「OECD経済見通し中間報告」は順調な世界経済の回復・拡大を確認!
日本時間の昨夕、経済協力開発機構(OECD)から「OECD経済見通し中間報告」OECD Interim Economic Outlook が公表されています。世界経済は緩やかな回復が続くとして、2016年の3%成長から、2017年の成長率を+3.5%と前回の6月見通しから据え置き、2018年は+3.7%と前回見通しから+0.1%ポイント上方修正しています。日本経済については、2016年の+1.0%成長から、2017年+1.6%成長、2018年+1.2%成長と、いずれも6月の前回見通しから+0.2%ポイント上方修正しています。下のグラフはOECDのサイトから総括的な成長率見通しを引用しています。
国際機関の経済見通しなどのリポートに注目するのはこのブログの特徴のひとつでもあり、いくつか画像をお示ししつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、上の画像は、OECDから公表されているプレゼンの p.2 から3点の Key messages を引用しています。第1に、欧州で予想を上回る成長が示され、短期的な成長モメンタムが広がりを見せていること、しかしながら、第2に、民間投資や賃金回復が不十分であり、力強く持続的な中期的成長が保証されているとはいいがたいこと、従って、第3に、政策の中心課題は金融政策から財政・構造政策による経済成長や賃金上昇への支援に転換し、包摂的な成長を目指す必要があること、と示されています。
次に、同じくOECDから公表されているプレゼンの p.11 から就業率と雇用者1人当たり実質雇用者報酬のグラフを引用すると上の通りです。このグラフを示しつつ、生産性や賃金を下支えする構造改革を加速すべきことを強調しています。まあ、物価や賃金が上がらないのは、我が国だけでなく世界的な現象なのかもしれません。なお、私は記者会見のビデオを見ていませんが、日経新聞の記事によれば、OECD当局から「持続的な成長のためには、企業が積み上げた現金を賃上げや投資を増やすことに使うことが必要」との指摘があったように報じられています。
最後にご参考まで。10月のIMF世銀総会に向けて、国際通貨基金(IMF)でも経済見通し作業を進めているようで、IMFのサイトでは、来週9月27日に「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編が公表される旨が明らかにされています。
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