« 実に効率よく青柳投手が5回完投で横浜を破って阪神4連勝!!! | トップページ | クローザーの藤川投手が抑え切れずに横浜に逆転負け!!! »

2020年7月11日 (土)

今週の読書は経済書のほかに時代小説の文庫本も含めて計5冊!!!

今週の読書は、大学の図書館で借りたのと京都市図書館で借りたのと2冊の経済書をはじめとして、好きな時代小説のスピンオフ3冊の文庫本と、合わせて計5冊です。大学の図書館は、教員については200冊まで6か月借りられるそうで、さすがに質の高い学術書も多いわけで、活用が進むような気がしますが、学生や院生諸君のためになるべく早めに返却したいと思います。

photo

まず、ジェレミー・リフキン『グローバル・グリーン・ニューディール』(NHK出版) です。著者は、本書では文明評論家となっており、その昔の『エントロピーの法則』から最近の『限界費用ゼロ社会』などまでベストセラーも多く、私もかなり読んだ記憶があります。英語の原題は The Global Grren New Deal であり、日本語の邦訳タイトルはそのままに、2019年の出版です。もちろん、1930年代の米国ローズベルト大統領によるニューディール政策の現代版、特にエネルギーに焦点を当てた政策提案、ということになります。ただし、直接には、本書の冒頭にあるように、2019年2月にオカシオ=コルテス下院議員とエド・マーキー上院議員が議会に提出した「グリーン・ニューディ-ル」決議案に基づいていることを著者自身が認めています。ということで、私が少し前に読んだ『限界費用ゼロ社会』(読書感想文は2016年1月23日)を基に、私の目から見れば、資本主義が大きく変容し、中長期的には雇用が市場セクターから社会的経済=ソーシャル・エコノミーや共有型経済=シェアリング・エコノミーに移る(p.28)とともに、第2部の第5章では、CalPERSといった巨大な年金基金などが、日本でいうところのESG投資を始めて、マルクス主義的なものではない雇用者の支配が投資の面で始まる可能性を示唆しています。実は、余談ながら、私がジャカルタにいた今世紀初頭に、CalPERSがインドネシア国債を投資不適格に格付けし、大騒ぎになった記憶があります。それはともかく、本書では、脱炭素のために化石燃料から再生エネルギーへの転換を図るため、決定的にインフラが重要と主張しています。そうかもしれません。そして、そのインフラを整備するのは政府、特に米国では連邦政府であり、「市場の見えざる手」に任せておくことは適当ではないと強く主張し、1980年代の英米でのサッチャー政権やレーガン政権の進むめたインフラ・サービスの民営化を資産剥奪=アセット・ストリッピングとして否定しています。議論は極めて単純にして、自明なくらい明確です。ただ、現代貨幣理論の財政運営と同じで、実際の政策運営は、たぶんスカスカで、多くの批判がある可能性もありますが、方向としては極めて画期的であり、おそらく、本書の指摘に近い線で歴史が進むような気が私はしています。最後に、どうでもいいことながら、ITC化やIoTなどの通信技術やインターネットの普及などとの議論が少しあいまいです。エネルギー政策を切り離すのか、それとも一体的なものとして取り扱う何らかの必然性あるのか、私は読みこなせませんでした。

photo

次に、尾木蔵人『2030年の第4次産業革命』(東洋経済) です。著者は、シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティングの国際アドバイザリー事業部副部長らしいんですが、コンサルタントではなかろうかと思います。最初に、どうでもいいことながら、直前に取り上げたリフキン『グローバル・グリーン・ニューディール』で「第3次産業革命」と呼んでいるのが、本書では「第4次産業革命」になっています。まあ、同じ内容だろうと私は受け止めていますが、ややこしいことに変わりはありません。本書では、MaaS、5G、IoT、AIなどといった私でも聞いたことのあるテクノロジーとともに、私ごときでは聞いたこともないスマートダスト、サイバーフィジカルシステム、マスカスタマイズ、などの新技術も取り上げています。また、製造業をサービス業とともに焦点を当てており、特に、著者の東京外大ドイツ語学科卒業という経歴からしても、いくつかの国のうちでドイツも大きな注意が払われています。一例として、クツなんて、というと失礼かもしれませんが、ナイキの南アジアのスウェット・ショップが一時注目されたことが私の記憶に残っていたりする一方で、本書ではアディダズのドイツでの生産が新しい潮流として取り上げられていたりします。やっぱり、第3章の注目企業がもっとも紙幅が割かれていて読ませどころなんだと思います。ドイツからはアディダス、シーメンス、また、米国のアマゾン、マイクロソフト、テスラ、加えて、中国ではアリババ、テンセントに対して、日本からはデンソーやユニクロなどが取り上げられています。繰り返しになりますが、決してITC関連企業のトップ技術を持つサービス業だけでなく、製造業の製造工程にも着目しているという意味で、本書の出来は十分評価されるものと考えます。さらに、第4章では国別の第4次産業革命の取り組みが大雑把に外観されています。ただ、本書では随所に、第4次産業革命は規制のない産業や企業が展開するものであるという視点が貫かれているように私は受け止めました。すなわち、こういった先進技術やそれを駆使した企業や国を紹介する書籍では、判で押したように、日本企業が遅れており、場合によっては周回遅れとか、政府の政策が不十分とか、まさに紋切り型の評価しかしていない一方で、本書では、あくまで個別企業に軸足をおいて、政府の政策の重要性は認識されているものとは思いますが、個別企業の事業展開を広く紹介する点が優れていると感じました。グローバルに展開する企業に対して、あくまで国別の視点で凝り固まって、まったくステレオタイプの批判しか持ち合わせていない類書とはかなり違う読み応えがあります。しかも、私のような技術的なシロートにも事例が豊富で読みやすいと感じました。

photo

photo

photo

最後に、佐伯泰英『奈緒と磐音』『武士の賦』『初午祝言』(文春文庫) です。双葉文庫から出版されていて、第51巻で完結した居眠り磐音のシリーズのスピンオフ短編集です。昨年から今年2020年に渡って、なぜか、双葉文庫ではなく、文春文庫から出ています。『奈緒と磐音』はそのものズバリで小さいころからの、というか奈緒が生まれる直前からの奈緒と磐音の馴れ初めを展開します。『武士の賦』では軍鶏の喧嘩剣術と蔑称された痩せ軍鶏の松平辰平とでぶ軍鶏の重富利次郎の2人に、後に利次郎と祝言を上げ夫婦になる雑賀衆の女忍びである霧子をからめた青春物語です。最後の2章に挿入された川越藩での大捕物は、いかにも取ってつけたような感がありますが、私も含めたこのシリーズのファンにはうれしい展開のような気がします。最後の『初午祝言』は表題作の品川柳次郎とお有との祝言をはじめ、後にうなぎ職人・幸吉と祝言をあげるおそめちゃんの小さいころの夏の思い出「幻の夏」、南町奉行所の名物与力・笹塚孫一がまだ17歳のとき謀略により父親の命を奪われる「不思議井戸」、向田源兵衛が女掏摸の用心棒を務め殴られ屋になった経緯を明らかにする「用心棒と娘掏摸、刀剣の研ぎ師・鵜飼百助が用心棒として半日だけ磐音を雇う「半日弟子」と、相互にそれほど関連のない、まさに、スピンオフの短編集です。私は居眠り磐音シリーズの続編で、磐音の嫡男である空也を主人公にした空也十番勝負シリーズはそれほどの興味も覚えず、作者自身も尻切れトンボでシリーズを終えてしまいましたが、コチラの居眠り磐音の続編の方がまだマシ、という気がします。ただ、私自身は読んだことがないのですが、この作者のスペインものはもっとひどいというウワサを聞きました。単なるウワサの聞きかじりですから、念のため。

|

« 実に効率よく青柳投手が5回完投で横浜を破って阪神4連勝!!! | トップページ | クローザーの藤川投手が抑え切れずに横浜に逆転負け!!! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 実に効率よく青柳投手が5回完投で横浜を破って阪神4連勝!!! | トップページ | クローザーの藤川投手が抑え切れずに横浜に逆転負け!!! »