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2016年3月 2日 (水)

帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」に見る人手不足やいかに?

昨日、1月の雇用統計が公表されたばかりですが、ちょうど1週間前の先週2月23日に、帝国データバンクから「人手不足に対する企業の動向調査」の結果が公表されています。一昨年2015年1月から半年おきに実施されている調査で今回は3回目です。業種別、規模別、正社員・非正社員別で人手不足の現状が明らかにされています。まず、帝国データバンクのリポートから調査結果(要旨)を引用すると以下の通りです。

調査結果 (要旨)
  1. 企業の39.5%で正社員が不足していると回答。業種別では「放送」が66.7%にのぼったほか、「情報サービス」や「医薬品・日用雑貨品小売」が6割を超えており、IT関連業界や専門知識・スキルを必要とする業種で人手不足が深刻となっている。とりわけ、「旅館・ホテル」「自動車・同部品小売」などで前回調査(2015年7月)より10ポイント以上増加しており、急激に人手不足感が拡大する業種もみられる。また、従業員数の多い大手企業ほど人手不足を感じる傾向があった。アベノミクスの恩恵が届きやすい大手企業において、人手が不足している状況がうかがえる
  2. 非正社員では企業の26.2%が不足していると感じており、特に「飲食店」「飲食料品小売」「旅館・ホテル」などで高い。また、人手不足を感じる企業が半数以上となる業種は51業種中9業種で前回調査(4業種)から5業種増えており、人手の不足している業種が広がりを見せている

ということで、帝国データバンクのリポートから、いくつか図表を引用して簡単に紹介しておきたいと思います。

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正社員と非正社員に分けて、従業員の過不足感を問うた結果が上のグラフの通りです。6か月ごとの調査で、正社員・非正社員とも大雑把に不足感が高まって、過剰感は低下している、という結果が読み取れます。リポートでは、企業からは、「システム開発案件が多く人材不足が深刻」(ソフト受託開発、東京都)とか、「ビジネスパートナー会社から人材が確保できなくなった」(ソフト受託開発、大阪府)など、情報サービス関連の人材不足が拡大するなか、人材紹介会社からの確保も難しくなってきている様子がうかがえるとともに、「消費税増税の影響が薄れ、一部大手メーカーで業績が回復するなど、変化の兆しが表れている」(情報家電機器小売、東京都)など、消費税率引き上げの影響が薄れてきたことを指摘する意見も表明されています。いずれにせよ、正社員の不足感が非正社員の不足感を上回っており、雇用の質的な改善が図られる環境が整いつつあることが見て取れます。

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次に、業種別と規模別の従業員不足感の大きい企業の割合は上の通りです。注目は規模別であり、規模の大きな企業ほど人で不足感が強くなってうます。リポートでは、企業の景況感は従業員数「1000人超」が「5人以下」を10%ポイント以上上回っていることから、アベノミクスの恩恵が届きやすい大手企業において、人手不足感が高まっている可能性を示唆しています。

いずれにせよ、今週火曜日に公表された雇用統計に見られる通り、我が国の労働市場はほぼ完全雇用の状態にあり、この先、量的な雇用拡大から賃金引き上げや正規雇用の増加などの質的な雇用改善の段階が始まることと私は予想しています。

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