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2020年4月24日 (金)

消費者物価指数(CPI)と企業向けサービス価格指数(SPPI)はともに3月統計で上昇幅を縮小!!!

本日、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI) が、また、日銀からも企業向けサービス価格指数 (SPPI)が、それぞれ公表されています。いずれも3月の統計です。これまた、いずれも季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月から少し縮小して+0.4%を示し、また、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率も+0.6%でした。ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率についても+1.6%と、先月統計の+2.1%から大きく縮小しています。国際運輸を除く総合で定義されるコアSPPIの前年同月比上昇率も同じく前月の+2.1%から+1.6%に縮小しました。いずれも、消費税率引上げの影響を含んでいます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の全国消費者物価0.4%上昇 上昇率は縮小
総務省が24日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は生鮮食品を除く総合指数が101.9と前年同月比0.4%上昇した。QUICKがまとめた市場予想の中央値も0.4%上昇だった。39カ月連続の上昇だが、新型コロナウイルス感染症の影響で上昇率は2月(0.6%)より小さかった。
アイスクリームやポテトチップスといった菓子類など食料関連の価格上昇が全体を押し上げた。大手保険会社による火災・地震保険料や自動車保険料の引き上げも寄与した。インターネット接続料も2019年10月の消費税率引き上げ以降、上昇が続いている。
一方、新型コロナの流行は物価を押し下げている。訪日外国人数の減少により宿泊料が減少したほか、国産牛肉の需要も落ち込んだ。原油価格の下落が電気代や都市ガス代を押し下げた。今後の原油市場について総務省の担当者は「ガソリンなどの需要低迷が続いている」として先行きを注視すると述べた。
生鮮食品を除く総合では385品目が上昇した。下落は116品目、横ばいは22品目だった。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は101.9と前年同月比0.6%上昇した。生鮮食品を含む総合は101.9と0.4%上昇した。
同時に発表した19年度のCPIは、生鮮食品を除く総合が101.8となり、18年度に比べ0.6%上昇した。3年連続の上昇で外食や家庭用耐久財の上昇が寄与した。
同統計はこれまで、調査員が店舗に出向いて調査をしていた。ただ新型コロナウイルス感染症の影響で接触機会を減らす必要があるとして「電話調査など簡素な方法での調査も導入し始めている」(総務省)という。
3月の企業向けサービス価格、増税除き0.2%下落 6年10カ月ぶりマイナス
日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は104.8と、前年同月比で1.6%上昇した。伸び率は2月(2.1%)から縮小した。消費税率引き上げの影響を除くと0.2%の下落と、2013年5月以来6年10カ月ぶりに前年同月を下回った。
新型コロナウイルスの感染拡大による訪日客需要の落ち込みなどで、宿泊サービス価格の下落が続いた。テレビ広告の下げも響いた。
2019年度の企業向けサービス価格指数は103.8と、前年比1.4%上昇だった。増税の影響を除くと、前年に比べ0.5%の上昇にとどまった。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。

やや長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

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まず、コアCPIの前年同月比上昇率は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+0.4%でしたので、ジャストミートしたといえます。ヘッドラインCPIの上昇率が+0.6%であったのに対して、生鮮食品を除くコアCPI上昇率が+0.4%、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI上昇率が+0.6%ですから、広く報じられているように、石油価格の下落の寄与が大きいと考えるべきです。石油価格の下落は、一般に、我が国のような非産油国かつ大量消費国においては交易条件の改善から所得移転がプラスとなりますが、今回の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う大幅な石油価格低下には別の面がいくつかあり、特に注意すべきは物価面を通じたデフレ効果と資産価格の低下を通じた金融不安低化です。後者の方は、石油先物が資産であるという点が重要で、その資産価格が低下するわけですので、石油先物などを資産として保有している金融機関が欠損を出して自己資本不足に陥ったりする可能性があります。ただ、本日公表の物価統計との関連では、石油価格の大幅下落によるデフレ効果の方に注目すると、日経新聞の「先進国にデフレの影 消費者物価上昇、5年ぶり低水準」と題する記事では、「総じてみれば『蒸発』ともいえる需要の急速な縮小が物価を押し下げている」と報じています。もっとも、今回のCOVID-19ショックでは、目先の短期には需要サイドから価格が下落する可能性が高い一方で、中長期的には生産活動が大きく低下すると仮定すれば、供給サイドから物価押上げ圧力が強まる可能性も否定できません。

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次に、企業向けサービス物価指数(SPPI)上昇率のグラフは上の通りです。ヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。影を付けた部分は景気後退期なんですが、直近の2018年10月を景気の山として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に景気後退局面入りを認定しています、というか、もしそうであれば、という仮定で影をつけています。ということで、引用した記事にもある通り、消費税を除く企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率は、今年2020年に入ってから1月+0.6%と決して小さくはなかったんですが、2月+0.3%、3月▲0.2%と大きく落ち込みました。サービス物価はSPPIはもちろん、CPIのコンポーネントでも、人手不足に起因して堅調と考えられていましたが、雇用がかなり怪しくなり始めた印象もありますし、宿泊サービスのように需要が「蒸発」すれば、需給ギャップに従って価格は弱含むのが当然です。3月統計のSPPIのコンポーネントについて前年比寄与度前月差で見て、宿泊サービスをはじめとする諸サービス、あるいは、広告といった景気に敏感な大分類が、石油価格の下落の影響を受けた運輸・郵便などとともに、大きなマイナス寄与を示しています。

繰り返しになりますが、取りあえずの目先の短期では、火曜日4月21日付けで食料危機が日本で起こる可能性は決して高くないと、このブログでも書きましたし、私はCOVID-19ショックは短期的にデフレ要因だと考えている一方で、ワクチン開発などが進まず、生産や流通が停滞したままの現在の状況が長引けば、供給サイドから経済的な欠乏や価格の上昇が生じる可能性は否定できません。否定できないながら、私は慎重な楽観主義 cautious optimism に立っていたりします。

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