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2016年4月20日 (水)

貿易統計の輸出はこれから増加に向かうか?

本日、財務省から3月の貿易統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる輸出額は季節調整していない現系列のデータで前年同月比▲6.8%減の6兆4566億円、輸入額は▲14.9%減の5兆7016億円、差し引き貿易収支は+7550億円の黒字を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

15年度の貿易収支、5年連続赤字 1兆792億円、輸出3年ぶり減
財務省が20日発表した2015年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆792億円の赤字(14年度は9兆1277億円の赤字)となった。年度別の貿易赤字は5年連続。ただ赤字額は過去最大だった13年度(13兆7564億円の赤字)をピークに縮小傾向にある。15年度は原油安の影響で輸入額が大幅に減少。輸出額も3年ぶりに減ったが、赤字額は大きく減った。
輸出額は0.7%減の74兆1173億円だった。鉄鋼や有機化合物、鉱物性燃料などの輸出が減った。景気が減速している中国向けの輸出額が3.1%減少し、3年ぶりに落ち込んだ。対中の貿易収支は6兆625億円の赤字となり、赤字額は統計を開始した1979年度以降で最大だった。
輸入額は10.3%減の75兆1964億円と、2年連続で減少した。原油価格の下落を受け、原粗油や液化天然ガス(LNG)、石油製品の輸入が大きく減った。一方、医薬品は膨らみ、欧州連合(EU)からの輸入額は過去最大だった。
3月単月の貿易収支は7550億円の黒字で、2カ月連続の貿易黒字となった。黒字額は2月から拡大し、2010年10月以来の高水準だった。輸出額が前年同月比6.8%減った一方、輸入額も原油安の影響で14.9%減少した。対中輸出は7.1%落ち込んだ。

やや年度統計に重きが置かれているようですが、いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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景気動向を見るということで、3月の貿易統計を考えると、上のグラフの売りの下のパネルの季節調整済みの系列では、かなり傾向的に貿易赤字を脱して黒字が定着しつつあるのが伺われます。2月統計については、中華圏の春節という季節調整では除去され切らないイレギュラーな要因があったため、この3月統計を待っていたんですが、基本的に方向性としては変わらずで、貿易黒字が定着する兆しが伺えます。もちろん、引用した報道にもある通り、為替動向にもかかわらず輸出が減少する中で、国際商品市況における石油価格の下落に伴う輸入額の減少の寄与の大きい貿易収支の黒字化なんですが、いずれにせよ、最終需要には差引きの黒字か赤字かで効いて来ます。ただ、額と数量の違いはあります。日経センターで取りまとめているESPフォーキャスト調査では、4月の調査結果として貿易収支が数年内に黒字化するかを聞いていて、42人のうち19人がまだ「数年内に黒字転換しない」と回答しているものの、徐々に減って来ているような気がします。でも、国際商品市況次第という面があるのも事実です。

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その輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同期比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。ということで、輸出先での景気回復の動きについては、米国経済は連邦準備制度理事会(FED)が量的緩和を終えて利上げを開始する段階まで回復していますし、特に、米国の家計部門は雇用統計に表れているように底堅い動きとなっています。欧州についても緩和的な金融政策の下で持ち直しの動きも出始めています。また、中国でも預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めていますし、我が国から中国への輸出に関しては、1-2月は春節によるややイレギュラーな動きを示しているものの、上のグラフのうちの一番下のパネルに見られる通り、OECD先行指数でもそろそろ底を打った気配が感じられます。もちろん、年明け以降の金融市場の混乱からまだ立ち直ったとはいえず、米国の利上げペースも当初想定されていたよりも緩やかになるとの予想が出ていて、世界経済の回復は決して一直線で力強いものではないんですが、少なくとも我が国の輸出に対する需要は横ばいないし上向きと考えてよさそうです。

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