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2020年7月21日 (火)

4-5月のマイナス圏を脱した消費者物価指数(CPI)の先行きをどう見るか?

本日、総務省統計局から6月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIは前年同月と比べて横ばいを示した一方で、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率は前月5月統計と同じ+0.4%でした。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により国際商品市況で石油価格が低迷しているのが、物価上昇率を低く抑えている一因となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の消費者物価、横ばい エネルギー価格の下落和らぐ
総務省が21日発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、生鮮食品を除く総合指数が101.6と前年同月比で横ばいだった。前月まで2カ月連続で下落していた。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした原油安に伴うガソリンなどのエネルギー関連の価格下落が和らいだ。食料品や交通費も上昇した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.1%下落だった。
ガソリンや電気代、都市ガス代などのエネルギーは前年同月比で5.3%下落した。5月(同6.7%下落)と比べると下落率は縮小した。原油価格は前年の同時期と比べると水準は低いままだが、足元では回復基調にある。
高速道路料金の休日割引が6月中旬まで適用除外となっていたことも、交通費の上昇に寄与した。昨年10月の消費税率引き上げの影響による、すしやビールなど外食の価格上昇も続いた。
一方、インバウンド(訪日観光客)の大幅減少や国内の外出自粛の影響で、宿泊費が引き続き落ち込んだ。19年10月からの幼児教育無償化の影響で、幼稚園や保育所などの料金も下落した。
生鮮食品を除く総合では全523品目中、388品目が上昇した。下落は118品目、横ばいは17品目だった。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は101.9と前年同月比0.4%上昇した。天候不順や、外出自粛に伴う「巣ごもり」需要からじゃがいもやトマトなどの生鮮野菜の価格が上昇した。生鮮食品を含む総合は101.7と0.1%上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

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コアCPIの前年同月比上昇率は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは▲0.1%の下落でしたので、実績がやや上回ったものの、まずまずジャストミートしたといえます。4~5月統計ではコアCPI上昇率がマイナスに落ち込んだ要因としてエネルギー価格の下落が上げられていましたが、引用した記事の通り、直近の6月統計では引き続き下落しているものの、その下落幅が小幅になって影響が和らいでいます。すなわち、4月▲4.7%、5月▲6.7%と、それぞれ下落し、ヘッドラインCPIの前年同月比上昇率に対する寄与度が4月▲0.37%、5月▲0.54%だったのが、6月には前年同月比で▲5.3%の下落ながら、寄与度は▲0.42%とマイナス幅がやや縮小しています。引き続き、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による石油をはじめとするエネルギー価格からの影響が大きいとはいえ、最悪期は脱した可能性があります。ただし、先行きが楽観できるハズもなく、ひとつは10月統計から昨年の消費税率引上げの影響が剥落します。もうひとつは、6月統計では、昨年10月の消費税率引上げから始まったキャッシュレス決済のポイント還元の終了直前に耐久財への駆込み需要が発生した可能性があり、この効果が来月からすぐに剥落します。例えば、前年同月比で見て、家庭用耐久財は5月▲1.3%下落が6月には+2.5%に跳ね上がっており、教養娯楽用耐久財も5月の+2.4%から6月には+3.1%に上昇幅を拡大しています。すべてではないでしょうが、一部なりとも、こういった耐久財の価格上昇はキャッシュレス決済のポイント還元が6月末で終了することに伴う駆込み需要の影響の可能性があります。

他方で、明日の7月22日からGotoキャンペーンが始まります。東京発着はダメになって、キャンセルが相次いでいるとの報道を見ましたが、大混乱の中で、宿泊料などの需要が「蒸発」した分野をはじめとして、どれだけ物価へのインパクトがあるかどうか、私には疑問です。常識的に考えて、Gotoキャンペーンに合わせて値上げにトライする宿泊業者は少ないような気もします。いずれにせよ、この先、年末くらいまで物価は低空飛行が続くものと考えるべきです。

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