« 世界経済フォーラムによる男女のジェンダー・ギャップ指数で日本は121位と先進国の中で最悪を記録! | トップページ | 今週の読書ややや失敗感ある経済書など計7冊!!! »

2019年12月20日 (金)

力強い上昇ではないながら前年比プラスが続く消費者物価指数(CPI)!

本日、総務省統計局から11月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月から少し拡大して+0.5%を示しています。消費税率引上げの影響を含んでいます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価、11月0.5%上昇 増税分除くと弱い水準
総務省が20日発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、生鮮食品を除く総合指数が102.2と前年同月比0.5%上昇した。プラスは35カ月連続となるが、消費税率引き上げによる押し上げ効果を除くと、弱い数字だった。
前年同月と比べると、外食や宿泊料などが上昇した。加えて大手が値上げした火災・地震保険料の上昇も物価上昇に寄与した。一方、電気代や都市ガス代、ガソリンなどのエネルギー構成品目が弱く、物価の下げ圧力となった。携帯電話の通信料も大手各社の値下げの影響が引き続き表れた。
物価上昇率は0.4%上昇だった前月に比べると、伸び率は拡大した。これは消費税率引き上げの経過措置として10月は旧税率(8%)が適用されていた電気代や都市ガス代などの一部の商品・サービスが、11月は新税率(10%)の適用となったことが大きい。
総務省の機械的な試算によると、消費税率引き上げと幼児教育・保育無償化の影響を除いた場合、生鮮食品を除く総合の物価上昇率は0.2%程度。これは同じく0.2%上昇だった17年3月以来の低水準となる。
生鮮食品を除く総合では396品目が上昇した。下落は107品目、横ばいは20品目だった。総務省は「伸び幅は鈍化しているものの、依然としてプラスの状況が続いている」と指摘し、「物価は緩やかな上昇が続いている」との見方を据え置いた。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は102.1と前年同月比0.8%上昇した。これは16年4月以来、3年7カ月ぶりの高い水準。「食料、設備修繕・維持など身近なところの幅広い値上げが浸透している」(総務省)とした。生鮮食品を含む総合は102.3と0.5%上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。さらに、なぜか、最近時点でコアコアCPIは従来の「食料とエネルギーを除く総合」から「生鮮食品とエネルギーを除く総合」に変更されています。ですから、従来のコアコアCPIには生鮮食品以外の食料が含まれていない欧米流のコアコアCPIだったんですが、現時点では生鮮食品は含まれていないものの、生鮮食品以外の食料は含まれている日本独自のコアコアCPIだということが出来ます。

photo

ということで、先月の10月統計から消費税率の引上げと幼児教育・保育無償化の影響が現れており、これを含んだ結果となっていて、引用した記事にもあるように、その影響の試算結果が「消費税率引上げ及び幼児教育・保育無償化の影響 (参考値)」として総務省統計局から明らかにされています。少し話がややこしいんですが、この参考値によれば、10月統計について、生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIのヘッドライン上昇率+0.4%に対する寄与度が+0.37%となっていて、その+0.37%に対する消費税率引上げ及び幼児教育・保育無償化の影響が合わせて+0.20%、分けると消費税率引上げが+0.77%、幼児教育・保育無償化が▲0.57%と、それぞれ試算結果が示されています。11月統計ではコアCPI上昇率が+0.5%と少し上昇幅を拡大しているものの、引用した記事にあるような経過措置を別にすれば11月統計と10月統計について消費税率引上げと洋右児教育・保育無償化の影響は同じと考えるべきですので、このコアCPI上昇率+0.5%の半分近くの+0.20%が制度要因といえます。実際に、統計局がExceelファイルで提供している消費税調整済指数では、10月も11月も消費税の影響を除くコアCPIの前年同月比上昇率はともに+0.2%と試算されています。先月統計公表時にこのブログでも言及し、また、上に引用した記事にもあるように、電気・ガス料金などの月をまたぐ物価の経過措置が終了したことによる値上げも含まれていますから、結局、実力としての物価上昇は先月10月統計と同じ、ということなのだと私は理解しています。また、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+0.5~+0.6%のレンジで中心値が+0.5%でしたので、ジャストミートしたといえます。

|

« 世界経済フォーラムによる男女のジェンダー・ギャップ指数で日本は121位と先進国の中で最悪を記録! | トップページ | 今週の読書ややや失敗感ある経済書など計7冊!!! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 世界経済フォーラムによる男女のジェンダー・ギャップ指数で日本は121位と先進国の中で最悪を記録! | トップページ | 今週の読書ややや失敗感ある経済書など計7冊!!! »