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2016年7月 8日 (金)

下振れした毎月勤労統計の賃金と景気ウォッチャーのマインドをどう見るか?

本日、いくつか政府から経済統計が明らかにされています。すなわち、取り上げる順に、厚生労働省から5月の毎月勤労統計が、内閣府から6月の景気ウォッチャーが、財務省から5月の経常収支が、それぞれ公表されています。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

名目賃金、5月は11カ月ぶり減 パート基本給がマイナス
厚生労働省が8日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、名目にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は26万7933円と、前年同月比0.2%の減少となった。マイナスは11カ月ぶり。パートタイム労働者の給与が、労働時間の減少で基本給マイナスとなったのが響いた。
厚労省は「緩やかな賃金増の基調に大きな変化はない」とみるが、個人消費を押し上げるほどの勢いはない。
名目の給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は0.1%減の23万9216円。一般労働者の0.1%増に対し、パートタイム労働者は0.5%減だった。ボーナスや通勤費にあたる「特別に支払われた給与」は4.1%減の9727円。
物価変動の影響を除く実質でみた賃金指数は0.2%増。プラスは4カ月連続。5月は消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.5%下落しており、働く人の実入りが結果的に増えた格好だ。
6月の街角景気、3年7カ月ぶり低水準 円高受け先行きも悪化
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査によると街角景気の実感を示す現状判断指数は前月比1.8ポイント低下の41.2にとどまった。悪化は3カ月連続で、指数の水準は第2次安倍政権発足前の2012年11月以来の低さとなった。項目別では家計動向と企業動向、雇用関連が低下した。家計動向のうちサービス関連の落ち込みが目立った。内閣府は基調判断を「弱さがみられる」に据え置いた。
家計関連では「円高傾向が続いており、団体の外国人観光客を中心に集客が落ち込んでおり、売り上げが減少している」(北海道・観光型ホテル)との指摘があった。雇用関連では「人材不足が顕著になっている。企業からの依頼は増えているものの、条件にマッチした人材を派遣できないケースが増えている」(南関東・人材派遣会社)との声も出ていた。
2-3カ月後の景気を聞いた先行き判断指数は5.8ポイント低下の41.5と2カ月ぶりに悪化した。低下幅は14年2月以来2年4カ月ぶりの大きさで、指数は14年3月以来の低水準となった。家計動向、企業動向や雇用関連の項目全てで指数が低下した。街角では英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け「円高や株安などの消費マインドに悪影響を与える要因により、消費行動がさらに鈍化する」(南関東・百貨店)といった見方があった。
5月の経常黒字、1兆8091億円 円高で22カ月ぶりに前年比縮小
財務省が8日発表した5月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆8091億円の黒字だった。黒字は23カ月連続だが、前年同月(1兆8536億円)に比べ黒字額は減った。円高で第1次所得収支の黒字幅が縮小したため。前年比での経常黒字額の減少は2014年7月以来22カ月ぶり。
貿易収支は399億円の黒字と前年同月(487億円の赤字)から黒字に転換した。原油や液化天然ガス(LNG)など燃料価格の下落で輸入額が5兆57億円と13.4%減少した。鉄鋼や電子部品の価格低迷で輸出額も5兆456億円と11.9%減少したが、輸入減少による影響が上回った。
サービス収支は1174億円の黒字と、前年同月に比べて黒字幅が305億円拡大した。訪日外国人の増加で旅行収支が1996年以降の5月として過去最大の黒字となったことが寄与した。
第1次所得収支は1兆8982億円の黒字と、前年同月に比べて1064億円黒字幅が縮小した。円高で企業が海外事業への投資で受け取る配当金や証券投資からの収益が目減りした。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、3つの経済指標を並べましたので、とても長くなってしまいました。続いて、毎月勤労統計のグラフは下の通りです。順に、上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、まん中のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額と所定内給与の季節調整していない原系列の前年同月比を、下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用指数の推移を、それぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

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毎月勤労統計のうち、景気に敏感な一番上のパネルの所定外労働時間については、ほぼ鉱工業生産指数や出荷指数と整合的であり、季節調整済みの系列で見て5月は前月比マイナスを記録しています。真ん中のパネルの給与なんですが、なぜか5月は前年同月比でマイナスを示しています。消費者物価上昇率でデフレ―とした実質賃金はプラスというものの、最近時点での傾向的な動向とつながらない気がします。所定内賃金もマイナスでした。ただ、夏季賞与については私はそれなりに期待しています。すなわち、大企業のみとはいえ、2016年の経団連集計では+3.74%と2015年最終集計の+2.81%を上回っています。毎月勤労統計ベースでは集計は遅くなりますが、中小企業を含めてもプラスに出るんではないかと期待しています。最後に、一番下のパネルの就業形態別の雇用では、まだパートタイム労働者の伸びの方が高いとはいえ、フルタイムの一般労働者の伸びが高まっているのが読み取れます。このブログでの従来からの主張ですが、人手不足が続いている中で、雇用の量的な拡大は完全雇用に達すれば停止する一方で、雇用の質的な改善は賃金ではなくフルタイムの正規職員増という形で進む可能性が十分あるんではないか、と私は考えています。

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続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。6月の景気ウォッチャーは私も少しびっくりするくらいに落ちました。基本的に、消費者態度指数が需要サイドを、景気ウォッチャーが供給サイドを、それぞれ代表するマインド指標なんですが、6月については消費者態度指数が改善した一方で、景気ウォッチャーは悪化を示しています。報道に見られる通り、供給サイドからすれば、BREXITをはじめとする海外経済の不確実性の高まりや人手不足の影響などから事業活動にマイナスの影響を読み取っている可能性が高いと私は受け止めています。上のグラフに見られる通り、今年に入ってからはダダ下がりに下がっていて、底堅い日銀短観とも整合性ありません。逆に、マインド指標のソフトデータは先行指標ですので、その意味から、景気ウォッチャーにも注目したいと思います。いずれにせよ、6月のこのデータは私にはよく理解できません。

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最後に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれませんが、経常収支についてもかなり震災前の水準に戻りつつある、と私は受け止めています。直近時点での経常収支は国際商品市況での石油価格の上昇とともに円高の進行による所得収支の目減りのため、やや経常黒字が縮小していますが、かつてのような経常赤字を記録するのは、当面はなかろうと考えています。

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