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2019年4月29日 (月)

統計局「統計が語る平成のあゆみ」から何を読み取るべきか?

先週4月26日付けで、総務省統計局の統計トピックスで「統計が語る平成のあゆみ」と題する記事が掲載されています。もちろん、pdfの詳細なリポートもアップされています。人口やライフスタイルなども興味あるところなんですが、ここはひとつ、雇用・労働と経済に絞ってグラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、雇用・労働に関しては、量的に、平成に入ってから失業率が大きく上昇した後、平成最終年近くには、逆に、平成初期のバブル経済期並みに低下したことなんですが、それは次のグラフで取り上げるとして、質的には非正規雇用の拡大を指摘する必要があります。上のグラフでは、赤い折れ線グラフが非正規雇用の比率を示しており、平成元年には19.1%だったのが、平成30年には38.2%と比率で見て倍増しています。女性、特に、主婦層が働きやすいようにとのパートタイム労働が大きく拡大して、あるいは、労働者派遣が解禁されて、いずれも非正規雇用の増大につながりました。基本的に、正規雇用とは、第1にパートタイムでなくフルタイム、第2に有期でなく定年までの期限の定めない雇用で、第3に派遣ではなく直接の雇用、とされていますが、この3条件のいずれかから外れる非正規雇用が平成の30年間で大きく拡大しました。実は、私も3月末で定年退職し、今は週休3日といえば聞こえはいいんですが、逆から見て週4日のパートタイム労働に従事していたりします。

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次に、順番が逆になりましたが、労働・雇用の平成30年間の大きな特徴は、失業率の高まりと低下の循環です。上のグラフは年齢階層別の失業率をプロットしています。総平均は黒い太線で示されています。平成初期はバブル経済でもあり、失業率は2%そこそこだったんですが、バブルの崩壊とともに失業率が5%超まで上昇し、その後、米国のサブプライム・バブルとともに低下した後、そのサブプライム・バブル崩壊で再び5%超まで上がった後、平成終盤の現時点では、またまた2%台半ばまで低下しています。これはデモグラフィックな労働力人口の減少に伴う現象であって、決して景気の拡大に起因するわけではありませんが、そこは「鶏と卵」であって、失業率の低下とともに経済が活況を示すという波及経路もアリだという気がします。

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次に、何といっても平成経済の最大の特徴は今まで先進国経済が経験したことのなかった持続的な物価の下落という意味でのデフレです。上のグラフは消費者物価上昇率の推移をプロットしているんですが、真ん中あたりの平成13~24年にかけてのデフレの時代では臙脂色の耐久消費財価格が下落していたのが見て取れます。ただ、これは次のグラフの賃金との相関関係を忘れるべきではありません。

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ということで、最後に、賃金の推移です。これも見れば明らかなんですが、今から10年近く前の平成23年にボトムとなっています。それから、直近の平成30年まで数年をかけて10%ほど戻しています。ただ、これは最初のグラフに戻って、非正規雇用の割合の高まりと賃金の低下が相関していることは忘れるべきではありません。当然のように、パートタイム労働者はフルタイムより賃金が低いわけです。平成の30年間はいくつかの内外のバブル崩壊はもちろんですが、非正規雇用の拡大が日本経済を大きく劣化させた点を忘れるべきではありません、というのが私の結論です。

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