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2016年3月16日 (水)

政府観光局の訪日外客統計ほか、雑感をいくつか手抜きで!

本日、政府観光局(JNTO)から2月の訪日外客数が公表されています。中国の景気停滞が広く報じられる一方で、今年2月は中華圏の春節と重なりましたので、私は少なからず注目していましたが、2月の訪日外客数は季節調整していない原系列の前年同月比で見て+36.4%増の1,891.4千人に上りました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の訪日外国人、36.4%増の189万1400人 過去2番目
日本政府観光局(JNTO)が16日発表した2月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比36.4%増の189万1400人だった。2月として過去最高を記録したほか、単月でも2015年7月の191万8356人に次いで過去2番目の数値となった。アジア地域で旧正月の休暇中に訪日旅行需要が増加したほか、航空路線の拡大や為替の円安基調による割安感の定着なども寄与した。
国・地域別では中国が最も多く、38.9%増の49万8900人となった。2月として過去最高を記録したものの、学校の冬休み期間の変動から1月に旧正月休暇の前倒し需要が発生し増加幅はやや限られた。次いで多かったのが韓国で、52.6%増の49万800人だった。2月として過去最高となり、年初からの累計ではいち早く100万人を超えた。
その他の国・地域では台湾(25.7%増の34万9000人)と香港(38.8%増の15万1800人)が続いた。ロシアを除く米国やタイなどの全主要市場で2月として過去最高を記録した。
JNTOは3月の動向に関して、イースター休暇や桜の見ごろを迎えることから「訪日旅行需要の増加が期待される」との見通しを示した。

いつもながら、簡潔のによく取りまとめられているという気がします。次に、主要な国別の訪日外客数の伸び率の推移のグラフは以下の通りです。赤い折れ線グラフが合計の訪日外客数増減率の推移を示しており、他は凡例の通り色分けされた国別です。

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引き続き、訪日外国人観光客は順調に増加しているようですし、3月も政府観光庁では「訪日旅行需要の増加が期待」と報じられています。ご同慶の至りかもしれません。
本日は他に2つのトピックに注目しました。いずれも大きな手抜きなんですが、日経新聞のサイトからの記事の引用で手早く済ませておきたいと思います。ひとつは春闘の集中回答であり、もうひとつは総理官邸での国際金融経済分析会合で、スティグリッツ教授が招待されています。以下の通りです。なお、来週の国際金融経済分析会合はクルーグマン教授と調整しているとも報じられています。

ベア、トヨタ1500円 ホンダ1100円 電機大手も慎重
トヨタ自動車の2016年春季労使交渉は15日、月給を一律に上げるベースアップ(ベア)を1500円とすることで決着した。15年実績の4割弱の水準で、トヨタと同額の日立製作所など電機大手は半分となる。3年連続のベア実施だが、新興国経済の失速や円高など景気の不透明感が強く、伸びは小幅にとどまる。デフレ脱却を探る日本経済に影響を与えそうだ。
トヨタは北米での販売好調を背景に16年3月期の連結営業利益が2兆8千億円と過去最高を更新する見通し。だが、物価上昇に乏しく、円安効果も薄れてきている。新興国経済の減速も重荷のなか、経営側は高水準のベア実施に慎重な姿勢を示してきた。
一方、足元の収益を色濃く反映する一時金は基準内賃金の7.1カ月分(昨年は6.8カ月分)の要求に満額で応じる。金額換算で約257万円(同246万円)で08年のリーマン・ショック以降、最高水準となる。ホンダのベアは15年実績の3割強の1100円で回答する。
電機大手5社も3年連続のベア実施となるが、水準は低い。中国経済の減速などが響いてパナソニックなどで業績下方修正が相次ぎ、経営側はベアに慎重な姿勢を崩さなかった。
三菱重工業、川崎重工業、IHIなど造船重機大手7社の労組はベア4千円を要求していたが、経営側は1500円を回答する。資源安の影響でブラジル事業見直しを迫られるなど先行き不透明感が台頭している。厳しい交渉が続き、電機などと同じ水準で決着した。NTTは15年より900円少ない1500円前後で調整している。業種を超えて16年労使交渉はベア1500円がひとつの基準となりそうだ。
企業の賃上げについては、菅義偉官房長官が「賃上げの流れを続け、雇用・所得の拡大を通じた経済の好循環を実現する」と訴えるなど、政府は何度も大幅な賃上げを要請していた。だがトヨタの回答を受けて政府関係者は15日、「一時金は良かったが(ベアは)厳しい数字だ」と指摘した。
政府が企業に賃上げを本格的に要請し始めて3年目。政府内では安倍晋三首相が掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円の実現には、3%の賃上げが必要との声が出ていた。今回、交渉をリードするトヨタの回答がそれに届かず、消費底上げは限定的になるとの見方もある。足元の消費はさえず、実質消費支出は1月まで5カ月連続で減少した。1月の実質賃金は前年同月比0.4%増にとどまっている。
スティグリッツ教授、来春の消費増税見送り提言 国際金融経済分析会合 「世界経済は低迷」
政府は16日午前、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初めて開いた。講師として招いたノーベル経済学賞の受賞者であるジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、世界経済は難局にあり「2016年はより弱くなるだろう」との見解を示した。「現在のタイミングでは消費税を引き上げる時期ではない」と述べ来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう提言した。
菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で「スティグリッツ氏から税制について、総需要を喚起するものではないとの観点から、消費税引き上げはいまのタイミングではないとの趣旨の発言があった」と説明した。
分析会合の終了後、安倍晋三首相とスティグリッツ氏のほか、首相の経済政策のブレーンを務める浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与を交え意見交換した。スティグリッツ氏は首相官邸で記者団に「首相は(消費増税先送りを)恐らく、確実に検討するだろう」と述べた。
首相は分析会合の冒頭で「伊勢志摩サミットの議長の責任を果たすため、世界の経済・金融情勢について率直な意見交換をしたい。アベノミクスに関しても、意見を頂きたい」とあいさつした。
スティグリッツ氏は分析会合で「世界経済は低迷している」との認識を表明。「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」と強調した。

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