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2020年4月30日 (木)

いずれも大きく低下した鉱工業生産指数(IIP)と商業販売統計と消費者態度指数!

本日は月末ということで、重要な政府統計がいくつか公表されています。すなわち、経済産業省から3月の鉱工業生産指数(IIP)商業販売統計が、また、内閣府から4月の消費者態度指数が、それぞれ公表されています。鉱工業生産指数(IIP)は季節調整済みの系列で見て、前月から▲3.7%の減産を示し、商業販売統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比▲4.6%減の12兆8440億円、季節調整済み指数でも前月から▲4.5%減を記録しています。消費者態度指数は▲9.3ポイント低下して21.6となり、4か月連続で前月を下回って過去最低を記録しています。まず、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

3月鉱工業生産3.7%低下の95.8、7年2カ月ぶり低水準
経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数速報(2015年=100、季節調整済み)は前月比3.7%低下し95.8だった。2013年1月(94.8)以来7年2カ月ぶりの低い水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大による工場の停止が影響し、2カ月連続で減産となった。経産省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」から「低下している」に下方修正した。
下げ幅はマイナス4%を記録した19年10月以来の大きさとなった。新型コロナの影響が幅広い業種に表れ、15業種中13業種が低下した。
自動車が前月比5.1%減、半導体製造装置や産業用ロボットなど生産用機械工業が10.2%減だった。世界的な需要の縮小で輸出が減った。2月に引き続き中国などから部品の調達が滞り、生産が鈍った面もある。
一方、紙おむつなどのパルプ・紙・紙加工品工業は前月比1.0%増だった。2月に生産が落ち込んだ航空機部品などの輸送機械工業も11.1%増加した。
メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査によると、4月は前月比1.4%の上昇、5月は1.4%の低下を見込む。経産省の担当者は「4月上旬の調査のため最新の情勢変化が反映されていない。4月も低下の可能性が高く、今後も低水準が続くと考えられる」と分析する。
出荷指数はマイナス5.0%と4カ月ぶりに低下した。在庫は1.9%上昇した。
3月の小売販売額、4.6%減 基調判断「低下している」に下げ
経済産業省が30日発表した3月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比4.6%減の12兆8440億円となった。減少率は、消費税率引き上げ後に駆け込み需要の反動減が出た2019年10月以来5カ月ぶりの大きさとなる。新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛や店舗の営業時間の短縮・臨時休業などで、百貨店を中心に販売額が落ち込んだ。
経産省は小売業の基調判断を前回の「増加している」から「低下している」に引き下げた。
3月分の小売販売額を業種別にみると、9業種のうち8業種が前年同月比でマイナスだった。「織物・衣服・身の回り品」(22.3%減)や百貨店などの「各種商品」(21.0%減)で落ち込みが目立った。一方、マスクなどの衛生用品を含む「医薬品・化粧品」は1.5%増だった。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計が前年同月比8.8%減の1兆6204億円だった。既存店ベースでは10.1%減だった。コンビニエンスストアの販売額は5.4%減の9577億円だった。ファストフードや日配食品を中心に減った。
4月の消費者態度指数、大幅に低下 判断「急速に悪化」に引き下げ
内閣府が30日発表した4月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯(2人以上の世帯)の消費者態度指数(季節調整値)は前月9.3ポイント低下の21.6となった。現在の調査方法となった2013年4月以降では最低で、調査手法が異なるため単純比較はできないが、毎月調査となった04年4月以降でも最低の水準となった。
新型コロナウイルスの感染拡大が消費者心理を急激に冷え込ませており、下げ幅も過去最大となった。内閣府はここ数カ月の指数の動きを踏まえて、消費者心理の判断を「急速に悪化している」に下方修正した。下方修正は3カ月連続で、内閣府によると、今まででもっとも低い判断だった3月の「悪化している」から、さらに下回る表現に引き下げた。
指数を構成する4指標はすべて前月から低下し、過去最低を更新した。いずれの指標も過去最大の下げ幅を記録した。「雇用環境」が前月比12.9ポイント低下の15.0と大きく落ち込んだほか、「暮らし向き」は同8.1ポイント低下の21.9、「収入の増え方」は同8.5ポイント低下の26.3、「耐久消費財の買い時判断」は同7.7ポイント低下の23.3だった。
2人以上の世帯で、日ごろよく購入する物の1年後の物価見通しでは「上昇する」と答えた割合が70.7%(原数値)と前の月を0.4ポイント上回った。「低下する」「変わらない」と答えた割合はいずれも前の月より小幅に低下した。内閣府は「上昇すると見込む割合が高水準である」と、前の月の「上昇すると見込む割合は高水準であるものの、このところ低下がみられる」から表現を変更した。
態度指数は消費者の「暮らし向き」など4項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化したもの。全員が「良くなる」と回答すれば100に、「悪くなる」と回答すればゼロになる。調査基準日は4月15日で、調査期間は7~20日だった。調査は全国8400世帯が対象。有効回答数は6580世帯、回答率は78.3%だった。

いくつかの統計を取り上げていますので長くなりましたが、いつものように、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは下の通りです。上のパネルは2015年=100となる鉱工業生産指数そのものであり、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷のそれぞれの指数です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期なんですが、直近の2018年10月を景気の山として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に景気後退局面入りを認定しています、というか、もしそうであれば、という仮定で影をつけています。

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鉱工業生産指数(IIP)と商業販売統計については、まだ、非常事態宣言が出る前の3月段階の統計ですから、まあ、こんなもんかという気はします。世間では経済活動は軽く2ケタのダウンという見立てなんでしょうが、それはさらに4月に入ってからの統計に現れる可能性があります。例えば、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは▲5%ほどの減産でしたから、緊急事態宣言下でも人出は8割減を目指すのかもしれませんが、当然ながら、生産がそこまで減少するわけではありません。それでも、経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」から「低下している」に下方修正しています。特に、3月統計では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響は、国内経済よりも海外経済の停滞の方により強く現れており、生産を業種別に見ると、輸出ウェイトの高い自動車工業や生産用機械工業が低下しており、逆に、上昇したのは輸送機械工業(除.自動車工業)やパルプ・紙・紙加工品工業だったりします。まあ、上昇のうちパルプ・紙・紙加工品工業は、次の商業販売統計でも触れるように、国内向けの公衆衛生関連なんではなかろうかという気がします。ただし、前月比▲3.7%の低下を示した生産指数よりも出荷はさらにマイナス幅の大きい▲5.0%減で、その分、在庫は積み上がっていますので、先行き、さらに生産減少の圧力が強まるのは当然で、その意味で、引用した記事にもある通り、補正値でも4月の製造工業生産予測指数の▲1.3%減は、非常事態宣言前とはいえ、とてもミスリーディングといわねばなりません。4月の生産はこの数字よりもっと落ちることは確実です。ただ、報じられている範囲での私の理解からすると、海外経済は4月を底に下げ止まる可能性があり、その点からは我が国の生産も外需のサポートがあれば、それほど大きい落ち込みにはならない可能性も十分あります。もちろん、ここまで楽観的な先行き見通しを明らかにするエコノミストは私くらいであり、COVID-19の拡大次第では、もっと大きく落ちる可能性も否定できません。

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続いて、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた期間は景気後退期であり、このブログのローカルルールは上の鉱工業生産指数と同じです。消費の代理変数となる小売販売額を見ると、消費税率引上げの当月だった10月の前年同月比▲7.0%減から、11月は▲2.1%減、12月▲2.6%減から、今年2020年1月は▲0.4%減まで、着実にマイナス幅が縮小した後、2月はうるう年効果もあって、+1.6%増に転じたものの、3月には▲4.6%減を記録しています。これまた、経済産業省では小売業の基調判断を「増加」から「低下」に引き下げています。業種別の前年同月比で見て、織物・衣服・身の回り品小売業が前年同月比▲22.3%減、また、百貨店などの各種商品小売業が▲21.0%減となった一方で、唯一、医薬品・化粧品小売業だけが+1.5%の増加を示しました。生産統計と整合的であり、COVID-19の影響とも整合的な結果といえます。今後の方向としても、次の消費者態度指数に現れた消費者マインドに加えて、所得が伸びるとはとても思えませんから、先行き回復のメドは立ちません。というか、私には判りかねます。

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ということで、敬愛産業省の2つの重要指標を終えて、1~3月期の四半期データが利用可能となりましたので、上のグラフはいわゆる在庫循環図です。ピンクの矢印の2013年1~3月期から始まって、黄緑色の矢印で示された直近の2020年1~3月期まで、大雑把に、第15循環における2012年の短い景気後退期の後からプロットしていますので、グルッと1周して、ここ1年間、すなわち、4四半期の間、出荷が前年比マイナスで、在庫は前年比プラスという第4象限にあります。まさに、景気後退まっただ中という結果なんですが、COVID-19の影響は右下方向へのシフト、すなわち、出荷のさらなる減少と在庫のさらなる積み上がり、という形で現れることと私は想像しています。四半期データに基づく分析ですので速報性には欠けますが、それなりに注目しています。

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調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影を付けた期間は景気後退期であり、このブログのローカルルールは上の鉱工業生産指数や商業販売統計と同じです。4月統計の消費者態度指数を4つのコンポーネントで前月3月との差を少し詳しく見てると、「雇用環境」が▲12.9ポイント低下し、「収入の増え方」が▲8.5ポイント低下、「暮らし向き」が▲8.1ポイント低下、「耐久消費財の買い時判断」が▲7.7ポイント低下、と軒並み大幅低下だったりするわけですが、一昨日の雇用統計でも強調したように、この結果の背景として、雇用が急速に悪化しているんではないかと私は推測しています。おそらく、人手不足が景気を牽引する、なんて見方は吹っ飛んだんではないでしょうか。調査方法が2013年から変更されていて、どこまで連続性が担保されているのか不明ながら、2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻後には、2009年1月につけた27.5がもっとも低い指数水準で、2008年1月の38.5から1年かかって▲11.0ポイントの低下だったんですが、4月の指数水準が過去最低の21.6と低いだけでなく、今回のCOVID-19の影響によるマインド悪化のスピードははるかにリーマン・ショック時を上回っています。すなわち、今年2020年1月の38.8から4月の21.6までの3か月で▲17.2ポイントの低下を記録しています。従って、というか、何というか、統計作成官庁である内閣府の基調判断は、先月の「悪化」から「急速に悪化」に下方修正されています。これら消費者マインドの先行きも、私には見通せません。

まあ、軽く想像されていましたが、4月最後の経済指標はCOVID-19の影響により、とても暗いものになってしまいました。加えて、先行きの不透明さは従来にないほどで、何とも重苦しい雰囲気を感じているのは私だけではないと思います。

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