シェアリング志向が強いのはどういう人々か?
先週6月25日付けで、ニッセイ基礎研から「シェアリング志向が強いのは誰?」というタイトルでリポートが明らかにされています。pdf の全文リポートもアップロードされています。シェアリング・エコノミーは考え方にもよりますが、従来の伝統的サービスの低価格帯を担い、いわば、「節約志向」の賜物とも考えられているところ、どうも、シェアリング志向が強そうなのは我が家のような家計かもしれないと考え始めています。私のお仕事の方でも、日本経済学会の春季大会の特別セッションにて、「シェアリング・エコノミー計測の論点」と題して学会発表をしてきたところですので、それなりに接点もあり、グラフを引用して簡単に取り上げておきたいと思います。

上のグラフは、リポートから 図表4 職業別に見た「中古・シェア」志向の強さ を引用しています。見れば明らかな通り、「中古・シェア」志向の強さは男女とも学生が1位、公務員が2位、という結果が示されています。我が家は、女房は別にして、大阪に下宿している下の倅も含めて、私と倅2人は公務員と学生です。まあ、学生は職業というよりも、年代的な属性もあって「中古・シェア」志向が強い可能性はありますが、リポートでは、学生は「できるだけネット」や「中古品でも気にしない」が、また、公務員は「中古品でも気にしない」が、それぞれ「中古・シェア」志向の強さにつながっていると分析しています。ただし、学生と公務員では「中古品でも気にしない」背景は異なるとし、学生はネット購買を好み、ネットの口コミなど多くの情報を見た上で中古品でも気にしない一方で、公務員は堅実・慎重な消費態度から中古品でも気にしない、との見方を示しています。他方、我が家にもいる専業主婦については、家計の節約意識などからか、できるだけレンタルやシェアを利用する意識がやや高いものの、ネットの個人間売買には抵抗が強い、との解釈です。
1万人を対象にした調査結果を基にした分析だそうですので、それなりの代表性は期待できるものの、もちろん、我が家にピッタリと当てはまるかどうかは別問題です。いずれにせよ、なかなか興味深い結果だと受け止めています。
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