企業向けサービス物価 (SPPI) は先月に続き+1%の上昇!
本日、日銀から5月の企業向けサービス物価指数 (SPPI)が公表されています。前月と同じ上昇幅を維持しつつ+1.0%を記録しています。プラスの上昇は59か月、すなわち、5年近くになります。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
5月の企業向けサービス価格、1.0%上昇人件費上昇や原油高が波及
日銀が26日発表した5月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は104.6と、前年同月比で1.0%上昇した。上昇は59カ月連続。設計などの土木建築サービスと外航貨物輸送を中心に、人手不足や原油高に伴うコスト増を取引価格に転嫁する動きが強まった。
製造業の設備投資意欲の高まりでソフトウエア開発の受託料金も上昇した。このほか化粧品メーカーや旅行会社の出稿増で新聞広告の価格も上がった。
一方で指数は前月比では0.1%下落した。ホテルの新規開業による供給増で宿泊サービスの価格が下落したことが響いた。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象147品目のうち、前年比で価格が上昇したのは80品目、下落は33品目だった。上昇から下落の品目を引いた差は47品目で前月の53品目から縮小した。
簡潔によく取りまとめられた記事だという気がします。企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

先月のSPPI公表の時点でも指摘したんですが、4月速報では前年同月比上昇率が+0.9%で、4月確報になって+1.0%、さらに、今日公表の5月速報も同じく+1.0%ですから、制度的な要因として、年度初めの4月にいくつかの値上げが実行されたことが容易に想像できます。さらに、4月速報時点で前年同月比マイナスを記録した広告、さらに、前年比保合いだった情報通信が4月確報でプラスに転じています。ただ、リース・レンタルだけは4月確報でもマイナスのままです。ということで、繰り返しになりますが、4月の年度初めの時点で価格改定が進んだことが読み取れ、背景として、デフレ・マインドの払拭が進んだ可能性が高いのではないか、と私はとても好意的に受け止めています。引き続き、5月も+1.0%の上昇率を記録し、特に、運輸・郵便は石油価格の上昇も相まって前年同月比+2.3%と高い上昇率となっています。ただ、景気に敏感な広告が4月速報に続いて5月速報でも前年同月比▲0.6%を記録していますが、来月の確報でどのように改定されるか、また、好調な滑り出しを見せたワールドカップ・サッカーに一部なりとも連動する広告の価格動向についても、来月の統計公表時に確認したいと思います。
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