BMIと運動の関係に関するからだデータ調査結果やいかに?
とても旧聞に属する話題のような気がしますが、10月6日付けでドコモ・ヘルスケアからBMIと運動の関係に関するからだデータ調査がリリースされています。一般的には、あまりにも当然ながら、BMIが低くて肥満ではなく体が引き締まった人ほど、1日の平均歩数が多くてアクティブな時間が長い、などの結果が出ているようです。まず、調査結果サマリーとしてドコモ・ヘルスケアのサイトから2点引用すると以下の通りです。
調査結果サマリー
- 体が引き締まった人ほど、1日の「平均歩数」が多く、「アクティブ時間」が長い!
- 1日の平均歩数が9,000歩から12,000歩の人では、「アクティブ時間」が15分を超えるかどうかが、肥満度「標準」と「やや肥満」の分かれ道!15分を超えるかどうかが、肥満度「普通」と「やや肥満」の分かれ道!
ということで、やや疑問の残る分析結果だという気がしないでもありませんが、以下にドコモ・ヘルスケアのサイトにあるグラフなどを3点引用すると以下の通りです。
上から順に、肥満度ごとの1日の平均歩数と平均アクティブ時間、平均9,000歩-12,000歩/日の人の1日あたりの「アクティブ時間」ごとの平均BMI、となっています。ということで、引用したグラフの上のパネルから、体が引き締まった人ほど、1日の「平均歩数」が多く、「アクティブ時間」が長い、という結論を引き出しているのかもしれませんが、2点疑問があります。第1に、一番左の棒グラフで示されたBMI18.5未満の痩せ・痩せ気味を除いているような印象で、BMI18.5以上の標準ないし肥満傾向の人だけを対象にしているように見えます。第2に、もっと根本的な問題で、因果関係を逆転させています。すなわち、体が引き締まった人ほど歩数が多くてアクティブ時間が長い、という方向の因果関係ではなく、明らかに、歩数が多くてアクティブ時間が長い人ほど体が引き締まっている、と考えるべきです。基本は相関関係なんでしょうが、因果関係を考える場合の方向は私の主張の方が一般には正しいんではないでしょうか。しかしながら、下のパネルでは相関関係から因果関係を正しく解釈しているようで、「アクティブ時間」が長い人ほどBMIの数値が低く、引き締まった体である傾向がある、と結論しています。結論の引き出し方に一貫性がないような気もしますが、それはいいとして、「アクティブ時間」が15分以上か未満かでBMI25以上の「やや肥満」と25未満の「標準」に別れる傾向があると主張しています。どこかに閾値はあるものですが、この場合は15分なのかもしれません。
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コメント
なかなか、夏の間は通勤時に歩く事ができませんでしたが、最近気温が下がり歩けるようになりました。会社での健康診断の結果、もっと歩けとの御沙汰。来年3月までに5kg(BMI値24.5)痩せる目標を立てさせられました。平日、ちゃんと有酸素運動をしないといけないようです。
投稿: kincyan | 2016年10月23日 (日) 22時43分
かなり、当たり前な結果なんですが、こうしてデータで示されると説得力あります。ウェアラブル・センサーを買ってみようかという気になる人もいそうです。
投稿: ポケモンおとうさん | 2016年10月24日 (月) 21時39分