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2016年4月30日 (土)

最終回の反撃及ばず横浜に競り負ける!

  HE
横  浜000100011 380
阪  神000000002 251

阪神藤川投手と横浜井納投手の投手戦でしたが、横浜に競り負けました。それにしても、昨夜は4安打、今日も5安打ではそうそう勝てません。終盤の負けパターンのリリーフ投手陣の失点も痛かったですが、打撃陣のいっそうの奮起を期待します。

明日は、
がんばれタイガース!

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今週の読書は大量に9冊!

何となく今週はゴールデン・ウィーク前で落ち着かず、仕事もそれほど忙しくないというか、ゴールデン・ウィークを区切りに一段落させてしまったので、大量に読書しました。仕事に密接に関係する本も含めているので、より大量に読んだ気がします。でも、学術論文を書く時の参考文献なんて、最低でも20-30冊は並べますし、50冊を超えることもめずらしくありません。もちろん、図書だけでなく20ページほどの論文も込みの数字ですが、これくらいは読みこなさないと論文も書けません。

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まず、仕事の関係もあって、我が国の高度成長期の貿易や為替の自由化との関係で、上川孝夫『国際金融史』浅井良夫『IMF8条国移行』(日本経済評論社) を読みました。昨年12月と8月の出版です。いずれも国際金融関係の研究者が著者となっています。いずれも学術書でしょうが、税抜きベースながら2冊合計で軽く12000円を越えます。公務員の薄給では買い求めるのもはばかられましたので、私は図書館で借りました。『国際金融史』の方は金本位制の前から国際金融の歴史を解き明かし、1930年代の世界大恐慌から戦後のブレトン・ウッズ体制下の固定為替相場、その後のニクソン・ショックからの変動相場制の導入とグローバル化の進展、最後はリーマン証券の破綻による金融危機や欧州のソブリン危機で終わっています。ていねいに国際金融の歴史を追いかけ、決して過去のイベントを最近の金融危機に投影することなく、歴史の流れをキチンと把握できるように工夫されている気がします。ただ、専門外の場合、歴史が平板的に羅列されている印象を受けるかもしれませんが、私はそれなりに興味深く読めた気がします。『IMF8条国移行』の方は、時期も国も大きく絞り込んで、ほぼ我が国の高度成長期に焦点を当てています。しかも、私は今まで見たこともなかったんですが、IMFコンサルテーションによる日本の政策当局と国際機関であるIMFの交渉過程から日本の貿易や為替の自由化の歴史をひも解いています。主たる焦点は圧倒的に我が国に置きつつも、国際機関における米英の主導権争いなどにも目配りがなされています。特に、『国際金融史』の方でケインズの引用文献がかなり膨大なのに驚き、今さらながら、単なる理論家ではなく国際金融の交渉の場におけるケインズの存在の大きさを認識しました。

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次に、田中直毅『中国大停滞』(日本経済新聞出版社) です。著者は著名なエコノミストであり、タイトルから内容や結論は明らかでしょう。昨年半ばころから新興国の中でもブラジルと中国が経済に変調を来しています。ブラジルの場合は大統領の弾劾ですから制度的な問題もあって、なかなかエコノミストには解釈の難しいところもあるんですが、近隣国の中国は経済的な影響も大きく、エコノミストとしてはより気にかかるところです。中国経済の停滞を考える際に、本書では明示的に指摘していませんが、短期の循環的な停滞なのか、それとも、長期の構造的な要因によるものなのかを識別することは極めて重要です。先週の読書感想文のブログで取り上げたノース教授流に考えると、エルゴード的なのか、非エルゴード的なのか、ということになります。そして、本書の著者の回答は非エルゴード的であり、制度的な要因も含めて詳細に本書でその理由を解説しています。統計が信頼性にかける点から本書が始まって、要するに、集権国家としてバブルの発生も崩壊も、その影響の緩和も、すべてに失敗し沈み行く中国を描き出しています。私は実はここまでとは思いませんが、ある程度は本書と近い印象を持っています。ただ、本書の後半で明治期以降の我が国を手本として中国のさらなる民主化を推奨する気にはなりません。また、本書の著者はステイト・キャピタリズムや集権国家としての中国を批判していますし、そのもとで経済がイノベーションに基づく成長に適さない、というのも事実だろうと思いますが、忘れてならないのは Gill and Kharas 的な中所得の罠、Middle Income Trap の可能性です。この点についてはまったく言及がなく、少し物足りない気もしないでもないんですが、結論として、中国の経済停滞は短期的で循環的なものではなく、中長期的で構造的な要因、すなわち、集権国家によるイノベーションの可能性の低下を原因としている可能性が高いという点については私も強く同意します。

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次に、山口謠司『日本語を作った男』(集英社) です。著者は中国や日本を専門とする文献研究者で、タイトルの男性は尾張藩士の子弟に生まれ、東京大学教授を務め、本書でいう日本語=標準語の確立に貢献した上田万年です。小説家円地文子の父であり、教え子に広辞苑の編集で著名な新村出のほか、橋本進吉、金田一京助、亀田次郎らがいます。ということで、本書では「万年」の漢字を当てていますが、当時の人ですので「萬年」が正しいのではないかと思いつつ読み進みます。日本では高校くらいから、いわゆる国語は現代国語と古文と漢文に分かれ、明治期から戦前まではいわゆる文語体というものがあり、口語体と区別されていました。とても不思議なことに、私の理解する範囲で、英語やスペイン語では古い表現こそあれ、文語体と口語体の区別はありません。この言文一致を進めたの1人が上田万年です。現在では、いわゆる旧字体のカナ文字である「ゐ」や「ゑ」はすでに使われていませんが、上田万年が追及したように、言葉で話す通りに書くというまでには至っていません。例えば、上田万年が主張したように「を」の使用をヤメにして「お」で統一するとか、「おにいちゃん」ではなく「おにーちゃん」と長音記号を多用するとかです。ただ、くだけた書き文字では、例えば、このブログでも私は「ビミュー」と書いたりしますが、学術論文ではそうしません。当たり前です。すなわち、本書では上田万年に着目してその業績や主張を展開しているんですが、逆に、一部の主張が現在に至るまで実現されていないのはどうしてなのかも知りたい気がします。という意味で、かなり強い物足りなさを感じてしまいます。森鴎外が上田万年のライバルとして、日本語の新たな展開に反対しまくって、性格が悪いのはここまで強調する必要もないことで、むしろ、上田万年の主張がどうして実現されなかったのか、森鴎外のせいなのか、などに触れて欲しかった気がします。また、本書でも軽く触れられていますが、1985年にNHKでもドラマ化された井上ひさしの『國語元年』もその昔に楽しく視聴した記憶があります。

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次に、齋藤孝『日本人は何を考えてきたのか』(祥伝社) です。著者は人気の明治大学の先生です。いろんなシリーズの本を出版していると思います。本書では、礼賛でも自虐でもなく、自分の国の正しい姿を知るという目的で、古事記から始まって、仏教、禅、武士道、京都学派哲学、などなど、1300年に及ぶ日本思想のポイントが、著者のシリーズ本に例えれば、「ざっくり」と理解できるようになっています。第1章では、日本人とは日本語を母語とすると定義し、古事記から日本人の考え方を説き起こし、第2章では日本人の宗教的なバランス感覚を議論し、特に、最近ここ何年かのハロウィーンの取り込みに、日本人的なバランス感覚を見出しています。第3章では西洋と対比する中で、西田幾多郎などの哲学の京都学派の思想から日本人の考えを考察し、最後の第4章では柳田國男の民俗学などから、ものの決まり方としてコンセンサス的な決まり方で責任があいまいになる日本方式について、リーダーシップ型で責任の所在が明らかな方法と対比させ、天皇の外戚として関白を務めた藤原氏のシステムからの成り立ちを示唆しています。なかなかおもしろい考えかもしれません。そして、最後に、論語に立ち返ると主張しています。論語そのものは中国由来であることは言を待ちませんが、そこに日本人の考え方の原型を見出しているわけです。私は論語というよりも、論語の日本的な解釈なんではないかと受け止めていますが、本家本元の中国では社会主義の下で論語の扱い、というか、解釈がどうなっているのか知りませんので、中国的な論語の解釈と日本的な解釈の違いなどがどうなっているのか、専門外の私には何ともいえません。でも、直感的に本書でいう「論語」は、日本的な解釈の下の論語ではないかと考えています。それほど詳しいわけではないので、あくまで直感です。

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次に、森正人『戦争と広告』(角川書店) です。著者は研究者であり、ナショナリズム研究の一環として本書を出版したようです。表紙の雰囲気からも判る通り、いわゆる15年戦争における戦意高揚のプロパガンダを扱っています。基本的な分析の視点はマクルーハンのようです。対象は「写真週報」と「アサヒグラフ」が多かった気がします。私が読んだ範囲では第3章まではヒタスラプロパガンダ材料を並べて解説するだけで、もちろん、貴重な資料なんでしょうが、研究者でなくても高校の文化祭の展示くらいで出来そうな気もします。ハッキリいってレベルの低さを痛感します。少なくとも、「大本営発表」といえば、現代では誇張ないしは虚偽の発表に近い受け止め方をされていますが、本書ではプロパガンダの内容の解説に終止しており、受け止めた国民の側の反応というものは皆無です。内容の分析すらなく、私の直感では、戦争初期の戦果などはある程度は真実に近いものの、末期には誇張ないし虚偽に近くなるわけですから、たとえ情報統制が敷かれていたとしても、国民の側で何らかの反応があったんではないかと想像するものの、そういった分析はまったくなされていません。本書でも『ビルマの竪琴』にほとんど現地人が登場しない点を批判的に取り上げていますが、本書でプロパガンダを受け止めた国民の登場はなく、私はとても物足りなく感じました。戦争というのはある種の集団ヒステリーに近いと私は考えていて、およそ経済的な合理性というのは無視されるのが通例なんですが、21世紀の現時点から当時を振り返るのは、そういった合理性がどこまで無視されたのか、あるいは、無視しない人がどのように反応したのか、といった点も知りたい気がします。また、戦争当時のプロパガンダから、最終章では一気に21世紀に飛びますが、50年余りの間の変化についてもトレースして欲しい気がします。やや残念な1冊でした。

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次に、村田沙耶香『消滅世界』(河出書房新社) です。私はこの作者の作品は初めて読みました。舞台は100年先の日本か、あるいは、パラレル・ワールドといっていいのか、いずれにせよ、世界大戦で男性が出征したため人工授精の技術が飛躍的に発達し、通常の性交渉で妊娠と子作りをするのではなく、原則として人工授精で妊娠し、結婚はこの妊娠のために精子と卵子を提供する男女、すなわち、夫婦の間に成立する一方で、夫婦はともに別の異性あるいは同性の恋人を持ち、夫婦間の性交渉は近親相姦として忌み嫌われる、という世界を舞台にしています。他方、家族とは性交渉ない夫婦とそのDNAを引き継ぐ子供から構成されます。ただし、これは通常の世界の話であって、これをもっと突き詰めて行き着いた先が千葉県の実験都市が展開され、楽園(エデン)システムと呼ばれています。そこでは、妊娠も子育ても集団的に行われて、誰が誰の親で、子供で、というのがわからなくなって社会的な妊娠出産、子育てが行われ、男性も成功率は極めて低いものの人口子宮で妊娠したりします。その千葉に主人公夫婦がある企みを持って潜行しますが、主人公の女性の蹴っこない手であった男性が楽園(エデン)システムに取り込まれてしまいます。私の直感としては、伊藤計劃の『ハーモニー』の影響が色濃く見いだされるんですが、ラストはかなり異なります。主人公は実は通常の性交渉で生まれて来ており、母親との関係が大注目です。ネタバレは控えておきますが、『ハーモニー』のように、ある意味で、無色のSFではなく、ややディストピア小説なんだろうと受け止めています。

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次に、一色さゆり『神の値段』(宝島社) です。今年2016年2月27日付けの読書感想文のブログで取り上げた城山真一『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』とともに、昨年度の宝島社「このミス大賞」の大賞受賞作品です。美術品にからむミステリであり、正体を隠した覆面画家とその画家の作品を行ってに扱うプライマリーのギャラリスト、そして、その画家雨の作品を収集するコレクターなどの登場人物の中、ギャラリストのアシスタントが主人公となってストーリー・テリングします。謎自体はそれほどでもなく、同時に、作品に登場する人物がものすごく少ないので、犯人は限られてすぐにネタバレしてしまうんですが、最後の10ページほどで主人公が一気に殺人犯相手に真相をしゃべり切るのも、構成上ややツラい気がします。まあ、その他にも順不同で何点か指摘すると、第1に、この21世紀のご時世に、しかも、30-40年ほど前に面識ある人も少なくない画家が完全に覆面状態を維持できるとするのもムリがありますし、第2に、メールで指示された作法で出来上がった作品にサインするだけで、その画家の作品とするのは、トイレの便座にサインしたデュシャンの例を持ち出して言い訳してもムリがありますし、第3に、オークションで一気にあそこまで値が競り上がるのもムリがありますし、第4に、CD-Rで犯人に不利な証拠が送られて来るのは決定的にムリがありそうな気がします。謎解きのミステリではなく、美術品に関係するサスペンス、なのかもしれませんが、そうであれば、この作者の目標は原田マハなのかもしれません。

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最後に、おおたとしまさ『男子御三家』(中公新書ラクレ) です。著者は麻布高校出身で、育児や教育に関する著書も何点かあります。タイトルからも明らかなように、東京の男子単学で6年間中高一貫教育のうちでも名門校である開成、麻布、武蔵の3校を取り上げて論じています。当然ながら、褒め称えられています。誠についでながら、最後の「おわりに」で、取り上げられた男子御三家だけでなく、似たような学校文化が共通しているとして、女子御三家や灘高などとともに、我が出身高校も名前を上げられています。光栄の至りです。いろんな本で紹介されている通り、我が母校も末席に加えて、名門校といわれる中高は自由な校風で、いわゆるリベラルアーツを中心とした懐が深い、というか、ぶ厚い教育をしてくれます。もちろん、「パッと見」で目につくのは東大や京大などの名門大学への進学なんですが、決して何かを犠牲にして偏差値を取っているわけではないと私は経験から知っています。すなわち、10代のティーンと呼ばれる多感な思春期に、スポーツや恋愛といった活動を抑制して勉強を詰め込んで偏差値を得ているわけではありません。もちろん、人格形成に難があるわけでもなく、歪んだ性格の生徒が多いというわけではありません。男子単学ながら、少なくとも私の母校ではなかり派手な男女交際が暗黙に認められていた気がします。我が家の倅2人も男子単学の6年間を送っているんですが、コチラはかなり地味というか、よく言えば質実剛健かもしれません。逆に、私の出身校は軽佻浮薄なのかもしれません。いずれにせよ、我が家の倅2人はすでに大学生と高校3年生ですから、私は子供達の進学の参考というよりも、自分の青春の学校時代の物語として読んでみました。

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2016年4月29日 (金)

陽川選手のホームランで投手戦を制して連敗を脱出し岩貞投手2勝目!

  HE
横  浜000100000 160
阪  神00002000x 241

阪神岩貞投手と横浜今永投手の息詰まる投手戦を制して連敗ストップでした。決勝点は陽川選手のツーランでした。その直前の鳥谷選手の渋いフォアボールも利きました。以下は今日のスタメンです。前の和田監督や真弓監督のころには想像も出来なかったオーダーです。これだけ面白い野球で、今日は勝ったんですから、阪神ファンは止められません。

  1. (左) 高山
  2. (中) 大和
  3. (右) 江越
  4. (一) ゴメス
  5. (遊) 鳥谷
  6. (三) 陽川
  7. (補) 原口
  8. (二) 北條
  9. (投) 岩貞

明日も、
がんばれタイガース!

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マクロミル・ホノテの衣替えに関する調査結果やいかに?

とても旧聞に属する話題ですが、4月14日にマクロミル・ホノテから「すっかり春めいてきましたが、『衣替え』いつしますか? 失敗しない「衣替え」時期をチェック!」と題して衣替えに関する調査結果が明らかにされています。まず、マクロミル・ホノテのサイトから調査結果のTOPICSを4点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 衣替えのきっかけ。女性は「天気」、男性は「気温」
  • 衣替えは「4月に」が最多。ただし約半数が「冬物をしまったのにまた寒くなって困った」経験アリ
  • 「サンダル・ミュール」、4割の女性が履き始めの時期に悩む。GW過ぎれば履いてOK!?
  • 古くから続く日本の習慣なのに、今や4人に1人は衣替えしない時代。始まりを知るのはたった1割

私は適当な服装をしている中年公務員ですから、それほどオシャレでもないことは明らかで、来月5月からはネクタイなし上着なしのクールビズが始まりますので、特にいい加減な格好で役所に出勤したりするんですが、それなりに興味もあるところ、図表を引用して簡単に紹介しておきます。

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まず、マクロミル・ホノテのサイトから春・夏の衣替えのタイミング・きっかけに関する問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。男女間の差については私はよく判らないながら、男性の回答結果は私の実感にかなりフィットします。すなわち、気温を重視する中でも最低気温ではなく、昼間の活動時期の最高気温の方をより重視しますし、回答にある「月」というのは、おそらく、天体の月ではなく季節感のことでしょうから、気温もさることながら、季節感も重要です。その昔に「伊達の薄着」という言葉がありましたが、少し早目に衣替えするのも、特に、春から初夏にかけての衣替えでは色使いが明るく華やかになりますから、それなりに季節感も重視するならいいんではないか、と私は考えています。ただ、私の場合は薄着になってもボディ・ラインは気にならないんですが、中年を過ぎると厚着でごまかす必要のある人もいそうな気がしますので、春の衣替えの時期を遅らせて厚着を続ける、という考えも理解できます。なお、どうでもいいことながら、近所のクリーニング屋さんがドライものの割引を始める時期にもやや左右されそうな気がします。

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次に、マクロミル・ホノテのサイトから衣替えを実施する月に関する問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。これまた、こんなもんだという気がします。私の場合も、4月を中心に、ダラダラと3月から始めて、5月までかかる、というカンジではないかと思います。私は軽めのショート・コートというものを持っていないので、その昔は「オーバー」と呼ばれていたようなダッフル・コートや決して「ライト」でも、もちろん、「ウルトラライト」でもなんでもないモコモコのダウン・コートなどを3月から片付け始め、4月には上着を軽いのに取り替え、5月からシャツが半袖になる、というところではないかと思います。でも、こう考えると、私の本格的な衣替えは数の上からは5月なのかもしれません。

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次に、マクロミル・ホノテのサイトから「足元の衣替え」をするかしないかに関する問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。この調査では、かなり「サンダル・ミュール」に特化した質問となっているような気がしますが、私の場合は、秋冬のデザート・ブーツの後、春夏はデッキ・シューズになる、というサイクルもあります。でも、半袖と長袖のようにクッキリと入れ替わるわけでもなく、秋冬はややデザート・ブーツを履く比率が高く、春夏には少しデッキ・シューズを着用に及ぶ割合が増える、というくらいではないでしょうか。サンダルは私の場合は着用する期間は通常よりも長く、早くから履き始めて遅くまで履いている、という気がします。4月に入ってすぐの週末にはクロックスを履いて自転車をこいでいた記憶があります。

最後に、グラフは引用しませんが、2点ほど取り上げると、まず、衣替えのイメージについては、「季節が感じられていい」とポジティブに回答した人がトップで37.1%に対して、ネガティブな「面倒くさい」が35.4%で2位につけており、なかなか興味深いところです。さらに、そもそも衣替えは平安時代の宮中行事から始まったというのは、私も京都の人間ですから、どこかでほのかに聞いたことがあるような気もしますが、改めて、衣替えを宮中行事発祥として認識するようになった気がします。

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2016年4月28日 (木)

9回に追いつくも巨人から勝利は奪えず引き分け!

 十一十二 HE
読  売003000000000 3143
阪  神000010002000 3100

9回に追いつくも引き分けでした。9回に相手チームのクローザーを打って追いついたんですから0.5勝くらいかもしれないんですが、結局、この3連戦は巨人に勝てませんでした。去年までは聞いたこともない選手が出場機会を得て活躍もしれいたりするんですが、なかなか勝利に結びつかないのかもしれません。でも、これだけ野球が面白ければ、今年は育成の年で終わってもいいような気がします。

明日は岩貞投手に勝ち星をつけるべく、
がんばれタイガース!

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いっせいに公表された政府統計と日銀「展望リポート」やいかに?

今日は、月末最後の閣議日で明日からはゴールデン・ウィークが始まりますから、政府統計などの経済指標がいっせいに公表されています。鉱工業生産指数は季節調整済みの前月比で+3.6%の増産を示し、商業販売統計のうち小売業売上は季節調整していない前年同月比で▲1.1%減となり、雇用統計のうち失業率は前月から0.1ポイント低下して3.2%を、有効求人倍率は前月からさらに+0.02ポイント上昇して1.30を、それぞれ記録し、消費者物価 (CPI)は生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率で見て▲0.3%の下落となっています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月鉱工業生産、3.6%上昇 1-3月は1.1%低下
経済産業省が28日発表した3月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比3.6%上昇の96.6だった。2カ月ぶりの上昇となり、伸びはQUICKがまとめた民間予測の中央値の2.9%上昇も上回った。自動車や半導体製造装置などの生産活動が良好だった。1-3月でみると、2月の落ち込みが響いて前期比1.1%低下の96.0だった。
経産省は生産の基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。業種別では15業種中12業種で生産が前月を上回った。自動車などの輸送機械は8.8%上昇した。トヨタ自動車(7203)による計画減産で2月に大きく落ち込んだ反動が出た。半導体製造装置などはん用・生産用・業務用機械は3.2%の上昇となった。半面、通信会社向けの装置などが落ち込み、情報通信機械は1.5%低下した。
4月の予測指数は2.6%の上昇となった。ただ4月中旬以降に発生した熊本地震の影響は反映されておらず、経産省は「地震の影響を加味すれば、4月は前月からマイナスになる可能性が高い」とみている。
3月の小売業販売額、前年比1.1%減 2カ月ぶりマイナス
経済産業省が28日発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比1.1%減の12兆2680億円となった。2カ月ぶりに減少した。季節調整済みの前月比では1.4%増えた。
経産省は小売業の基調判断を「弱含み傾向」で据え置いた。業種別では石油製品の価格低下により燃料小売業が15.0%減となったほか、機械器具小売業も4.6%減だった。乗用車などの販売が低調で自動車小売業も3.1%減った。一方、医薬品・化粧品小売業は花粉症対策製品などが伸びて4.0%増えた。
百貨店とスーパーを含む大型小売店の販売額は前年比0.2%減の1兆6460億円。既存店ベースでは1.2%減で、うち百貨店は2.8%減、スーパーは0.3%減だった。百貨店、スーパーともに衣料品の販売が低調だった。
コンビニエンスストアの販売額は3.5%増の9371億円だった。加工食品などが伸びた。
完全失業率、3月は3.2% 前月比0.1ポイント低下 労働力調査
総務省が28日発表した3月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は3.2%で、前月比0.1ポイント低下(改善)した。低下は2カ月ぶり。QUICKの市場予想は3.3%だった。人手不足で雇用情勢が改善傾向にあり、3%台前半の低い失業率が続いた。
完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.2ポイント低下の3.4%、女性は0.2ポイント上昇の3.0%だった。完全失業者(季節調整値)は前月比5万人減の211万人となった。男性が9万人減る一方、女性は4万人増えた。「自発的な離職」は5万人減、勤務先の都合や定年退職などの「非自発的な離職」は1万人減った。
就業者数(同)は6387万人で、前月から13万人減少した。雇用者数は18万人減の5693万人だった。
就業率は前年同月から0.1ポイント上昇し57.2%となった。宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などで就業者の増加傾向が続いた。
3月全国消費者物価0.3%下落 5カ月ぶりマイナス
総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合が102.7と、前年同月比0.3%下落した。2015年10月(0.1%下落)以来、5カ月ぶりにマイナスに転じた。QUICKの市場予想(0.2%下落)より下振れし、マイナス幅は2013年4月(0.4%下落)以来2年11カ月ぶりの大きさだった。原油価格の下落の影響で、電気代や都市ガス代、ガソリン代などエネルギー関連の品目に値下げ圧力が強まった。
生鮮食品を含む総合は103.3と0.1%下落した。下落するのは13年5月以来、2年10カ月ぶり。食料・エネルギーを除く「コアコア」の指数は101.3と0.7%上昇し、伸び率は2月の0.8%から鈍った。家庭用耐久財の価格が下がる一方、外国パック旅行や食料(生鮮食品除く)の値上がりが物価を下支えした。併せて発表した2015年度のCPI(生鮮食品除く)は14年度と比べ横ばいの103.2だった。
東京都区部の4月のCPI(中旬速報値、10年=100)は、生鮮食品除く総合が101.7と、前年同月比0.3%下落した。下落率は3月と同じだった。原油安が引き続き物価の重荷となっている。食料・エネルギーを除く総合は0.6%上昇し、3月と同じ伸び率だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。それにしても、一気にこれだけ引用するとおなかいっぱいです。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は他の統計とも共通して景気後退期です。

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鉱工業生産の増加の背景として、2月に鋼材メーカーの事故に伴って生産を停止していたトヨタ自動車の増産にともなう反動増がけん引したほか、輸出もそれなりの増産寄与があったといわれています。ほかにも、2月の減産からの自律反発とみられる動きが重なり大きな増産となりました。四半期にならして見ると、昨年10-12月期の+0.1%増の後、1-3月期は前期比▲1.1%減とマイナスに転じましたが、この先、製造工業生産予測調査によれば4月+2.6%増の後、5月▲2.3%減とジグザグの動きながら、指数に引き直せば4-5月平均は1-3月期のほぼ+2.0%増となりますので、1-3月期の減産をカバーできる可能性があります。ただし、熊本地震の影響が明らかでなく、というか、そもそも地震そのものが近日中に終息するかどうかも判りませんから、その影響については何とも見通しがたいところがあります。さらに、この製造工業生産予測調査は実績が出ると下方修正されるクセのある指標ですので、そのまま単純に指数に引き直すのははばかられます。ということで、統計作成官庁の経済産業省は基調判断を「一進一退」で据え置いていますが、鉱工業生産の先行きリスクは上振れよりも下振れの方に厚いんではないかと受け止めています。上振れについての期待は設備投資なんですが、2015年度から2016年度に先送りされた部分も少なくないと私は想像しており、消費や輸出などの最終需要次第では設備投資がそれなりに増加して増産につながる可能性も決して見逃すべきではないと予想しています。上のグラフのうちの下のパネルに示された通り、耐久消費財よりは投資財の出荷の方が底堅く推移しているのも事実です。

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続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。同時に総務省統計局から家計調査の結果も公表されていますが、グラフはないものの、世帯当たりの実質消費支出は前年同月比で▲5.3%の大きな落ち込みを記録しています。商業販売統計の小売販売は名目であって実質でなく、さらに、世帯当たりではなく総額の販売額ですので、ベースがかなり異なるものの、季節調整していない系列の前年同月比が▲1.1%減、季節調整済みの系列の前月比は+1.4%増となっています。引用した記事にもある通り、国際商品市況における石油価格の低下により燃料小売業が▲15.0%減と大きく売上げを減らしたほか、乗用車などの販売が低調で自動車小売業も売上げを減らしています。1-3月期をならして見ると、2月のうるう年効果により、あるいは、GDPベースの消費はプラスとなる可能性も否定できませんが、これを除けば消費の実勢はかなり停滞していると考えざるを得ません。経済産業省の基調判断の「弱含み傾向にある」はその通りです。そして、背景としては賃金の伸び悩みがあり、春闘のベースアップは冴えないものに終わりましたし、夏季ボーナスも私は増加を見込んでいますが、どこまで消費を増加させる効果があるかはビミューなところです。

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続いて、雇用統計については、上のグラフの通りです。上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。上のグラフを見ても明らかな通り、失業率と有効求人倍率がさらに改善を示す一方で、雇用の先行指標となる新規求人がなぜか3月は大きく低下しています。このあたりは不明なんですが、人手不足がさらに進んでいる一方で、賃金が上がらないという不思議な現象が進んでいます。基本的には先月の雇用統計発表時に示したグラフの通りで、中年女性と高齢男性の労働市場参入の効果が大きいと考えています。ただし、足元で労働力化率はやや低下し始めている可能性があります。それにしても、賃金は上がらずとも人手不足で雇用の場が確保されているという点については、家計からすれば安心感があるところであり、冴えない経済指標が多い中でも、家計のマインドなどから景気が急降下する可能性を小さくしていると私は評価しています。さらに賃金が上がればマインドだけでなく、消費行動に結びついて実体経済を上向かせると期待しています。

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経済指標の最後に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが3月中旬値です。いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。ということで、5か月振りに生鮮食品を除くコアCPI上昇率はマイナスを記録した一方で、食料とエネルギーを除くコアコアCPI上昇率はプラスを維持しており、消費増税の物価押上げ効果が一巡した昨年2015年4月以降も、極めて大雑把ながら、コアコアCPI上昇率は+0.8%前後でそれなりに安定していますので、明らかに国際商品市況における石油価格下落の影響によって我が国消費者物価が下落していることが伺われます。物価安定を目指す日銀も苦しいところです。

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ということで、昨日から開催されていた日銀金融政策決定会合ですが、金融政策は現状維持、というか、追加緩和なしで終了しました。マーケットは期待を裏切られた形で、円高が進行し株安となっています。もう修正されましたが、最初、日経新聞の電子版には「日銀覚悟の現状維持」という趣旨のタイトルの記事があったような気がします。上のテーブルは「展望リポート」の基本的見解から2015-2018年度の政策委員の大勢見通しを引用しています。インフレ目標の達成は先送りされています。

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2016年4月27日 (水)

ゴールデンウィークの天気予報やいかに?

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昨日、日本気象協会から「2016年 ゴールデンウィークの天気」が明らかにされています。上の画像の通りです。なお、関東甲信から九州にかけての天気予報は下の通りです。

各地域の天候の一言ポイント
29日(金)から5月2日(月)は晴れるところが多く、気温も上がって汗ばむ陽気となる見込みです。
夏日(最高気温25度以上)となるところもあるため、熱中症対策や紫外線対策をしっかりと行ってください。
5月3日(火)以降は天気が数日の周期で変わり、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。

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何らいいところなく巨人にボロ負け!

  HE
読  売200404010 11110
阪  神000001000 173

巨人にボロ負けでした。何ら見せ場なく、何もいいところなく、目立ったのは併殺とエラーや守備の乱ればかりでした。私は岩田投手のピッチングのリズムが悪いんではないかと想像しています。1回いきなりのフォアボールなんか典型です。それが打撃にも影響しているんではないでしょうか?

明日は3タテを避けるべく、
がんばれタイガース!

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野村総研によるネットショッピングの定着と消費者向けビジネスの構造変化に関する調査結果やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、先週4月21日付けで野村総研から「ネットショッピングの定着と消費者向けビジネスの構造変化」と題する調査結果が明らかにされています。まず、野村総研のサイトから網かけになっている調査結果のポイントを引用すると以下の通りです。

ネットショッピングの定着と消費者向けビジネスの構造変化
インターネット利用層では、小額な買い物においても価格を重視して商品を選んでいる実態や、複数サービスをワンセットで提供する"家計の囲い込み競争"に関して、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や携帯電話会社が優勢な状況にあることが明らかになりました。今後、消費者向けビジネスを展開する上では、インターネット活用の進展とともに新しい競争構造が登場しつつあり、関連する事業者にとっては重大な局面にあると考えられます。

私も少額ながら、チョコチョコと1000円とか1500円くらいからネットで買い物をしていますので、基本的に価格に着目した調査ですが、エコノミストの視点からしても、それなりに興味ある結果が示されています。グラフとともに簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、野村総研のサイトから、年代別の複数回答で見て、昨年1年間で利用したことがあるショッピング形態についての問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。カタログ通販やテレビ通販に比較して、かなり圧倒的にインターネット通販が利用されている実態が明らかにされています。また、インターネット利用は高齢層よりも若年層の方に多いんではないかという何となくの想像があるんですが、大きな差はないものの、通販に関してはインターネット通販に限らず高齢層の方が利用しているようです。というのは、そもそも、通販、というか、買い物については10代や20代の若年層よりも高齢層の方が可処分所得や時間的余裕も含めて、買い物の機会が多いんではないかと私は想像しています。この買い物機会の差を調整すれば、やっぱり、若年層の方がインターネット通販を頻繁に利用している、という結果が出そうな気がしないでもありません。

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次に、野村総研のサイトから、商品が1万円と1000円の場合別の複数回答で見て、ネットショップを選ぶ際の必須条件についての問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。ここで、おそらく、エコノミストが当惑するのは「送料無料」のうたい文句です。送料が無料ということは、いかにもフリーランチのように見えますが、そんなことはあり得ないと多くのエコノミストは考えており、それでも、「送料無料」の宣伝文句にひきつけられる消費者が多いのには驚きを禁じえません。「送料無料」というのは、商品価格にすでに上乗せされていることを見抜くべきです。ですから、せめて、2番目の(送料込みの)価格の安さに魅力を感じて欲しい気がします。それから、1000円と1万円で必須条件として差が生じているのは、いわゆる広い意味での「安かろう、悪かろう」の観点から我慢できる条件が示されている可能性が高く、なかなかに興味あるところです。

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最後に、野村総研のサイトから複数のネットショップの比較をし始める商品の価格帯についての問いの回答結果を引用すると上のグラフの通りです。常識的というか、何というか、1000円ないし3000円のあたりで価格に敏感になる消費者が多い結果となっています。私はたとえ100円からでも価格に敏感であるべきという気もしますが、実は、私は価格にはそれほど敏感でもなく、通販でしか売っていない商品に魅力を感じる方なので、価格への敏感性に少し違いがあるような気もします。

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2016年4月26日 (火)

先発藤浪投手が6回に集中打を浴びて巨人に逆転負け!

  HE
読  売000004010 591
阪  神002000010 380

5回までわずか1安打に抑えていた藤浪投手が6回に集中打を浴びて逆転負けでした。打線ももう少し援護したかったところですが、藤浪投手ももう少し踏ん張って粘って欲しいところです。でも、これだけフレッシュな選手が出場すると、見ていて楽しいので、それはそれでいいかという気もします。
ところで、広島の新井選手が2000本安打を達成しました。阪神でも活躍したスラッガーです。誠におめでとうございます。

明日は、
がんばれタイガース!

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夏のボーナスは増えるのか?

やや私がボケッとしている間に、例年のシンクタンク4社から夏季ボーナスの予想が4月上旬に出そろっていました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほ総研以外は国家公務員となっています。加えて、みずほ総研の公務員ボーナスだけは全職員ベースらしいのに対して、ほかは組合員ベースの予想ですので、数字のベースがやや違っています。注意が必要です。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研36.9万円
(+0.6%)
63.9万円
(+3.1%)
背景には、2015年度下期の企業収益の底堅さ。製造業では、既往円安効果の剥落と市況の悪化が収益下押しに作用したものの、総じて良好な財務体質が維持されるもと、非製造業を中心に企業収益は高水準を維持。
もっとも、海外景気減速への懸念を背景に、株価の低迷が続くなか、企業の景況感は悪化。今春闘では、賃金引上げ率上昇が低下するなど、企業は人件費増加に慎重な姿勢。支給水準の低い中小企業や非正規雇用が雇用者数増加を牽引することで、一人当たり平均額が下押しされる傾向も持続。
第一生命経済研35.5万円
(▲0.6%)
n.a.今年の春闘における賃上げ交渉では中小企業が比較的健闘したといわれているが、組合が存在しない多くの企業では、直近の業績悪化の影響を強く受ける形で相対的に厳しい結果になる可能性が高い。こうした中小・零細企業の下振れを主因として、16年夏のボーナスは小幅ながら減少すると予想する。
今夏もボーナスの増加が期待できないことは、今後の個人消費にとって痛手だろう。加えて、春闘でのベースアップが昨年を下回る上昇率にとどまったことからみて、所定内給与も昨年から伸びが鈍化する可能性が高い。原油安を背景に物価の下落が見込まれることは下支えになるものの、実質賃金の伸びが15年から加速することは難しいだろう。先行きの個人消費も目立った回復は見込まれず、停滞感の強い状態が続く可能性が高い。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング35.8万円
(+0.5%)
63.5万円
(+2.4%)
雇用者が増加傾向にある中で、ボーナスが支給される事業所で働く労働者の数も増加すると考えられる。夏のボーナスの支給労働者数は3928万人(前年比+1.6%)に増加し、支給労働者割合も82.5%(前年差+0.3%ポイント)に上昇しよう。結果的に、2016年夏のボーナスの支給総額(一人あたり平均支給額×支給労働者数)は、一人あたり平均支給額、支給労働者数ともに増加することから、14.1兆円(前年比+2.1%)に増加する見通しである。こうしたボーナス支給総額の増加は、マクロベースで見た個人消費を下支えする要因となる。今年の春闘におけるベースアップは小幅にとどまったものの、夏のボーナスの支給額が増加すれば、足元で弱さの見られる個人消費が持ち直すきっかけになると期待される。
みずほ総研n.a.
(+0.7%)
n.a.
(+2.8%)
2016年夏の一人当たりボーナス支給額(民間企業)は、前年比+0.7%と増加を予想。企業収益が高水準を維持するとみられるほか、ボーナスの算定基礎となる所定内給与の改善が押し上げ
公務員ボーナスは3年連続の増加を予想。昨年の人事院勧告では、月例給与・ボーナス支給月数ともに引上げ
支給総額(民間企業+公務員)は、前年比+2.5%と増加しる見通し。もっとも、今回のボーナス増額が個人消費回復の起爆剤になるとまでは言えない

今年の夏季ボーナスについては少し見方が分かれました。すなわち、まず、前年比でプラスかマイナスかで違いがあり、さらに、プラスでも消費を下支えするに足るか不十分かで意見が異なります。最も悲観的なのは第一生命経済研であり、前年比でマイナス、当然ながら、「先行きの個人消費も目立った回復は見込まれず、停滞感の強い状態が続く可能性が高い」と締めくくっています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングではプラス幅は決して大きくないものの、「足元で弱さの見られる個人消費が持ち直すきっかけ」となる可能性に言及しています。みずほ総研では前年比プラスなものの、消費への効果は見込んでおらず、日本総研は消費への言及はありません。私もボーナスは1人当たりでわずかながら増加し、支給対象者数はもっと増えますので、支給総額は2-3%くらいの伸びを示すと予想しているんですが、消費への影響はビミューなところです。ただし、2017年4月から消費税率が10%に引き上げられるのであれば、ボーナスに関係なく駆込み需要は発生しそうです。
下のグラフは日本総研のリポートから引用しています。

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2016年4月25日 (月)

前年同月比プラスながら膠着状態の続く企業向けサービス価格指数!

本日、日銀から3月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドラインの前年同月比上昇率は前月と同じ+0.2%と、かろうじてプラスを維持しています。また、国際運輸を除くコアSPPIの前年同月比上昇率は+0.4%を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の企業向けサービス価格、前年比0.2%上昇 2年半ぶり下落品目超
日銀が25日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2010年=100)は103.1と前年同月比0.2%上昇した。伸び率は前月並みだった。全147品目のうち、上昇品目数は54、下落品目数は57で、13年9月以来2年半ぶりに下落品目数の方が多くなった。日銀は「値上げの動きには広がりが欠ける。4月の価格改定に注目したい」としている。
品目別にみると、ソフトウエア開発や派遣、警備、職業紹介など人手不足が続く業界で2月から伸び率が高まった。ただリース業界で円高を受けてオフィス機器のリース単価が下がったことなどが全体の伸びを抑えた。
前年比での上昇は33カ月連続だった。前月比では0.6%上昇だった。
同時に発表した15年度の価格指数は消費税を除くベースで100.1と、前年度比0.4%の上昇となり、3年連続で上昇した。3年連続の上昇は、比較可能な01年度以降で初めて。宿泊サービスや土木サービスの上昇が寄与した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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最初のパラに書いた通り、前年同月比上昇率で見て、ヘッドラインの企業向けサービス価格指数(SPPI)も国際運輸を除くコアSPPIも、前月から変わりなく、品目別に見ても、大きな違いは見出せませんでした。すなわち、人手不足の影響が色濃く出ていると推察される労働者派遣サービスや警備がプラスの寄与を示す一方で、モノの要素の強いリースがマイナス寄与を示しています。情報通信や広告は景気に要素もあり、プラス寄与です。ただ、ヘッドラインもコアもいずれも極めて小さなプラスであり、5年超を経過したラスパイレス指数のバイアスを考慮すると、あるいは、計測誤差の問題もあって、前年同月比でプラスと見るかマイナスかはビミョーなところです。いずれにせよ、SPPIは膠着状態が続いているようです。国際商品市況の石油価格の影響からモノの企業向け国内物価(PPI)が大きなマイナスに落ち込んでいる一方で、日本国内の人手不足からサービスのSPPIがわずかとはいえプラスを維持しているという構図が続いているように私には見えます。

はたして、月末の「展望リポート」やいかに?

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2016年4月24日 (日)

能見投手が5安打2失点で完投勝ち!

  HE
阪  神020020200 6131
広  島001000001 251

能見投手が5安打2失点で完投勝ちでした。打線もソツなく加点して6得点を上げて能見投手を援護しました。ゴールデンルーキー高山外野手がツーランを含む3打点の活躍でした。広島の中では、いよいよ新井選手が2000本安打にあと1本まで迫りました。阪神でも活躍したスラッガーですし、早く大記録を達成して欲しい気がします。

次のジャイアンツ戦も、
がんばれタイガース!

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2016年4月23日 (土)

またまた好投の岩貞投手を援護できずに広島に競り負ける!

  HE
阪  神000000002 251
広  島00100002x 391

広島の黒田投手を打ち崩せず、またまた好投の岩貞投手を見殺しにして広島に競り負けました。最終回にゴメス選手のツーランでちょっぴり追い上げましたが、8回の2失点が重くて試合の大勢が決した後の一発でした。よくあるパターンで、大量点の翌日のゼロ行進だったような気がします。明日は打撃陣の奮起を期待します。大いに期待します。

明日は、
がんばれタイガース!

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今週の読書は経済史の大家による『ダグラス・ノース制度原論』ほかの計7冊!

今週の読書は、ノーベル賞授賞の経済史の大家による『ダグラス・ノース制度原論』ほか、教養書や小説まで含めて計7冊です。来週こそペースダウンしたいと思っています。なお、このペースが続くとゴールデン・ウィークの読書計画は期待できそうもありません。

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まず、ダグラス C. ノース『ダグラス・ノース制度原論』(東洋経済) です。著者のノース教授は米国の経済学者であり、専門は経済史で1993年のノーベル賞受賞者です。基本は制度史学派で、コース教授やウィリアムソン教授などの取引費用の観点も取り入れています。1920年生まれ、昨年2015年に亡くなっています。本書は、英語の原題が Understanding the Process of Economic Change であり、2005年の出版です。本書では、非エルゴード的な過程の中で、不確実性を考慮しつつ、信念や認識の体系がどのように変化し、それが経済社会の変化にどのように結びついているかを考察しようとしています。すなわち、制度を生み出す認識や信念について、観察に基づく認識⇒信念の形成⇒制度として確立⇒政策の適用⇒認識対象の変化に伴う認識の変化⇒ … と続く流れです。非エルゴード的ですから、何らかの正常な状態の周辺を循環するわけではなく、基本は、マルクス主義史観と同じで、ほぼ一直線の進化をたどることとなります。訳者の解説にもある通り、ノース教授の出発点はマルクス主義史観ですから、かなり整合的な認識です。ただ、実際に適用する場合、私が何度も経済史で主張してきたところですが、産業革命の発生が説明できるかどうかが最大のポイントになります。私の見立てでは、経済史を含めた歴史の流れは、確率的な微分方程式に乗っており、従って、初期値が決まれば、その後のプロセスは決まってしまいます。別の表現をすれば、アカシック・レコードが存在する、ということになります。でも、微分方程式は確率的 stochastic ですから、特異点を含みます。私が考える範囲で、近代以降の大きな特異点はコロンブスの新大陸発見とイングランドで始まった産業革命です。本書では第10章が西洋世界の勃興と題されており、そのあたりの歴史を扱っているんですが、まったく説得的ではありません。私が考えるに、イングランドで産業革命が始まって西洋一般に普及したのが西洋の勃興の唯一最大の原因ですが、その要因は本書で解明されているとはとても考えられません。制度史学派でも何でも、この謎は今しばらく解明できそうもないのかもしれません。なお、どうでもいいことながら、日本史における特異点は明治維新と第2次大戦の終戦だと私は考えています。局地的にはもっとたくさんの特異点があるのかもしれません。最後に、翻訳については、イギリスとイングランドを混同しているではないかと受け止めています。というか、イングランドをイギリスと訳しているような気がします。経済史の翻訳の場合、致命的な場合がありますので注意が必要です。

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次に、野口悠紀雄『円安待望論の罠』(日本経済新聞出版社) です。著者は著名なエコノミストで、最近はアベノミクスに対する批判を強めています。ということで、大雑把に半分の4章までが前半で、5章以降は何となく為替レートと経済との関係について、基礎的な概念や理論、さらに、、歴史を交えて解説する構成になっています。そういう意味で、論旨がスッキリしなくて、私のような頭の回転の鈍い人間には判りにくいんですが、要するに、為替で円安になると株価が上がるだけで実体経済に変化あるわけでもなく、金融緩和もよくないので、ひたすら構造改革で痛みに耐える努力を積み重ねるべきである、という信念を披瀝されているんだろうと受け止めています。私なんぞよりもうんと年長で、学識も深い大先輩ですから、経験からの信念だろうと認識しています。私の目から見て疑問に感じる部分も少なくないんんですが、タイトルに関連する部分が極めて少なく、残りの大部分は著者の信念の披瀝ですから、信念と信念のぶつかり合いでは私に分はありません。また、私の読解力不足だろうと思うんですが、為替の減価による景気の改善は広く経済書で指摘されているところで、著者は現在の日本の景気の回復、とても緩やかながら一応は回復とされている現状につき、この景気の回復が為替の減価によるものだから、構造改革によるものではないので何らかの不都合があると主張しているのか、それとも、為替の減価では景気への好影響はないと主張しているのか、あるいは、その両方なのか、よく理解できませんでした。お気楽に景気回復するのはよくなくて、血のにじむような痛みを伴う構造改革でなければ景気回復すべきではない、という主張のようにも、私のような読解力ない読者には読めてしまうんですが、それは違うと思います。ラクして景気回復できるのであれば、それに越したことはありません。

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次に、ブライアン・フェイガン『人類と家畜の世界史』(河出書房新社) です。著者は英国生まれで、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校の名誉教授です。専門は考古学と人類学だそうです。英語の原題は The Intimate Bond であり、昨年2015年の出版です。表紙の意匠はとてもよく似せてあります。ということで、中身は邦訳本のタイトル通りであり、人類が定住・農耕生活に入る前の狩猟生活時代にオオカミを飼いならして犬として狩りなどで共同生活を始めたところから始まって、農耕生活に入ってからのいわゆる牧畜、すなわち、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの馴化、家畜化を進め、さらに大型哺乳類のウシやウマの家畜化、その間をぬって、ロバやラクダの家畜化、最後に、現在では動力源としての家畜が経済的な要因から解放され、食肉やミルクといったタンパク源やペットなどになった壮大な歴史を説き起こしています。学術的な記述方法ではなく、むしろ歴史物語として人々の生活や生産現場の描写をていねいにして親しみを持たせています。もちろん、作者の専門分野からして、動物や家畜の生物学的な変化ではなく、人間側の生産や生活の変化の方に重点が置かれています。その分、私のような専門外の読者でも理解は進みやすいような気もします。だからどうだというわけでもないんですし、ものすごくタメになるとはいえないような気もしますが、読んでおけばそれなりに教養が深まりそうな期待もあります。

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次に、ジャレド・ダイアモンド『若い読者のための第3のチンパンジー』(草思社) です。著者は『銃・病原菌・鉄』でピュリツァー賞を受賞した著名なカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の進化生物学者であす。何年か前のGWに、私は『文明崩壊』と『昨日までの世界』とともに、この著者の作品を何冊か読んだ記憶があります。本書は1991年に出版された『人間はどこまでチンパンジーか?』を基にしているらしいんですが、旧著の新訳と考えてよさそうです。編者がクレジットされているんですが、私にはよく判りません。また、タイトル通りであれば、私は年齢的に本書の読者には想定されていないのかもしれませんが、まあ、そこは無視します。最後に、政策研究大学院大学(GRIPS)の長谷川教授が解説を書いてくれています。チンパンジー、というか、本書でいうコモンチンパンジーとボノボと人間はわずかにDNAの違いは2%足らずであり、本書のタイトルは人間はコモンチンパンジーとボノボに続く第3のチンパンジーである、という視点から付けられているようです。社会学的あるいはて哲学的な人間の特徴はさておいて、ダイアモンド教授の専門分野である進化生物学から見た人間の特徴として2点上げられており、ジェノサイドと環境破壊です。ただ、後者の環境破壊については、主としての人間の勝手で、ということですから、私の考えでは、他の主も同じことをやりかねませんので、ハッキリいって、環境破壊する人間がそれだけのパワー、というか、行動力というか、影響力青持っているんだということになろうかという気もします。それほど認めたくはないんですが、少なくとも、進歩や進化や技術革新を信じているという意味において、私はパングロシアンかもしれませんが、他方で、ダイアモンド教授は私の目から見て保守的というか、ややパレオ・ファンタジスト的な部分も散見されます。歴史はノース教授の喝破したように非エルゴード的であり、昔を懐かしむのは生産的な態度ではありません。このように、人間という生物に対する見方にかなり差があるんですが、そんな私でも、それなりに参考になる本かも知れません。

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次に、ジリアン・テット『サイロ・エフェクト』(文藝春秋) です。著者は日経新聞が買収した「ファイナンシャル・タイムズ」の米国版編集長となっています。英語の原題は邦訳そのままで、2015年の出版です。最初に、プルデュー『ディスタンクシオン』を援用しつつ、サイロに閉じこもった専門性高い集団の閉鎖性を指摘しています。私は専門外ですので、ホントにどこまで「サイロ」という表現が使われるのかは不明なんですが、ソニーの会長だったストリンガー卿が英語で「サイロ」と表現したのを通訳は日本語で「タコツボ」と翻訳した、と本書にありますので、要するにそういうことです。「サイロ化」して失敗したソニーやUSBのケース・スタディの後、逆に、「サイロ化」を克服したり回避したりした成功例としてファイスブックやクリーブランド・クリニックを上げています。しkし、専門外の私でも判る本書の欠陥があり、それは、「サイロ化」が問題なのではなく、「サイロ」の内外の開放性や包括性や透明性が問題なのであって、逆に、サイロの中に閉じこもる閉鎖性や排他性や不透明性が問題なわけです。ですから、本書が「サイロ化」の前提として問題視している分類の問題ではないと私は受け止めています。その意味で、後半のクリーブランド・クリニックで内科や外科の専門を廃止した、というのは、おそらく、臓器や症状などの別の分類に、患者に判りやすく医者の間での協力体制が取りやすい分類にし直しただけなんだろうと私は考えています。その意味で、分類が問題なのではありません。分類が固定化され、実情に合致しなくなっても旧来の分類を墨守するのがダメ、ということなんだろうと考えています。それでも、おそらく、20-30年前のビジネス・スクールでは事業の一定の分類が重要と教えていましたし、その点は本書でもに認めているところです。例えば、ボストン・コンサルティング・グループでは事業を4類型、すなわち、花形・問題児・負け犬・金のなる木、というカテゴリに分けたりして、こういった分類が流行っていたのも確かです。ですから、2点疑問があり、第1に、経営学、というわけでもないのかもしれませんが、学問やコンサルティングの流行り廃りの中で、少し前までは「サイロ化」なる高度専門家の囲い込みが流行っていて、ここ数年くらい前からは「サイロ化」が流行らなくなった、ということなんだろうと軽く考えるべきなのかもしれません。私は寿命が尽きているでしょうが、数十年後にはやっぱり「サイロ化」すべき、というのが流行する可能性もあるんではないかと想像しています。第2に、成功した組織は「サイロ化」を打破し、失敗したソニーアなどは「サイロ化」が原因だった、と本書ではされているわけですが、「サイロ化」との因果関係が不明です。まあ、美人の女優さんが使っている化粧品を買い求める女性がいたり、プロゴルファーと同じドライバーを使いたがる男性がいたりするのは十分理解できますが、同じ化粧品やゴルフ用品を使えばいいってもんでもないような気がします。

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次に、伊東潤『天下人の茶』(文藝春秋) です。著者は私もファンで戦国時代を得意とする時代小説作家ですが、この作品はタイトルから容易に想像される通り、豊臣秀吉と千利休の物語です。第1部と第2部に分かれていて、第1部には「奇道なり兵部」、「奇道なり兵部」、「過ぎたる人」、「ひつみて候」、「利休形」の各賞が配されています。織田信長を継いで天下を統一し、関白として位人臣を極めた豊臣秀吉に対して、茶の湯により美の世界で頂点を極めた千利休が主人公と言えます。さらに、細川忠興、牧村兵部、古田織部、瀬田掃部ら、千利休を継ぐ弟子たちを通して、千利休の実態、というか、真の姿を明らかにしようと試みている作品です。そして、大きなネタバレになってしまうので書きませんが、豊臣秀吉と千利休の間の驚くべき関係が描き出されます。まさか、歴史的な真実とはとても思えませんが、明智光秀による本能寺の変、豊臣秀吉の朝鮮出兵、豊臣氏の滅亡と徳川による天下統一、こういった戦国末期から江戸初期にかけての歴史の流れを、著者は大胆に解釈して、まあ、単純にいえば、千利休を中心に据えた陰謀史観として物語を紡ぎ出しています。私はついついネタバレをブログに書いてしまうんですが、本書は決してミステリには分類されそうもないものの、これをブログに書いてしまうと書評にはならないような気がしますので、ここは筆が、というか、キーボードが滑るのは留意しておきます。ということで、本書のストーリーは歴史の荒唐無稽な解釈かもしれませんが、何でもありの戦国時代に詳しい著者らしい自由奔放な歴史観です。この作者が好きな読者は読んでおくべきかもしれません。少なくとも、私はその1人です。

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最後に、上田早夕里『セント・イージス号の武勲』(文藝春秋) です。作者は人気SF作家で、私も『華竜の宮』や『深紅の碑文』などの Ocean Chronicle シリーズをはじめ、最近作の『薫香のカナピウム』などを愛読しています。ということで、この小説の舞台は主として英国であり、時代はナポレオン戦争の1800年前後です。もっとも、主人公は英国の海軍軍艦に乗り込んでいるものの、海洋民族出身だったりします。すなわち、英海軍に徴集された天涯孤独の少年トビーを主人公に、トビーの少年時代を振り返りつつ、海軍に志願して交戦中に遭難して見たことのない船に救出されるあたりから、本格的なストーリーが始まります。その軍艦こそ本書のタイトルであるセント・イージス号なんですが、そこで働くのは、主に、10代や20代の少女を含む子供や若者たちでした。このセント・イージス号は蒸気船の軍艦であり、世界に先駆けた新技術を搭載しつつデータ収集という極秘任務を帯びていました。そこで、トビーは別の海洋民族出身である謎の少女ファーダと出会います。ファーダは英国側で、ファーダの姉のベリーザはナポレオンのフランス・スペイン側で、それぞれ、ココと呼ばれる大海蛇を操って海戦に参加します。もちろん、ファーダも、ベリーザも戦争なんてまっぴらなんですが、主人公トビーの英国側のファーダがトラファルガー海戦のさなかにベリーザを救出しようと、トビーらとともに海戦の大混乱の中で、ファーダの操るココとともに奮闘します。最後は、生き延びた英国側の関係者が余生を過ごす時代を紹介するなど、とても長いスパンの小説です。歴史的にトラファルガー海戦がどちらの勝利に終わるかは明らかですし、主人公は死にませんので、それなりのハッピーエンドを楽しめるほのぼのの小説ともいえます。この作者の小説は、特に Ocean Chronicle シリーズなどはかなり暗い印象があるんですが、本書については少年少女の活躍する大活劇小説、しかも、作者の得意分野の海洋を舞台にした大活劇小説、なのかもしれません。これまた、この作者が好きな読者は読んでおくべきかもしれません。これまた、私はその1人です。

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2016年4月22日 (金)

VISAによる貯蓄賢者診断の結果やいかに?

かなりお遊びの要素が強く、まったくどうでもいいことながら、VISAのサイトで貯蓄賢者診断なる貯蓄タイプの診断をやっています。20問の質問の答えると診断結果が示されます。週末前の軽い話題に私もやってみました。

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結果は61%で、一応、上の画像の通り、ギリギリ「貯蓄賢者」の範囲に旗が立っていたりします。でも、貯蓄賢者とは何かはよく判らなかったりします。
診断結果は以下の通りです。

計画性は高いので、貯蓄の目標値をしっかり定めよう
合理的な上、意志も強いので、貯金は貯まりやすいタイプです。また、とてもプライドが高い性格でもあるので、一度目標を決めて取り組めば貯蓄賢者になれるはず。もし、貯金がうまく貯められていないと感じるならば、それは本気で取り組んでいない可能性が高いです。まずは、具体的な目標金額を設定し、その金額に焦点をあてて、「毎月いくら預金すれば目標金額を達成できるのか」を逆算して、真面目な貯蓄計画を立てれば、きっとうまくいくはずです。

一応、経済評論のブログに分類しておきます。
よく判らないものの、ご参考まで。

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2016年4月21日 (木)

ガートナーによる日本における「人工知能」に関する意識調査の結果やいかに?

人工知能などによる雇用の代替可能性については、このブログでも今年2016年1月7日付けで野村総研の推計結果を引用したりして、専門外ながら、それなりに注目しているところですが、先週4月12日にガートナーから日本における「人工知能」に関する意識調査の結果が発表されています。54.6%が10年以内に人工知能による仕事への影響がある、としているほか、41.3%が人工知能的なものに関するスキルを獲得したいと回答しています。ガートナーのサイトからグラフを引用して、簡単に紹介しておきたいと思います。

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上のグラフは、10年以内に人工知能が仕事にどう影響するかを確認した結果であり、人工知能が「仕事を奪う」あるいは「サポートする」を合計して、過半数の54.6%が10年以内に人工知能による仕事への何らかの影響があると考えていることが明らかにされています。人工知能に対する関心は高く、多くの人が人工知能による将来への影響を自分たちの問題として捉え始めていることが伺えますが、「仕事を奪う」よりも「サポートする」が4倍に達しており、かなり楽観的な見方といえるかもしれません。

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次に、上のグラフは、人工知能に関するスキルを獲得したいかどうかについて質問した結果です。見れば判る通り、41.3%が「スキルを獲得したい」と回答しています。一方で、「様子見」も32.0%いたりします。私は定年も近いので、後者になりそうな気がします。本調査は、ガートナーのユーザー企業のITリーダーを対象に実施されたものであり、回答者は私なんぞよりも人工知能に対する意識が高いのかもしれません。

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2016年4月20日 (水)

打線が初先発の守屋投手を援護できずヤクルトに完敗!

  HE
ヤクルト020120000 5132
阪  神010000000 170

山中投手に抑え込まれて打線が沈黙してヤクルトに完敗でした。初先発の熊本出身の守屋投手を援護することが出来ませんでした。試合そのものはヤクルトに押されっぱなしで、得点差よりずっと一方的な印象でした。誠に残念。

明日は、
がんばれタイガース!

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貿易統計の輸出はこれから増加に向かうか?

本日、財務省から3月の貿易統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる輸出額は季節調整していない現系列のデータで前年同月比▲6.8%減の6兆4566億円、輸入額は▲14.9%減の5兆7016億円、差し引き貿易収支は+7550億円の黒字を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

15年度の貿易収支、5年連続赤字 1兆792億円、輸出3年ぶり減
財務省が20日発表した2015年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆792億円の赤字(14年度は9兆1277億円の赤字)となった。年度別の貿易赤字は5年連続。ただ赤字額は過去最大だった13年度(13兆7564億円の赤字)をピークに縮小傾向にある。15年度は原油安の影響で輸入額が大幅に減少。輸出額も3年ぶりに減ったが、赤字額は大きく減った。
輸出額は0.7%減の74兆1173億円だった。鉄鋼や有機化合物、鉱物性燃料などの輸出が減った。景気が減速している中国向けの輸出額が3.1%減少し、3年ぶりに落ち込んだ。対中の貿易収支は6兆625億円の赤字となり、赤字額は統計を開始した1979年度以降で最大だった。
輸入額は10.3%減の75兆1964億円と、2年連続で減少した。原油価格の下落を受け、原粗油や液化天然ガス(LNG)、石油製品の輸入が大きく減った。一方、医薬品は膨らみ、欧州連合(EU)からの輸入額は過去最大だった。
3月単月の貿易収支は7550億円の黒字で、2カ月連続の貿易黒字となった。黒字額は2月から拡大し、2010年10月以来の高水準だった。輸出額が前年同月比6.8%減った一方、輸入額も原油安の影響で14.9%減少した。対中輸出は7.1%落ち込んだ。

やや年度統計に重きが置かれているようですが、いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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景気動向を見るということで、3月の貿易統計を考えると、上のグラフの売りの下のパネルの季節調整済みの系列では、かなり傾向的に貿易赤字を脱して黒字が定着しつつあるのが伺われます。2月統計については、中華圏の春節という季節調整では除去され切らないイレギュラーな要因があったため、この3月統計を待っていたんですが、基本的に方向性としては変わらずで、貿易黒字が定着する兆しが伺えます。もちろん、引用した報道にもある通り、為替動向にもかかわらず輸出が減少する中で、国際商品市況における石油価格の下落に伴う輸入額の減少の寄与の大きい貿易収支の黒字化なんですが、いずれにせよ、最終需要には差引きの黒字か赤字かで効いて来ます。ただ、額と数量の違いはあります。日経センターで取りまとめているESPフォーキャスト調査では、4月の調査結果として貿易収支が数年内に黒字化するかを聞いていて、42人のうち19人がまだ「数年内に黒字転換しない」と回答しているものの、徐々に減って来ているような気がします。でも、国際商品市況次第という面があるのも事実です。

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その輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同期比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。ということで、輸出先での景気回復の動きについては、米国経済は連邦準備制度理事会(FED)が量的緩和を終えて利上げを開始する段階まで回復していますし、特に、米国の家計部門は雇用統計に表れているように底堅い動きとなっています。欧州についても緩和的な金融政策の下で持ち直しの動きも出始めています。また、中国でも預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めていますし、我が国から中国への輸出に関しては、1-2月は春節によるややイレギュラーな動きを示しているものの、上のグラフのうちの一番下のパネルに見られる通り、OECD先行指数でもそろそろ底を打った気配が感じられます。もちろん、年明け以降の金融市場の混乱からまだ立ち直ったとはいえず、米国の利上げペースも当初想定されていたよりも緩やかになるとの予想が出ていて、世界経済の回復は決して一直線で力強いものではないんですが、少なくとも我が国の輸出に対する需要は横ばいないし上向きと考えてよさそうです。

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2016年4月19日 (火)

8回ウラの打者一巡でヤクルトに打ち勝ち連敗脱出!

  HE
ヤクルト021100000 481
阪  神20110004x 8120

8回の打線爆発でヤクルトに打ち勝ち連敗脱出でした。ナゴヤドームで中日に3タテされ、しかも、藤浪投手の先発ですから負けられない甲子園での一戦で、ヤクルトとの打撃戦になりましたが、中継ぎ投手がしっかりと抑えている間に、キャプテン鳥谷遊撃手のタイムリーで勝ち越し、ヤクルトを押し切りました。

明日は打線が守屋投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

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UNICEF "Fairness for Children" (Innocenti Report Card 13) に見る子供の格差やいかに?

今年2016年4月になってからだと思うんですが、UNICEF からInnocenti Report Card シリーズの第13号 "Fairness for Children" が公表されています。子供の格差について、所得、学力、健康、生活満足度の4つの指標から調査しています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。まず、UNICEF のサイトから ABSTRACT を引用すると以下の通りです。

ABSTRACT
This Report Card presents an overview of inequalities in child well-being in 41 countries of the European Union (EU) and the Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD). It focuses on ‘bottom-end inequality' - the gap between children at the bottom and those in the middle - and addresses the question ‘how far behind are children being allowed to fall?' in income, education, health and life satisfaction.
Across the OECD, he risks of poverty have been shifting from the elderly towards youth since the 1980s. These developments accentuate the need to monitor the well-being of the most disadvantaged children, but income inequality also has far-reaching consequences for society, harming educational attainment, key health outcomes and even economic growth. A concern with fairness and social justice requires us to consider whether some members of society are being left so far behind that it unfairly affects their lives both now and in the future.This Report Card asks the same underlying question as Report Card 9, which focused on inequality in child well-being, but uses the most recent data available and includes more countries.

やや長くなってしまいました。調査対象の所得、学力、健康、生活満足度の4つの指標のうち、日本は所得と学力しか統計を提出しておらず、健康、生活満足度については国際比較できないんですが、それでも、いくつか貴重な分析がなされています。国際機関のリポートを取り上げるのはこのブログの大きな特徴のひとつですので、リポートからグラフを引用しつつ、特に我が国の子供の格差について簡単に分析結果を紹介しておきたいと思います。

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まず、リポート p.4 League Table 1 Inequality in income を引用すると上の通りです。所得階層の下から10%の子供が属する世帯の世帯所得を、中位(高校の数学でいうメディアン)と比較し、その比率として示した指標を Relative income gap (相対的所得ギャップ)として示し、その小さい順で調査対象の各国をソートしてあります。呼んでいます。日本に着目すると、相対的所得ギャップは60.21%ですから、所得階層の下位10%の子供の世帯所得は、中位の子供の世帯所得の4割ほどということになります。この格差の大きさは、調査対象の先進諸国41国の中で34番目、悪い方から8番目であり、日本は底辺の子供の格差がとても大きい国のひとつとなっていることが判ります。格差が大きいとされる米国ですら日本より貧困の度合いは浅くなっています。しかも、この下位10%と中位の間の格差は拡大しています。すなわち、相対的所得ギャップは1985年には49.08でしたが、1994年には51.07、2003年には54.05、そして、グラフにある2012年には60.21と着実に上昇していると報告されています。加えて、グラフの右の列に示されている子供の貧困率も日本では15.8%であり、先進国では1桁がめずらしくない中でかなり高くなっています。

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次に、リポート p.6 League Table 2 Inequality in education を引用すると上の通りです。これも到達度について下から10%の子供の到達度を中位と比較した割合を成果ギャップとして算出して、これに従って各国をソートしています。日本について詳しく見ると、比較可能な37か国のうちで27番目と到達度の格差が大きくなっています。ただし、3教科の到達度で見てレベル2に達しない子供の割合はわずかに5.5%であり、エストニアや韓国に次いで平均的な学力としては高くなっています。その昔から、日本の子供達は学力は高いことが明らかにされており、このリポートでもその事実は裏付けられているんですが、平均的に高い学力達成がなされている反面、到達度で真ん中の子供に比べて大きく学力が下に乖離した子供達が存在している事実も示されているわけです。

そもそも、我が国におけるこういった子供の格差が社会的に許容できるかどうかを議論する必要があります。そして、本リポートのタイトルが「公正」となっていて、別の言い方をすれば正義の問題となります。正義についてはいろんな考え方があると私は認識していますが、例えば、サンデル教授の著書『これからの「正義」の話をしよう』で有名になったロールズの正義感では、もっとも恵まれない人々の状態が向上することをもって、ひとつの「正義」のあり方を示しています。下から10%がロールズ的な「もっとも恵まれない人々」なのかどうかは、これまた議論があるでしょうが、この UNICEF のリポートに示された見方もひとつの見識だと私は受け止めています。

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2016年4月18日 (月)

ウェザーニューズ「第5回花粉飛散傾向」やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、ウェザーニューズから4月8日に「第5回花粉飛散傾向」が公表されています。実は、4月に入って3回ほど週末を過ごしましたが、この3回の土日とも私は体調を大きく崩し、昨日の日曜日なんぞは抗アレルギー剤を服用して午後から寝込んでいたりしました。ネットで花粉飛散に関する貴重な情報を発見して、このブログでも取り上げておきます。まず、下のグラフは関東におけるスギ・ヒノキ花粉の飛散ピークをウェザーニューズのサイトから引用しています。

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関東では、そもそも、今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は昨年の約0.4-0.7倍と少なくなっており、また、平年と比較するとわずかに約0.2-0.4倍と非常に少なくなっています。時期的には、2月上旬に飛び始めたスギ花粉は3月上旬には飛散のピークを迎え、3月中旬に寒の戻りがあった影響で3月いっぱいは多くの花粉が飛び、ダラダラと長いスギ花粉シーズンとなっています。4月上旬にスギ花粉からヒノキ花粉への移行期間を終え、グラフを見る限り、現在はヒノキ花粉がピークを迎えているようです。私の体調不良の原因はこれかもしれません。4月下旬までは本格的な花粉の飛散が続き、花粉シーズンの終了は5月上旬となりそうです。私のようなアレルギー持ちには困ったもんです。

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2016年4月17日 (日)

またまたリリーフ投手が打たれてサヨナラ負けで中日に3タテくらう!

  HE
阪  神0001000010 291
中  日1000010002x 491

中日に3タテをくらいました。貧打の上に、終盤にリリーフ投手が失点しては勝てません。特に今日は、9回の福留選手の代打登場まで、江越選手の足で稼いだ1点だけですから、テレビを見ていて盛り上がる場面も少なかった気がします。それに輪をかけて、リリーフ陣の失点が重くのしかかります。打線は超変革で若手の抜擢が見えるんですが、投手陣は昨年までと同じロートルのままなんでしょうか?
あほらし。

ヤクルト戦は、
がんばれタイガース!

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2016年4月16日 (土)

先発岩貞投手の好投をリリーフ陣がフイにして逆転サヨナラで中日に連敗!

  HE
阪  神000030000 340
中  日000000022x 471

中日に逆転サヨナラ負けでした。午後から外出して、7回ころからテレビ観戦を始めたんですが、8回にセットアッパー福原投手が、また、最終回にクローザーのマテオ投手が、ボロくも中日打線に打ち込まれて逆転され、ナゴヤドームで連敗です。打つ方は4安打ながら3点取ったんですし、岩貞投手が7回までゼロを並べてくれたんですから、この試合を勝てないようでは采配の問題といわざるを得ません。

明日は3タテを防いで、
がんばれタイガース!

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今週の読書は経済書と専門書・教養書に小説を含めて計7冊!

今週の読書はやや物足りなさの残った『介護市場の経済学』と『ドキュメント銀行』といった経済書に加えて、十分な理解は進まなかったものの、『ダークマターと恐竜絶滅』などの専門書・教養書にミステリ小説に純文学までを含めて計7冊、以下の通りです。なかなかペースダウンできません。

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まず、角谷快彦『介護市場の経済学』(名古屋大学出版会) です。著者はシドニー大学で博士号の学位を取得した名古屋大学特任准教授の肩書を持つ研究者です。本書は、競争市場を通じたヒューマン・サービスの供給はいかにあるべきか、を題材にして、一定の成果を上げている日本の介護市場を事例として取り上げ、国際的視野でその政策モデルを検証することにより、ケアの品質向上と効率性の両立を可能にする社会システムを領域横断的に示して、理想の介護市場モデルを包括的に描き出すことを目的としています。介護などのヒューマン・サービスの供給については、長らくオストロムのように行政が最適という考えが支配的でしたが、病院の例を見るまでもなく行政ではないとしても非営利法人が経営に当たる例の方が支配的でしょうし、介護については株式会社などの営利法人も参入を認められています。本書では、特に第4章で以下の3つの仮説に対する定量分析を行い、各仮説が成立しないことを確認しています。3つの仮説とは、介護サービス供給者が非営利団体であるか、株式会社などの営利法人であるかといった供給主体をサービスの質の目安として捉える契約の失敗仮説、さらに、介護市場における競争がむしろ質の低下を招くメディカル・アームス・レース仮説、さらに、市場の新規参入がサービスの質の向上に貢献しない佐竹・鈴木仮説です。ただ、この第4章の分析は査読付きジャーナルに掲載された論文を基にしているというものの、現代的かつ標準的な経済学の定量分析から考えて、それほどレベルの高いものではなかった気がします。また、海外事例との比較対象はほとんどが米国のメディケアだったりしますので、やや不満も残ります。最後に、終章で本書の分析がヒューマン・サービス一般、例えば、明記されているのはチャイルド・ケアとホームレス支援なんですが、ほかの医療や教育・職業訓練などにも適用可能であるかのような記述があるところ、これは著者が本気で書いているのか、それとも、書き進むうちについつい気が大きくなって筆が滑ったのか、極めて疑問が残ります。それなりの水準の専門書なんですが、学術書としての水準がどこまで満たされているか、エコノミストによってはあまり高く評価しない人もいそうな気がしないでもありません。

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次に、前田裕之『ドキュメント銀行』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) です。サブタイトルが『金融再編の20年史 - 1995-2015』となっていて、ここ20年の銀行の再編や浮沈について、日経新聞をホームグラウンドとするジャーナリストらしく、ていねいな取材に基づいて説き起こしています。はじめに、において、「銀行業とは何か」、「銀行は安全なのか」という疑問を設定しており、これらの疑問に答えつつ、これから銀行とどう付き合うべきかを考えるヒントを提供するのが本書の狙いと著者自身が表明しています。第1章では大和銀行から始めて、その再編先の仕上がりであるりそな銀行までの軌跡を追い、すでに亡くなった細谷元頭取の功績にも触れています。第2章では興銀を中心に長信銀を追跡し、興銀がみずほ銀行に再編された上で、長銀と日債銀が国有化を経て売却され消滅したという事実を取材により跡付けています。第3章ではメガバンクを三菱銀行系を中心に追跡し、第4章ではいくつかの代表的な地銀を取り上げ、最後の第5章で最初の問いである「銀行業とは何か」などを考察しています。なお、日本では証券会社の位置づけが与えられている投資銀行についても幅を広げています。私の基本的な見方では、銀行や電力、あるいは、その昔の国鉄なんかは、ハッキリ言って、私の勤務する役所以上の「殿様商売」であって、いろいろと考えさせられる事実も多く提示されているんですが、基本は、その昔の護送船団方式から、現在の too big to fail まで、規制にあぐらをかいた歪んだビジネスという見方が否定できない側面を有していると受け止めています。スティグリッツ教授の示唆するように、もしも too big to fail なのであれば、分割するくらいの行政側の姿勢がないと、そして、それをサポートする国民の意見表明がないと、この産業はどうしようもない可能性が残る点は忘れるべきではありません。特に、職業としてのジャーナリストとは、今年のアカデミー賞作品賞を受賞した「スポットライト」ではないんですが、かなり無条件に権力に対する反抗心のようなものを持って欲しい気がします。銀行や金融機関の提灯持ちをするようなジャーナリストの存在意義は私には意味不明です。

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次に、黒川清『規制の虜』(講談社) です。著者は基本的に医学者なんですが、学術会議会長なども歴任し、本書では、福島第一原発の震災の際の事故に関して、国会事故調査委員会の委員長として調査に当たった記録の側面もあります。タイトルの「規制の虜」は本書でもシカゴ大学のうはエコノミストでありノーベル賞も受賞したスティグラー教授の考え方を踏襲しており、政府が市場の失敗などを是正するために企業あるいは産業の規制に乗り出しても、むしろ、政府よりも当該企業や産業の方が情報的に優位にあって、むしろ政府が規制されている企業や産業に取り込まれてしまう状況を指します。最後にリファレンスを置いてあります。ということで、しごく真っ当な主張なんですが、どうしてもこの年代の年配のエスタブリッシュされた方が本を書くと、ほとんどが自慢話になってしまいます。少なくとも第1部は著者の黒川先生がいかにして調査委員会設立を各方面に売り込んだかの自慢話です。私から見て、主張が真っ当であって読むべきなのは、第2部の冒頭です。第2部の第1章と第2章です。この30ページほどの主張については、まさに公務員である私も同意する部分が多いと受け止めています。第2部の第9章などはほとんど著者のパーソナル・ヒストリーに終始していて、本書のタイトルである「規制の虜」とは何の関係もなさそうに思えるのは私の読解力に問題があるからなのでしょうか。いずれにせよ、私自身は、何らかの調査を行う際には、科学的に事実が解明されていることが最重要と考えるんですが、そのためには政府の公務員に取り込まれることのないようにする仕組みが必要な場合もありますし、調査結果の公表などの際には、メディアとの付き合い方なども考えさせられる記述は少なくなかったです。最後に、本書でもごく簡単に触れられているシカゴ大学のスティグラー教授の規制の経済理論に関する論文へのリンクは以下の通りです。なお、どうでもいいことなのかもしれませんが、スティグラー教授はシカゴ学派に属する右派エコノミストであり、もう亡くなっています。よく似た名前のスティグリッツ教授もノーベル賞を受賞していますが、リベラル派のエコノミストであり、格差問題などへの鋭い発言に私は感銘を覚える時もあります。間違えないように注意が必要かもしれません。

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次に、稲泉連『豊田章男が愛したテストドライバー』(小学館) です。著者はノンフィクション小説のライターのようですが、私はよく知りません。タイトルの豊田章男とはいうまでもなく我が国を代表するビッグビジネスのひとつであるトヨタ自動車の社長であり、同時に創業者の孫に当たります。本書でも「3代目」と呼ばれていたりします。そして、その豊田章男に愛されたテストドライバーとは数年前に亡くなった成瀬弘です。本書でスポットを当てられている主人公は彼です。臨時工のメカニックからトヨタでのキャリアを始め、67歳で事故死するまでの人生を本書では振り返っています。私はまったく自動車業界というか、テストドライバーの世界には不案内なんですが、320ページほどの本書の200ページ過ぎまで成瀬はドライバーというよりはメカニックとしてレースに参加します。私の読解力不足かもしれませんが、メカニックからテストドライバーになった時点というのは明確ではないような気がします。レースに参加するチームの一員として、市販自動車の改造やチューンナップに参加しているうちに、自ら運転するようになったようです。そして、自動車会社の創業者家出身経営者として豊田章男も、よく知られた通り、国際C級ライセンスを持ちドライバーとしてレースに参加しています。現地現物を重視し、数字、特に金額に表れないものづくりの原点のようなものを感じさせるに足る1冊でした。ただ、エコノミストとしては、ものづくりの製造者のみがクロースアップされ、製品に磨きをかけるのはテストドライバーであって消費者ではない、と言わんがごとき本書の視点は、やや傲慢に感じる場合もありました。サプライヤのブリジストンを登場させるのであれば、消費者とまで言わすとも、ディーラーくらいは登場させてもいいような気がしないでもありませんでした。

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次に、リサ・ランドール『ダークマターと恐竜絶滅』(NHK出版) です。著者は理論物理学者であり、ハーバード大学物理学教授として素粒子物理学および宇宙論を専門とする研究者です。かなり前に『ワープする宇宙』がベストセラーになって、私も読んだ記憶があるんですが、中身はまったく覚えていません。原書は2015年の出版で、英語の原題は Dark Matter and the Dinosaurs ですから、ほぼそのままです。ということで、本書は3部構成となっており、第1部は私が読んでも理解できる部分も散見されるくらいのスタンダードな宇宙物理学の入門編です。ダークマターやダークエネルギーもインフレーションとともに的確に解説されています。第2部では宇宙やもっと身近な太陽系の誕生と生命の起源、さらに、恐竜の絶滅までを簡潔に取り扱っています。そして、最後の第3部で著者の新理論であるダブルディスク・ダークマター、二重円盤のモデルが解説され、アクシオンやニュートリノなどのダークマターの正体の候補についてそれぞれの候補としての長所と短所が議論されています。ハッキリ言って、私には理解出来かねる部分が少なからずあって、本書を十全に理解したというつもりはありません。高校のころに電気の三相交流についてとうとう理解できずに理系進学を諦めた私ですから、物理学については自信がありません。でも、本書でも指摘されているように、宇宙があまりにも密度低い、というか、スカスカなのは不思議に思いますし、従って、ダークマターやダークエネルギーが実際にあるハズ、という主張も理解する一方で、見えない物質あるいは物体を導入しなければ相対論的な宇宙論が完結しない、というのには一抹の不安、というか、うさん臭さを感じるのも事実です。著者と私という読者の物理学や宇宙論に関する理解度の差が激しく大きいので、何とも言えませんが、こういった専門外の教養書を時に読むのもそれなりの知的刺激を受ける場合もありそうな気がします。でも、数週間ほどですっかり頭から抜けて忘れてしまいそうな予感もあります。

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次に、米澤穂信『王とサーカス』(東京創元社) です。作者は売れっ子のミステリ作家であり、この作品はネパールを舞台として、新聞記者を辞めたフリーの女性ジャーナリストを主人公とする長編ミステリです。時代設定は2001年とされており、大きな意味はなさそうな気もしますが、実際にネパールで起こったナラヤンヒティ王宮事件と同じ年と設定されています。また、登場人物は作者の初期の作品『さとなら妖精』と同じ登場人物がいたりするそうですが、私は読んでいませんので詳細不明ながら、少なくとも独立した作品として読めるように工夫されているようです。ということで、ストーリーは、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智なる女性ジャーナリストが、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに入ったところ、現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発したため、知人の月刊誌編集者と連絡を取りつつ、この事件の取材を開始します。そうすると、情報提供源と期待して接触した国軍将校が殺害され、「密告者」を意味する informer と皮膚を刻まれて女性ジャーナリストの目に入り、この写真を撮ったものの、どうするかを迷いつつ、この殺人事件の解決に当たる、というものです。謎解きはかなり厳密性に欠けるような気がしますし、ハッキリと登場人物が少ないので、謎解きは面白くもないんと感じてしまいました。この作者の作品は私はとても好きで、『満願』などの短編集も読んでおり、ほかにもいくつかアンソロジーで短編作品に接した記憶がありますが、作者の代表作のひとつである『折れた竜骨』を読んでいないので何とも言えないものの、長編ミステリのレベルは決して高くないのかもしれません。読む前の期待が高かった割にはやや失望を禁じ得ませんでした。

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最後も小説で、ガブリエル・ゼヴィン『書店主フィクリーのものがたり』(早川書房) です。作者は米国ハーバード大学卒で40歳前の米国の小説家であり、すでに何編かの長編も出版しています。本書の原書の英語の原題は The Storied Life of A.J. Fikry ですからそのままであり、2014年に発表され、「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに4か月にわたってランクインし、全米の図書館員が運営する Library Reads のベストブックにも選ばれたそうです。インド系でクリスチャンではなく、ニュー・イングランドのアリス・アイランドで唯一の書店を経営するフィクリーは少し前にアリス・アイランド出身の妻ニックを自動車事故で亡くしたばかりです。その書店主フィクリーが大事にしていたポーの稀覯本を盗まれ、さらに、黒人の2歳の女の子マヤが書店に置き去りにされて、いろいろな経緯があって育て始めるというところから物語が始まります。島の警察署長のランビアーズ、ニックの姉のイズメイとその夫で小説家のダニエル、そして、小さな出版社の営業担当のアメリアなどとともに、マヤが高校生になるまでほぼ15年間ほど物語が進みます。ネタバレかもしれませんが、フィクリーはアメリアと結婚し、ダニエルの死後にイズメイとランビアーズはパートナーになり、さらに、フィクリーが脳腫瘍で早々に亡くなった後、イズメイとランビアーズの2人は書店経営を引き継ぎます。何とも、主人公で書店主のフィクリーをはじめとして、何人かがかなり年齢的に若年のうちに亡くなるのが不自然で困ってしまいますが、書店、というか、本を介して多くの人がつながり、助けあって生きて行く優しい物語です。各章の扉のページに短編小説の解説、フィクリーからマヤに対する解説が付されており、著者の見方とは必ずしも一致しない旨の断り書きがあったりします。もちろん、ほんの話題も豊富に収録されており、ある意味でペダンティックに仕上がった小説です。なお、私が週末に図書館で借りてから発表があったんですが、4月12日に本屋大賞の翻訳小説部門の第1位に選出されています。

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2016年4月15日 (金)

ゴールデンウィークの過ごし方のアンケート調査結果やいかに?

少し旧聞に属する話題かもしれませんが、10日ほど前の4月6日にアサヒグループホールディングスの青山ハッピー研究所から「今年の大型連休(GW)はどう過ごしますか?」というアンケート調査の結果が明らかにされています。実は、一昨日に職場の研究所で私から休暇予定を取りまとめるように指示を出したところで、私自身は家族とともに何もしない予定ながら、それなりに興味ある話題ですので、簡単に図表を引用しつつ紹介しておきたいと思います。まず、青山ハッピー研究所のサイトから結果の概要を7点引用すると以下の通りです。

今年の大型連休(GW)はどう過ごしますか?
  • 今年のGWは「6日間前後」が主流 - ほぼカレンダー通り、長くも短くもない連休
  • 半数以上が「アウトドア」より「インドア中心」と回答 - 混雑を避け、自宅で静養
  • 7割近くは「例年と予算は変わらず」 - 中には「リッチに出費」して鬱憤を晴らす人も
  • アウトドア派は「リッチに出費」、インドア派は「出費を抑える」傾向
  • GWは「大掃除・衣替え」の絶好のタイミング - 上半期の汚れを一掃
  • 女性は「買い物」「グルメ」「旅行」など、財布の紐を緩めてプチ贅沢を味わう
  • 男性は「休養」「ビデオ鑑賞」「読書」など、「自宅中心の巣ごもり」が主流

ということで、もう少し簡潔にポイントを取りまとめて欲しい気もするんですが、調査項目が多くて回答者が少ないのが、この青山ハッピー研究所のアンケート調査結果の特徴だと私は認識しています。ですから、私の方で適当に興味ある結果をチョイスする必要があります。

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まず、上のグラフは今年の大型連休を合計で何日くらい休めるかを問うた結果です。素直に見る限り、私は5日と見るんですが、最初に引用したポイントの通り、この青山ハッピー研究所ではなぜか「6日間前後が主流」と見なしているようです。まったく私は理解できません。場合によっては、平均が6日前後と計算されているのかもしれませんが、いわゆる最頻値は6日であることがグラフから明らかであろうと考えます。単純に、みどりの日を含む週末の土日まで入れて3日、5月の第1週に祝日が3日あり、カレンダー通りであれば合計で6日、5月7-8日の土日を入れれば8日、というのが素直な見方ではないでしょうか?

photo次に、グラフが小さいんですが、ゴールデンウィークの行楽などにかける予算を例年と比較した問いの回答結果が左の通りです。昨年半ばからの中国をはじめとする新興国の景気低迷や今年に入ってからの株安・円高などを受けて個人消費が冷え込んでいる中で、エコノミストとしては気になる質問と回答だったりします。結果は示されている通りであり、「例年よりも出費を抑える予定」が「例年よりもリッチにお金を使う予定」をかなり上回っています。景気動向とともに、今年の春闘での賃上げなどが渋い結果に終わったのも影響している可能性が大いにあります。これだけ企業がキャッシュを溜め込んでいる現状では、企業から家計への波及効果に期待するしかないんですが、賃上げを起点として所得と消費の好循環が起こる可能性については、少なくともゴールデンウィークでは生じないような気にさせる結果です。

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最後に、男女別にゴールデンウィークに何をするかを問うた結果が上の通りです。GW=レジャーというイメージが強いんですが、女性では家の片づけ・掃除・洗濯するが半数近い支持を得ています。次いでイメージ通りのショッピングが上げられています。男性でも女性ほどの割合ではないものの、家の片づけ・掃除・洗濯するがトップです。ただ、2番目と3番目は男女で入れ替わっており、男性の場合はショッピングを抑えて、とにかく寝る(睡眠)・ゴロゴロするが2番目に上げられています。判る気がします。私も半分くらいはそうです。

私自身はいつも通りの読書に加えて、今年に入ってから「ブリッジ・オブ・スパイ」くらいしか映画を見ていないので、映画館にも出かけたいと予定しています。また、最後に、楽天リサートでも同様に「ゴールデンウィークに関する調査」を明らかにしていますが、エコノミストの興味対象である消費動向に関する質問が抜けていましたのでパスしました。

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2016年4月14日 (木)

IMF「世界経済見通し」World Economic Outlook の見通し編第1章を読む!

4月15日からのIMF世銀総会を前に、4月12日に国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) のフルリポートが明らかにされています。まず、IMFのサイトから成長率見通しの総括表を引用すると以下の通りです。画像をクリックすると、pdfの全文リポートpp.2-3の Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections の2ページだけを抜き出したpdfファイルが別タブで開くようになっています。

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まず、ヘッドラインとなる成長率見通しですが、世界経済の成長率は、2016年+3.2%、2017年+3.5%と、今年2016年1月の前回見通しから、2016年は▲0.2%ポイント、2017年は▲0.1%ポイントの下方修正となっています。先進国経済においても2016年から2017年にかけて成長率は加速すると見込まれている中で、日本だけは2017年4月に消費税率を引き上げるため、2016年の+0.5%成長から2017年には▲0.1%のマイナス成長に陥ると予測されています。なお、前回見通しの2016年+1.0%、2017年+0.3%のプラス成長から下方修正されており、加えて、上のテーブルにも見られる通り、前回見通しからの下方修正幅も先進国の中でほぼ最大クラスとなっています。消費増税が織り込まれているとはいえ、2017年のマイナス成長も日本経済の弱さを目立てせているような気がしないでもありません。成長率をどこからどう見ても、世界経済の中でもっとも低迷しているのは日本であると考えるべきです。

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次に、上のグラフはリポートから Figure 1.10. China's Share of Value-Added Exports and Change in Export Volume Growth を引用しています。このグラフは中国経済の減速について輸出入を通じた影響を見ています。縦軸が付加価値ベースの中国への輸出シェア、横軸は輸出数量の伸びです。基本的に、中国経済が減速して世界経済にブレーキとなっているわけですから、右下がりの1次近似曲線が引けると考えるべきです。そして、近似曲線こそ引いてありませんが、インドのように左下に外れている国は中国経済の減速以上に経済が悪化しており、逆に、ニュージーランドのように右上に外れている国は中国経済の減速にもかかわらず持ちこたえている、と評価することが出来ます。日本はほぼ標準的ないしやや中国経済悪化の影響ほどは下振れしていない、と見ることが出来るのではないかと受け止めています。にしては、日本経済の成長率見通しが先進国の中でももっとも下振れしているのは、中国要因ではなく他の海外要因ないし国内要因で経済が低迷しているということになります。

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次に、上のグラフはリポートから Figure 1.17. Risks to the Global Outlook を引用しています。昨年4月時点での見通しから、現時点ではややファンチャートは下方にシフトし、世界経済は下振れしていると考えるべきです。また、何種類かのリスクの中でも、特に石油市場のリスクによって景気が下振れする蓋然性が高まっていることが読み取れます。

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次に、上のグラフはリポートから Figure 1.18. Recession and Deflation Risks を引用しています。地域別の景気後退とデフレの確率、それも現在の確率と前回見通し時の確率が示されています。日米欧の先進国の中で、日本は景気後退確率は最も高いながら、デフレ確率は欧州よりも低くなっています。米国はどちらの確率も日欧と比べてもっとも低い結果が示されています。それにしても、中国などのアジア新興国は世界経済減速の主因と目されているにもかかわらず、何と、景気後退の確率もデフレの確率もともにゼロとなっています。日本も高度成長期はこうだったのかもしれません。

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グラフの最後は、リポートから Scenario Figure 1. Decomposition of the Change in Oil Prices を引用しています。バレル100ドル超の石油価格を見込んでいた2014年の経済見通しと2年後の現時点で50ドルくらいの価格を見込んでいる差の分解を試みています。結果は見ての通りで、青い供給ショックが大きな部分を占めています。次いで、赤い部分の成長率の下振れショック、そして、黄色いエネルギー効率の改善と試算されています。何となく理解できる気がします。

最後に、政策対応について、先進国においては、成長率の引上げ及び持続的な成長のため、(1) 構造改革、(2) 継続的な金融緩和、(3) 財政による支援の3つのアプローチ three-pronged approach が必要と指摘し、新興国においては、やはり3点、(1) 中国経済のより均衡のとれた成長への移行に対する支援、(2) 経済の脆弱性に対する対応、(3) 商品価格安の状況へ適応、がそれぞれ必要との結果を示しています。特に国別で日本に対しては、日銀のマイナス金利導入がデフレ脱却へのコミットメントを明確に示したと評価しつつ、最低賃金などの賃上げを目標とする政策の必要性について言及しています。アベノミクスは正しい方向なのかもしれません。

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2016年4月13日 (水)

まだまだ大きなマイナスが続く企業物価!

本日、日銀から3月の企業物価指数(PPI)が公表されています。ヘッドラインの国内物価上昇率は前年同月比で▲3.8%と、さらにマイナス幅が拡大してしまいました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

企業物価指数、3月は3.8%下落 10カ月連続マイナス
日銀が13日に発表した3月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は99.6で、前年同月比3.8%下落した。原油価格など国際商品市況の下落が続き、関連製品の価格を押し下げた。市場予想の中央値は3.5%下落だった。2015年度の国内企業物価は前年度比3.2%下落した。
3月の国内企業物価指数は前月比では0.1%下がり10カ月連続でマイナスだった。原油価格の下落に歯止めがかかり、2月の確報値(0.3%下落)からはマイナス幅が縮小した。
下落の大きな要因となったのは、電力・都市ガス・水道だった。前月までの燃料費の下落を受けて料金が下がった。豚肉や牛肉など農林水産物の価格も下落した。一方で銅や金、鉄くずの価格上昇を受け、非鉄金属やスクラップ類は前月比で上昇した。
円ベースの輸出物価は前月比で0.7%下落、前年同月比で9.1%下落した。前年比の下落幅は09年9月以来の大きさだった。輸入物価は前月比で1.0%下落した。前年比では20.2%下げ、09年10月以来の下げ幅だった。日銀は「契約通貨ベースでは原油価格の反転が物価を押し上げたが、円高進行で国内物価への影響は限られた」(調査統計局)としている。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは290品目、下落は420品目となった。上昇品目と下落品目の差は130品目で2月から縮小した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

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ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率で見て、昨年2015年9月の▲4.0%の直近で最大のマイナスから、国際商品市況における石油価格の持ち直しなどを受けて、ジワジワと下落幅が縮小して来たんですが、今年2016年1月の▲3.2%の下落から、2月▲3.4%、3月▲3.8%と逆にマイナス幅が2か月連続で拡大しています。1月に日銀がマイナス金利の導入を決めて2月から実施され、私はそれなりの効果が出始めていると考えており、日銀でも、リフレ派の原田審議委員などは、今日の山口県金融経済懇談会における挨拶において、「マイナス金利は、量的・質的金融緩和と合わせて、所期の効果を発揮しています。」と指摘しています。同時に、「当初考えていたように物価は上がっていませんが、それは原油価格下落によるものです。原油価格が安定するとともに、物価は上がっていきます。」との見方を示しています。私も基本的にまったく同じ意見です。といいつつ、国際商品市況で石油価格が持ち直し始めているにもかかわらず、ここ2か月連続でマイナス幅が拡大しているのは、基本的に、米国における金利引き上げの先送りに伴う円高の進行に起因する輸入物価の下落の影響だと考えています。私の見立てでは、日銀の金融政策の方向性は決して間違っておらず、必要がある場合は追加緩和が模索されるものと期待しています。

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2016年4月12日 (火)

IMF「世界経済見通し」World Economic Outlook の分析編を読む!

先週4月7日のエントリーの最後で触れたところですが、4月15日からのIMF世銀総会を前に、4月6日に国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) の分析編第2章と第3章が明らかにされています。まず、両章のタイトルは以下の通りです。

Chapter 2:
Understanding the Slowdown in Capital Flows to Emerging Markets
Chapter 3:
Time for a Supply-Side Boost? Macroeconomic Effects of Labor and Product Market Reforms in Advanced Economies

ということで、見れば明らかなんですが、第2章では新興国や途上国への資金流入が減速している点を分析し、第3章では先進国での供給サイドの構造改革について考察を加えています。国際機関のリポートを取り上げるのはこのブログの最大の特徴のひとつですし、図表を引用しつつ、簡単に紹介しておきたいと思います。

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まず、リポートから Figure 2.1. Net Capital Inflows to Emerging Market Economies and Number of Debt Crises, 1980-2015:Q3 を引用すると上のグラフの通りです。黒い折れ線グラフに着目して、実線がすべての新興国を含むネットの資本流入であり、破線はロシアと中国を除いています。1980年から現在まで3回ほど低下の時期があり、1985年の前後、1990年代後半、そして、2010年以降です。最近時点の2010年以降の資本流入の減速では特に実線と破線の乖離が大きくなっているのが見て取れます。IMFでは40を超える新興市場国・地域のデータを分析した結果として、総じて、資本フローの変化において世界的なプッシュ側の要因の重要性は、公的債務が少なく、潤沢な外貨準備を備え、為替相場の柔軟性が高い新興市場国・地域で低くなっていたと結論し、直近の国際金融フローの減速のマクロ的影響がそれほど大きくなかったのは、こういったより健全な政策枠組みの効果であろうとの政策的な含意を引き出しています。

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次に、リポートから Figure 2.5. Net Capital Inflows by Region, 2000-15:Q3 を引用すると上のグラフの通りです。これは地域的に、特に中国を含む東アジアにおけるネットの資本流入が減少している点を検証しています。GDP比ですから実額ではないものの、かなりのマイナス、すなわち、ネットで資本が流出に転じていることが読み取れます。

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次に、リポートから を引用すると上のグラフの通りです。先進国の成長会計を示していて、赤い積み上げ棒グラフで示された雇用の増加の成長への寄与が徐々に縮小しているのが見て取れます。我が国では労働力人口がすでに縮小に転じており、この部分がマイナスに寄与していることは広く知られている通りです。これを補うに、黄色い全要素生産性(TFP)の上昇が必要ではないかという問題意識であり、そのため、先進国における供給サイドの構造改革を取り上げています。

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最後に、リポートから Figure 3.1. Evolution of Potential Output Growth and Its Components in Advanced Economies を引用すると上のテーブルの通りです。一番左の列が改革の領域を示しており、製造市場、雇用保護法制、失業給付、労働税制、労働市場活性化政策の5分野、うち4分野の圧倒的多数が雇用に関する規制や政策だったりします。そのそれぞれに通常の経済条件、不況下の経済条件、好況下の経済条件、さらにそれぞれに短期と中期を割り当てて、プラスとマイナスの経済効果を示しています。例えば、真ん中へんの失業給付の改革、おそらく、失業給付の短期化や削減など、については、不況下で短期には景気を悪化させかねないものの、通常の経済条件や好況下ではプラスの政策効果が見込める、としています。その時々の経済条件を考慮し、さらに、目先の短期的な効果を追うのか、それとも、中期的な長い目で見た効果を目指すのか、各国の政策当局の腕の見せ所かもしれません。

なお、経済見通しを含むIMF「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) のフルリポートがもうすぐ、すなわち、米国東海岸時間(EST)の9時、日本時間の今夜10時に発表される予定とIMFのサイトでアナウンスされています。今夜はムリですので、日を改めて見通し編を取り上げたいと思います。

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2016年4月11日 (月)

機械受注と設備投資はこの先どうなるのか?

本日、内閣府から2月の機械受注が公表されています。船舶と電力を除くコア機械受注は季節調整済みの系列で前月から▲9.2%減少して8487億円を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注、前月比9.2%減 3カ月ぶり減、市場予想は上回る
内閣府が11日発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の2月の受注額(季節調整値)は、前月比9.2%減の8487億円だった。マイナスは3カ月ぶり。鉄鋼業からの大型受注で伸びた1月(15.0%増)の反動が出た。ただQUICKの市場予想(12.0%減)は上回った。内閣府は機械受注の基調判断を前月までと同じ「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
製造業からの受注額は30.6%減の3210億円で、2カ月ぶりに減少した。減少幅は統計開始以来、過去最大だった。1月に急増した鉄鋼業からの受注が92.7%減となったほか、電気機械や情報通信機械といった業種でも引き合いが減った。
一方、非製造業(船舶・電力除く)の受注額は10.2%増の5310億円と、3カ月連続で増えた。運輸業・郵便業からの鉄道車両や情報サービス業で電子計算機などの受注増が寄与した。内閣府は2月の受注動向を巡り、1月の鉄鋼業からの大型案件の影響を除いて比べれば「底堅さを保っている」との見方を示した。
内閣府の1-3月期(船舶・電力除く民需)の見通し(前期比6.4%増)は、3月の受注額が前月比4.6%以上なら達成できるとしている。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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1月にイレギュラーな大型案件が入った反動で2月の機械受注は減少に転じています。ただし、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスの▲12.0%減ほどのマイナスではありませんでした。という意味も含めて、統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「持ち直しの動き」に据え置いています。上のグラフの上のパネルでも、6か月後方移動平均はやや上向きになっているのが確認できるかと思います。私の直観としても機械受注、というか、設備投資動向については横ばいないし底堅い動きと受け止めており、現在の需要動向に見合っているものと考えていますが、いまだに、日銀短観などで示されたソフトデータの2015-16年度の設備投資計画に対して、ハードデータの機械受注や鉱工業生産指数のうちの資本財出荷などが弱めに出ているような気がしてなりません。
もっとも、元に戻りますが、日銀短観に示されたような企業マインドとしては設備対する過剰感はほぼ払拭されており、生産要素需要としては人手不足に対応する設備への要素間の代替需要も十分考えられ、それはそれで企業マインドとしては設備投資意欲は大きく損なわれているわけではなく、企業マインドとしては整合的な気もします。ですから、現時点の足元では為替や株価といった金融市場動向に対する不透明感などから設備投資を先送りしている状況なのかもしれません。中国経済の回復や経済政策による底上げなどの先行きの明るい兆しが見え始めれば、ひょっとしたら、あくまでひょっとしたら、なんですが、設備投資は「爆発」とまではいかないかもしれないものの、それなりの伸びを見せる可能性はまだ残されているように私には見えます。

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2016年4月10日 (日)

最終回の猛攻も及ばず広島に逆転負け!

  HE
広  島200051000 8130
阪  神004000003 7150

広島に逆転負けでした。外国人スラッガーを欠く国産打線ながら、3回に集中打により一度は逆転しましたが、先発藤川投手とリリーフ陣が中盤に打ち込まれて、最終回の追い上げも及ばず、3連戦で今季初めての負け越しでした。現状の打線としては、若手もよく打ちましたし、9回の猛攻の先陣を切った江越外野手のガッツあふれるヘッドスライディングも素晴らしかったですが、得点力としてはこのあたりが限界かもしれず、投手陣の失点が重かった気がします。負けましたが、いわゆるルーズヴェルト・ゲームで面白かったです。さすがに、4時間半は長かったです。

火曜日からの横浜戦は、
がんばれタイガース!

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2016年4月 9日 (土)

終盤にリリーフ投手が打ち込まれて広島に逆転負け!

  HE
広  島0000000204 6100
阪  神0020000000 220

終盤にリリーフ投手が打ち込まれて広島に逆転負けでした。先発岩貞投手が8回途中まで好投し、江越外野手がツーランをかっ飛ばしたんですが、終盤にリリーフ陣が打ち込まれなくても、さすがに、1-2番の2安打、江越選手のツーランだけでは勝てません。若い先発投手が好投しているんですから、もっと打撃陣の援護射撃が必要です。

明日はサンデー球児を援護して、
がんばれタイガース!

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今週の読書は経済書を中心に計8冊!

今週の読書は経済書と小説に新書も加えて、以下の8冊です。まだかなり多過ぎる気がしていますが、実は、この週末もかなり予約していた本が図書館に届いてしまいました。来週くらいまでは読書過多な気がしますが、季節もよくなって他の活動にも時間を割きたく、読書は少しずつペースダウンさせたいと願っています。

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まず、ジョセフ E. スティグリッツ『スティグリッツ教授のこれから始まる「新しい世界経済」の教科書』(徳間書店) です。著者はいうまでもなく、リベラル派の格差などを問題視する経済学者であり、ノーベル賞受賞のエコノミストです。本書の英語の原題は Rewriting the Rules of the American Economy となっています。今年になってルーズヴェルト研究所のリポートとして明らかにされた後、出版されています。1980年ころからの英国のサッチャリズムと米国のレーガノミクス以来、トップ1%層が経済の成果をほぼ1人占めにし、国家の礎となるべき中流や下層の国民生活が極めて劣悪化している米国資本主義の現実を解き明かすとともに、新たな経済に向けてルールを書き直すことを提唱しています。第1部の3章で現状を分析し、以下に格差が拡大し、資本主義経済が富裕層にのみ奉仕する体制に変化し、中間層や下層の国民の賃金が上がらなくなった理由を労働組合運動や税制などの面から解き明かしています。私はすっかり忘れましたが、第3章の賃金の動向の分析は、かなりマルクス『資本論』の絶対的剰余価値の生産に近い気がしました。なお、これは褒め言葉です。第2部では処方箋を展開し、最上層の抑制、例えば、知的財産権のバランス回復や to big to fail なのであれば、スタンダード石油やAT&Tを分割したのと同じ主砲を金融機関にも導入する方向が可能であると示唆しています。また、トービン税の可能性にも触れられています。そして、中間層を成長させるべく労働組合の交渉力の強化や教育と医療の充実などのための方策が論じられています。何といっても、富裕層によるレント・シーキングを防止する観点からも、累進課税の強化は欠かせません。また、Gali などの最近のフィリップス曲線に関する研究でも、賃金決定において労働組合の交渉力はそれなりにモデルに組み入れられており、私は興味を持って見ていたりしますので、決して突飛な発想ではないと思います。そして、何よりも、スティグリッツ教授の専門分野である情報の非対称性により、市場がまったく効率的な資源配分に適さなくなっている可能性にも目を向けるべきです。その市場の失敗を是正するのは政府の役割です。

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次に、橘木俊詔『21世紀日本の格差』(岩波書店) です。いうまでもなく、著者は格差・不平等や貧困問題に関する第1人者のエコノミストであり、本書は、ピケティ教授が来日した際の講演や橘木教授のコメントなどを基に構成する予定であったところ、ピケティ教授から断られたようで、そのため、最初に、ピケティ教授の『21世紀の資本』と昨年のノーベル経済学賞受賞のディートン教授と『21世紀の不平等』のアトキンソン教授を並べて説き起こす章から始まり、格差や貧困に関する論考を連ねています。現在の日本における格差や貧困の現状を分析して、1960-70年代から悪化していることを明らかにしつつ、高所得層への累進度の高い税制が可能かどうか、必死になって説得しています。そして、その中で、成長と平等のトレードオフについて考えを進めています。おそらく、私の直感では成長と平等はトレード・オフの関係にありそうな気がしますが、経済変動への耐性とか、金融危機からの立ち直りなんかは平等の度合いが高い方が有利な気がします。定量的な論証は出来ませんが、直感的にそう感じる部分があります。ただ、ここでは橘木教授自身の格差や貧困問題に関する罪と罰も同時に考えたく、すなわち、労働経済学の観点からマイクロな視点を前面に打ち出して、定量的な分析を繰り広げるのは、決して正しくないわけではないんですが、結局、データや期間の取り方などで必ずしも頑健な結果が得られるわけではない一方で、マクロの議論をすっ飛ばして、実に細かい方向に進みかねません。というか、本書でも、健康格差や老老格差などの本質ではない方向に進むバイアスを示しているような気がします。マクロで労働分配率が低下している点については、結局、誰も目をつけず放置されていたところ、ピケティ教授が敢然と立ち向かったんですが、それを無視してピケティ理論の本質を見逃す形で、こういった細かな論点にすり替えのような議論を持ち込むのは私は大きな疑問です。格差や貧困は先進国でも途上国や新興国でも、もっと大きな観点から議論され、解決されるべき問題ではないでしょうか。現在の安倍政権が外交や安保政策では右派的な傾向を見せつつ、労働政策や国民生活では賃上げや同一労働同一賃金への方向を示しているのはどうしてなのか、リベラルな思考からしっかりと解明されるべきではないでしょうか?

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次に、日本経済新聞社[編]『TPPがビジネス、暮らしをこう変える』(日本経済新聞出版社) です。昨年秋に大筋合意され、幹事国のニュージーランドから全文が明らかにされたTPPですが、日本政府もCGEモデルを使って経済効果を試算して昨年12月下旬に公表したりしています。ということで、本書では日経新聞の記者によってTPPによる国民生活やビジネスシーンの変化の方向を打ち出しています。第1章では国民生活の、第2章ではビジネスシーンの、それぞれのTPP発行後10年という日本における仮想的な変化の方向をシミュレーションしています。というか、見方によってはバラ色の未来を描き出して見せています。チクリと、バターの品薄は解消されない一方で、工業製品には恩恵少ない、といったことも現実として指摘しています。第3章ではTPP交渉を取材から振り返り、私も同じ印象なんですが、やっぱり、米国の知的所有権における譲歩が大きかった点を指摘しています。第4章と第5章では今後の世界経済や貿易の方向を占い、日米を中心とするTPPと中国と欧州を含むアジア・インフラ投資銀行(AIIB)の覇権争い的な途上国の囲い込みを予想しています。その中では、ASEANの大国であるインドネシアとタイがTPPに参加の意向を表明しており、特に、インドネシアはやや不透明なやり方で高速鉄道を中国に落札させながら、大統領が明確にTPP参加の意向を表明していますから、なかなか面白そうな展開になるような気がします。最後に、1990年代前半のウルグアイ・ラウンド交渉妥結時の農業対策費6兆円の反省の上に立ったTPP対策のあり方を議論しています。TPPは関税交渉としては、確かに質が高いと言われてはいますが、特に先進国である日米では大きな関税引き下げの余地もなく、むしろ、知的財産権とISDSなどの紛争解決などのほうが関税よりも重要と指摘する意見もあります。私はそれなりに関税交渉の複雑怪奇さを知っているだけに、TPPの交渉成立には感慨を覚えないでもないんですが、長期に渡る関税引き下げプロセスが始まったばかりで、私の寿命が尽きるころにはまだゼロ関税の自由貿易の達成は出来ていないでしょうから、まだまだ先の長いお話だと受け止めています。

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次に、上野千鶴子『おひとりさまの最期』(朝日新聞出版) です。著者は著名な社会学者であり、我が母校である京都大学の先輩でもありますから、マルクス主義の影響をかなり受けています。そして、団塊の世代です。本書は、同じ著者の『おひとりさまの老後』、『男おひとりさま道』に続く3部作の完結編だそうです。高齢化が進む日本で、死に場所難民が増加することを予想し、自宅でひとりで死ぬことが多くの高齢者の幸福ではないか、という観点から、どのようにすれば在宅ひとり死が出来るかを考察しています。そして、現在の政府の医療や介護といった社会福祉政策の方向性は、動機が財政費用削減一辺倒なのは気にかかるとしても、在宅ひとり死という高齢者の幸福実現には有益との立場で、動機の不純正を考慮しつつも賛同していたりします。そして、在宅ひとり死に最適なのはガンによる死亡だと指摘しつつも、さすがに死因は選べないので、在宅ひとり死の条件として、24時間対応の巡回訪問介護、訪問看護、訪問医療の多職種連携による3点セットが必要と分析しています。ただ、政策的には施設の作り過ぎ、高齢者本人的には金銭的な余裕がない点、そしてその高齢者の家族が外野からじゃまをすることなどが、高齢者の在宅ひとり死の実現を阻んでいると指摘しています。私も流石に自分自身の死を実感できる年齢には達していないので、少し理解不能な部分もありますが、基本的に著者の見方には賛成です。もっとも、私の母は80歳を超えてまだ存命ですし、父や祖父母や近い親戚などでガンで死んだ人はいません。父方の祖母などは100歳超で死ぬまでガンにはなりませんでしたので、ガンで死ぬのは遺伝的には望み薄かもしれません。また、女房子供がいますので、在宅ひとり死の実現にためには、少なくとも、女房よりも長生きしなければなりません。これはがんばれば可能かもしれません。

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次に、赤川次郎『東京零年』(集英社) です。ここから小説です。著者は紹介するまでもない売れっ子小説家であり、私も三毛猫ホームズシリーズ、3姉妹探偵団シリーズ、大貫警部の四文字熟語シリーズなどは、一部の最新刊を別にすれば、全部読んでいる気がします。ということで、この作品は『すばる』に2年余りにわたって連載されてきた単行本化であり、近未来のディストピア、すなわち、自由と民主主義が形骸化し権力国家・警察国家となった日本を舞台に、張り巡らされた陰謀がますます凶暴化する様子を描き出しています。ひょっとしたら、現実に現在の日本もこのディストピアに片足を突っ込みつつあるんではないかという恐怖も私にはあったりします。ストーリーは、その警察国家の立役者である元検事と警察国家に反対する元ジャーナリストのそれぞれの子供の世代が、ジャーナリストを陥れた陰謀を暴くべく協力して謎の解明に当たる、ということで進みますが、結局、謎は解明されるものの、だからといって何の解決にもつながらない、という、まさにディストピア小説の真髄のような終わり方です。同じような警察国家・監視国家を描いた古典的作品にジョージ・オーウェル『1984』があり、割と最近話題になった伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』などもそうですが、この『東京零年』の新しさは、さすがの権力側もネットに出てしまえば報道管制してもどうしようもない、というところです。ですから、この作品の最後は個人が犠牲になったり、個人で出来る範囲の責任を取ったり、といった個人レベルの行動で終わっていますが、ジャーナリストが一方のサイドで旗を振るわけですから、どういった報道管制が敷かれようと、ネットを使った情報統制逃れ、例えば、アラブの春をもっと取材して、どのようにネットの情報が民衆を動かすことが出来るか、などを小説にも取り込みつつ、もっと明るい日本の未来を描き出すことが出来なかったものか、やや残念に思うところがあります。『ゴールデンスランバー』で主人公が逃げ切った痛快感などもありません。その意味で、というか、二重に読後感がよくなかった作品であるという気がします。

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次に、住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社) です。男子高生がひょんなきっかけで『共病文庫』と題する日記のような文書を見てしまい、クラスメートの女子高生が膵臓の病気で余命いくばくもないことを知ってしまったところからストーリーが始まります。明るくて元気のいい女子高生と人付き合いが苦手でやや暗い男子高生という、あまりにありきたりな2人の間に芽生える恋物語です。そして、予定通りというか、何というか、終盤に女子高生の方は亡くなるんですが、すべての予想を裏切る形で死んでしまいます。そして、『共病文庫』を男子高生が読む中で、読者もいっしょに涙することになる、というのが一般的な展開なんだろうという気がします。web小説から出発して、よく売れている本だそうですが、私はもうひとつピンと来ませんでした。若い命、というか、人の生き死にを題材にする小説ですから、書きようによっては涙を誘うことも可能ですし、それなりに感動的なシーンを演出できもするんでしょうが、小説として工夫したのが、女子高生の死に方だけのような気がして、どうも感情移入できませんでした。年齢的な障害かもしれません。2人が新幹線で旅行する大宰府と思しき旅行先をはじめとして、男子高生の氏名も最後の方まで明らかにされず、名無しのままで物語りが進行しますし、死に至る膵臓の病気というのも正体不明のままで読者の想像に任されます。ということで、小説ですから、ルポルダージュのようにすべてを明確にする必要はないんですが、読書であればネットで調べるというわけに行かない場合も少なくなく、読者の気持ちに寄り添った書きぶりが要求されることは作者として認識すべきです。この作品を読む限り、私の評価はそれほど高まらないんですが、同じ出版社からすでに出ている第2作の『また、同じ夢を見ていた』も図書館に予約してありますので、ソチラを読んでからまた考えたいと思います。エラそうに行ってファンの方には申し訳ありませんが、どうしても私の評価は高まりません。

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次に、田中素香『ユーロ危機とギリシャ反乱』(岩波新書) です。著者はいわずと知れた欧州経済の専門家であり、東北大学名誉教授です。岩波新書のシリーズでも2010年に『ユーロ 危機の中の統一通貨』を出版しています。ということで、本書では前書の後を受けて、2010年から本格化したギリシアの財政バランスを震源とするユーロ危機を論じています。ユーロ危機に対応するECB、EU、IMFのいわゆるトロイカ体制の中で、危機を克服できたのはECBの政策対応によると分析し、その後、ユーロ制度は単なる単一通貨システムではなく、独仏のコアとなる国々が南欧や東欧といった周縁ペリフェリ諸国の金融・銀行制度を監督・指導する帝国システムに変容したと結論しています。その上で、チプラス政権下でのギリシアの反乱というか、緊縮策の受け入れ拒否をちらつかせた援助引き出し交渉について分析を加えていて、ユーロの解体も、ギリシアの離脱も考えられないと結論しています。私も実は地方大学に出向していた際に「ギリシアにおける財政危機に関するノート」なる論文を2010年に書いており、統一通貨の導入、すなわち、各国別に独立した金融政策の放棄のシステム下では、金利はコア諸国には高く、ペリフェリ諸国には低すぎることから、ペリフェリ諸国でバブル経済的な現象が生じる一方で、為替はペリフェリ諸国の競争力を殺ぐ一方で、コア諸国の輸出には促進的である、というのは考慮すべきです。ドイツが内需主導ではなく、輸出により現在の好景気を支えているのは見逃すべきではありません。また、本書の結論の通り、確かにユーロ解体やギリシアの離脱は考えられないんですが、問題の本質が変化してきたように私は受け止めています。すなわち、本書でいうところの「ギリシア反乱」と同じトーンで、Grexit だけでなく Bregxit までが国民投票にかけられるわけですから、ホントにEUやユーロから離脱するんではなく、離脱の姿勢を交渉力の源泉としてシステムの変更を要求する、という戦略を取る国が現れていることは考慮すべきです。現時点で Bregxit まで視野に入れていないという意味で、本書には少し物足りなさが残った気がします。

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最後に、葉山考太郎『30分で一生使えるワイン術』(ポプラ新書) です。この本は、2009年に同じタイトルで出版された単行本に加筆修正したのか、しないのか、このたび新書で出たものらしいです。先週の読書感想文でも書きましたが、私はグルメやおしゃれには縁遠いエコノミストで、アルコールの入ったお酒といえば、一般的な忘年会や職場の歓送迎会などの場を別にすれば、自宅では年に数十缶だけ缶ビールを飲みます。国税庁の仕事はしたことがありませんから、ビールと発泡酒と第3のビールの区別もつきません。ただ、我が阪神タイガースのナイターを見ながら飲んでます。それだけで、日本酒やワインなどはほとんど飲みません。ただ、25年ほども前に在チリ大使館で経済アタッシェをしていて、当時は三菱商事が大々的にチリ産ワインを日本に輸出し始めたころでしたので、いくつかワイナリーを回った経験もありますし、実は、日本でも山梨のどこかのワイナリーを訪問した記憶もあります。もっとも、バブル経済のとてつもなく派手な時代だったと覚えています。今年になって2016年1月28日付けのエントリーで、チリ産ワインが我が国の最大の輸入ワインになったとの朝日新聞の記事を取り上げたところですし、本書を図書館で見つけて借りてみました。もちろん、お酒と食事はかなり密接な関係があり、上質のワイン産地は料理の面でも秀でている場合が多いような気がします。私の英国人の友人は英国が大陸の領土を失って、すなわち、国内でワインを製造できなくなったため料理の質が大きく低下した、と主張しています。そうかもしれません。ひょっとしたら、日本料理の真髄も日本酒でこそ味わえるのかもしれません。私はグルメではありませんから、よく判りません。その意味で、ワインはフランス料理をはじめとするラテン各国の料理のホントの美味しさを引き出してくれるような気もします。逆にいえば、食事なしにワインだけを飲んで酔っ払っているのは、やや筋違いという可能性もあります。どうでもいいことながら、ディナーの最後のディジェスティフはスペイン語ではバハティーボといい、コニャックなどと並んで、本書にはないウィスキーなんぞも可と私は考えています。

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2016年4月 8日 (金)

甲子園開幕戦で広島に逆転サヨナラ勝ち!

  HE
広  島200000000 281
阪  神100000002x 361

甲子園開幕ゲームは広島に逆転サヨナラ勝ちでした。先発能見投手が1回に失点しつつも、後続を断って粘りを見せ、投手陣は2失点で乗り切ります。打撃陣は広島ルーキーの横山投手に手こずりながらも、最終回にラッキーな当たりも出て逆転サヨナラで広島を下しました。売出し中の1-2番でしたが、今日は2番に江越外野手が起用され、いきなり1回に結果を出しました。以前の真弓監督や和田監督のころにはあり得なかった選手起用に応え、若手の成長に目を見張ります。

この勢いで明日も、
がんばれタイガース!

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3か月振りに上昇に転じた消費者態度指数をどう見るか?

本日、内閣府から3月の消費者態度指数が公表されています。前月から+1.6ポイント上昇の41.7を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の消費者態度指数、1.6ポイント上昇の41.7 判断据え置き
内閣府が8日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比1.6ポイント上昇の41.7だった。プラスは3カ月ぶりで、「暮らし向き」や「耐久消費財の買い時判断」など4つの意識指標が全て前月を上回った。調査基準日は3月15日で、年初からの株価下落に一服感がみられたことが寄与した。
内閣府は消費者心理の基調判断を「足踏みがみられる」に据え置いた。内訳をみると、「暮らし向き」が2.0ポイント上昇したほか、「雇用環境」や「耐久消費財の買い時判断」もそれぞれ1.7ポイント上昇した。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月から0.4ポイント増加し、77.8だった。
全国8400世帯が対象で、有効回答数は5518世帯(回答率は65.7%)だった。

いつもながら、簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、消費者態度指数のグラフは以下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影をつけた部分は景気後退期です。

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2月に消費者態度指数が大きく▲2.2ポイント低下した後、3月は+1.6ポイント盛り返しました。引用した記事にもある通り、株価などの金融市場の落ち着きも寄与したんでしょうが、指数の4つのコンポーネントすべてが上昇したとはいっても、当然ながら、その上昇幅にはばらつきがあります。すなわち、「暮らし向き」が+2.0ポイント上昇、「雇用環境」が+1.7ポイント上昇、「耐久消費財の買い時判断」が+1.7ポイント上昇に対して、「収入の増え方」がもっとも上昇幅が小さい結果を示しており、わずかに+0.8ポイント上昇にとどまっています。今回の調査基準日は3月15日だったそうですから、どこまで今春闘の結果が消費者マインドに反映されているかは不明ですが、収入に関するマインドが低調な気がしないでもありません。指数のレベルを見ても仕方ない気もしますが、消費者態度指数のコンポーネントの中でも「収入の増え方」は「暮らし向き」の40.5に次いで低い40.6ですし、この先の消費動向を占う上では、やや不安が残らないでもない内容ではないかと懸念しています。

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また、年に1度の調査で3月統計とともに公表される耐久消費財の普及や保有などに関する調査結果のうち、保有台数の大きいエアコン、カラーテレビなどの耐久消費財に関する保有状況のここ3年間のグラフは上のグラフのうちの上のパネルの通りです。見ればわかると思います。エアコン、テレビ、携帯電話については、そもそも世帯普及率が90%を超えていて、保有台数でも100世帯で200台を超えているわけですから、平均的に1家に2台超ということになります。ただし、デジカメに関してはかなり明瞭に普及率が低下し始めており、また、、パソコンについても普及が伸び悩んでいるのも見て取れます。これは明らかにスマートフォンの普及のあおりだと私は受け止めています。ということで、上のグラフのうちの下のパネルは携帯電話の普及率を折れ線グラフで、スマートフォンとそれ以外の最近時点での普及率を棒グラフで、それぞれプロットしています。スマートフォンの調査を開始した一昨年2014年時点の世帯普及率ではスマホ54.7%に対してガラケー73.7%と20%ポイント近い差があったんですが、昨年2015年にはスマホ60.6%に対してガラケー69.8%と普及率が近づき、今年の調査ではスマホ67.4%に対してガラケー64.3%になりアッという間に逆転しています。

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最後に、本日、財務省から2月の経常収支も公表されています。季節調整していない原系列で見て、経常収支は2兆4349億円の黒字となり、20か月連続の経常黒字を記録しています。国際商品市況における石油価格の下落などに伴う燃料価格の低下から、貿易収支も4252億円の黒字となっており、上のグラフの通り、経常収支の黒字幅はジワジワと拡大しているように見えます。

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2016年4月 7日 (木)

先発投手の格の違いを見せつけて巨人に圧勝!

  HE
阪  神000450001 10120
読  売000001000 180

超変革打線も昨夜は1回休みだったものの、今夜は打線が爆発して巨人に圧勝でした。先発メッセンジャー投手は3戦目で今季初勝利とはいえ、さすがに先発投手として格の違いを見せつけた形です。打線も中盤に大量点で投手を盛り立てました。北条選手もヒットを打ち、江越選手も最終回のダメ押しホームランでアピールしています。こういった若手も使っていきたいところですが、ぜいたくな悩みかもしれません。

この勢いで甲子園の広島戦も、
がんばれタイガース!

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JTB調査によるゴールデンウィークの旅行動向やいかに?

一昨日4月5日にJTBから今年のゴールデンウィークの旅行動向に関する調査結果が明らかにされています。節約志向はあるものの旅行の意欲は堅調であり、海外旅行人数は昨年より+2.8%増の54.6万人に上る見込みで、国内旅行人数、総旅行人数はともに過去最高を記録すると予想しています。まず、リポートから2016年GW期間の旅行の特徴を4点引用すると以下の通りです。

2016年GW期間の旅行の特徴
  1. 節約傾向はあるものの旅行意欲は堅調で、総旅行人数は、昨年より0.3%増の2,395.6万人
  2. 出発日: ピークは国内旅行が、4月29日と5月3日、海外旅行は、4月29日、30日と5月3日
  3. 平均費用: 国内旅行平均費用、海外旅行平均費用はともに減少
  4. 今年のGWの傾向は、節約しながらも親しい人と楽しく過ごしたい
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続いて、上のテーブルはリポートから (表1) 2016年GWの旅行人数、平均旅行費用、旅行消費額 を引用しています。旅行者数は海外旅行を中心に国内旅行も増加していますが、節約志向からか何なのか、旅行平均費用=単価が低下しており、総旅行消費額は前年から減少を示しています。リポートでは、増加を示している海外旅行については、日並びの影響で選択肢が多く多様な旅行傾向を示すとともに、行き先としては遠距離方面はオーストラリア・ニュージーランド、短期間で行けるアジア方面も人気と結論しています。また、国内旅行については、行き先としては節約傾向を反映して関東や近畿が人気となっており、1泊2日の旅行が増加し、交通機関としては自動車での旅行が増加していて、旅先での過ごし方や宿泊施設・交通手段の選択肢が豊富になり、訪日外国人に人気のスポットへの興味も増加している、と分析を加えています。

なお、4月15日から開催されるIMF世銀総会を前に、「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編第2章と第3章、Chapter 2: Understanding the Slowdown of Capital Flows to Emerging Markets と Chapter 3: Time for a Supply-Side Boost? Macroeconomic Effects of Labor and Product Market Reforms in Advanced Economies が日本時間の昨夜にIMFのサイトで公開されています。日を改めて取り上げたいと思います。

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2016年4月 6日 (水)

超変革打線が菅野投手に完封されて1回休み!

  HE
阪  神000000000 060
読  売00012000x 370

序盤に幾つかチャンスはあったものの、超変革打線が菅野投手に抑え込まれて巨人に完敗でした。先発岩田投手は中盤に粘り切れずに失点し、開幕から勝ち星なしです。上体が突っ立ってて手投げになっているように私には見えました。打線は1回休みで、明日は調子を取り戻したいところです。

明日は、
がんばれタイガース!

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大きく下降した景気動向指数から何が読み取れるか?

本日、内閣府から2月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数が▲3.2ポイント下降して110.3を示した一方で、CI先行指数は▲2.0ポイント下降して99.8を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数、2月3.2ポイント低下 低下幅、震災時以来の大きさ
内閣府が6日発表した2月の景気動向指数(2010年=100、速報値)によると、景気の現状を示す一致指数は110.3となり、前月比で3.2ポイント低下した。生産関連統計の下振れが響き、2カ月ぶりにマイナスとなった。単月の低下幅は、東日本大震災に見舞われた11年3月(6.6%低下)以来の大きさだった。一致指数の基調判断は前月までと同じ「足踏みを示している」から変えなかった。
前月と比較可能な8指標のうち、小売業・卸売業の商業販売額を除く6指標が一致指数の下振れにつながった。国内外で半導体用の製造装置などの出荷が低迷し、投資財出荷指数(輸送機械除く)が落ち込んだ。愛知製鋼の工場の爆発事故に伴うトヨタ自動車の生産停止の影響で、鉱工業用の生産財出荷指数や鉱工業生産指数も悪化し、生産関連が軒並み振るわなかった。
数カ月先の景気を示す先行指数は2.0ポイント低下の99.8となった。低下は2カ月ぶりで、先行指数は12年12月(98.9)以来3年2カ月ぶりに100を割り込んだ。消費者態度指数が大きく下がったほか、東証株価指数や日経商品指数などの下落も響いた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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いつもながら、鉱工業生産指数との連動性高く、景気動向指数の特にCI一致指数は2月に大きく下降しました。プラス寄与は商業販売額(卸売業)(前年同月比)くらいしかなく、マイナス寄与は絶対値の大きなものだけでも、投資財出荷指数(除輸送機械)、鉱工業用生産財出荷指数、生産指数(鉱工業)、耐久消費財出荷指数が上げられています。引用した記事の通り、トヨタの生産停止の影響や中華圏の春節のカレンダー要因も考えられます。先行指数の動きについては、これも引用した記事の通り、株価指数などの金融市場動向も影響を及ぼしています。最終的に、統計作成官庁である内閣府では、基調判断は「足踏み」で据え置いています。

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2016年4月 5日 (火)

先発藤浪投手の好投でジャイアンツにも快勝して3連勝!

  HE
阪  神103004000 8100
読  売100000100 260

ほぼ完璧な試合運びでジャイアンツを倒して3連勝でした。先発藤浪投手は8回を4安打2失点でジャイアンツ打線を抑え込み、打っては売出し中の1-2番が十分に機能して10安打8得点でした。昨年5敗を喫したポレダ投手を打ち込んで攻略しました。ゴメス選手の盗塁から得点したりして、狭い東京ドームながら足で稼いだ得点も少なくありませんでした。最終回を藤浪投手からつないだ榎田投手もしっかりと投げ切りました。また、藤浪投手は次の登板で完投完封を期待します。

明日も、
がんばれタイガース!

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毎月勤労統計に見る雇用の質的改善は賃金よりも正規雇用の増加に現れるか?

本日、厚生労働省から2月の毎月勤労統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる現金給与総額は季節調整していない系列の前年同月比で見て+0.9%上昇して消費者物価上昇率を上回り、景気に敏感な製造業所定外労働時間は季節調整済みの前月比で▲2.8%の低下を示しています。また、同時に昨年年末賞与の統計も明らかにされており、2015年年末賞与の平均は370,367円となり、前年比▲0.3%減を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

実質賃金、4カ月ぶりプラス 2月0.4%増
厚生労働省が5日発表した2月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月より0.4%増えた。プラスとなるのは4カ月ぶり。基本給や残業代が増えたが、伸び幅は小さく、賃金増加が今後も続くかは見通せない。
名目賃金にあたる2月の現金給与総額は前年同月比0.9%増の26万2558円となった。プラスとなるのは4カ月ぶり。内訳を見ると、基本給にあたる所定内給与は同0.6%増の23万9123円、残業代などの所定外給与も同0.4%増の1万9541円だった。
2015年末のボーナスの集計も発表した。1人当たりの平均で37万367円と、14年末と比べて0.3%減った。

いつもよりやや短いように感じるんですが、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、毎月勤労統計のグラフは下の通りです。順に、上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、まん中のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額と所定内給与の季節調整していない原系列の前年同月比を、下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用指数の推移を、それぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

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グラフのポイントについて、順に上から見ていくと、まず、景気に敏感な製造業の所定外労働時間は季節調整済みの指数で昨年2015年11月と12月に連続して低下した後、何と鉱工業生産指数に連動して今年2016年1月は上昇しましたが、今日発表の2月統計では低下を示しています。鉱工業生産などの企業活動に沿った整合的な動きと私は考えています。その一方で、ちょうど1週間前の3月29日に公表された雇用統計では、引き続き雇用が堅調であり、人手不足が続いていることが明らかにされ、雇用の質的な改善が進む方向にあることは明らかです。季節調整していない系列の前年同月比で見た現金給与総額の上昇、特に消費者物価上昇率を上回っての実質賃金の改善は人手不足を背景にしていることはいうまでもありません。ただし、今春闘でのベースアップは、先週金曜日の4月1日付けで連合から春闘の現段階での回答状況「2016 春季生活闘争 第3回回答集計結果について」が明らかにされていて、定昇込みの賃上げで6,239円、+2.09%と集計されており、昨年同時期の6,944円、+2.33%をやや下回っているようです。足元での企業活動の停滞を考慮すれば、止むを得ない結果かもしれませんが、政府が「同一労働同一賃金」を目標に掲げていることもあって、非正規雇用の賃金などの待遇の底上げが図られる可能性は十分あるんではないかと私は期待しています。3段目の一番下のパネルについては、季節調整していない原系列の統計ながら、最近時点でパートタイムの雇用が減少に転じている可能性が示唆されていると私は受け止めています。他方、フルタイムの雇用は堅調に増加を示しており、雇用の質の改善に関しては、賃上げよりも正規雇用の増加の方が早く始まる可能性があるのかもしれません。

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最後に、今月の統計発表では月次統計とともに昨年2015年年末ボーナスの結果が特別集計されています。上のグラフの通りであり、調査産業の平均で2015年年末賞与の平均は370,367円となり、前年比▲0.3%減を記録しています。夏季ボーナスの際の大きなマイナスにも多くのエコノミストから疑問が表明されたんですが、年末ボーナスもトピックを見る範囲では増加だったんではないか、と私は直観的に感じており、小幅ながらマイナスの統計にはやや疑問を禁じ得ません。なお、上のグラフの3枚目の一番下のパネルの産業別の前年比なんですが、実は、「鉱業,採石業等」ではグラフを突き抜けて▲25.4%を記録していますので付け加えておきます。

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2016年4月 4日 (月)

NHK朝ドラ「あさが来た」が高視聴率を記録!

先週で終了したNHKの朝ドラ「あさが来た」は平均視聴率で23.5%を記録し、2002年度上半期「さくら」の23.3%を久し振りに上回る高視聴率だったそうです。ビデオリサーチのサイトから引用した最近のNHK朝ドラの視聴率は以下の通りです。

放送年度番組名初回視聴率最高視聴率平均視聴率
2015あさが来た21.2%27.2%23.5%
まれ21.2%22.7%19.4%
2014マッサン21.8%25.0%21.1%
花子とアン21.8%25.9%22.6%
2013ごちそうさん22.0%27.3%22.3%
あまちゃん20.1%27.0%20.6%
2012純と愛19.8%20.2%17.1%
梅ちゃん先生18.5%24.9%20.7%
2011カーネーション16.1%25.0%19.1%
おひさま18.4%22.6%18.8%
2010てっぱん18.2%23.6%17.2%
ゲゲゲの女房14.8%23.6%18.6%
2009ウェルかめ16.0%20.6%13.5%
つばさ17.7%17.7%13.8%
2008だんだん16.8%18.7%16.2%
16.5%18.5%15.2%
2007ちりとてちん17.1%18.8%15.9%
どんど晴れ14.9%24.8%19.4%
2006芋たこなんきん20.3%20.3%16.8%
純情きらり17.7%24.2%19.4%
2005風のハルカ18.3%21.3%17.5%
ファイト16.9%21.9%16.7%
2004わかば18.9%19.9%17.0%
天花18.6%20.0%16.2%
2003てるてる家族20.9%22.0%18.9%
こころ22.5%26.0%21.3%
2002まんてん20.3%23.6%20.7%
さくら20.3%27.5%23.3%
2001ほんまもん23.1%25.1%22.6%
ちゅらさん21.3%29.3%22.2%
2000オードリー23.2%24.0%20.5%
私の青空23.9%28.3%24.1%

朝日新聞のサイトでは以下の通り、今世紀最高の視聴率と報じています。

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新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ500やいかに?

少し旧聞に属する話題かもしれませんが、3月23日付けで東洋経済オンラインから「新入社員に優しい『ホワイト企業』トップ500」が明らかにされています。東洋経済から発行されている『CSR企業総覧』2016年版をもとに、掲載されている男女それぞれの2012年4月入社者数及び3年後の2015年4月時点の在籍者数から、3年間の定着率100%の企業120社を一挙公開しています。以下の画像の通りです。

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まずまずの規模の企業が多いような気がします。この後もリストは続くんですが、さすがに、トヨタは入社数が1000人を超えますので100%というのは難しそうな気がしますが、1000人超の企業ではランクインしている数少ない企業のひとつでした。定着率だけでホワイトかブラックかを議論するのは少し乱暴かもしれませんが、ひとつの見方かもしれません。

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2016年4月 3日 (日)

ほぼ完璧な試合運びで横浜に連勝!

  HE
阪  神300001112 8110
横  浜000000003 361

ほぼ完璧な試合運びで横浜に連勝でした。完璧から大きく外れるのが9回ウラで、鶴投手に代わって上がってきた金田投手が3失点でした。打つ方はクリンナップと若手を中心に完璧でした。1回に4番と5番で3点を先制し、中盤から終盤には北条内野手のプロ初ヒットの初ホームラン、江越外野手のホームランなど、1-2番も得点に絡みましたし、万全の備えと言えます。投手陣も最終回の金田投手以外はしっかりとしていました。ヒーローインタビューの先発藤川投手は6回を2安打無失点で抑え、つないだ榎田投手と中村投手もしっかりと投げ切りました。

東京ドームの巨人戦は、
がんばれタイガース!

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先週の読書はセン教授らの『開発なき成長の限界』をはじめ計8冊!

読書感想文は、感銘を受けたセン教授らの『開発なき成長の限界』をはじめ、フィクションの小説なしに計8冊です。昨日に米国雇用統計統計が割り込んで、読書期間が1日長かったのと、短時間で読み切れる新書が3冊もあって、ついついたくさん読んでしまいました。もう少しセーブしたいと思いますが、野球のナイターを見ながらの軽い読書も少なくなく、中学高校時代にラジオを聞きつつ勉強した「ながら族」のクセが抜けません。

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まず、アマルティア・セン/ジャン・ドレーズ『開発なき成長の限界』(明石書店) です。英語の原題は An Uncertain Glory であり、2013年にペンギン・ブックスから出版されています。著者はノーベル賞受賞者のセン教授が共著者ドレーズ教授とともに当たっており、母国インドを対象に分析を進め、急速な経済成長の一方で教育・保健医療・栄養・公共設備といった点で大きな不平があり、将来に対する不安などを明らかにしています。日本語タイトルはかなり意訳なんですが、インドの現状を見るに、開発なしの成長は本末転倒との趣旨なんだろうと受け止めています。成長については、著者たちは国民の豊かさが増すとともに、財政的にも開発に充当できる財源を増やすわけですから、大いに肯定的なんですが、結果としてインドの現在の成長はいわゆる富裕層を豊かにするだけで、多くの貧困層に行き渡っておらず、そのためには教育や医療や公共設備などの充実という開発を行う必要があるというわけです。しかも、インドは同じ新興国の中国とともに、かなり不平等の大きな国であると認めつつ、インドは中国と違って国民のかなりの部分が生活上の必要条件を満たしていないという異常性も指摘しています。はじめにの章で、成長を開発に結び付ける好例として日本が上げられています。ただし、いわゆる戦後高度成長期の日本ではなく、明治期からの学校教育の普及や医療制度の充実などを重視している姿勢が伺われます。また、セン教授の開発に関する視点は常に人間の潜在能力=capability なんですが、随所にそういった趣旨の方向性が明示されています。制度的な面もあって、インド経済特有の問題、例えば、カースト制度などの開発阻害要因もあって、すべての発展途上国に当てはめることの出来る処方箋では決してありませんが、教育や医療の重視など、かなり応用範囲の広い論考となっています。インドに特化した知識を求めるのではなく、開発や途上国経済に共通した幅広い見識が得られることと期待できます。

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次に、ポール・クルーグマン/浜田宏一『2020年世界経済の勝者と敗者』(講談社) です。著者は言うまでもなく、著名なノーベル賞エコノミストとアベノミクスを支える大御所エコノミストです。英語による対談を翻訳した形で出版されています。構成は4章からなり、米国、日本、欧州、中国と主要な経済研を順に論じています。金融政策を重視するリフレ派のエコノミスト2人の対談であり、主張に大きな隔たりはないんですが、細かな点ではいくつか違いが見い出されます。例えば、最初の米国の章でTPPを論じた際に、浜田教授は自由貿易協定と捉えて推進を主張するのに対して、クルーグマン教授は日米の先進国間ではすでにかなり関税率が低いことから、自由貿易推進よりは紛争解決と知的財産権保護でむしろ縛りがかかる可能性が高く、「どっちつかずの反対派」を自称していたりします。日本経済に関しては、先の国際金融経済分析会合と同じように、クルーグマン教授は消費税率の10%への引き上げは回避すべきと指摘しています。さらに、クルーグマン教授はインフレ・ターゲットを4%に設定すべきと主張しつつも、アベノミクスは世界のロール・モデルになりうるとし、正しい方向であるとの認識を明らかにしています。これもクルーグマン教授の主張ですが、欧州については統一通貨ユーロの導入は失敗であったと認め、ギリシアで財政再建を実施した際にマイナスの影響を可能な範囲で相殺するための金融緩和が出来なかった点が悲劇であったと指摘しています。最後に、中国経済の先行きについてもクルーグマン教授は悲観的な見通しを明らかにしています。やや「いまさら感」のある論点が多いのは確かですが、世界経済に対する正しい見方を得るためには適当な材料になる本ではないかという気がします。
どうでもいいことながら、先の国際金融経済分析会合におけるミニッツがクルーグマン教授の大学のサイトにpdfでアップされています。以下のリンクの通りです。消費増税に関して、特にクルーグマン教授から積極的に延期すべきという発言をした部分は p.4 の上の方にあり、"The idea that one should be prioritizing long-run budget issue over fiscal support now seems to me to be extremely misguided. Obviously I am talking about the consumption tax here." となっています。何ら、ご参考まで。

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次に、タイラー・コーエン『エコノミストの昼ごはん』(作品社) です。著者は米国の首都ワシントンにほど近いジョージ・メイソン大学の経済学部教授であり、上の表紙写真にも見える通り、少なくとも日本基準ではややぽっちゃりさんの太目体型です。英語の原題は An Economist Gets Lunch ですから、邦訳タイトルそのままで、2012年の出版です。まあ、賞味期限は長そうなトピックかもしれません。ご本人もお料理するとのことで、後ろの方では料理道具に関する薀蓄も傾けられています。基本は、サブタイトルにある「グルメ経済学」の趣向を漂わせているんですが、特に外食の場合は食事そのもののクオリティを追求しており、レストランの雰囲気とかウェイターの態度などはあまり問題にしていません。要するに、日本的な「おもてなし」の全体像ではなく、食事のクオリティに限ったグルメ経済学といえます。最後の田中秀臣教授の解説にもあるんですが、いわゆるジャンクフードは決して評価しない一方で、決してファストフードを無視してスローフードを評価するわけでなく、吉野屋っぽく言えば「うまい、やすい、はやい」はいっぱいあると指摘しています。また、米国のエコノミストらしく、遺伝子組換作物(GMO)は容認しますし、モンサントなどの巨大アグリビジネスも決して悪者扱いしていません。米国の食べ物は1920年代の禁酒法とその後の戦争と戦後の移民制限で悪化したとの解説から始まって、いろんな食べ物の探訪記を繰り広げています。アルコールと食べ物の関係は私も似たような解釈を取っており、英国の食事が貧相なのはお酒のせいだと受け止めています。フランス、イタリア、スペインなどのラテン国の料理がおいしいのはワインの貢献だと思います。当然ながら、我が日本食も日本酒との組合せで発展して来たと考えるべきです。ただ、私が駐在した国の中で、チリの食事が隣国アルゼンティンに比較してやや劣位にあったのは、ワインのせいではなく、小麦や牛肉などの素材による部分が大きいのではないかという気がしないでもありません。本格的ではないとしても、それなりの経済学的な見方も提供されており、リラックスしてくつろいだ雰囲気で食事を考える面白い本です。でも、同じ趣向で衣服に関するファッション経済学なども出来るような気がしますが、私のようにグルメでもなくおしゃれでもないエコノミストにはムリな話題かもしれません。

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次に、大久保秀夫『みんなを幸せにする資本主義』(東洋経済) です。著者は企業経営者だそうで、本書のサブタイトルになっている公益資本主義を広めるための団体なども主催しているようです。ということで、市場原理主義的な英米型資本主義と中国のような国家資本主義に対置して、第3の極としてその昔の日本的な公益資本主義を提唱しています。定義はハッキリしないものの、何となく感触として理解できそうな気もします。もちろん、ギリギリ詰めて行くと、かつての日本的なシステムのどこを修正して、どこを維持するのかは決して自明ではなく、本書でも銀行などの金融機関の護送船団方式は放棄すべしとする一方で、日本的な雇用システム、すなわち、長期雇用と年功賃金と企業内組合についてはハッキリしません。明記はされていなかったように記憶していますが、資金需要などの書き振りからすると、企業経営については短期的な視点よりも長期的な視点を重視するようですし、アングロサクソン的な株主偏重のコーポレート・ガバナンスを否定する一方で、かなり偽善的なCSRにも批判的であり、CSV = Creating Shared Value を推奨しています。トヨタのAA型種類株式発行を大いに評価して、企業のサイドから出来る公益資本主義の推進を目指す一方で、第8章の地方創生のためには、政府の介入を必要と考えているようで、例えば、シンガポールのような法人税や個人所得税をゼロにする一方で地方への手厚い財政資金の配分など、大きく矛盾するように見えかねない主張も展開されています。ただ、本書の著者の主張の中で私が支持できるのは、公益資本主義という得体の知れないシステムではなく、教育にもっと財政リソースやその他の各段の配慮が必要だという視点です。ただ、高齢者に手厚い社会保障に対しては特に批判は取り上げられていません。公益資本主義というのがよく理解できないままに読み終えそうになると、あとがきとして著者の主宰する公益資本主義推進協議会なる団体の紹介があったりして、私のような理解の進まない人は資料照会でもオススメしているのか、という気がしないでもなく、これが目的なんだろうかと勘繰ってしまいます。

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次に、ゴードン S. ウッド『アメリカ独立革命』(岩波書店) です。英語の原題は The American Revolution: A History であり、そのままです。原書は2001年の出版ですが、決して賞味期限は切れていません。著者はアメリカ独立革命期についての研究・著作で知られる歴史家であり、アイビー・リーグの名門のひとつブラウン大学名誉教授です。米国の人にとっては、いわば日本人が明治維新について勉強するような題材を本書は扱っているんだろうという気がします。訳者あとがきによれば、本書は専門的な著書を一般向けに要約したものであって、対象期間は1760年代ころの北米植民地への移民急増に伴う人口拡大期から、1775-83年のブリテンと13植民地との独立戦争、さらに、1987年の連邦憲法制定までを収録しています。大英帝国のシステムのなかで発展した北米植民地は、本国とどのように対立し、なぜ独立を選ぶことになったのか.独立戦争の過程で広がりをみせた共和主義の思想は、アメリカ社会をどのように変えていったのか.アメリカ歴史学の泰斗が米国独立革命の起源から連邦憲法の成立までをたどりながら、全体像をコンパクトに描き出しています。独立戦争にはそれほど重きは置かれておらず、私も専門外もはなはだしいところですが、独立後のあるべき国の形について議論が始まり、共和主義政体が少しずつ具体化されていき、ついには連邦憲法に結実します。歴史上、空前絶後のほとんどゼロから人工的に建国された国の憲法制定のプロセスは、社会科学分野での人類の英知というものを大いに感じさせます。もちろん、ネイティブ・アメリカンの駆逐と収奪の歴史であり、植民した白人による一方的な主張なのかもしれませんが、現在に至るまでの世界的な大国としての米国の原点を探る上で参考になる教養書と言えます。

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次に、高橋洋一『戦後経済史は嘘ばかり』(PHP新書) です。高度成長期の通産省の産業政策への疑問や1970年代のいわゆる狂乱物価の原因を第1次石油危機ではなく過剰流動性に求めるなど、一般には通説として理解されているいくつかの事実について、正しい方向での異論を提示しています。ただし、それほど上品な提示ではなく、学術書というよりは週刊誌レベルの表現方法ではないかと見なす向きもありそうな気がしないでもありません。でも、本書の主張の中身は、かなりの程度に正確ではないかと私は受け止めています。高度成長期の産業政策がほとんど何の役にも立っていなかった点については、おそらく、キチンとした分析を行ったエコノミストの間ではほぼコンセンサスでしょうし、狂乱物価は石油危機をひょっとしたら引き金にはしたかもしれませんが、その前段階からの過剰流動性が直接の原因だったことも、エコノミストの枠を超えてかなりの共通認識になっているような気がします。ただ、高度成長の実現については本書の主張のように、単に1ドル360円の為替レートによりもたらされた、とは私は考えていません。すなわち、少し前までの中国の高成長と同じで、輸出促進的な為替レートとともに、ルイス・モデルないしハリス=トダロ・モデルのような二重経済下で、ルイス・モデルの用語に即して言えば、地方の農村などの生存部門から都市部の製造業や商業などの資本家部門に労働力が流入ないし移動した点が決して無視できないと考えるべきです。「嘘」と表現するか、「事実誤認」ないし「誤解」とするか、表現上の論点かもしれません。

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次に、ブルース・ローレンス『コーランの読み方』(ポプラ新書) です。著者は米国デューク大学のイスラム学の教授であり、明記はしてありませんが、イスラム教徒ではなくクリスチャンらしいです。英語の原題は The Qur'an であり、そのまま「コーラン」です。本書の冒頭に、目次前に訳者の解説と目次後に訳者のまえがきがあり、やや訳者が過剰に出張っている気がしないでもありませんが、まあ趣味の範囲かもしれません。それはともかく、本書はたんなるコーランの紹介や解釈にとどまらず、欧米社会におけるイスラム思想の需要の歴史についても何点かの解釈を試みています。ただ、私の頭が悪いだけかもしれませんが、とても難しいです。本書を離れて、インドネシアに3年在住した私のイスラム理解に従えば、イスラム教徒はユダヤ教とキリスト教のラインに乗って、これらの一神教をさらに進歩、というか、純化させたものだとイスラム教徒は理解しています。ユダヤ教とキリスト教が同じラインに乗っている点は多くの日本人も理解しているような気がしますが、そのさらに延長上にイスラム教がある点についてはまだ理解されていないような気がします。ですから、イスラム教徒は豚肉は決して口にせず、視界に入ることさえ嫌がる人もいるくらいですが、それ以外の獣肉についても、ユダヤ教徒・キリスト教徒・イスラム教徒がしかるべく手順を踏んで処理したものでなければ口にすることは許されません。仏教徒ではダメなんです。また、預言者モハメッドに神の言葉を伝えたのは大天使ガブリエルですから、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教のそれぞれの神は同じなんではないかと私は想像しています。ただ、キリスト教にはイエスという厄介な存在があり、父なる神と子なるイエスと精霊は三位一体、とされているだけなんだろうという気はします。どうでもいいことながら、私の昔からの疑問は祈りの言葉や感謝の言葉を口にする点を不思議に思っていました。すなわち、日本の分業制の八百万の神々とは違って、全知全能の神の存在する一神教ですから、私ごとき者の望みや感謝は神はすべてお見通しなわけで、わざわざ口にする必要はないんではないかと考えていました。まあ、いずれにせよ、私のようにイスラム教は難しいと感じているのも、ひょっとしたら何らかの偏見なのかもしれません。グローバル化が進んで、隣人として接する機会のある世界では、それぞれの相互理解のために宗教の勉強も必要になりそうな気がします。

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最後に、纐纈厚『暴走する自衛隊』(ちくま新書) です。著者は山口大学教授で政軍関係史などがご専門のようです。先週3月29日でしたか、安全保障関連法が施行され、私が官邸近くを通った際にも抗議行動を見かけたりしましたが、本書ではいわゆるシビリアン・コントロールが安保法でいかに変化し、自衛隊が暴走する可能性が生じたかについて論じています。安保法の背景となった北朝鮮の核開発や中国の海洋進出などについては特に触れられていませんが、これらの世界情勢の変化は安保法による我が国安全保障政策の転換には大きな変化をもたらす要因ではないと私は考えていますので、その点に不満はありません。すなわち、北朝鮮や中国の軍事力の増強に、どうしてもバランス・オブ・パワー、勢力均衡で対抗せねばならないとすれば、戦力の量的な増強で足りるハズであり、質的なシビリアン・コントロールの変更で対応すべき課題と考えられるのかどうか、専門外ながら私には疑問です。さらに言えば、勢力均衡で戦争や武力衝突を防止するという考え方自身にも、核兵器の抑止力を別にすれば、私の考えでは疑問が残ります。いずれにせよ、安保法性の前段階から含めて、ていねいに自衛隊に対する政治や文官からのシビリアン・コントロールへのバイオレーションに対する指摘を著者は集約しています。ただ、私が疑問と考える勢力均衡による抑止力という概念は特に批判の対象になっていません。加えて、私は自衛隊は国内のシビリアン・コントロールが効かなくなっても、軍事行動では米軍の指揮下に入るので、その方面からのコントロールが出来るんではないかと考えているんですが、本書の著者はどうも講座派的な対米従属の観点はないようです。少し心配です。

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2016年4月 2日 (土)

光が丘公園にサクラを見に行く!

今日は午後から自転車を飛ばして、光が丘公園にサクラを見に行きました。縁日のような屋台も出て人出もあり、なかなか賑やかでした。それから、23区では初めてというMEGAドンキが板橋志村に昨日オープンしたそうで、これも自転車を飛ばして駆けつけました。レジの行列がものすごく長くて怯んでしまいました。

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先発岩貞投手のナイスピッチングで横浜に雪辱!

  HE
阪  神000002003 5100
横  浜000000000 040

ローテーションの谷間に岩貞投手のナイスピッチングで横浜に雪辱でした。横浜先発の久保投手も好投しましたが、6回の満塁のチャンスにお目覚めのキャプテン鳥谷遊撃手のタイムリーで先制し、9回はルーキー高山外野手のダメ押しタイムリーなどで加点し、完勝でした。岩貞投手は当然次の先発チャンスがあるでしょうし、鳥谷選手はこのまま調子を上げてほしい気がします。

明日はカード勝越し目指して、
がんばれタイガース!

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米国雇用統計から考える利上げのペースやいかに?

日本時間の昨夜、米国労働省から3月の米国雇用統計が公表されています。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から+215千人の増加した一方で、失業率は前月からわずかに上昇して5.0%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

U.S. Kept Up Pace of Hiring in March, Adding 215,000 Jobs
After years of economic desperation, American workers are finally regaining some of the ground they lost in the last decade's recession and the pallid recovery that followed.
Companies have been hiring in recent months at a pace not seen before in this century. Wages are rising faster than inflation. Joblessness is hovering near the low levels last reached in 2007 before the economy's downturn.
And perhaps most significantly, the army of unemployed people who gave up and dropped out of the job market is not only looking for work, but actually finding it.
The 215,000 jump in payrolls in March reported by the Labor Department on Friday capped the best two-year period for hiring since the late 1990s, while the proportion of Americans in the labor force - which had been on a downward trajectory since 2001 and an even steeper slide since 2008 - hit a two-year high.

この後、さらにエコノミストなどへのインタビューが続きます。包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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まず、雇用者増の+215千人は市場の事前コンセンサスが+200千人程度でしたので、ほぼジャストミートしました。2-3月と2か月連続で目安とされる+200千人を上回りましたので、米国雇用は堅調と私は受け止めています。もっとも、失業率は5%程度でほぼ膠着した印象もあり、これからさらに大きく低下する可能性は大きくないと考えるべきかもしれません。産業別に少し詳しく見ると、好調な米国の内需、特に消費を反映して、小売業や建設業が雇用を増加させている一方で、新興国の景気低迷などを背景に外需が伸び悩んでいることから、製造業や鉱業で雇用が減少しています。米国連邦準備制度理事会(FED)は3月の利上げを見送り、年4回各25ベーシストして1年で100ベーシスの利上げを念頭に置いている、と市場などでは理解されていましたが、現時点での市場の推測では今年は2回の利上げで計50ベーシスではないか、と言われているようです。私は金融市場関係者の友人は多くないので情報もそれほどなく、どこまでホントなのかは判りかねるんですが、年2回で50ベーシスというのは、なかなかいいセンなのかもしれません。とすれば、次の利上げは年央、ということになるんでしょうか。

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また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないんですが、まずまず、コンスタントに+2%のラインを上回って安定して推移していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性は小さそうに見えます。

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2016年4月 1日 (金)

最終回を守り切れず横浜に逆転サヨナラ負け!

  HE
阪  神000100000 141
横  浜000000002x 260

9回ウラを先発能見投手が守り切れずに横浜に逆転サヨナラ負けでした。1-2番がまったく出塁できずに、打線が井納投手を打ち崩せなかったのが大きな敗因のひとつです。4安打で勝とうというのも虫がいい話です。でも、昨夜の試合にマテオ投手を3回も投げさせたのが、能見投手にムリをさせて機動的な投手交代を不可能にしていた面もあろうかという気がします。

明日は借りを返すべく、
がんばれタイガース!

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業況感が大幅に悪化した3月調査の日銀短観をどう見るか?

本日、日銀から3月調査の日銀短観が公表されています。主要な結果はほぼ前回12月調査から弱含みました。まず、ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは12月の+12から悪化して+6を、大企業非製造業も12月の+25からやや悪化して+22を、それぞれ記録しました。また、昨年度2015年度の大企業全産業の設備投資計画は12月調査の+10.8%増から下方修正され+9.8%増と集計されています。加えて、先行き景況判断は大企業製造業でさらに低下して+3を、また、大企業非製造業でも+17を、それぞれ見込んでいます。また、2016年度の大企業全産業の設備投資計画は前年度比で▲0.9%のわずかな減少から始まっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業製造業の景況感、2期ぶり悪化 3月の日銀短観
日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス6となり、2013年6月調査(プラス4)以来の低水準だった。前回15年12月調査(プラス12)から6ポイント悪化した。悪化は2四半期ぶり。中国など新興国経済の減速が輸出比率の高い製造業の重荷となり、自動車や機械などの悪化が目立った。国際商品価格の下落を受けて素材の景況感も悪化。1ドル=110円台前半まで進んだ円高も製造業のDI悪化につながった。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。3月の大企業製造業DIは、QUICKがまとめた市場予想の中央値のプラス8を下回った。回答期間は2月25日-3月31日で、今回の回答基準日は3月11日だった。3カ月先の先行き判断は大企業製造業がプラス3となった。
16年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=117円46銭だった。15年度の想定レートは119円80銭と、前回の119円40銭よりも円安・ドル高方向に修正された。
大企業非製造業のDIはプラス22と、前回から3ポイント悪化した。悪化は6四半期ぶり。訪日外国人観光客による消費の伸びが鈍化し、宿泊・飲食サービスが悪化した。国内の個人消費の力強さを欠けていることも非製造業全体のDIを押し下げた。大企業非製造業の3カ月先のDIは5ポイント悪化のプラス17を見込む。
中小企業は製造業が4ポイント悪化のマイナス4、非製造業は1ポイント悪化のプラス4だった。先行きもともに悪化した。
16年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度比0.9%減だった。15年度計画は9.8%増と、12月調査の10.8%増から下方修正され、QUICKがまとめた市場予想の中央値(9.4%増)を上回った。人手不足を背景に非製造業は高い伸びが維持されたが、新興国経済の低迷などを背景に製造業の下方修正が大きかった。16年度は大企業のうち製造業は3.1%増、非製造業は2.9%減を計画している。
大企業製造業の16年度の輸出売上高の計画は前年度比1.5%減だった。円高や新興国経済の減速を背景に、企業が慎重な姿勢を示したとみられる。
大企業製造業の販売価格判断DIはマイナス15と、12月調査から4ポイント下落した。DIは販売価格が「上昇」と答えた企業の割合から「下落」と答えた企業の割合を差し引いたもの。企業のコスト転嫁の姿勢の弱さを映した。

やや長いんですが、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

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まず、当然の評価ですが、企業マインドは足元と目先の先行きで大幅に悪化しています。昨年半ばからの中国やブラジルをはじめとする新興国景気の低迷、今年明けて以降の株安や為替の円高進行などの金融市場の動揺、などなど、企業マインドを悪化させる要素が決して少なくない中で、12月調査から日銀短観は規模や産業に共通して、大きな悪化を示しています。さらに、12月調査でもそうだったんですが、先行きはさらにマインド悪化の方向が示されています。従って、国内景気だけでなく、世界全体の景気や先行きの為替動向などに対する企業の慎重姿勢は強まっていると考えるべきです。ただ、ここから先は私の解釈、というか、直感的な理解なんですが、現時点では、このまま景気後退に一直線で進む、というまでの強いマインド悪化ではないように受け止めています。すなわち、言葉を換えれば、先行きに対する漠然とした不安感とでもいう雰囲気が漂っている段階ではないかと考えられます。もしもそうであれば、政策的に何らかの景気対策を考えることにより、この漠然とした不安感はある程度までは取り除ける可能性がなくはない、と私は考えています。

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続いて、いつもお示ししている設備と雇用のそれぞれの過剰・不足の判断DIのグラフは上の通りです。設備については、後で取り上げる設備投資計画とも併せて見て、設備の過剰感は完全に払拭されたと考えるべきですし、雇用人員についても不足感が広がっています。特に、採用に苦労している中堅・中小企業では大企業よりも不足感が強まっています。ただし、足元から目先の先行きについては、設備・雇用とも大きな変化はなく、統計の誤差範囲かもしれませんが、人手不足に関してはマイナス幅の縮小すら見られます。どのような観点からも、景気がやや停滞気味に推移していることは明らかです。

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続いて、設備投資計画のグラフは上の通りです。今年2015年度の計画は黄色いラインと同色のマーカで示されていますが、見ての通りで、12月調査からやや下方修正されたものの、大企業全産業で前年度比+9.8%増と計画されています。下方修正されたとはいえ、まだかなり高い増加率だと考えるべきですし、全規模全産業では、12月調査の前年度比+7.8%増から、3月調査では+8/0%増にむしろ上方修正されています。企業の設備投資マインドはまだ強いと見てよさそうです。また、2016年度の設備投資計画も、昨夜のブログでも書いた通り、この統計の「クセ」のようなもので、ちょっぴりマイナスという標準的なところから始まっているようです。グレーのマーカです。景気が上向くのであれば、先行き上方修正される可能性が高くなるのが日銀短観の統計としてのクセと考えるべきです。

繰り返しになりますが、日銀短観に現れた企業マインドは漠然とした先行き不安を読み取れると私は受け止めています。設備投資意欲はまだ高水準にあり、規模の小さな企業では人手不足も解消されていません。ですから、先行きの漠然とした不安を取り除くような政策対応は効果ありそうな気がします。でも、大げさに対応することなく、無視できる範囲の企業マインドの変化と受け取る向きもあるかもしれません。解釈の余地は広いように受け止めています。

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