第一生命経済研リポート「携帯料金4割引き下げの家計への影響」やいかに?
先週金曜日8月24日に消費者物価指数(CPI)が総務省統計局から公表された際に少し取り上げましたが、携帯電話の料金4割引き下げに関して第一生命経済研から「携帯料金4割引き下げの家計への影響」と題するリポートが明らかにされています。結論として、国民1人当たり▲2万円強、家計全体では▲2.6兆円程度の負担軽減につながり、来年2019年10月からの消費税率の+2%ポイントの引き上げによる家計の負担増+2.2兆円程度との試算を上回る負担減となる可能性が示唆されています。
特に、私が注目しているのは、年代別や世代別に考えて、携帯電話料金の負担が大きい、逆から言えば、携帯電話料金引き下げの恩恵が大きいのが高齢・引退世代でなはなく、若年世代や勤労世代である点です。以下のグラフはリポートから消費税率の引き上げによる負担増と携帯電話料金引き下げによる負担減を年代別と年収階層別で分析しています。
総務省統計局による「家計調査」のデータを基にした分析のようですが、消費税率引き上げに軽減税率実施を加えた総負担増から携帯電話料金4割引き下げによる負担減を差し引いて「純負担」と呼ぶとすれば、見れば明らかなように、若い世代ほど純負担のマイナス幅が大きく、60歳以上世代では逆に純負担がプラスとなります。また、年収階層別では350万円未満層と1250万円以上層でプラスの負担増との試算結果が出ていますが、その間の中間所得階層では純負担はマイナスです。350万円未満層で純負担増が生じるのは気にかかるところですが、59歳以下層で純負担マイナスとなるのは、高齢・引退世代に偏った優遇措置が講じられてきた我が国社会保障政策に棹差して、なかなか画期的な政策なのかもしれません。
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