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2017年5月11日 (木)

上向いた景気ウォッチャーとリーマン・ショック以前の水準に回帰した経常収支!

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。、景気ウォッチャーは季節調整済みの系列で見て、現状判断DIは前月比+0.7ポイント上昇の48.1を、また、先行き判断DIも前月比+0.7ポイント上昇の48.8を、それぞれ記録し、経常収支は季節調整していない原系列の統計で2兆9077億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の街角景気、現状判断指数は5カ月ぶり改善 家計悪化に歯止め
内閣府が11日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は前の月に比べ0.7ポイント上昇の48.1だった。改善は5カ月ぶり。雇用動向の改善や、客足が復調した飲食関連が寄与し、家計動向の悪化に歯止めがかかった。ただ、人手不足で機会損失などへの懸念は続き、サービス関連はほぼ横ばい。企業動向も伸び悩んだ。
部門別にみると、雇用動向は1.4ポイント上昇の54.8と、4カ月ぶりに改善した。家計動向のうち飲食関連では人手不足を受けて賃金などコスト増が続いたが、客足の回復で懸念が和らいだ。ただ、家計動向は0.7ポイント、企業動向は0.3ポイントといずれも小幅な改善にとどまった。
街角では雇用動向について「製造業を中心に、求人数は増加傾向にある」(北関東の職業安定所)との声がある。家計動向のうち飲食関連では「4月の来店客数が前年比103%を超えている」(近畿のレストラン)、一方で「今年は極端に歓送迎会が少なく非常に危惧する事態となっている」(中国のスナック)と強弱が入り交じった。企業動向でも「積極的な設備投資、新製品開発、既存品のバージョンアップが顕著」(東北の電気機械機具製造業)との見方と「受注が落ち着いてきている。年度初めで顧客も動きにくそうだ」(近畿の建設業)との慎重な見方が混在した。
2~ 3カ月後を占う先行き判断指数は、前の月から0.7ポイント上昇し48.8となった。上昇は2カ月ぶり。雇用関連が2.2ポイント改善した。「人手不足で前年度に新卒者を採用できなかった企業が多く、採用意欲がさらに上向く」(北海道の大学)という。半面、家計動向の改善幅は0.3ポイント増にとどまった。一部百貨店で客数回復や夏場の観光需要に対する期待が聞かれたが「乗務員不足による稼働率低下の影響がますます大きくなっている」(北海道のタクシー運転手)との声も根強い。
内閣府は現状の基調判断は「持ち直しが続いているものの、引き続き一服感がみられる」との表現を維持した。先行きは前月に続いて「人手不足やコストの上昇に対する懸念もある一方、引き続き受注や設備投資等への期待がみられる」とした。
2016年度の経常収支、20兆1990億円の黒字 旅行収支は過去最大
財務省が11日発表した2016年度の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は20兆1990億円の黒字だった。経常収支の黒字額はリーマン・ショック前の07年度(24兆3376億円)以来9年ぶりの高水準となった。原油安で貿易収支の黒字幅が大幅拡大したことが寄与した。旅行収支は比較可能な1996年度以降で過去最大の黒字額となった。
貿易収支は5兆7654億円の黒字と前年度(3296億円の黒字)から大幅に拡大した。黒字額は10年度(8兆332億円)以来の高水準だった。液化天然ガス(LNG)や原粗油などの減少で輸入が10.9%減少。自動車や鉄鋼などの低迷で輸出も3.4%減少したが、輸入の落ち込みが上回った。
サービス収支は1兆5058億円の赤字と前年度から1531億円赤字幅を拡大した。知的財産権などの使用料の受け取りが減り、「その他サービス収支」の赤字額が増えた。一方、旅行収支は訪日客の増加を背景に1兆2789億円の黒字と過去最高を記録した。
第1次所得収支は18兆356億円の黒字(前年度は20兆8964億円の黒字)だった。円高などを背景に、証券投資で受け取る配当金などが減少した。
同時に発表した3月の経常収支は2兆9077億円の黒字だった。黒字は33カ月連続となったが、黒字幅は前年同月から645億円縮小した。貿易収支は8655億円の黒字(前年同月は8711億円の黒字)だった。輸出入ともに増えたが、輸入の増加が上回った。サービス収支は1804億円の黒字(前年同月は2630億円の黒字)、第1次所得収支は2兆1951億円の黒字(前年同月は2兆1591億円の黒字)だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計を並べるとどうしても長くなってしまいがちです。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りです。また、影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

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景気ウォッチャーの現状判断DIも先行き判断DIも、すべてのコンポーネント、すなわち、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の3項目とも上昇を示しています。引用した記事にあるように、いよいよ季節もよくなって家計のマインドも底入れしつつある、との楽観論がある一方で、まだまだ小動きの範囲内であって、悪化に舞い戻る可能性も小さくない、という悲観論も残っていて、私も判断がつきかねています。先日発表のあった消費者態度指数は需要サイドのマインドで少し悪化したのに対して、今日の景気ウォッチャーは供給サイドのマインドであり改善を示しています。この不整合の要因として、供給サイドと需要サイドとで、ビミョーに価格上昇の受け止め方が違う可能性があると私は考えています。すなわち、4月の消費者態度指数は価格上昇に対する消費者サイドの嫌気が現れているのに対して、景気ウォッチャーは価格上昇に対する販売者サイドの好感を表している可能性があります。いずれにせよ、現状判断DIも先行き判断DIも、いずれも、3つのコンポーネントのうち雇用関連の上昇幅が最も大きくなっており、人手不足の現状が反映されていると受け止めています。現状判断の理由集を見ていると、数量も単価もまずまずよくなっている印象なんですが、逆に、悪くなっている理由には北朝鮮情勢が上げられている例が散見されます。ホントなんでしょうか。単に、成績の悪い理由を北朝鮮に押し付けているだけという気もしなくもありませんが、北朝鮮のミサイル発射で人出が悪影響を受けるようなことになれば、そうなのかもしれないと思ったりもします。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。引用した記事にもある通り、経常収支は2011年3月の震災や2009年のリーマン・ショック前の水準に戻ったと受け止めています。今年1-3月期のGDP統計が来週18日に内閣府から公表されますが、経常収支のGDP比も4%くらいに拡大しているんではないかという気がします。経常黒字をもおたらしたのが国際商品市況における石油価格の下落ですから、トランプ米国政権の通商政策に何らかの影響を及ぼす可能性は低いと考えるべきですが、黒字の水準としてはかなり高いと見る向きもありそうです。トランプ政権の政策動向と我が国の経常収支の関係についてはやや複雑で、通商政策により米国内への投資の回帰がホントに進むのであれば、我が国の経常黒字の縮小要因となりますが、インフラ整備などの財政政策は黒字拡大要因となります。もちろん、為替への影響も見逃せません。

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