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2018年8月30日 (木)

商業販売統計の小売販売額は9か月連続で前年実績を上回る!

本日、経済産業省から7月の商業販売統計が公表されています。ヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比+1.5%増の12兆4140億円を、また、季節調整済みの系列の前月比は+0.1%増をそれぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の小売販売額、前年比1.5%増 石油製品の価格上昇で
経済産業省が30日発表した商業動態統計(速報)によると、7月の小売販売額は前年同月比1.5%増の12兆4140億円だった。前年実績を上回るのは9カ月連続。経産省は小売業の基調判断を「横ばい傾向にある」で据え置いた。
業種別では燃料小売業が17.5%増と伸びが目立った。原油高で石油製品の価格が上昇した。飲食料品小売業は1.3%増にとどまった。天候不順で野菜の価格が上昇したほか、総菜の販売が伸びた。
一方、織物・衣服・身の回り品小売業は3.8%減だった。豪雨など天候不順で客数が減少した。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で1.0%減の1兆7002億円だった。減少は2カ月ぶり。豪雨や猛暑などの天候不順で客足が落ちた百貨店での販売が振るわなかった。
百貨店でセールを6月に前倒ししたことも響いた。既存店ベースは1.6%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は1.3%増の1兆900億円だった。食品や加熱式たばこの販売が伸びた

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのまま、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期です。

photo

繰り返しになりますが、この記事のタイトル通り、商業販売統計のうちでGDP統計の消費の先行指標となる小売販売額は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、9か月連続で前年実績を上回っていますので、私の評価としては異常気象にもかかわらず小売販売額はそれなりに堅調な伸びを見せていると受け止めています。ただ、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である経済産業省では基調判断を「横ばい傾向にある小売業販売」で据え置いています。というのも、基調判断では季節調整済み指数の前月比が、私の見ている範囲で、判断基準としているようです。ですから、経済産業省の基調判断では、「季節調整済指数前月比は0.1%の上昇となった。後方3か月移動平均で前月比をみると▲0.1%の低下となった。」と季節調整済み系列の、それも、3か月後方移動平均も含めた判断基準で基調判断を行っているような表現をしています。これに合わせて、というわけでもないんですが、季節調整済み系列の後方3か月移動平均の前月比を個別の業種ごとに見ると、燃料小売業が+1.9%の増加を示している一方で、織物・衣服・身の回り品小売業が▲1.1%の減少、各種商品小売業(百貨店・総合スーパー)が▲0.8%の減少となっています。加えて、季節調整していない原系列の前年同月比というトラディショナルな数字を見ると、引用した記事にもある通り、燃料小売業が+17.5%増と伸びが目立っています。これは国際商品市況における石油価格の上昇に起因する名目値での増加の部分が大きいと考えるべきです。ただ、小売販売額の合計では前年同月比で+1.5%増ですから、購入のバスケットが異なるとはいえ、消費者物価(CPI)上昇率を上回っていますので、実質消費もプラスの伸びを示している可能性が高いと考えられ、繰り返しになりますが、小売販売額は堅調な推移との評価をすべきであろうと私は受け止めています。

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