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2019年7月 8日 (月)

前月から減少した機械受注と弱さが続く景気ウォッチャーと貿易収支が大きなマイナスとなった経常収支!

本日、内閣府から5月の機械受注と6月の景気ウォッチャーが、また、財務省から5月の経常収支が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比▲7.8%減の8429億円を示しており、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲0.1ポイント低下の44.0を記録した一方で、先行き判断DIは+0.2ポイント上昇の45.8となり、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆5948億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の機械受注、7.8%減 基調判断は据え置き
内閣府が8日発表した5月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比7.8%減の8429億円だった。4カ月ぶりの減少で、QUICKがまとめた民間予測の中央値(4.0%減)を下回った。2018年9月以来8カ月ぶりの下げ幅となったものの、直近3カ月でみると堅調さを維持しているとして内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
製造業の受注額は前月比7.4%減の3706億円だった。2カ月ぶりの減少で、17業種のうち7業種で減少した。4月に大型案件があった「造船業」や、好調だった「はん用・生産用機械」での反動減が目立った。
非製造業も同9.0%減の4710億円。前月比で3カ月ぶりの減少となった。「運輸業・郵便業」でのパソコンなどの受注減が響いた。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は3.7%減だった。前月比でみた受注総額は6.0%減、官公需の受注は19.5%増、外需の受注額は0.8%減だった。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
6月の街角景気、現状判断指数は3年ぶり低水準 旅行など反動減で
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は44.0と前の月から0.1ポイント低下(悪化)し、2016年6月以来3年ぶりの低水準となった。悪化は2カ月連続。旅行などのサービス分野で、好調だった5月の10連休の反動が出た。内閣府はウオッチャーの見方を「回復に弱さが見られる」で据え置いた。
家計動向、企業動向、雇用動向の中で家計動向が低下した。サービス関連が3.5ポイント低下したことが響いた。「大型連休の反動もあり、個人の客足が非常に鈍い。企業も団体旅行など足踏み状態であり、様子見」(甲信越の旅行会社)といった声があった。
企業動向関連では非製造業が1.7ポイント低下した。「日中間の輸出入の件数が10%ほど落ち込んでいる」(東海の輸送業)などと、米中貿易摩擦の影響を指摘する声が聞かれた。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は45.8と、前の月から0.2ポイント上昇した。上昇は5カ月ぶり。家計動向、雇用関連が上昇した。「百貨店や家電量販店などで10月に控えた消費増税前の駆け込み期待が見られる」(内閣府)という。
内閣府はウオッチャーの先行きの見方について「海外情勢等に対する懸念がみられる」とまとめた。
調査期間は毎月25日から月末で、29日実施の米中首脳会談の調査結果への反映はまちまちだという。
5月の経常黒字額は15.8%減 中韓向け輸出減で貿易収支の赤字拡大
財務省が8日発表した5月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆5948億円の黒字だった。黒字は59カ月連続となったものの、黒字幅は前年同月比で15.8%縮小した。中国や韓国向けの輸出が振るわず、貿易収支の赤字幅が拡大したことが影響した。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6509億円の赤字(前年同月は3158億円の赤字)だった。中国や韓国向けに半導体等製造装置の輸出が減少したほか、中国向けに自動車部品の輸出も減少した。輸出額は前年同月比6.3%減の5兆9180億円だった。輸入額は同0.9%減の6兆5690億円だった。液化天然ガスや有機化合物の輸入が減った。
海外企業から受け取る配当金や投資収益を示す第1次所得収支は2兆2574億円の黒字だった。一部の特殊要因により海外子会社からの配当金が減少し、前年同月の2兆3994億円の黒字から黒字幅は縮小した。
第2次所得収支は1488億円の赤字(前年同月は1989億円の赤字)だった。輸送や旅行といった取引の収支を示すサービス収支は1372億円の黒字(前年同月は103億円の黒字)と、黒字幅が拡大した。

とてつもなく長くなりました。この記事さえしっかり読めばそれでOKそうに思えます。いずれにせよ、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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ということで、5月の機械受注は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済み系列の前月比で▲4.5%減、レンジの下限でも#x25B2;7.4%減でしたので、やや大きな減少と私は考えたんですが、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動き」で据え置いています。というのは、5月の10連休が何らかの影響を及ぼしている可能性がエコノミストの間で取り沙汰されており、その根拠は、今年2019年に入ってから伸びを続けてきた運輸業・郵便業が大きく伸びを鈍化させているからです。いずれにせよ、季節調整済みの系列の前月比で見て、製造業が▲7.4%減、電力と船舶を除く非製造業が▲9.0%減ですから、かなり多くの業種で減少していることが理解できます。コア機械受注は今年2019年に入ってから、1月こそ▲5.4%減を記録したものの、2月は+1.8%増、3月+3.8%増、4月も+5.2%増と3か月連続の前月比プラスとなっていたわけで、4~5月をならしてみればほぼ横ばいですから、大きく減少に転じたとの印象は私にはありません。

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続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。景気ウォッチャーを構成する3つのコンポーネントを現状判断DIについて詳しく見ると、家計動向関連が前月から#x25B2;0.5ポイント低下した一方で、企業動向関連は前月から横ばい、雇用関連が+3.2ポイントの上昇となっています。ただ、雇用関連は5月の大型連休が何か影響しているようで、6月統計で大きく上昇したというよりは、5月統計が大きく下がっていた、というのが正しい見方のような気がします。いずれにせよ、上のグラフを見れば明らかで、消費者マインドはかなり長期にわたって低下を続けています。先週7月1日に公表された消費者態度指数は、大雑把に、2017年11月の44.6をピークに1年半余りに渡って下がり続けていますし、景気ウォッチャーも現状判断DI、先行き判断DIともに、細かい動きを別にすれば、2017年10~12月期をピークにトレンドとして低下を続けているように見えます。先週公表された日銀短観を見る限り、企業マインドはまずまず底堅く堅調な印象だった一方で、消費者マインドはまだ低下を継続中のようです。さすがに、景気ウォッチャーを見る限り、ゴールデンウィークの反動減が色濃く出ただけで、そろそろ下げ止まりから反転するんではないか、という期待があるものの、マインド指標は明らかに実体経済の先行指標ですので、10月に消費税率の引き上げを控えて、とても気にかかる指標のひとつです。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。いずれにせよ、仕上がりの経常収支の+1兆円超の黒字はトレンドとして大きな変更はなく、海外からの第1次所得収支の黒字が大きな部分を占めているんですが、5月の経常収支については貿易収支が季節調整済みの系列で▲5000億円近い大きな赤字を計上しています。上のグラフで最新の利用可能な5月統計で、積み上げ棒グラフのうちで黒の貿易収支が大きな赤字となっているのが見て取れると思います。引用した記事にもある通り、中国と韓国向けの輸出が減少したことが大きな要因であり、中国と韓国向けに半導体等製造装置の輸出が減少したほか、中国向けの自動車部品の輸出も減少しています。中国については米中貿易摩擦による経済の減速が要因となっていると私は考えています。韓国についても、我が国からの輸出規制はまだ5月統計には現れていませんが、これから、何らかの影響をもたらすことはいうまでもありません。

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