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2017年7月13日 (木)

トランプ大統領は米国の評価を低下させているのか?

とても旧聞に属するトピックですが、私がよく参照している米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターから6月26日付けで、U.S. Image Suffers as Publics Around World Question Trump's Leadership と題するリポートが明らかにされています。オバマ前大統領に比べて、現在のトランプ大統領の評価が低く、それがひいては米国の評価の低下にもつながりかねない、という論調を示しています。かなり多くの国を調査対象にしていて、もちろん、欧州や日本を含むアジアの主要国も入っていますので、図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから引用しており、オバマ前大統領末期とトランプ現大統領初期の比較、米国大統領に対する信任と米国の見方についての結果です。大統領交代とともに米国大統領への信認はまったく逆転した感があります。米国そのものに対する好意的な見方が減少しているのも見て取れます。以下のグラフすべてに共通して、世界37か国からの回答結果です。

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次に、上のグラフもリポートから引用しており、オバマ前大統領とトランプ現大統領のそれぞれに対する信頼感の差を算出しています。スウェーデンから始まって、軒並みオバマ前大統領の方をトランプ現大統領よりも高く評価する国が並んでいるんですが、一番下の2国、すなわち、イスラエルとロシアだけはトランプ現大統領の方を高く評価しています。極めて大雑把には、成熟した民主主義体制下にある先進国の方がオバマ前大統領の方をより高く評価している傾向が読み取れます。我が日本は▲54ポイント差でオバマ前大統領の方を高く評価しており、平均的な水準よりもややトランプ現大統領に厳しい部類のような気がします。

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次に、上のグラフはリポートから引用しており、国別・地域別の米国への見方を示しています。"Views of the U.S. vary across regions" とのタイトル通りで、地域により、また、地域内でも国により、米国への好感度は大きく差があり何ともいえません。ただ、上のグラフは "Views of the U.S." と米国を対象としているのに対して、グラフの引用はしませんが、別に、"Views of Americans" の調査結果のグラフも同じページにあり、米国に対する好感度よりも米国民に対する好感度はかなり上回っている印象があります。また、これもグラフの引用はしませんが、米国の大衆文化、すなわち、音楽、映画、テレビに対する好感度はごく一部の例外を除いて、世界的にかなり高くなっているとの調査結果も示されています。国と国民と文化、特に大衆文化は少し違いがありそうです。

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最後に、上のグラフはリポートから引用しており、トランプ現大統領に対する地域別・国別の信頼感を示しています。ロシアを除く欧州とイスラエルを除く中東諸国と中南米ではトランプ大統領への信認はかなり低く、アジアでは国により大きな差があるものの、おおむね信頼感は高くない一方で、アフリカでも国により差は見られますが、唯一地域としてトランプ大統領に対する信認が50に達しています。我が国では72vs24で不信任が信任を上回っており、世界全体の74vs22とのトリプル・スコアとほぼ近い比率を示しています。世界的にトランプ大統領への信頼感が低くなっている現状が見て取れます。

米国のオバマ前政権に対する評価として、2008年の初当選の大統領選に続く2010年の中間選挙で、まるで当時の日本のような議会でのねじれ現象が生じて、優柔不断で決めきれない印象を持った人もいたかもしれませんが、他方で、トランプ政権になれば「前のオバマ政権はよかった」という意見がとてもたくさん出るだろう、と指摘するエコノミストも少なくありませんでした。まったく、その通りかもしれません。

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