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2018年7月 2日 (月)

本日公表の6月調査の日銀短観をどう見るか?

本日、日銀から6月調査の短観が公表されています。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは3月調査から▲3ポイント低下して+21を記録した一方で、本年度2018年度の設備投資計画は全規模全産業が前年度比+7.9%の増加と3月調査の▲0.7%減から大きく上方修正されました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景況感、大企業製造業2期連続の悪化 非製造業は改善
日銀が2日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス21だった。前回3月調査のプラス24から3ポイント悪化した。悪化は2四半期連続となる。2期連続の悪化は2012年12月調査以来5年半ぶり。人件費や資材価格の上昇によるコスト高が景況感を下押しした。石油・石炭製品や木材・木製品、自動車などの悪化が目立った。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。6月の大企業・製造業DIは、QUICKがまとめた市場予想の中央値であるプラス22を下回った。回答期間は5月29日~6月29日だった。
3カ月先の業況判断DIは大企業・製造業がプラス21と横ばいの見通し。市場予想の中央値(プラス20)を上回った。米国と主要国との貿易摩擦に対する懸念が一部に聞かれ、先行き見通しの重荷になった。
18年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業・製造業で1ドル=107円26銭と、実勢レートより円高・ドル安だった。
大企業・非製造業の現状の業況判断DIはプラス24と前回を1ポイント上回った。3カ月先のDIは3ポイント悪化のプラス21だった。
大企業・全産業の雇用人員判断DIはマイナス21となり、前回(マイナス22)から低下幅が縮まった。DIは人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いたもの。
18年度の設備投資計画は大企業・全産業が前年度比13.6%増と、市場予想の中央値(9.3%増)を上回った。

やや長いんですが、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

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日銀短観のヘッドラインは大企業製造業の業況判断DIですから、6月調査の短観は企業マインドが悪化した、ということになりますが、他方、大企業非製造業の業況判断DIはわずかながら上向いていますので、全体としての判断は難しいt頃です。しかも、DIの方向性だけでなく、水準まで考え合わせると、現時点ではかなりの高水準にあり、大企業だけでなく中堅企業と中小企業の製造業・非製造業も業況判断DIがプラスを示していますので、決して景況が悪いというわけではなく、水準として景況はいいながらも、方向として悪化に向かっている、という段階なわけです。私の解釈としては、国内経済がかなり好調な一方で、世界経済が米中貿易戦争の開始前夜の様相を呈して来て、従って、輸出への依存の差が製造業と非製造業の景況感の分かれ目に当たっている可能性があります。好調な国内経済を対象としている製造業と不透明感残る世界経済への輸出に一部なりとも依存する製造業の差が業況マインドに出ている可能性があると思います。加えて、国際商品市況における石油や一次産品価格の上昇のため、製造業の業況感が悪化している面もあります。もちろん、長期に拡大を続けた我が国の景気が成熟化し、非製造業よりはやや先行性ある製造業で景況感の悪化が見え始めた、ということも十分考えられます。これは3月調査の短観が公表された時点でも指摘していた点です。いずれにせよ、現時点で、私は決定的な見方が出来かねています。私以外でも、解釈を試みようとしているエコノミストの元来の見方、例えば、楽観派とか悲観派とか、の見方が色濃く出そうな気もします。

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続いて、いつもお示ししている設備と雇用のそれぞれの過剰・不足の判断DIのグラフは上の通りです。設備については、後で取り上げる設備投資計画とも併せて見て、設備の過剰感はほぼほぼ払拭されたと考えるべきですし、雇用人員についても人手不足感が広がっています。特に、雇用人員については規模の小さい中堅企業・中小企業の方が大企業より採用の厳しさがうかがわれ、人手不足幅のマイナスが大きくなっています。新卒採用計画は3月調査では実施されていませんが、各種報道によれば、就活は売り手市場が続くようです。

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最後に、設備投資計画のグラフは上の通りです。今年度2018年度の全規模全産業の設備投資計画は3月調査で異例の▲0.7%減という高い水準で始まった後、6月調査では+7.9%増に大きく上方改定されています。上のグラフを見ても判る通り、6月調査の設備投資計画はこのところはせいぜい+4%増くらいでしたので、今年2018年度の設備投資計画はかなり高い伸びを見込んでいると考えるべきであり、特に、引用した記事にもある通り、大企業に限れば大企業全産業で前年度比+13.6%増と、2ケタ増を見込んでいます。もともと、企業の手元にあるキャッシュフローは潤沢な上に、失業率が2%台前半まで低下した人手不足へ対応した合理化・省力化投資需要の高まり、加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れ、今年度2018年度の設備投資は期待してよさそうです。

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