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2016年8月 8日 (月)

大きく改善した景気ウォッチャーと黒字が定着しつつある経常収支!

本日、内閣府から7月の景気ウォッチャーが、また、財務省から6月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーの現状判断DIは前月から+3.9ポイント上昇して45.1を記録した一方で、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+7636億円の黒字を計上しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

街角景気、4カ月ぶり改善 7月3.9ポイント上昇
内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査の現状判断指数は、前月より3.9ポイント上昇し、45.1だった。上昇は4カ月ぶり。英国の欧州連合(EU)離脱問題などで乱高下した金融市場が落ちつきを取り戻し、景況感が改善した。これまで「引き続き弱さがみられる」としていた基調判断を1年4カ月ぶりに上方修正し「持ち直しの兆しがみられる」とした。
タクシー運転手や百貨店の販売員ら約2千人に景況感を聞いた。家計、企業、雇用の3分野全てで上昇した。調査期間は7月25日から月末。景況感の節目となる50は1年連続で下回った。
家計動向は小売りやサービスでの改善が目立った。特に百貨店では夏の一斉セール開始で「婦人服に回復の兆しがみえる」(東北の百貨店)。新車販売も「ボーナス商戦で新車購入の動きが活発」(東海の乗用車販売店)との声もあった。
企業関連では「自動車メーカーの北米輸出が増加」(北関東の輸送用機械器具製造業)。雇用関連では「建設部門の日雇い求人数が増加に転じ始めた」(近畿の民間職業紹介機関)など人材確保の動きが活発になっている。
2-3カ月後の景気を聞いた先行き判断指数は5.6ポイント上昇の47.1となった。上昇は2カ月ぶり。
6月の経常収支、9744億円の黒字 原油安で貿易黒字拡大
財務省が8日発表した6月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は9744億円の黒字だった。黒字は24カ月連続。原油安で貿易収支の黒字幅が拡大した。
貿易収支は7636億円の黒字と、黒字幅は前年同月から6409億円拡大した。原油や液化天然ガス(LNG)など燃料価格が下落し、輸入額が5兆705億円と20.2%減少。自動車や鉄鋼などの低迷で輸出額も5兆8341億円と9.9%減少したが、輸入額減少による影響が上回った。
サービス収支は1676億円の赤字だった。ただ、訪日外国人の増加を背景に旅行収支が1996年以降の6月として過去最大の黒字となり、赤字幅は前年同月に比べて293億円縮小した。
第1次所得収支は4175億円の黒字と、黒字幅は前年同月に比べて2251億円縮小した。円高が進み、企業が海外子会社から受け取る配当金収入や証券投資からの収益が目減りした。
同時に発表した1-6月期の経常収支は10兆6256億円の黒字だった。1-6月としては、リーマン・ショック前の07年(12兆6993億円の黒字)以来、9年ぶりの高水準だった。貿易収支は2兆3540億円の黒字と、東日本大震災が発生した11年の1-6月期(1668億円の黒字)以来、5年ぶりに黒字へ転換した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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景気ウォッチャーの現状判断DIは前月から+3.9ポイント、先行き判断DIにいたっては+5.6ポイントの大幅な上昇を示し、私も少しびっくりしました。上のグラフでも7月のDI跳ね上がっているのが見て取れます。小売関連とサービス関連を中心に家計動向関連が前月から+4.3ポイント上昇したほか、企業動向関連でも製造業・非製造業とも+3ポイントを超える上昇を示しています。雇用関連も+3.2ポイントの上昇です。前月6月のDIが英国のEU離脱に過剰に反応した反動とは、少なくとも私は考えていないんですが、これだけ大きく改善しましたので、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「弱さがみられる」から「持ち直しの兆しがみられる」に上方修正しています。景気ウォッチャーが供給サイドのマインドの代表格であるのに対して、先週8月2日に同じ内閣府から公表された7月の消費者態度指数は需要サイドのマインド指標なんですが、消費者態度指数は7月に低下しており、供給サイドの景気ウォッチャーが改善したわけですから、弱気一辺倒だった消費者マインドは転換期に差しかかっているのかもしれません。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれませんが、経常収支についてもかなり震災前の水準に戻りつつある、と私は受け止めています。ただし、引用した記事にもある通り、経常黒字の背景は国際商品市況における石油価格低下であり、場合によっては、石油価格の動向という不透明な要因支えられていることは忘れるべきではありません。特に、先週8月5日に公表された米国貿易統計では6月の米国貿易赤字が▲445億ドルと、5月の▲410億ドルから拡大しており、その大きな要因は石油価格の上昇であるとされています。我が国の貿易収支や経常収支でも石油価格の上昇は赤字の方に振れる要因となることはいうまでもありません。また、円高による所得収支の減少も企業活動にどのような影響を及ぼすかも懸念されます。

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