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2020年10月 2日 (金)

悪化が続く8月の雇用統計とマインド指標らしく改善に向かう9月の消費者態度指数!!!

本日、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が公表されています。いずれも8月の統計です。失業率は前月から+0.1%ポイント上昇して3.0%、有効求人倍率は前月から▲0.04ポイント低下して1.04倍と、雇用は明らかに悪化を示しています。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響によるものと考えるべきです。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

完全失業率3.0%に悪化、求人倍率1.04倍に低下 8月統計
雇用情勢の緩やかな悪化が続いている。8月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月比0.1ポイント上昇した。3%台は3年3カ月ぶり。完全失業者は200万人を超え、勤め先都合の離職が増えた。パート、契約社員ら非正規雇用が減少している。8月は有効求人倍率も1.04倍と前月から0.04ポイント低下し、6年7カ月ぶりの低水準となった。
総務省が2日発表した8月の労働力調査によると、完全失業率は2カ月連続で悪化した。3%台は2017年5月(3.1%)以来。近年は人手不足を背景に2%台の低水準で推移していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気低迷によって悪化に転じた。
完全失業者(原数値)は206万人で前年同月比49万人増えた。このうち39万人は勤め先や事業の都合による離職で同19万人増えた。失業者の増加は7カ月連続。
休業者は216万人で7月から4万人減った。過去最高だった4月(597万人)からは大幅に減り、新型コロナの感染拡大前とほぼ同じ水準に近づいてきた。
休業者は出産や育児などで休業している人が含まれる。総務省によると、7月に休業していた人のうち3割弱は8月に職場に戻り、6割弱は休業を続けている。完全失業者になった人は4%程度だった。
雇用環境は特にパートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用で厳しい。非正規雇用者数は前年同月に比べて120万人少ない2070万人となり、6カ月連続で減少した。派遣社員も13万人少ない127万人だった。一方、正社員は3535万人で38万人増加し、3カ月連続で増えた。総務省は正社員が増加している背景に、一部産業での人手不足があるとみている。
厚生労働省が同日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は8カ月連続の低下となった。同倍率は仕事を探す人1人に対し、何件の求人があるかを示す。企業からの有効求人は前月から0.9%増えたものの、働く意欲のある有効求職者が4.7%増えた。
雇用の先行指標となる新規求人(原数値)は前年同月比で27.8%減った。減少幅では宿泊・飲食サービス業が49.1%、生活関連サービス・娯楽業が41%と大きかった。製造業(38.3%)や情報通信業(34.6%)、卸売業・小売業(34%)など幅広い産業で大きく落ち込んだ。
新型コロナに関連した解雇・雇い止めにあった人数(見込みを含む)は9月25日時点で6万923人だった。製造業と飲食業でそれぞれ1万人前後に達した。厚労省が全国の労働局やハローワークを通じて集計した。

いつものように、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、雇用統計のグラフは下の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。景気局面との関係においては、失業率は遅行指標、有効求人倍率は一致指標、新規求人数は先行指標と、エコノミストの間では考えられています。また、影を付けた部分は景気後退期であり、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで認定しています。

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失業率に関して日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは8月は3.0%に上昇するという見込みでした。有効求人倍率も日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは8月には1.05倍に低下する予想が示されていたものの、実績はコンセンサスを下回る1.04倍でした。すなわち、マーケットの予想を上回るペースで雇用の悪化が進んでいる、と考えるべきです。正社員向けの有効求人倍率についても長らく1倍を上回っていましたが、緊急事態宣言が出た4月統計から1倍を下回るようになり、本日発表の8月統計でもさらに下げています。ただ、引用した記事の最後かtら2つ目のパラにあるように、雇用の先行指標と見なされている新規求人については、季節調整していない原系列の統計はそのとおりですが、季節調整済の系列では先月から改善していますし、このところ下げ止まっているように見えます。雇用統計公表時に注目しされ始めた休業者についても、総務省統計局による「表2 休業者の内訳」によれば、激増した4月の597万や5月423万人からはかなり落ち着いて、8月には216万人と減少しました。昨年8月が202万人ですから、大きな違いはありません。COVID-19の影響が大きいと考えられている宿泊業、飲食サービス業でも、4月は100万人を超えていた休業者が23万人まで減少しています。我が国も含めて先進国経済の底は4~6月期であったことは緩やかなコンセンサスがある一方で、失業率などは典型的な遅行指標ですし、我が国の雇用指標についてもまだ悪化を示す可能性は十分あります。もちろん、最悪期を脱した可能性もあるものの、もしそうだとしても、日本経済も世界経済も回復過程はかなり緩やかなものとなり、COVID-19パンデミック前の水準に戻るまで長い期間がかかることは覚悟せねばなりません。

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雇用統計のほかに、本日は内閣府から9月の消費者態度指数が公表されています。本年2020年5月の底を暫定的に認定した景気を少しリードして、マインド指標らしく4月に21.6で底を打った後、5月にやや回復を示して24.0、6月28.4から、7月29.5、8月29.3と、COVID-19の感染再拡大に歩調を合わせて夏場に足踏みした後、9月は32.7と改善を示しています。統計作成官庁である内閣府では、基調判断を先月の「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から、「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」に上方修正しています。グラフは上の通りです。

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