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2020年1月14日 (火)

2か月連続で改善した景気ウォッチャーと安定した黒字が続く経常収支!

本日、内閣府から昨年2019年12月の景気ウォッチャーが、また、財務省から昨年2019年11月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+0.4ポイント上昇の39.8を、先行き判断DIは▲0.3ポイント低下の45.4を、それぞれ記録し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆4368億円の黒字を計上しています。まず、とても長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

12月の街角景気、現状指数は2カ月連続改善
内閣府が14日発表した2019年12月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、3カ月前と比べた足元の街角の景気実感を示す現状判断指数(DI、季節調整済み)は39.8と前月から0.4ポイント上昇した。消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動が和らいできたことや米中貿易摩擦への懸念が薄れたことなどが寄与し、2カ月連続で改善した。
分野別にみると、企業動向を示す指数が3カ月ぶりに改善した。米中貿易摩擦や世界経済の減速などに関するコメントが前月より減少した。「半導体関連の設備に景気上向き傾向が一部にみられ、受注量も増えている」(九州の一般機械器具製造業)といった声があった。
一方、家計動向を示す指数は2カ月ぶりに低下した。消費増税の影響が和らぎつつあるとの声があった一方、暖冬の影響で冬物衣料や暖房器具などの販売が伸び悩んだとの声があった。降雪量が少なくスキー場が開けないといったコメントや忘年会やクリスマスなど年末イベントの簡素化の影響が出ているとの指摘もあった。
2~3カ月後の景気の良しあしを判断する先行き判断指数は45.4と前月から0.3ポイント低下し、3カ月ぶりに悪化した。年末年始商戦への期待感が一巡したことなどで家計動向を示す指数が低下したことが響いた。
内閣府はウオッチャーの見方について「このところ回復に弱い動きがみられる」に据え置いた。「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が一部にみられる」といったただし書きも変えず、先行きについても「海外情勢などに対する懸念もある一方、持ち直しへの期待がみられる」と前月と同じ表現を維持した。
経常黒字75%増の1.4兆円 19年11月、貿易赤字が縮小
財務省が14日発表した2019年11月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆4368億円の黒字だった。黒字は65カ月連続。黒字幅は18年11月に比べ75%拡大した。貿易収支の赤字幅縮小や、第1次所得収支の黒字幅拡大が寄与した。
19年11月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は25億円の赤字(18年11月は5396億円の赤字)だった。輸出額は10.2%減、輸入額は16.6%減だった。原油価格の下落などを背景に中東からの原粗油などの輸入が減った。輸入額の大幅減少を受け、差し引きの貿易赤字幅が縮小した。
海外企業から受け取る配当金や投資収益を示す第1次所得収支は1兆4575億円の黒字だった。黒字幅は0.1%の拡大。海外の親会社に支払う配当金が減ったため。
サービス収支は18年11月に比べ約4倍となる1630億円の黒字だった。研究開発費やコンサル費用などの赤字幅が縮小したことが大きい。

かなり長くなりました。これらの記事さえしっかり読めば、それはそれでOKそうに思えます。いずれにせよ、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。

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ということで、景気ウォッチャーは現状判断DIも、先行き判断DIも、いずれも小幅な動きで、ほぼ横ばい圏内の気がします。引用した記事には、家計部門と企業部門を対比させる内容となっていますが、私はやや異なる印象を持っています。というのも、12月統計の本日公表の景気ウォッチャーとは時点が違うんですが、先週公表され11月統計だった景気動向指数から、「企業も家計もともに停滞している中で、相対的に企業部門の方が大きな落ち込みを示している」との見方を示しました。景気ウォッチャーでも11月統計の現状判断DIを見ると、家計動向関連が前月差プラスで、企業動向関連はマイナスとなっていて、本日公表の12月統計ではこれが逆転して、家計動向関連がマイナス、企業動向関連がプラス、となっているわけです。このあたりはもう少し均して見る必要があるのかもしれませんが、私自身の先週の見方を否定するようで心苦しいものの、企業動向が依存する世界経済は米中間の貿易摩擦もさることながら、マクロの世界経済は明らかに改善に向かっている一方で、家計動向は少なくとも年内くらいまで10月の消費税率引上げのダメージが続く、と私は考えています。他方で、企業部門は景気動向にかなり敏感に反応してボラティリティ高い一方で、家計の消費はやや粘着性が強いとも考えられます。このパラの冒頭部分に戻りますが、基調判断が先月から変更ないのも、横ばい圏内の動きで方向感に乏しいためであろうと私は考えています。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。いずれにせよ、仕上がりの11月統計でも黒字を記録しており、季節調整していない原系列の統計では2014年7月に黒字に転換して以来、また、季節調整済みの系列ではさらに早くて2014年4月の黒字転換以来、5年を超えて経常収支は黒字を継続しています。重要なコンポーネントのひとつである貿易収支は国際商品市況の石油価格の変動に応じて赤字になったり黒字になったりしている一方で、安定的な海外からの第1次所得収支の黒字が大きな部分を占めている点については変わりありません。本日公表の11月経常収支についても同様といえます。加えて、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、+1兆4263億円の黒字の予想でしたので、サプライズもありませんでした。ただ、貿易収支については、この先、世界経済のいっそうの停滞が予想されるとともに、韓国向け輸出の動向も日韓関係の行方に左右される部分もあって不透明と考えるべきです。

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