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2020年11月10日 (火)

急回復を示す景気ウオッチャーとほぼコロナ禍前の水準に戻った経常収支!!!

本日、内閣府から10月の景気ウォッチャーが、また、財務省から9月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、10月の景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+5.2ポイント上昇の54.5を示し、先行き判断DIも+0.8ポイント上昇の49.1を記録しています。9月の経常収支は、季節調整していない原系列で+1兆6602億円の黒字を計上しています。貿易収支が黒字となっており、原粗油の輸入が量も価格も落ち込んでいます。まず、統計のヘッドラインを手短に報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

10月の街角景気、現状判断指数は6カ月連続改善
内閣府が10日発表した10月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は54.5で、前の月に比べて5.2ポイント上昇(改善)した。改善は6カ月連続。家計動向、企業動向、雇用が改善した。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は49.1で、0.8ポイント上昇した。改善は3カ月連続。家計動向、企業動向、雇用が改善した。
内閣府は基調判断を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している」から「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、着実に持ち直している」に変更した。
9月の経常収支、1兆6602億円の黒字 75カ月連続の黒字
財務省が10日発表した9月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆6602億円の黒字だった。黒字は75カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は1兆9924億円の黒字だった。
貿易収支は9184億円の黒字、第1次所得収支は1兆7139億円の黒字だった。
同時に発表した4~9月期の経常収支は6兆6901億円の黒字だった。貿易収支は95億円の黒字、第1次所得収支は10兆3639億円の黒字となった。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、長かったです。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に認定しています。

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よく知られているように、消費者マインド指標としては、本日公表の景気ウォッチャーとともに消費者態度指数があり、どちらもこのブログで取り上げているところながら、消費者態度指数はダイレクトに消費者世帯のマインドを調査しているのに対して、景気ウォッチャーは消費者マインドを反映しそうな事業者の供給サイドの指標となっています。ですから、消費者態度指数は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染の再拡大が明確に認識されるようになった8月には、雇用環境、暮らし向き、収入の増え方が低下したことから前月差でマイナスを記録しましたが、7月下旬からGoToキャンペーンの一部が開始されたこともあって、供給サイドのマインドである景気ウォッチャーの方はほぼほぼ一貫して前月サプラスとなり、特に、9月からは飲食関連がジャンプするなど、引用した記事にもある通り、COVID-19による緊急事態宣言が出た4月を底として6か月連続で前月から改善を示しています。しかも、現状判断DIの水準が54.5ですので2013年末から2014年1~3月期、すなわち、アベノミクス初期の消費税率の5%から8%への引上げ前の水準に達してしまいました。4月の水準が7.9だったわけですから、この9~10月の伸びは私も少し驚いています。ただ、先行き判断DI8~9月にはジャンプしたものの、10月統計では伸びが小さくなっていますので、さすがに、私が懸念するほどまでには楽観的ではない、ということなんだろうと推測しています。特に、飲食関連の先行き判断DIが10月には前月差▲2.5ポイントの大きなマイナスとなっています。これは先行きのマインドをそのまま反映しているのか、それとも、GoToキャンペーンが期待したほどではなかった、ということなのか、景気判断理由を見ても私には判然としませんでした。いずれにせよ、もうひとつの需要サイドのマインド指標である消費者態度指数が10月統計でやや伸びが小さくなっていますので、景気ウォッチャーもご同様にこの先少し伸びが鈍化する可能性が十分あるんではないか、と私は考えています。

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次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。ということで、上のグラフを見れば明らかなんですが、上のグラフを見れば明らかなんですが、COVID-19の影響は経常収支でも最悪期を脱した可能性があります。内外の景気動向の差に基づく貿易赤字が主因となって経常収支が落ち込んでいましたが、季節調整済みの系列で見る限り、貿易収支は7月統計から黒字に転じ、本日公表の9月統計でも貿易黒字が拡大しいています。経常収支も上のグラフに見られるように、急回復を示しており、COVID-19の影響は最悪期を脱している可能性が高いと考えるべきです。ついでながら、もうすぐ、7~9月期GDP統計統計速報1次QEが公表されますが、経常黒字GDP比は私の計算では4~6月期には+1.6%まで落ちていたところ、おそらく+3%前後まで上昇するんではないか、と想像しています。

その7~9月期1次QE予想は日を改めて取り上げる予定です。

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