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2017年3月29日 (水)

前月から増加幅が大きく縮小した商業販売統計に見る消費の現状やいかに?

本日、経済産業省から2月の商業販売統計が公表されています。小売業販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+0.1%増の10兆7800億円、季節調整済みの系列で前月比+0.2%増と、1月統計ほどではないとしても、まずまずの結果を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の小売業販売額、0.1%増 燃料・自動車の増加目立つ
経済産業省が29日発表した2月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比0.1%増の10兆7800億円だった。小幅ながら4カ月連続で前年実績を上回った。経産省は小売業の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
業種別では、原油高に伴う石油製品の価格上昇を背景に燃料小売業が10.0%増えた。新車効果の続く自動車小売業も4.8%増加した。化粧品が好調な医薬品・化粧品小売業も1.5%増えた。
一方で、飲食料品小売業など他の業種は軒並み前年を下回った。うるう年だった前年に比べ営業日数が減少したことが響いた。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で2.6%減の1兆4493億円だった。既存店ベースでは2.7%減少した。うるう年の反動減が出た。コンビニエンスストアの販売額は0.8%増の8542億円だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下のパネルは季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。

photo

ということで、商業販売統計のうち名目消費の代理変数となる小売業販売額については、繰り返しになりますが、季節調整していない原系列の統計で2月が前年同月比+0.1%増と、1月の+1.0%増からは増加幅が大きく縮小しましたが、引き続き堅調な動きを見せています。この結果について考えておくべきポイントは2点あり、名目で+0.1%増ですから消費者物価(CPI)の最近の動きを考慮すると、名目ではプラスでも、実質ではマイナスの可能性が大きいと考えるべきです。例えば、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは2月のCPI上昇率は+0.2%が見込まれています。他方、昨年2016年2月がうるう年であった点を考慮すれば、いわゆる「実力」ベースの消費は統計上の+0.1%増よりも高い伸びとなっていた可能性もあります。季節調整済みの系列で1月から+0.2%増を示していますので、これも考え合わせると、それなりの伸びと私は受け止めています。
さらに、少し詳しく業種別に小売業販売額を見ると、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、国際商品市況における石油価格の上昇を受けて、燃料小売業が+10.0%増を示した点を別にすれば、自動車小売業の+4.8%増が目を引きます。しかも、昨年年央くらいから一貫して前値比でプラスとなっています。自動車と並んでもうひとつの代表的な耐久消費財である電機が含まれる機械器具小売業はまだ前年比マイナスを続けていますが、そろそろ、消費増税前の駆込み需要の反動を脱しつつある局面ではないかと想像しています。家電については白物家電は上向きという情報もあり、例えば、日本電機工業会(JEMA)の2月の出荷統計を見ると、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの民生用電気機器の出荷はこのところ前年比プラスで推移していますから、テレビなどの一部の品目でエコポイントによる需要の先食いの反動がまだ続いている可能性があります。

いずれにせよ、消費はゆるやかに上向きと私は考えており、統計の作成官庁である経済産業省でも、小売業販売の基調判断を「持ち直しの動き」に据え置いています。ただし、先行きのリスクがないわけではなく、すなわち、賃金動向は所得を通じて大きな影響があり、今年の春闘の動向などにつき、懸念がないわけではありません。労働分配率が低下する一方で、大きく積み上がった企業の内部留保の賢明なる活用が求められています。

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