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2020年1月 6日 (月)

企業規模と賃金、労働生産性の関係やいかに?

昨年末に明らかにされ、年末年始休みにパラパラと読んだ学術論文からいくつかピックアップしたいと思います。まず、財務省財務政策総研のディスカッション・ペーパー「企業規模と賃金、労働生産性の関係に関する分析」です。論文アップロード先は以下の通りです。

大学生諸君の終活などでは、その昔は「寄らば大樹の陰」などといわれて、規模の大きな企業への就職がひとつの目標だった時期もありますが、単に、倒産しない、つぶれない、というだけでなく、日本のみならず、米国などにおいても規模の大きな企業ほどお給料や厚生などの待遇がいいことは広く知られている通りです。本論文では財務省の法人企業統計の個票を用いて、従業員数で代理された企業規模と賃金や生産性などとの関係につき、製造業とサービス業の産業別で回帰分析しています。ただ、極端な外れ値を処理するため、分布の両端0.05%を棄却しています。従業員規模は、①1~4人、②5~9人、③10~19人、④20~49人、⑤50~99人、⑥100~249人、⑦250~499人、⑧500人以上、の8階級に分割し、生産性は付加価値額を従業員数で除しています。回帰分析は、「企業規模-賃金」、「企業規模-労働生産性」及び「労働生産性-賃金」の間で左側の変数を従属変数、右側を独立変数としているんですが、少なくとも3番目の回帰分析はそれほど大きな意味あるとは私には思えません。従って、最初の2つのモデルのうち、企業規模と賃金のあ医大で典型的に中央値比較をしたグラフ、図3 企業規模と賃金 をペーパー p.9 から引用すると以下の通りです。

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ペーパー p.10 には、図5 企業規模と労働生産性 として同じような企業規模と労働生産性のグラフがあります。製造業では企業規模とともに賃金や労働生産性が単調増加するのに対して、サービス業の賃金や生産性が従業員数250人を超える規模のあたりで横ばいないし低下に転ずるのは、ペーパーでも指摘しているように、生産性の低い小売業のシェアが高まるのもさることながら、同時に、非正規雇用の比率に大きく影響されているのではないか、と私は考えています。その点の分析をしていないんですから、やや物足りない仕上がりと感じてしまいます。賃金や労働生産性を高めるためには正規雇用の増加が重要です。

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