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2020年6月 7日 (日)

先週の読書は結局2冊!!!

昨日に一昨夜公表の米国雇用統計が割り込んで、毎週土曜日恒例の今週の読書が「先週の読書」になってしまいました。しかもわずかに2冊なんですが、これくらいのペースが続くような気がします。東京都区部の文教ご予算と京都府南部との差なのか、転職直後の私が時間が取れないのか、何なのか、繰り返しになりますが、来週も3冊以内くらいの気がしてなりません。

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まず、リチャード・ボールドウィン『GLOBOTICS』(日本経済新聞出版) です。著者は、米国出身のエコノミストであり、現在はジュネーブ高等国際問題・開発研究所の研究者です。英語の原題は The Grobotics Upheaval であり、2019年の出版です。日本語タイトルから Upheaval を抜いているんですが、まあ、著者としては本書が学術書ではないという意味で入れた語でしょうから、あってもなくても、どちらでもいいような気がします。ということで、見れば明らかな通り、GLOBALとROBOTICSを組み合わせたタイトルです。グローバル化とロボット化が同時に手を携えて世界を変える、という意味なんでしょうが、やや強引な立論だという気がしました。ただ、もちろん、グローバル化とロボット化が世界経済の大きな変革要因だという点については、当然といえます。本書では、特に、遠隔移民テレマイグレーションという新たな用語も交えて、商品が自由貿易に乗って世界を移動するという大変革になぞらえつつ、ただ、少し残念なのは、AI化というソフトの動向ではなく、ロボット化というハード面に着目したのは、少し違和感あります。また、私は大昔にインターネットの普及に関する書評を書いた折、もっぱら生活面での変革を強調していた書評の対象本に関して、生産過程における変革にどのように応用されているか、にもっと着目すべきという批判をした記憶があり、本書もgローバル化とかロボット化といった大変革が生産過程に何を及ぼすのか、本書でも少しだけ雇用について着目しているんですが、やや私の着眼点とは違うような気がしました。ケインズ的な週3日労働といった形で短時間労働経済はやって来るのか、それとも、相変わらずフルタイムで働く雇用者と完全失業者のグループに大きく分断されるんでしょうか。

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次に早くも最後で、京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター[編]『文明と国際経済の地平』(東洋経済) です。本書は、2019年6月に開催されたG20大阪サミットを受けて開催された京都大学経済研究所のシンポジウムの記録を取りまとめています。何人かのプレゼンやパネルディスカッションです。ですから、木に竹を接いだような内容になっていて、内容に一貫性はありませんが、それはそれでOKなのでしょう。それにしても、藤田先生は私がもっとも尊敬するエコノミストの1人なんですが、ややお年を召した、という印象を受けてしまいました。誠にもって失礼千万で申し訳ありませんが、お読みになれば、私の見方もご理解いただける方が少しくらいいそうな気がしないでもありません。

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