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2020年5月 9日 (土)

左派・リベラル派ではない政権交代必要論を読む!

今週の読書は1冊だけで、以下の通りです。緊急事態宣言のため、図書館が軒並み閉館していて、来週以降は読書感想文で取り上げるような読書はないものと覚悟しています。

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田中信一郎『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』(現代書館) です。著者は、千葉商科大学の研究者であり、専門分野は政治学です。現在の政治の仕組みをかなり判り易く解説した上で、政権交代の必要性を解き明かしています。政治の転換は現在の与党には出来ないと断言し、野党への政権交代の必要性を解説しています。その際の現在の政治の最大最悪なポイントは、まさに「省あって国なし」のようなタコツボ的な部分最適化であると指摘しています。ですから、左派・リベラル派のような「反緊縮」とは違いますし、かなり独特の観点だという気がします。私はエコノミストながら、その昔のアダム・スミス的に、各個人が最適化を目指せば神の見えざる手の予定調和により経済全体が最適化される、という厚生経済の命題が今も成り立つとは決して考えませんが、著者の主張する全体最適化の理論は、とてもよく理解できる一方で、ホントにちゃんと運用するとなれば、コストが高そうな直観を拭えませんでした。加えて、人口減少をやや過大に悲観しているような印象もある一方で、人口減少を食い止めるのか、それとも、人口減少に適応したしシステム構築を目指すべきなのか、やや腰が定まらない気もしました。ただ、経済成熟に関しては、成長率の極大化ならともかく、今さら昔の高成長を目指すというのは、どうも政策目標にならないような気がしますから、人口減少や経済成熟に対しては適応するしかないんだろうと私は考えています。なお、最後にどうでもいいことながら、上の表紙画像の帯に見えるお写真は、推薦者の金子教授であって著者ではないような気がします。もっとも、私は著者とは面識がなくて、お顔も存じませんので、あくまで推測です。

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