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2018年9月25日 (火)

企業向けサービス物価(SPPI)上昇率はやや加速して+1.3%に到達!!

本日、日銀から8月の企業向けサービス物価指数 (SPPI)が公表されています。いずれも統計です。前年同月比上昇率でSPPI上昇率は前月と同じから少し加速して+1.3%を示しています。国際運輸を除く、コアSPPIの上昇率も+1.2%とやや上昇幅を拡大しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の企業向けサービス価格、前年比1.3%上昇 人件費上昇や広告の伸びで
日銀が25日発表した8月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は104.9で、前年同月比1.3%の上昇となった。伸び率は7月の1.1%から拡大し、消費増税の影響を受けた時期を除くと、1992年12月(1.3%上昇)以来、25年8カ月ぶりの高い伸び率だった。人手不足による人件費の上昇を価格に転嫁する動きが続き、特にシステム関連の人材不足が顕著だった。指数が上昇するのは62カ月連続となった。指数は前月比では変わらずだった。
職業紹介サービスや労働者派遣サービスなどで高い伸びが続いた。新聞広告は前年同月比9.7%上昇(7月は5.7%上昇)、雑誌広告は4.3%上昇(同1.1%上昇)と上げ幅を拡大した。一時的に出稿意欲が回復したことに加え、紙面あたり単価の上昇が寄与した。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象147品目のうち、前年比で価格が上昇したのは84品目、下落は26品目だった。上昇から下落の品目を引いた差は58品目で前月の57品目から拡大した。差し引きでのプラスは21カ月連続となる。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo

引用した記事にもある通り、SPPIは62か月連続の前年比プラスを示し、さらに前月統計からも上昇率がわずかながら加速しています。7月統計では前年同月比で+1.1%の上昇率に対して、8月統計では+1.3%ですから、この+0.2%ポイントの上昇幅の拡大に対して、寄与したのが広告、情報通信、不動産です。広告は新聞広告・テレビ広告・雑誌広告の3つの小分類がすべてプラス寄与となり、合計で+0.05%ポイントの寄与を示し、情報通信でもソフトウェア開発など+0.02%ポイントの寄与、不動産も事務所賃貸など+0.02%ポイントの寄与でした。他方、土木建築サービスなどの諸サービスは▲0.02%ポイントのマイナス寄与を示しています。ですから、8月統計単月の特徴ながら、引用した記事のタイトルとは少し実感が異なり、景気敏感サービスについては前年同月比でプラス寄与を示し、人件費が上昇しているといわれているサービスでマイナス寄与となっています。もっとも、土木建築サービスについては、前年比前月差寄与でマイナスを示しているだけであり、7月統計での+3.6%の前年同月比上昇率から8月には+3.0%にやや上昇幅を縮小したとはいえ、引き続き高い上昇率を記録していることは変わりありません。

別件ですが、10月のIMF世銀総会を前に、IMF「世界経済見通し」World Ecocnomic Outlook の分析編 Analytical Chapters が10月3日に公表とアナウンスされています。章別タイトルは以下のようになっており、リーマン・ショック後の10年を振り返る、及び、米国利上げなどを背景に金融正常化の時期における新興国金融政策のあり方、となっています。また、利用可能になった時点で、日を改めて取り上げたいと思います。

Ch 2
The Global Recovery 10 Years after the 2008 Financial Meltdown
Ch 3
Challenges for Monetary Policy in Emerging Economies as Global Financial Conditions Normalize

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