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2019年6月12日 (水)

3か月連続の増加を示す機械受注と上昇率の縮小した企業物価(PPI)!

本日、内閣府から4月の機械受注が、また、日銀から3月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比+5.2%増の9137億円を示しており、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+0.7%と前月の+1.3%から上昇率が縮小したものの、引き続き、プラスの上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の機械受注、前月比5.2%増 市場予想0.8%減
内閣府が12日発表した4月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比5.2%増の9137億円だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.8%の減少だった。
うち製造業は16.3%増、非製造業は1.2%増だった。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は2.5%増だった。内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」へと変更した。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入されて設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
5月の企業物価指数、前年比0.7%上昇 前月比は0.1%下落
日銀が12日発表した5月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は101.8と前年同月比で0.7%上昇、前月比で0.1%下落した。市場予想の中心は前年比で0.7%上昇だった。
円ベースでの輸出物価は前年比で2.7%下落、前月比で1.4%下落した。輸入物価は前年比1.4%下落、前月比で0.3%下落した。

長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、機械受注のうち変動の激しい電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注について、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは▲1%ほどの減少だったんですが、実績値では逆に+5.2%の増加を示しています。今年2019年に入ってから、1月に▲5.4%の減少となった後、2月+1.8%増、3月+3.8%増、4月+5.2%増と、3か月連続での増加となり、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「足踏み」から「持ち直しの動き」へ上方修正しています。先月の3月統計公表時に4~6月期見通しが明らかにされており、コア機械受注は+15.7%増の2兆9,236億円とされていて、4月統計はこれに整合的な動きとも考えられるんですが、いかんせん、5月から激化し始めた米中間の貿易摩擦による関税率引き上げが、まだこれには盛り込まれていませんから、かなり割り引いて考える必要がありそうな気がします。特に、4月統計系では製造業が前月比+16.3%増、電力と船舶を除く非製造業が+1.2%増の結果でしたが、製造業の大きな伸びは大型案件に起因するようですし、4月単月の結果ながら、先行指標の外需が大きく減少しているのも気がかりです。先行きについては、製造業というよりも、むしろ、人手不足への対応による非製造業が底支えし、横ばいないし緩やかな増加を示す、との従来からの見方を変更する必要はないものと私は考えています。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価については、つい半年あまり前までの2018年7~10月の期間は4か月連続で前年同月比上昇率が+3%に達っしていたんですが、5月統計では+1%を割り込みました。国際商品市況における石油価格は、昨年2018年10~12月期にピークをつけた後、しばらく低下を続けましたが、最近になって上昇に転じ、米中間の貿易摩擦で中国経済への影響が懸念されてまた下落する、という慌ただしい動きとなっており、我が国物価へのインパクトもさまざまです。5月の国内物価指数では、どこまで米中間の貿易摩擦の影響が織り込まれているか私には不明なんですが、銅地金などの非鉄金属が4月の前年同月比▲2.8%から5月には▲6.2%まで下落幅を拡大し、石油・石炭製品も4月の+4.1%から5月には+1.1%に上昇幅を縮小させており、はん用機器、生産用機器、業務用機器なども軒並み上昇幅が縮小したり、マイナスに転じたりしています。一部に中国経済の停滞が織り込まれているのかもしれません。繰り返しになりますが、あくまで私の想像であり、官庁エコノミストを定年退職した身としては、それほどの情報を持っているわけではありません。というか、官庁エコノミストのころから、それほどの情報は持っていなかったんですが、ますます情報が入って来なくなったのも事実です。

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