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2020年8月 4日 (火)

IMF Blog に見る新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による不平等問題!!!

とても旧聞に属するトピックながら、IMF Blog で7月下旬に新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響による経済的な不平等の記事がいくつか出ています。先月7月は、私のこのブログでもいくつかの国際機関、すなわち、OECDやIMFやUNCTADのリポートを引いて、COVID-19に起因する雇用や所得の不平等に関して着目しましたが、その続きです。グラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフは、7月21日付け IMF Blog の The COVID-19 Gender Gap と題する記事から引用しています。COVID-19による男女格差の拡大については、第1に、女性は男性よりも社会的セクター、すなわち、サービス業、小売業、観光業、ホスピタリティなど対面での接触が必要なセクターで働いている可能性が大きく(First, women are more likely than men to work in social sectors - such as services industries, retail, tourism, and hospitality - that require face-to-face interactions)、第2に、低所得国では女性は男性よりもインフォーマル・セクターで雇用されている可能性が高く(Second, women are more likely than men to be employed in the informal sector in low-income countries)、第3に、女性は男性よりも無償の家事労働を多く行う傾向、正確には、1日あたり2.7時間多くなっている(Third, women tend to do more unpaid household work than men, about 2.7 hours per day more to be exact)と3つの理由を上げています。上のグラフは、理由の2番め、すなわち、低所得国においてインフォーマル・セクターで女性がより多く働いている現状を表しています。横軸は1人あたりのGDP、縦軸はインフォーマル雇用の男女比であり、1.0を上回ると女性の方が多いということになります。もう日本ではほとんど見かけなくなったメイドさんなどと考えられます。

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次に、上のグラフは、7月23日付け IMF Blog の Unemployment in Today's Recession Compared to the Global Financial Crisis と題する記事から引用しています。ソースとなる研究成果は先月7月16日付けのこのブログの記事と同じですが、今回のCOVID-19パンデミックによる景気後退局面と、前回のいわゆるリーマン・ブラザーズ破綻時の金融危機後の景気後退局面と、テレワーク=在宅勤務については事情は同じであり、対面での接客などを必要とするソーシャル・セクターに比べて、テレワークが出来る職業には高スキルで教育程度の高い雇用者が就いており、いずれの景気後退局面でも低賃金労働者は上位所得層よりも悲惨である(During both recessions, low-income workers have suffered more than top-income earners)と結論しています。

何度でも繰り返しますが、今回のCOVID-19パンデミックに起因する景気後退局面における最大の課題のひとつは格差問題です。もちろん、重症化しやすい感染症ですので、命のみならず健康を守ることが最大の優先課題であることは、専門外のエコノミストでも理解していますが、経済的には不平等の拡大を重視すべきであり、かつてのワシントン・コンセンサスを推し進めた国際機関ですらこうなのですが、格差問題にまったく注目していない我が国の現状をとても不思議に思っています。

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