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2018年7月11日 (水)

前月統計からの反動減が思ったほどでもない機械受注と石油価格に連れて上昇する企業物価(PPI)!

本日、内閣府から5月の機械受注が、また、日銀から6月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比▲3.7%減の9,079億円を記録しており、他方、企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.8%と前月から上昇幅を拡大しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の機械受注3.7%減 2カ月ぶり減少
内閣府が11日発表した5月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比3.7%減の9079億円だった。減少は2カ月ぶり。4月にあった造船業からの内燃機関の大型案件の受注がなくなった反動が出た。
内閣府は基調判断を「持ち直している」で据え置いた。
5月の受注額は製造業が1.3%増の4538億円だった。水準としては2008年6月以来の高水準だった。
17業種のうち、5業種が増加した。「化学工業」からの化学機械や風水力機械の受注が増え、受注額は14年7月以来の高水準だった。「電気機械」から、電子計算機などの受注も多かった。
非製造業は0.2%増の4787億円だった。増加は5カ月連続。「建設業」から建設機械の注文が増加した。「運輸業・郵便業」から鉄道車両や道路車両の受注も増えた。
前年同月比での「船舶、電力を除く民需」の受注額(原数値)は16.5%増だった。
「統計上、季節調整は需要者別で行っているため、全体の季節調整値とは一致しない」(内閣府)という。
4~6月期の「船舶、電力を除く民需」の季節調整値の見通しは前期比7.1%増となっている。
6月の企業物価指数、前年比2.8%上昇 原油価格の上昇で
日銀が11日発表した6月の国内企業物価指数(2015年=100)は101.3で前年同月比2.8%上昇した。前年実績を上回るのは18カ月連続。上昇率は5月の確報値(2.7%上昇)から拡大した。原油価格の上昇を背景に石油・石炭製品が値上がりし、全体を押し上げた。前月比では0.2%上昇した。
米国が5月に発表したイランへの経済制裁の再開を背景に原油高が進み、ガソリンや軽油の価格が上昇した。中国の環境規制を受け、化学製品の価格も上昇した。
円ベースの輸出物価は前年同月比で3.5%上昇した。前月比では0.1%上昇した。輸入物価は前年同月比で10.5%上昇した。前月比では1.8%上昇した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。公表している744品目のうち前年比で上昇したのは403品目、下落したのは260品目だった。上昇品目と下落品目の差は143と5月(確報値)の131品目から増えた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注について、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが前月比▲5.7%減でしたので、実績が▲3.7%減とはいえ、決して悲観する見方が広がったわけではありません。加えて、記事にもあるように、もともと4~6月期の見通しは前期比+7.1%増と集計されていて、実は、私はかなり高い伸びなもので実現できるかどうか疑問だったんですが、ひょっとしたら達成できそうな雰囲気もあります。先行指標となる外需も、上のグラフに見られる通り、堅調に推移しています。地合いは強く機械受注は堅調と見ているエコノミストも多そうです。先行きについては、東京オリンピック・パラリンピックの2020年に向けて設備投資の緩やかな増加が見込まれますが、加えて、人手不足に対応した合理化・省力化投資の増加が想定される一方で、中長期的には、供給制約がどこまで深刻化するか、また、米国に端を発する貿易戦争の様相を呈してきた貿易制限的な通商制約の世界的な高まりが我が国の輸出を通じて、ご個まで機械受注に影響を及ぼすか、おそらく、それなりのネガティブなインパクトあるものと思われますが、にわかには測り難いものがあります。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ということで、PPIのうち国内物価の前月比上昇率+0.2%に対する寄与として、石油・石炭製品が+0.15%と圧倒的な大きさを占め、続いて、電力・都市ガス・水道の+0.03%、非鉄金属と化学製品も同じく+0.03%を示すなど、典型的に、エネルギー価格や国際商品市況の上昇に起因した物価上昇と私は受け止めています。ただ、先月の統計公表時には、石油価格は5月の中下旬がピークの可能性があると指摘したんですが、私の見方が間違っていたようで、まだもう少し石油価格は上昇しそうです。私は中国の景気回復の足取りがそこまで、というか、国際商品市況における石油価格をここまで押し上げるだけの伸びを見せるとは思わなかったんですが、中国をはじめとする新興国の景気回復以外の要因で石油価格が上昇しているように思えてなりません。そして、我が国の物価動向は金融政策動向よりもエネルギー価格に敏感に反応しているようです。

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