製造業を中心に雇用が拡大し、2011年9月以来、4年1カ月ぶりの大幅な低下になった。
就業者数(原数値)を業種別でみると、医療・福祉は26万人増、宿泊・飲食業が13万人増など、非製造業の雇用の伸びが目立った。製造業は4万人減少と8カ月連続で減ったが、減少幅は9月の42万人から縮小した。15-64歳の就業率は74.0%、女性では65.5%と、比較可能な1968年以降での最高を更新した。
完全失業率(季節調整値)を男女別にみると、男性が0.2ポイント低下の3.4%だった。女性は0.4ポイント低下の2.7%で、1993年9月以来、22年1カ月ぶりの低水準にある。10月は男女ともに失業者が減少し、完全失業率の大幅な低下につながった。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」と分析している。
完全失業者数は206万人で22万人減少した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人減、「自発的な離職」は7万人減、「新たに求職」している人は12万人減だった。
就業者数は6396万人で、前月比3万人減少した。雇用者数は12万人増加しており、自営業者の減少が要因。仕事を探していない「非労働力人口」は4469万人と26万人増えた。
全国消費者物価、3カ月連続マイナス 10月0.1%下落
総務省が27日発表した10月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合(コアCPI)が103.5と前年同月と比べ0.1%下落した。下げ幅は8、9月と同じで、3カ月連続のマイナスとなった。下落幅はQUICKがまとめた市場予想(0.1%下落)と一致した。原油安の影響で電気代やガス代、灯油やガソリンなどエネルギー品目の価格下落が引き続き全体の押し下げ要因になった。昨年に自動車保険が値上げされた反動も出たという。
半面、食料(生鮮食品除く)の上昇傾向が続いたほか、新製品の投入効果があったテレビなどの娯楽用耐久財や訪日客の増加の影響が続いた宿泊料も値上がりした。品目別では上昇が342、下落は135、横ばいは47。
食料・エネルギーを除いた「コアコアCPI」は101.7と、0.7%のプラスだった。耐久消費財に加え、家具や衣料品などの価格も上がった。ただ9月(0.9%)から勢いは鈍り、春先からの伸び率の拡大傾向は一巡した。QUICKの市場予想(0.8%上昇)も下回った。総務省は物価動向を巡り「エネルギー関連を除けば上昇基調にある」との見方を変えなかった。
先行指標となる11月の東京都区部のCPI(中旬速報値、10年=100)は、生鮮食品を除く総合が102.0で前年同月と同水準だった。6月(0.1%上昇)以来、5カ月ぶりにマイナス圏を脱した。コアコアCPIは0.6%上がり、10月(0.4%上昇)から伸び率が広がった。教養娯楽用耐久財や外国パック旅行などが押し上げ要因となった。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、2つの統計の記事を並べるとそれなりのボリュームになります。これだけでお腹いっぱいかもしれません。続いて、雇用については、以下のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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有効求人倍率こそ前月と同じ1.24倍でしたが、失業率はとうとう3%に近づいて来ました。私の直感で、その昔のフィリップス曲線の理論からすれば、経験的には失業率が3%を切るのがインフレ率2%の条件のひとつではないかと考えないでもありませんでしたが、その後の高齢化などの経済社会の構造変化を含めても3%くらいが完全雇用水準ではないかと考え直しつつあり、この先も人手不足が続くようであれば賃金から物価の上昇に転化する可能性を十分に含ませているような気がします。もっとも、賃金と物価の上昇はお互いにインタラクティブな関係にあり、賃金から物価への一方的な時系列の流れだけではなく、そう単純な構造ではありません。いずれにせよ、失業率の低下などの量的な雇用の改善が進んで、緩やかながら賃金の上昇や正規雇用の増加などの質的な雇用の改善が進む段階になりつつあると、私は考えています。ですから、例えば昨日11月26日の官民対話に提出された経団連会長の資料で賃金上昇の容認が明らかにされたのは、決して安倍総理などの政府からの圧力に屈してだけが理由ではなく、経済合理性に基づくひとつの選択であったんではないかと考えられなくもありません。

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次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが10月中旬値です。これまた、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。ということで、物価に対する基本的な見方は、私も総務省統計局も日経新聞も変わりないような気がしますが、あえて付け加えるのであれば、CPI上昇率はプラスに転じるかどうかはともかく、11月か12月のCPI上昇率はマイナスを脱するんではないかと多くのエコノミストは予想しています。根拠の一つは、東京都区部の消費者物価動向であり、2015年11月の東京コアCPI(中旬速報値)上昇率は前年比で保合いと10月の▲0.2%から5か月振りにマイナス圏から脱しています。逆から見て、この3か月連続の▲0.1%の全国ベースの下落は国際商品市況における原油価格動向から見ても、物価上昇率のボトムであった可能性が高いと私も感じています。もっとも、その後、我が国経済が力強くデフレ脱却を果たして、グングンと日銀目標のインフレ率に近づくかどうかは別の問題であり、少なくとも私はインフレ率はゼロ近傍からわずかなプラス領域で膠着する可能性が高いと考えています。従って、米国の金融政策動向とともに、日銀の追加緩和についても注目していますが、来週公表予定の鉱工業生産指数や商業販売統計も参考にしたいと思います。

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