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2017年10月 6日 (金)

8月景気動向指数から現在の景気回復・拡大はいざなぎ景気の57か月を超えるか?

本日、内閣府から景気動向指数が、また、厚生労働省から毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。いずれも8月の統計です。景気動向指数のうち、CI先行指数は前月比+1.6ポイント上昇して106.8を、CI一致指数も+1.9ポイント上昇して117.6を、それぞれ記録しています。毎月勤労統計では、景気動向に敏感な製造業の所定外労働時間指数は季節調整済みの系列で前月から+1.1%増を示し、また、現金給与指数のうちのきまって支給する給与は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.6%増となった一方で、ボーナスなどの特別に支払われた給与と合せて現金給与総額のは0.9%増を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の景気一致指数、117.6に上昇 建機、半導体など堅調
内閣府が6日発表した8月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.9ポイント高い117.6と2カ月ぶりに上昇した。水準は消費増税直前の2014年3月と並ぶ高さ。建設機械や半導体製造装置など幅広い業種で出荷と生産が堅調だった。一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断は最も強気の「改善を示している」に10カ月連続で据え置いた。
8月は投資財出荷指数(輸送機械を除く)が0.79ポイント、鉱工業用生産財出荷指数が0.50ポイント、生産指数(鉱工業)が0.40ポイント、それぞれプラスに寄与した。建設機械のほか、スマートフォンなど半導体関連の生産機械が伸びた。自動車の出荷好調で耐久消費財出荷指数もプラス寄与となり、速報段階で算出できる7指標のうち5指標が指数を押し上げた。
数カ月先の景気を示す先行指数は1.6ポイント上昇の106.8と、2カ月ぶりに上昇した。
景気回復の期間などを正式に判断するデータをまとめる景気動向指数研究会の開催は、現時点では未定という。茂木敏充経済財政・再生相は9月25日の月例経済報告で現在の景気回復期間について「いざなぎ景気を超えた可能性がある」との見通しを示している。
実質賃金8カ月ぶりプラス 8月0.1%増
賃金好調、名目賃金も増加

厚生労働省が6日発表した8月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月比で0.1%増加した。増加は8カ月ぶり。物価上昇に賃金増が追いついた。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万4490円と前年同月比0.9%増加した。
名目賃金が増加したのは2カ月ぶり。現金給与総額のうち基本給にあたる所定内給与は前年同月比0.4%増の24万952円と5カ月連続で増加。残業代などの所定外給与も1.5%増の1万9012円と2カ月連続で伸びた。ボーナスなど「特別に支払われた給与」は1万4526円で6.1%増加した。
名目賃金を産業別にみると、金融・保険業(前年同月比7.1%増)や鉱業・採石業(5.2%増)などで増加が目立った。
8月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が0.8%上昇したため、名目賃金の伸びが実質を上回った。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計の記事ですので、長くなってしまいました。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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7月統計では、景気動向指数のうち、速報公表時にはCI一致指数のすべてのコンポーネントがマイナスを示していたんですが、その反動もあって、8月統計ではCI一致指数、CI先行指数ともプラスを記録しています。プラス寄与の大きい順に、投資財出荷指数(除輸送機械)、鉱工業用生産財出荷指数、生産指数(鉱工業)、耐久消費財出荷指数、商業販売額(卸売業)(前年同月比)がそれぞれ寄与度で+0.1を超えており、逆に、マイナス寄与度が▲0.1より大きい、というか、絶対値で大きいのは有効求人倍率(除学卒)だけです。CI先行指数についても+1.6の大きな上昇のうち、+1.2の半分超のプラス寄与は、ともに逆サイクルの最終需要財在庫率指数と鉱工業用生産財在庫率指数となっており、在庫の調整が進んでいるわけですから、先行きのさらなる景気回復・拡大にはとてもプラスなんだろうと考えるべきです。なお、引用した記事にもある通り、現在の景気回復・拡大の期間について考えると、CI一致指数から見て現在の第16循環の拡張期が続いていると仮定すれば、内閣府か明らかにしている景気基準日付に従って、景気の谷が2012年11月ですから、拡張期間は今年2017年8月までで57か月となり、1965年10月を谷とし1970年7月を山とする第6循環、いわゆる「いざなぎ景気」の拡張期間に並んだことになります。そして、もしも、足元の9月まで景気回復・拡大が続いているとすれば、「いざなぎ景気」を超えたといえるかもしれません。なお、現在利用可能な情報では、もっとも長い景気拡張期間は2002年1月を谷とし、2008年2月を山とするサブプライム・バブル崩壊前の第14循環の73か月です。ご参考まで。

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続いて、景気動向指数を離れて、毎月勤労統計のグラフは上の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額ときまって支給する給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、3番目のパネルはこれらの季節調整済み指数をそのまま、そして、1番下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、それぞれプロットしています。いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。ということで、上のグラフに沿って見ていくと、まず、景気と連動性の高い製造業の残業時間については、鉱工業生産指数(IIP)とほぼ連動して8月は増加に転じています。次に、報道でも注目を集めた賃金については、ようやく、実質賃金が上昇しています。ただ、8月統計については、ボーナスなどの特別に支払われた給与の寄与が大きくなっています。なお、上のグラフのうちの最後のパネルに見られる通り、パートタイム労働者の伸び率がかなり鈍化して、フルタイム雇用者の増加が始まっているように見えます。ですから、労働者がパートタイムからフルタイムにシフトすることにより、マイクロな労働者1人当たり賃金がそれほど上昇しなくても、マクロの所得については、それなりの上昇を示す可能性が大きいと私は受け止めています。もちろん、企業が収益力を高める一方で労働分配率は低下を続けていますから、上のグラフの3番目のパネルに見られる通り、季節調整済みの系列で賃金を見ても、なかなかリーマン・ショック前の水準に戻りそうにありません。ただ、先行きに関しては、人手不足の進行とともに非製造業などで賃金上昇につながる可能性も大きくなっており、消費を牽引する所得の増加に期待が持てると私は考えています。

9月の米国雇用統計が間もなく公表される予定ですが、日を改めて取り上げたいと思います。

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