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2019年1月10日 (木)

足踏み続く景気動向指数と日銀「さくらリポート」やいかに?

本日、内閣府から昨年2018年11月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月差▲0.3ポイント下降して99.3を、CI一致指数も▲1.9ポイント下降して103.0を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11月の景気一致指数、2カ月ぶり低下 10月の大幅上昇の反動
内閣府が10日発表した2018年11月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.9ポイント低下の103.0だった。低下は2カ月ぶり。9月は台風などの災害で生産や出荷が落ち込んだが、10月は挽回生産などで前月比で大幅な上昇となっていた。11月は「10月の反動が出た」とみている。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置いた。一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象になる7系列すべてが指数のマイナスに影響した。
鉱工業用生産財出荷指数や生産指数(鉱工業)などのマイナスが目立った。10月に大きく上向いた鉄鋼や電子部品などが11月は反動で落ち込んだ。商業販売額も振るわなかった。内閣府は「9月から自然災害の影響で振れが大きくなっていたが、今後は落ち着いていくだろう」としている。
数カ月後の景気を示す先行指数は0.3ポイント低下の99.3と2カ月ぶりに低下した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は0.4ポイント上昇の104.0だった。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

景気動向指数、特に、CI一致指数は鉱工業生産指数(IIP)との連動性が高いのは従来から指摘している通りですが、最近の動向については、9月には自然災害に起因する供給制約や物流の停滞などから下降を示した後、10月にはその9月の落ち込みからの復旧が見られて大きくジャンプしたんですが、11月指数はまたまたその反動により下降を示しています。引用した記事にもある通り、CI一致指数に用いられている7系列がすべてマイナスを記録しています。すなわち、寄与度の順で見て、鉱工業用生産財出荷指数▲0.59、投資財出荷指数(除輸送機械)▲0.41、商業販売額(卸売業)(前年同月比)▲0.33、商業販売額(小売業)(前年同月比)▲0.29、生産指数(鉱工業)▲0.21などとなっています。そして、統計作成官庁である内閣府の基調判断は「足踏み」で据え置きとなっているんですが、上方改定されると仮定すれば1ノッチ上の景気判断は「拡大」ですから、3か月連続で3か月後方移動平均がプラスに転じなければなりません。10~11月は2か月連続で3か月後方移動平均がプラスを示していて、もしも、これまた仮定のお話ですが、12月統計で3か月後方移動平均がプラスを付ければ、基調判断は「拡大」に戻る可能性があります。そうなれば、いままでも、何回か、このブログでお示ししたように、現在の景気拡大局面が今年2019年1月まで継続すれば、米国のサブプライム・バブルに対応する戦後最長の景気拡大期間72か月を超える計算です。あるいは、このまま足踏みが続いたり、むしろ、景気悪化の方向に動く可能性もないわけではないと私は考えており、いずれにせよ、現時点で利用可能な情報だけからは、確たる判断を下すことは私には出来ません。

最後に、日銀から「さくらリポート」が公表されています。全国9地域のうち、北海道と中国地方の2地域の景気判断を前回の2018年10月調査から引き上げた一方で、ほかの7地域は据え置かれています。なお、全地域の景気判断に「拡大」あるいは「回復」の表現が入っていたりします。以下の通りです。

 【2018年10月判断】前回との比較【2019年1月判断】
北海道基調としては緩やかに回復しているものの、北海道胆振東部地震の影響による下押し圧力がみられている基調としては緩やかに回復しており、北海道胆振東部地震の影響による下押し圧力は緩和を続けている
東北緩やかな回復を続けている緩やかな回復を続けている
北陸拡大している拡大している
関東甲信越緩やかに拡大している緩やかに拡大している
東海拡大している拡大している
近畿台風21号による経済活動面への影響がみられるものの、緩やかに拡大している緩やかな拡大を続けている
中国平成30年7月豪雨によりダメージを受けたものの、社会インフラの復旧等に伴い、豪雨の影響が低減する中で、基調としては緩やかに拡大している緩やかに拡大している
四国回復している回復している
九州・沖縄しっかりとした足取りで、緩やかに拡大しているしっかりとした足取りで、緩やかに拡大している

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