ニッセイ基礎研「医療費は各年齢でどれくらいかかるものなの?」に見る年齢別の医療費やいかに?
昨日の4月2日付けで、ニッセイ基礎研から「医療費は各年齢でどれくらいかかるものなの?」というタイトルのリポートが明らかにされています。pdfの全文リポートもアップされています。なかなか興味深いところであり、国民1人当たり年間医療費は33.3万円、生涯医療費は2,700万円となっています。単純に割り算すると平均寿命の81歳ということになりますが、もちろん、年齢により医療費は大きく異なるところ、10代後半から20代前半を底にしたU字型のカーブがクッキリと描き出されています。
まず、ニッセイ基礎研のサイトから 図表1. 1人当たり医療費 [1年間] を引用すると上のグラフの通りです。5歳きざみで表章されています。そして、グラフから明らかな通り、平均で見た国民1人当たり年間医療費は33.3万円なんですが、それにほぼ相応する年代は、実は、私の属する55-59歳であり、60歳以降はものすごい勢いで医療費が上昇します。極めて大雑把に、50代後半で平均レベルの後、70代前半で平均の2倍、80代前半では3倍に達する医療費を要するとの結果が示されています。
さらに、これらの年間医療費の累積額である2015年度の生涯医療費は、男女平均で2,700万円、すなわち、女性は2,822万円、男性は2,584万円となっています。女性の方が平均寿命が長いので当然やや高額になっています。なお、グラフは引用しないものの、生涯医療費2,700万円に対して、50代後半までの累積医療費は1,000万円に達しない一方で、70代前半で1,500万円を超え、80代前半で2,000万円に達しています。まあ、リポートでも指摘していますが、50歳に達すると、生活習慣病を発症しやすくなったり、特に女性を中心に更年期障害が生じたりしますし、65歳からは医療サービスの利用が本格化します。なお、生涯医療費の約6割(男性は56%、女性は60%)は65歳以上の期間で、約4割(男性は36%、女性は44%)は75歳以上にかかることも明らかにしています。高齢化が進む中で、医療費をいかに抑制するかは、エコノミストの狭い料簡かもしれませんが、財政の健全性確保の観点からも重要です。
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