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2020年7月27日 (月)

第一生命経済研リポート「GoToキャンペーンと消費減税」やいかに?

連休に入る前の木曜日7月22日に第一生命経済研から「GoToキャンペーンと消費減税」と題するリポートが明らかにされています。タイトルから明らかな通り、私も前々から疑問に感じていたGoToキャンペーンよりも、その財源を使って消費税率を一時的に下げた方がいいんではないか、という議論を展開しています。リポートの主張すべてに賛同するわけではありませんが、いくつかの点で私もまったくそのとおりだと思う部分も少なくないことから、図表とともに簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから GoToトラベルの追加需要創出効果 の試算結果のグラフを引用しています。詳しく書くと、GoToキャンペーンに伴う観光需要創出効果として、以前、GoToトラベルの効果だけで+0.7~+1.4兆円の中央値となる+1.0兆円程度の効果を試算していたらしいのですが、東京除外による▲0.1兆円の効果ダウンはまだしも、東京都民を中心とした旅行マインドが低下するためさらに▲0.3兆円の需要創出が失われ、結果的に、合わせて▲0.4兆円の下振れが生じて、+0.6兆円程度の効果しか見込めなくなる可能性があると、東京除外によりGoToトラベルの需要創出効果がほぼ半減する可能性を指摘しています。

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次に、上のグラフはリポートから 現在の1年目乗数 のグラフを引用しています。詳しく書くと、内閣府の「短期日本経済マクロ計量モデル (2018年版) の構造と乗数分析」から、個人所得税、法人所得税、消費税の乗数を算出しています。個人所得税、法人所得税については内閣府のペーパーから直接引用できるのですが、消費税についてはリポートで独自の計算をしており、単純にいえば、消費増税ケースのシミュレーション結果が「消費税率を1%ポイント引き上げた」ケースで示されており、個人所得税や法人所得税の名目GDP1%減税と平仄を合わせようと試みているようです。結果として、リポートでは、全品目に対して軽減税率を適用すれば、直接的な実質GDP押上げ効果は+2.7兆円(GDP比+0.5%)となるとした上で、これを英独などにならって半年限定で実施すれば、「財源はGoToキャンペーンの1.7兆円に7000億円を上乗せした2.4兆円程度で済み、実質GDP押上効果も1.3兆円程度が期待できる」と指摘しています。

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リポートでは、期限付きの消費税率引下げの実例を独英から取っているんですが、消費税+減税でgoogle検索をかけると、日本共産党の機関紙「赤旗」7月24日付けで、その独英も含めてもっとも詳細な「各国の主な付加価値税減税措置」が取りまとめられていました。上の画像の通り、引用しています。記事のタイトルは「消費税 19カ国が減税 コロナ禍経済対策」なんですが、やっぱり大国に注目して、サブタイトルで「英国 飲食などを半年間20%→5% 独 首相『将来世代の活動を保証』」と英独をに着目しています。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の抑え込みと経済活性化の間には、経済学でいうところのトレードオフがあります。ですから、政府は経済活性化のバイアスを持つのに対して、野党や政府と一定の緊張関係にあるメディアなどはCOVID-19抑え込みを志向する可能性が大いにあります。経済活性化の一環であるGoToキャンペーンを中止して、その財源をすべて医療やCOVID-19抑え込みに振り向けるというのは、どうも党派的な対立を激化させかねないと私は危惧しています。しかし、GoToキャンペーンの財源に少しプラスして消費税率を一時的に軽減するのであれば、何ら根拠ありませんが、コンセンサスが出来そうな気もします。しかも、私が知る限り、財務官僚は極めて優秀です。私のようなボンクラ元官庁エコノミストと違って、10月実施の税制改正案なんて、然るべきスジでリーダーシップを発揮すれば、数日で出来上がりそうな気もします。

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