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2017年2月 8日 (水)

大きく低下し基調判断が下方修正された景気ウォッチャーと黒字の続く経常収支!

本日、内閣府から1月の景気ウォッチャーが、また、財務省から昨年2016年12月の経常収支が、それぞれ公表されています。、景気ウォッチャーは季節調整済みの系列で見て、現状判断DIは前月比▲1.6ポイント低下の49.8を、また、先行き判断DIは前月比▲1.5ポイント低下の49.4を、それぞれ記録し、経常収支は季節調整していない原系列の統計で1兆1122億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1月の街角景気、現状判断7カ月ぶり悪化 判断11カ月ぶり下げ
内閣府が8日発表した1月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整値)は前の月に比べ1.6ポイント低下の49.8だった。悪化は7カ月ぶり。内閣府は基調判断を「着実に持ち直している」から「持ち直しが続いているものの、一服感がみられる」に下方修正した。判断を引き下げたのは2016年2月以来11カ月ぶり。
部門別にみると、企業動向と家計動向、雇用の3部門がそろって低下した。企業動向では、製造業と非製造業ともに低下。家計動向も小売り関連を除き悪化した。
街角では企業動向に関して「為替が円安で推移していること、国内の景気がいまひとつ伸びていないことで材料仕入れ価格が上昇する一方で、国内販売価格はそれに伴う値上げを据え置きせざるを得ない状況になっており、収益上苦しい状況が続いている」(中国・スポーツ用品製造)との声があった。家計動向では「大雪の影響があり来客数が減少している」(東海・スーパー)という。
2-3カ月後の先行きを聞いた先行き判断指数(季節調整値)は、前の月から1.5ポイント低下し49.4だった。悪化は2カ月連続。家計動向と企業動向、雇用がそれぞれ低下した。
街角では家計について「税制改正により、エコカー減税の軽減率が下がるため、該当する車種の販売量の落ち込みを懸念している」(東北・乗用車販売店)との声が聞かれた。家計では「労働契約法や改正労働者派遣法の影響で、徐々に直接雇用への切り替えが進む可能性も高い。継続的な派遣活用が見通せなくなると企業からの派遣求人依頼数が減少し、採用時から直接雇用化を望む企業が増加してくる」(九州・人材派遣会社)との見方もあった。
経常黒字9年ぶり高水準 昨年、旅行収支は最大
財務省が8日発表した2016年の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は20兆6496億円の黒字だった。原油安で貿易収支が大幅に黒字転換したことが寄与し、前年同月から4兆2370億円黒字幅を拡大した。経常収支の黒字額は07年(24兆9490億円)以来9年ぶりの高水準で、通年ベースで過去2番目の大きさだった。訪日外国人の増加を背景に旅行収支は過去最大となった。
貿易収支は5兆5793億円の黒字と前年同月(6288億円の赤字)から黒字に転換した。原粗油や液化天然ガス(LNG)など燃料価格の下落で輸入額が16.6%減少。鉄鋼や自動車の低迷で輸出も8.5%減少したが、輸入の落ち込みが上回った。
サービス収支は9748億円の赤字(前年同月は1兆6784億円の赤字)だった。赤字額は1985年以降で過去最少。旅行収支が1兆3391億円の黒字と、比較可能な1996年以降で過去最大となったことが寄与した。
第1次所得収支は18兆1360億円の黒字と前年同期(20兆6526億円)に比べて黒字幅を縮小した。円高で企業が海外事業への投資で受け取る配当金や証券投資からの収益が目減りした。
併せて発表した16年12月の経常収支は1兆1122億円の黒字だった。経常黒字は30カ月連続。12月としては2010年(1兆3529億円の黒字)以来6年ぶりの高水準だった。貿易収支が8068億円の黒字と前年同月から6125億円黒字幅を拡大。輸出が6.6%増と16カ月ぶりに増加し、輸入は原油安の影響で3.3%減少した。サービス収支は2866億円の赤字、第1次所得収支は6759億円の黒字だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計を並べるとどうしても長くなってしまいがちです。さらに、経常収支は年統計がほとんどで、12月の月次統計は最後のパラだけでした。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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景気ウォッチャーは現状判断DIも、先行き判断DIも、ともに大きく低下し、統計作成官庁である内閣府では基調判断を半ノッチ引き下げて「着実に持ち直している」から「持ち直しが続いているものの、一服感がみられる」に修正しています。しかし、私の方では判断に少し迷いがあります。というのは、大きく低下した雇用動向を別にして、現状判断DIでは前月からの変化幅が全体の▲1.6ポイント低下に対して、家計動向関連で▲0.7ポイント、企業動向関連で▲2.7ポイントと、家計部門の足元の判断の方が弱く、特に、家計動向関連のうちの飲食関連が▲2.1と最大の低下を示し、企業部門では製造業の方が非製造業よりも前月差で大きな低下を示している一方で、先行き判断DIでは、この真逆になっています。すなわち、家計動向関連が前月差▲1.1ポイントの低下を示し、企業動向関連は▲0.7ポイント低下ですし、家計の中では飲食関連が逆に+2.4ポイントの上昇を示し、企業部門の中では製造業が▲0.3ポイントの低下で済んでいるにもかかわらず、非製造業では▲1.1ポイントの低下となっています。要するに、モメンタム的な足元で下がったセクターは先行きでももっと下がる、というのではなく、足元で下がったセクターは先行きは反発する、という逆方向への動きを感じているマインドが示された、と私は受け止めています。ですから、1月のマインド低下は、この先もドンドン低下して行くドロ沼ではなく一時的な調整であって、先行きは何らかの要因で反転する可能性も秘めている、との割合と堅調なマインドではなかろうかという気がします。それにしても、トランプ米国大統領の通商政策や欧州の国政選挙などが、不透明な海外要因の印象を強めているのは確かなところです。これらの経済外要因については、私も不安を感じないでもありません。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれませんが、経常収支についてもほぼ震災前の水準に戻った、と私は受け止めています。なお、12月統計をもう少し詳しく見ると、財務省のサイトから季節調整していない原系列に基づく情報によれば、為替相場はドル・円で米ドル当たり115.95円と、前年同月の121.84円の水準から4.8%の円高に振れていますが、他方で、原油価格はドルベースではバレル当たり46.67米ドルと、前年同月比+7.2%の上昇でしたが、円ベースではキロリットル当たり33,184円と、▲1.2%の下落でした。昨年2016年の地域別経常収支を見ると、やっぱり、国際商品市況における石油価格の低下が我が国の貿易を黒字にし、それがひいては経常収支の黒字幅の拡大をもたらした、と考えることが出来ようかと思います。他方、+20.6兆円の黒字のうちで国別で判明しているのが+16.4兆円に上り、うち、米国から+13.4兆円の黒字を計上しています。国別で判明していない分を含めても経常黒字の6割以上を米国から計上していることになります。近く予定されている日米首脳会談でアジェンダに上ったりするんでしょうか?

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