野村総研による国内100都市を対象とした成長可能性ランキングやいかに?
とても旧聞に属する話題ながら、7月5日に野村総研がランキングによる都市の持つ「成長可能性」の可視化というタイトルでNRIメディアフォーラムを開催したタイミングで、国内100都市を対象に成長可能性をランキングした結果を明らかにしています。野村総研が提唱する産業創発力の観点から現状と将来のポテンシャルを分析した「成長可能性都市ランキング」が明らかにされています。当日の配布資料もpdfでアップされていて、詳細な情報の入手が可能となっています。今夜のところは、地図でプロットされたトップテンのランキングの画像だけ引用しておきます。
上の画像は、総合ランキングでみた成長可能性の高い上位都市を地図に落としています。要するに、現状でのランキングといえます。見れば明らかな通り、東京都区部がトップ、2位が福岡市、3位が京都市となっています。東京都区部は文句なしでしょうが、福岡市は空港・港湾・新幹線へのアクセスや多様性に対する許容度などが評価されています。京都市は文化財やアートとのふれあい、国際的な開放度、都市内の公共交通機関の充実などがアドバンテージとして上げられています。まあ、そうなんでしょうが、よく調べれば、そういった都市はもっとありそうな気もします。名古屋市がトップテンに入っていないのも、少し違和感があります。
次に、上の画像は、ポテンシャルランキングでみた成長可能性の高い上位都市のトップテンです。ここで、東京都区部や大阪市などが軒並み抜けるのに対して、福岡市がトップに躍り出ます。そして、地図を見れば明らかな通り、ポテンシャルでは西高東低の分布となっています。というか、トップテンについては九州に多く集中しており、沖縄も含めれば九州・沖縄でトップテンのうち6都市を占めています。しかしながら、トップの福岡市については、例えば、ビジネス環境が整っているにもかかわらず独自の産業が少ない点を上げて、伸びしろが大きいと判断されたようで、少し疑問に感じないでもありません。まあ、私なんぞが思いつきもしない観点がたくさんあるんだろうという気はします。
最後に、評価視点別ランキングとして、4点目に人材の多様性・充実という観点があるんですが、トップが東京都区部で2位が京都市と、大学ランキングみたいなんですが、九州というか、関西から西の地方は、この項目に弱点があります。ようやく5位に福岡市が入っているだけで、あとは首都圏に名古屋圏に関西圏となっています。地方の活性化のためには進学・教育や仕事の面で人を引きつける必要があると考えられ、こういった弱点を克服しつつ地方再生が進むんだろうと思います。
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