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2018年1月 5日 (金)

米国雇用統計は堅調な動向を見せつつも1月の利上げは見送りか?

本日、米国労働省から昨年2017年12月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から+148千人増と、市場の事前コンセンサスだった+190~+200千人弱くらいの増加という予想には達しませんでしたが、失業率は前月と同じ4.1%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから記事を最初の5パラだけ引用すると以下の通りです。

Employers added disappointing 148K jobs in Dec.
The labor market slowed in December as U.S. employers added 148,000 jobs in a sign that worker shortages may crimp hiring in 2018.
The unemployment rate, which is calculated from a different survey, was unchanged at 4.1%, the Labor Department said Friday.
Average hourly wages rose nine cents to $26.63, leaving the annual increase unchanged at 2.5%. Pay gains have been stuck at about 2.5% for well over a year. Economists have expected a bigger spike because of the low unemployment rate that's making it tougher for employers to find workers.
Businesses added 146,000 jobs. Federal, state and local governments added 2,000.
Job gains for October and November were revised down by a total 9,000. October's was revised to 211,000 from 244,000 and November's was upgraded to 252,000 from 228,000.

長くなりましたが、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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繰り返しになりますが、非農業部門雇用者数の伸びは市場予想を下回ったとはいえ、失業率は引き続きほぼ4%の水準で推移しており、しかも、引用した記事にもある通り、ハリケーン後の11月は252千人増に伸び幅を上方修正している上に、直近3か月の増加幅は月平均200千人を上回っており、基本的に、米国の雇用は堅調と考えてよさそうです。これに、議会で可決された文も含めて大型減税が加われば、米国景気はさらに上振れする可能性すらあると私は考えています。ただ、要因は不明ながら、小売業が12月に▲20.3千人の雇用を減少させているのが懸念材料かもしれません。私が知る範囲では、米国のクリスマス商戦はかなり好調だったと認識しており、実店舗よりもサイバー店舗の伸びが大きいとはいえ、小売業の雇用が減少したのは少し謎です。もっとも、トランプ政権が重視するメインストリートの製造業は+55千人増と雇用を増加させており、引き続き、ヘルスケアなども雇用増に貢献しています。小売業だけが少し理解不能だったりします。いずれにせよ、次の米国連邦準備制度理事会(FED)の連邦公開市場委員会(FOMC)は1月30~31日に開催される予定であり、現在のイエレン議長の下での最後のFOMCですので、昨年2017年12月の利上げの影響を見極めるため、追加利上げを見送ることは確実であり、次のパウエル新議長の下での3月20~21日のFOMCが注目され、さらに、年3回といわれている利上げペースが加速するかどうか、も焦点のひとつとなっています。まあ、2か月半くらいは米国の金融政策に動きはないものと考えるべきですが、3月の利上げはありなんでしょうね

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最後に、時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、底ばい状態を脱して少し上向きに転じつつも、もう一段の加速が見られないと考えられてきましたが、それでも、12月は前年同月比で+2.5%の上昇を見せています。日本だけでなく、米国でも賃金がなかなか伸びない構造になってしまったといわれつつも、物価上昇を上回る賃金上昇が続いているわけですから、生産性の向上で賃金上昇を吸収して物価にそのまま波及させるには至っていないとはいえ、金融政策の発動が必要とされる場面なのかもしれません。

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