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2018年3月13日 (火)

企業物価(PPI)は円高で上昇率を縮小させつつも2月の国内物価は+2.5%の上昇!

本日、日銀から2月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は前月統計からやや上昇幅を縮小して+2.5%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の企業物価指数、前年比2.5%上昇 伸び率は円高で鈍化
日銀が13日発表した2月の企業物価指数(2015年=100)は100.3で前年同月比2.5%上昇した。上昇は14カ月連続だが、伸び率は3カ月連続で縮小した。市場予想の中央値(2.6%上昇)も下回った。外国為替市場の円高基調で、円ベースでの原油価格の上昇が抑えられたことが、指数の伸び鈍化につながった。
前月比では横ばいだった。ポリエチレンなどの化学製品や鉄鋼製品の価格が上昇した一方、石油・石炭製品や非鉄金属などの価格が下落した。
米国の利上げ加速観測などを背景にした市場のリスク回避ムードに伴い、非鉄金属など国際商品相場の上昇が一服している。「商品市況が悪化すれば国内の取引価格に波及する可能性もある」(日銀の調査統計局)という。
円ベースの輸出物価は前年同月比で0.8%上昇した。前月比では円高基調を受けて1.1%下落した。
円ベースの輸入物価は前年同月比で4.4%上昇した。前月比では0.1%下落した。
企業物価指数は企業間で売買するモノの価格動向を示す。公表している744品目のうち、前年同月比で上昇したのは381品目、下落は248品目だった。下落品目と上昇品目の差は133品目で、1月(確報値)の131品目から拡大した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルから順に、上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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ということで、企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価の上昇率は、前年同月比で見て昨年2017年10~12月に+3.5%をつけた後、12月+3.0%、今年2018年1月+2.7%、そして、本日公表され直近で統計が利用可能な2月+2.5%と徐々に上昇幅を縮小させています。特に、今年に入ってからは円高に振れた為替の影響も無視できず、ドル円為替相場について前月比で見ると、1月▲1.9%、2月▲2.6%の円高が急速に進んでいます。輸入物価のウェイトの¼強を占める石油・石炭・天然ガスは2月の前年同月比で見て、円ベースでは+13.6%の上昇と1月の+13.7%と変わりない上昇率でしたが、実は、契約通貨ベースでは+18.8%の上昇を記録しており、上昇幅で▲5%ポイントくらいの縮小が見られます。国内物価ベースでも、石油・石炭製品の+11.6%の上昇をはじめ、非鉄金属の+8.6%、鉄鋼の+6.1%のそれぞれの上昇など、資源や素材を中心にした物価上昇ですが、上のグラフのうちの下のパネルの需要段階別の物価上昇率に見られるように、素原材料の上昇幅が中間財段階では抑えられ、さらに、最終財ではさらに上昇幅が小さくなる、という構図は従来から変わりありません。企業努力によりコスト削減を実施して川下に物価上昇が波及しないような構造と言えますが、川上の資源や素材の値上がりを川下に転嫁しにくい、とも言えそうです。ある意味で、賃金などで価格上昇の圧縮を図るんではなく、デフレ脱却により値上がりが転嫁しやすい構造になるのも賃上げのためには必要なのかもしれません。

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