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2019年12月18日 (水)

輸出入ともに減少が続く11月の貿易統計をどう見るか?

本日、財務省から11月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比▲7.9%減の6兆3822億円、輸入額も▲15.7%減の6兆4642億円、差引き貿易収支は▲821億円の赤字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11月の輸出額7.9%減、12カ月連続の減少
貿易収支821億円の赤字

財務省が18日発表した11月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比7.9%減の6兆3822億円となった。米国やアジアを中心に世界的な需要の落ち込みが目立った。輸出額の前年割れは12カ月連続。これは2015年10月から14カ月連続で減少して以来の長さとなる。
米国への輸出は12.9%減の1兆2116億円と、4カ月連続の減少となった。減少幅は16年8月(14.5%)以来の大きさだった。自動車や建設用・鉱山用機械の輸出が低迷した。
アジア全体への輸出は5.7%減の3兆6015億円だった。このうち、中国向けは5.4%減の1兆3101億円。中国向けは化学品原料や自動車の部分品などの輸出が減少した。
韓国向けは17%減の3896億円だった。食料品が48.7%減と、下落幅が大きかった。日韓関係の悪化を受け、日本製品の不買運動の影響が現れた可能性がある。欧州連合(EU)向けは7.5%減の6892億円だった。
11月の輸入は15.7%減の6兆4642億円となった。7カ月連続で減少している。原油価格の下落などを背景にサウジアラビアからの原粗油の輸入が減少。中国からの携帯電話などの輸入も減った。
輸出額から輸入額を差し引いた11月の貿易収支は、821億円の赤字(前年同月は7391億円の赤字)だった。2カ月ぶりの赤字となった。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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ということで、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは貿易収支の赤字を▲3794億円と見込んでいたんですが、まあ、市場の事前コンセンサスほどの大きな貿易赤字ではなかったとはいえ、メチャメチャにレンジが広いので何ともいえません。何となく、輸出入額とも減少して縮小均衡っぽいとはいえ、季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額の減少が10月の前年比▲9.2%減から11月は▲7.9%減へと縮小した一方で、輸入額は10月の▲14.8%減から11月には▲15.7%減とさらに減少幅が拡大したことから、貿易収支の赤字幅は小さくなっています。輸入額の減少は、海外要因で原油価格の下落を受けた部分と、国内要因で消費税率引上げ後の国内需要の落ち込みの両方を反映しているものと考えるべきです。単純な比較はできませんが、10月と11月の輸入額の落ち込みについて、消費税率引上げについてはイーブンに見えるんですが、台風19号で新幹線が止まった10月よりも11月の方が下げ幅が大きいということは、内需の弱さが際立っている気もします。貿易収支の赤字幅の縮小も内需の弱さに起因していると考えるべきで、決していいことではないような気もします。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。ということで、輸出数量については前年同月比でまだマイナスとはいえ、先進国も中国も需要は回復に向かいつつあることから、我が国の輸出数量にもようやく底入れの兆しが見て取れます。

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