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2020年10月26日 (月)

企業向けサービス価格指数(SPPI)は底堅い動きを示す!!!

本日、日銀から9月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は+1.3%でした。消費税率引上げの影響を除くと▲0.5%の下落でした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の企業向けサービス価格、増税除き0.5%下落 下落率は縮小 広告需要などで
日銀が26日発表した9月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は104.0と、前年同月比で1.3%上昇した。19年10月の消費税率引き上げの影響を除くと前年同月比で0.5%下落した。下落は7カ月連続となるが、広告需要の持ち直しなどを背景に8月と比べると下落率は縮小した。
自動車や日用品のテレビ向け広告需要が高まったほか、決算前の企業の予算消化を目的にインターネットの検索連動型広告も8月と比べ増えた。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」を受けて、宿泊サービス価格の前年比下落率が縮小したことも指数を支えた。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて荷動きが低調な外航貨物輸送などが、下押し要因となった。
日銀は「新型コロナがサービス価格の重荷になっている状況は続いている」と分析。足元で持ち直している広告や宿泊サービスの動向などについて、注視する姿勢を示した。
企業向けサービス価格指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルはヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、下のパネルは日銀の公表資料の1枚目のグラフをマネして、国内価格のとサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。財の企業物価指数(PPI)の国内物価よりも企業向けサービス物価指数(SPPI)の方が下がり方の勾配が小さいと見るのは私だけではないような気がします。いずれも、影を付けた部分は景気後退期なんですが、このブログのローカルルールで直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に認定しています。

photo

今年2020年に入ってからの企業向けサービス価格指数(SPPI)上昇率の推移を概観しておくと(カッコ内は昨年2019年10月からの消費税率引上げの影響を除くベース)、2月統計の+2.1%(+0.4%)の後、3月統計の+1.4%(▲0.4%)で消費税率引上げを除く、いわば、「実力ベース」で前年同月比マイナスに転じ、4月統計の+0.8%(▲1.0%)から5月統計は+0.4%(▲1.4%)まで、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で一気に上昇率が縮小しましたが、6月統計で+0.8%(▲1.0%)、7月統計で+1.1%(▲0.7%)、8月統計でも+1.1%(▲0.7%)、そして、本日公表の9月統計では+1.3%(▲0.5%)の上昇と、5月を底に消費税を含む上昇率も緩やかに拡大してきました。ただし、何度か繰り返して書きましたが、10月統計からは物価の前年同月比上昇率は消費税率引上げの影響が剥落して、マイナスを記録する可能性が高いと考えるべきです。
品目別に少し詳しく見ておくと、消費税を含む前年同月比上昇率+1.3%への寄与度で見て、労働者派遣サービスや土木建築サービスを含む諸サービスが+0.69%の寄与となっていて、引き続き、人手不足の影響がまだ残ってる可能性が示唆されています。ただし、同じ諸サービスの大類別に入る宿泊サービスは8月、9月ともに「Go To トラベル」の影響で前年度同月比が▲30%を超えてマイナスに落ち込んでいます。また、ソフトウェア開発をはじめとする情報通信の寄与度も+0.33%あり、続いて、道路貨物輸送などの運輸・郵便も+0.16%の寄与を示していて、ここにも人手不足の影響が残っている可能性があります。いずれにせよ、企業向けサービス価格指数(SPPI)上昇率は10月統計ではマイナスとなる可能性が高そうですが、消費税を除く実力ベースでは5月を底に緩やかに下落幅を縮小し、COVID-19の影響が軽減されれば、プラスの上昇率を取り戻すのはそう遠くない、と私は楽観しています。

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