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2019年5月24日 (金)

OECD「経済見通し」Economic Outlook May 2019 やいかに?

3月で公務員を定年退職して、このところ、私の不注意で国際機関のリポートを見逃すことが多くなり、4月3日に公表されたアジア開発銀行(ADB)による「アジア開発見通し」Asian Development Outlook (ADO) 2019 はつい最近まで目につかず、今さら取り上げるのも気が引けていましたが、今週火曜日5月21日に公表された経済協力開発機構(OECD)の「経済見通し」OECD Economic Outlook May 2019 については、国際機関のリポートはこのブログの注目点でもありますので、1週間以内くらいであれば遅ればせながら、取り上げておきたいと思います。ADBにせよ、OECDにせよ、米中貿易摩擦により成長率見通しが引き下げられている点については方向性は一致していると考えて差し支えありません。

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まず、リポートから成長率や失業率などの総括表 Table 1.1. Global growth remains weak を引用すると上の通りです。世界経済の成長率は、先行き2019-20年に米中間の貿易摩擦により減速すると見込まれています。しかし、特に新興国や途上国などでは、それほど大きく減速するわけではありません。もちろん、中国は別です。しかしながら、私の理解するところ、今年2019年から来年2020年にかけて、2019年のレベルから成長率が上向く国と、そうでなく、今年から来年にかけて成長率が下がり続ける国があります。欧州やインド・ブラジルといった新興国などは前者の成長率が持ち直すグループなんですが、貿易摩擦の当事者そのものである米中と我が国については成長率が来年にかけて下がり続けます。もっとも、日本については、貿易摩擦の影響というよりは、今年2019年10月からの消費税率引き上げが今年よりも来年に大きな影響を及ぼしますので、少し別要因かも知れません。また、このテーブルには出ていませんが、韓国も今年から来年にかけて成長率がさらに減速します。もちろん、米中は成長率が2020年にかけて減速を続けるのは、ひとつに、貿易要因に加えて、輸出が設備投資とリンクしていて、投資の減速も招くからです。ただ、雇用については貿易からの影響大きい製造業ではなく、非製造業で生み出されていることから、引き続き持ちこたえている、と評価しています。

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次に、やや雑に3つのグラフを連結したのが上の画像です。上から順に、いずれも、リポートから、Figure 1.7. Global growth is set to remain modest と Figure 1.8. Global trade growth is set to remain subdued と Figure 1.13. The adverse effects from higher US-China tariffs could intensify further を引用して、私の方で結合しています。上2つのパネルを見れば明らかな通り、成長率も貿易の伸びも、ともに、2017年をピークとして2018-19年にかけて緩やかに減速し、2020年には反転して持ち直す、という見通しになっています。一番下のパネルでは、NiGEM global macro-model のシミュレーションにより、米中両国と世界のGDPおよび貿易に対するマイナスの効果を算出しています。関税率の引き上げに加えて、リスク・プレミアムの拡大により影響も決して無視できない、との結果が示されています。
こういった現状判断に加えて、貿易摩擦は目先の短期的なインパクトにとどまらず、長期的な展望にもダメージを及ぼす恐れがあり、各国政府が早急に成長を再活性化する必要を強調しています。政策対応としては、もちろん、発端が貿易摩擦ですので、多国間での貿易交渉を再開する必要性を指摘するとともに、ユーロ圏のように公的債務が比較的少ない国においては、金融政策に依存するのではなく、財政刺激策による構造改革に取り組むべきと主張しています。優先課題としては、インフラ整備、デジタルや交通や環境に配慮したエネルギー対策、人的資本への投資、機会の平等をもたらす政策、などを例示しています。

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この見通しと関連して、昨日5月23日付けで、国際通貨基金(IMF)から IMF Blog にて The Impact of US-China Trade Tensions と題する記事がアップされています。そして、米国と中国が互いにすべての輸入品に制裁関税を課すという形で貿易摩擦が激化すると仮定すれば、短期的には世界経済の成長率が▲0.3%ポイント下振れすると試算しています。すなわち、原文を引用すると、"At the global level, the additional impact of the recently announced and envisaged new US-China tariffs, expected to extend to all trade between those countries, will subtract about 0.3 percent of global GDP in the short term, with half stemming from business and market confidence effects." というわけです。なお、上のグラフは IMF Blog のサイトから、国別の生産者への影響のグラフを引用しています。

最後に、目を国内経済指標に転じると、総務省統計局から4月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月から上昇幅をやや拡大して+0.9%を示しています。

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いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。さらに、酒類の扱いも私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。

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