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2019年11月21日 (木)

7-9月期GDP統計1次QE後の短期経済見通しやいかに?

先週11月17日に内閣府から公表された本年7~9月期GDP統計速報1次QEを受けて、シンクタンクや金融機関などから2020年度末くらいまでの短期経済見通しがいっせいに明らかにされています。四半期ベースの詳細計数まで利用可能な見通しについて、2020年上半期の東京オリンピック前くらいまで取りまとめると以下の通りです。なお、下のテーブルの経済見通しについて詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。計数の転記については慎重を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、各機関のリポートでご確認ください。なお、"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名2019/7-92019/10-122020/1-32020/4-6FY2019
actualforecast
日本経済研究センター+0.1
(+0.2)
▲0.9
(▲3.6)
+0.2
(+0.7)
+0.4
(+1.7)
+0.5
日本総研(▲1.9)(+1.3)(+1.6)+0.8
大和総研(▲1.8)(+0.8)(+1.1)+0.8
みずほ総研▲0.7
(▲2.9)
+0.3
(+1.2)
+0.4
(+1.5)
+0.6
ニッセイ基礎研▲0.7
(▲2.6)
+0.1
(+0.4)
+0.5
(+1.9)
+0.6
第一生命経済研▲0.7
(▲2.8)
+0.2
(+0.8)
+0.1
(+0.3)
+0.7
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.3
(▲1.4)
+0.1
(+0.2)
+0.2
(+0.8)
+0.9
三菱総研▲0.5
(▲1.9)
+0.0
(+0.2)
+0.3
(+1.1)
+0.7
SMBC日興証券▲0.5
(▲1.9)
+0.5
(+1.9)
+0.4
(+1.6)
+0.8
明治安田生命▲0.5
(▲2.0)
+0.2
(+0.7)
+0.1
(+0.6)
+0.8
東レ経営研▲0.7+0.2+0.2+0.7
農林中金総研▲0.6
(▲2.2)
▲0.0
(▲0.1)
+0.2
(+0.9)
+0.6

一番右の列の2019年度成長率は前年度比そのままですが、四半期成長率については上段のカッコなしの数字が季節調整済み系列の前期比で、下段のカッコ付きの数字が前期比年率となっています。2019年7~9月期までは実績値、10~12月期からは見通しであり、すべてパーセント表記を省略しています。なお、日本総研と大和総研のリポートでは前期比年率の成長率しか利用可能ではなく、逆に、東レ経営研では前期比年率の計数が明示されていませんでした。ということで、見れば明らかなんですが、10月の消費税率の引上げの後の動向については、10~12月期はすべての機関でマイナス成長を見込んでいます。当然です。
もうひとつの観点は、消費税率引き上げのショックがどの程度長引くかで、多くの機関はマイナス成長は1四半期だけで、来年2020年1~3月期にはプラス成長に回帰すると見込んでいます。逆にいえば、消費税率引き上げ直前の駆け込み需要がそれほど大きくない、ということの裏返しなのであろうと私は受け止めています。この点の少数意見は農林中金総研であり、2020年1~3月期までマイナス成長が2四半期連続で継続すると見込んでいます。ただ、上のテーブルを見ても明らかな通り、農林中金総研のリポートでも2020年4~6月期にはプラス成長に回帰すると予測しています。もしも、農林中金総研の見通しが正しければ、世間では2四半期連続のマイナス成長でテクニカルな景気後退局面入りのシグナルと受け取る可能性がないでもありませんが、まあ、2020年に入れば、東京オリンピック・パラリンピックの経済効果などもあって、それほど長くマイナス成長は続かないんでしょうね。
最後に、私が知る限り、富国生命が年度半期の上半期と下半期のベースの見通しを、また、信金中金地域・中小企業研が年度の見通しを、それぞれプレスリリースしています。いずれも四半期ベースの件数が利用可能ではなかったので上のテーブルには含めていません。まあ、ほかにも経済見通しを出しているところはいっぱいあるのかも知れませんが、取りあえず、この両機関のリポートについては、下にリンクだけ置いておきます。

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