明後日金曜日公表の4-6月期GDP統計1次QEの予想はプラス成長か、マイナス成長か?
今週火曜日に公表された鉱工業生産指数(IIP)など、ほぼ必要な統計が出そろい、明後日8月9日に4~6月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定です。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。いつもの通り、足元から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。その中で、みずほ総研だけは長めに、第一生命経済研の4-6月期マイナス成長の可能性を示唆している部分もやや長めに、ほかのシンクタンクもそれなりに、それぞれ引用してあります。いずれにせよ、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
日本総研 | +0.3% (+1.2%) | 2019年7~9月期を展望すると、外需については、6月末のG20大阪サミットにおいて米中首脳が米中貿易戦争の一時休戦で合意したことを受けて、輸出の下振れリスクが目先後退した一方、内需は10月の消費増税を控え耐久財を中心に駆け込み需要が強まることから、成長率は上振れる見込み。 |
大和総研 | ▲0.1% (▲0.3%) | 2019年4-6月期のGDP一次速報(8/9公表予定)は、実質GDPが前期比年率▲0.3%(前期比▲0.1%)と、3四半期ぶりのマイナス成長を予想する。内需が堅調に推移した一方で、外需が大きく落ち込んだことで、全体では小幅な減少となったとみられる。 |
みずほ総研 | ▲0.1% (▲0.3%) | 7~9月期以降の日本経済は、弱い伸びが続く見通しだ。 輸出は底入れに向かうものの、世界経済の減速基調が続くほか、米中製造業が調整局面となるなかで、当面は伸び悩む見通しだ。設備投資は、機械設備や建設投資におけるストック調整圧力の高まりを受けて、減速基調が続くとみている。 個人消費は増税前後の一時的なアップダウンはあるものの、均してみれば力強さを欠く見通しだ。働き方改革による残業規制の影響や、国内生産の弱い伸びを受け、所得の伸びが鈍化することが影響するとみている。耐久消費財が調整局面入りすることも消費の下押し圧力になるだろう。 |
ニッセイ基礎研 | ▲0.1% (▲0.2%) | 2019年7-9月期は前回の消費増税時に比べると規模は小さいものの、税率引き上げ前の駆け込み需要が発生することから明確なプラス成長となることが予想される。 |
第一生命経済研 | +0.2% (+0.7%) | 4-6月期の消費については 10連休による一時的な押し上げ効果が大きいとみられ、持続性に欠ける。7-9月期には10連休効果の剥落により下押し圧力がかかりやすい。所得が伸び悩むなか、消費者マインドの悪化がこのところ顕著になっていることも懸念材料だ。今回のプラス成長については割り引いて見た方が良いだろう。輸出にまだ持ち直しの動きが見られないなか、景気は依然として底這い状態を続けていると判断される。 |
伊藤忠経済研 | +0.2% (+0.9%) | 4~6月期の実質GDP成長率は前期比+0.2%(年率+0.9%)、3四半期連続となるプラス成長を予想。輸出は伸び悩み、設備投資は減少に転じるも、個人消費が前期の反動もあり比較的高い伸びを記録、公共投資は増勢を強め、プラス成長に貢献。ただ、潜在成長率を下回り、物価上昇圧力は弱まる兆し。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +0.1% (+0.4%) | 2019年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比+0.1%(年率換算+0.4%)と小幅ながらも3四半期連続でプラス成長が続いたと予想される。プラス幅は小さいが、これは外需寄与度のマイナス幅が大きいためであり、内需は個人消費を中心に底堅く推移している。 |
三菱総研 | +0.3% (+1.4%) | 2019年4-6月期の実質GDPは、季節調整済前期比+0.3%(年率+1.4%)と、3四半期連続でのプラス成長を予測する。外需はマイナス寄与に転じたものの、大型連休による押し上げ効果もあり、内需が堅調に拡大したとみられる。 |
おしなべて、4~6月期はほぼほぼゼロ成長という予想が並んでいるんですが、逆に、ほぼほぼゼロ成長なだけに、プラスかマイナスかが気にかかるところです。その結論の前に、どうしてほぼほぼゼロ成長かというと、10連休効果でプラスの消費に対して、世界経済の停滞で輸出が大きなマイナスになるのとの綱引きが主役で、どちらが絶対値として大きいか、加えて、設備投資が私は輸出に起因するストック調整でマイナスと考えているんですが、プラスと見ているシンクタンクもあります。さらに、消費が好調だった分、在庫調整が進んで、在庫もマイナスになることから、私は仕上がりの成長率としてはマイナスと考えています。ただ、その違いは大きくなく、在庫がマイナスで調整が進んでいるというのは評価すべきポイントのような気もしましす、プラスにせよ、マイナスにせよ、ほぼほぼゼロ成長という見方にはそれほど有意な差はないと考えるべきです。
下のグラフは、いつもお世話になっているニッセイ基礎研のリポートから引用しています。7~9月期の先行きに関する言及はありませんでしたが、4~6月期はマイナス成長との私の仕上がりの予想と一致しています。
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